トップページ

その1  1日目朝

 

朝一から淡路島観光を始め、旅行1日目で淡路島一周を済ませたかったので、3:30起床の4:00に自宅を出発。東広島市の西条ICから山陽自動車道に入り、岡山県を通過して兵庫県神戸市までひたすら東へ進む。高速道路は終始空いていて、約270kmの道のりを3時間弱で走り、7:00前には明石海峡大橋を渡り淡路島に入る。そして明石海峡大橋を渡った直ぐ先にある淡路SAに立ち寄り。淡路SAは観覧車がある珍しいSA。全国で観覧車があるSA・PAは3ヵ所だけらしい。もちろん淡路SAに立ち寄ったのは観覧車が目的ではなく、明石海峡大橋の展望スポットになっているから。世界最長の吊橋である明石海峡大橋の全景を眺望することができる。

淡路SA

淡路SAから明石海峡大橋を眺望

道の駅あわじ

(みちのえきあわじ:兵庫県淡路市)

淡路SAと繋がっている淡路ICから高速道路を下りて、淡路島の北端にある「道の駅あわじ」へ。駐車場入口には、「サイクリング 釣り目的の駐車はお断りします」と大きく書かれた看板が。このあと他の道の駅やパーキングでも同じような看板を目にする事になる。ロードバイクで淡路島を一周する際は道の駅に車を停めておこうと思っていたのだが、どうやらそれは迷惑行為になってしまうようだ。それだけサイクリングや釣り目的の観光客が多いということだろうか。いずれにせよ、もしも今度サイクリング目的で淡路島を訪れる時は有料駐車場に停めようと思った。まぁ、このあと車で淡路島を一周してみて、自分がサイクリングで淡路島一周することはまず無いだろうと確信したのだが…

厳しいなぁ…

明石海峡大橋

巨大なアンカレイジ

明石海峡大橋たもとにある道の駅からは、対岸の神戸市まで伸びる明石海峡大橋を目の前から眺望できる。全長は3,911mもあり、世界最長の吊橋としてギネスに認定されている。間近から眺める明石海峡大橋はとにかくデカイ、そして長い。吊橋のケーブルを固定するアンカレイジという橋台もかなりデカイ。主塔の高さは海面から298.3mあり、国内の構造物としては東京スカイツリー、東京タワー、あべのハルカスに次ぐ高さ。それにしても、4kmも離れた陸地を1本の吊橋で繋いでしまうという発想が凄い。このような巨大な構造物を目の当たりにする度に、人って凄いなぁとしみじみ思う。

<< SCROLL    道の駅あわじから眺める明石海峡大橋 パノラマ写真180°    SCROLL >>

道の駅は松帆アンカレイジパークという公園になっていて、公園内には明石海峡大橋の建設に使われたシンカーと呼ばれる重りや潜水艇が展示されている。説明を読んでみたが内容が専門的でよく分からなかった… ちなみに着工は1988年で建設当初は全長3,910mだったのだが、1995年の阪神・淡路大震災で地盤のズレが発生して1m全長を伸ばすことになった。大震災は本当に恐ろしい。開通は1998年。

鋼製シンカー

潜水艇

橋の真下から眺める

橋の左手からも眺める

道の駅あわじから時計回りに淡路島一周開始。時間は7:50。この日の明石海峡大橋は日没〜24:00までライトアップされることになっていて、島を一周して再び道の駅あわじを訪れ、明石海峡大橋のライトアップを見物するという計画。できればそのあと直ぐに淡路島を南下し、淡路島と四国徳島を繋ぐ大鳴門橋のたもとにある「道の駅うずしお」へ行き、大鳴門橋のライトアップも見物したいところなのだが、大鳴門橋は日没〜21:00とライトアップの終了が早いので諦めた。

絵島

(えしま:兵庫県淡路市)

まずは道の駅あわじから2kmほどの場所にある絵島に立ち寄り。駐車場は無いので、隣の漁港にある公園の駐車場に車を停める。絵島は特徴的な色形をした岩ではあるが、観光スポットとしての印象は弱い。まぁ通り沿いにあるのでついでに立ち寄ってみようと。

絵島

鳥居と社がある

絵島は別名「おのころ島」と呼ばれ、古事記や日本書紀に出てくる伝承地らしい。島と言っても大きな岩で、侵食で岩肌は特徴的な模様をしている。岩の最上部には鳥居と社があり、上まで続くと思われる道が島の側面に沿って続いているのだが、途中で足場が崩れているように無くなっていて足止め。ちょっと無理をすれば進めそうな気もしたが、足を踏み外して転落する危険があるので引き返す。自分が20代だったら若気の至りで無理していたかも知れない。

特徴的な岩肌

側面の道を進むが…

島の前を通る道路にはサイクリングロードを示す案内板。絵島の隣に岩屋港と有料駐車場があり、ここが淡路島一周サイクリングの一般的なスタート/ゴール地点になっているのだろうか。しまなみ海道などの広島県に点在するサイクリングスポットには、路側帯にサイクリングコースを示すブルーラインが引かれているが、淡路島を外周する道路には引かれていない。また、国道になっている淡路島東岸沿いの道路でも道幅の狭い所が多く、自転車の走行は右側を通過する車を常に意識しなければならず、しまなみ海道と比べるとあまり快適なサイクリングコースとは言えない。まぁ、サイクリストの聖地と比較するのが間違いかもしれないが…

淡路島一周150km

絵島のそばで緑に埋もれた家発見

淡路島観光開始からサイクリストの姿をぼちぼち見かけるが、ほとんどがレーサーパンツを履いてロードバイクを運転する本気モードのサイクリスト。一周150kmという距離や道路の状態からして、景色を楽しみながらの観光サイクリング向きではなく、スポーツサイクリング向きのコースという印象。この時点で、自分はサイクリングで淡路島一周するのを止めておいて正解だったのかもしれないと思い始める。

平和観音寺

(へいわかんのんじ:兵庫県淡路市)

絵島から東岸沿いの国道を南下していく。国道が終わる洲本まで立ち寄る場所は無く、道路は海岸線より一歩離れたところが多くあまり海を眺められず、淡路島一周開始早々から退屈だなぁ、などと思いながら運転していると、前方に真っ白な観音像が姿を現す。観音像はかなり大きなもので、淡路島を代表するスポットの一つとなっていてもおかしくないのだが、旅行計画を立てる際にネットで観光スポットを一通り調べた時には、この観音像は一度も出てこなかったので不思議に思う。

世界平和大観音像

国道沿いにそびえる観音像は、平和観音寺に建つ世界平和大観音像というもの。目の前から観音像を見上げると、首の部分が展望台になっているのが分かる。とにかく大きいのだが、観音像の造形や質感にチープさを感じ、観音らしい風格が無く張りぼて感が強い、というのが個人的な印象。長いこと東京で生活していた自分には、大きな観音像と言えば千葉県富津市にある東京湾観音が思い浮かぶが、そちらと比べてしまうとかなりチープな外観。

首周りに展望台

淡路島にも島四国

平和観音寺の入口付近に「西国三十三ヶ所霊場巡り」と刻まれた石碑と札所の案内板があったので、淡路島の島四国霊場の一つなのかと思ったが違った。で、入口にある大きな門は閉ざされ雑草が伸び放題で、その隣にある十重塔は老朽してネットで覆われている。それを見て何となく予想はできたが、観音像が建つ高台まで続くと思われる坂道が門の隣にあったので、とりあえず道に入る。

平和観音寺の門と十重塔

窓ガラスが割れている…

高台へ続く道も雑草が生え放題で、明らかに管理放棄されている状態。そして観音像の土台である建物をよく見てみると、窓ガラスの割れた場所が。やはりこれは廃墟だった。ネットで淡路島の観光スポットとして出てこなかったことにも納得。淡路島は随分と大きな廃墟を生んでしまった。

高台の上に着くと観音像の裏手で、広い敷地は一面草が生い茂っていた。元は広い駐車場だったのか、どうなっていたのかさっぱり分からない。逆光で灰色のシルエットとなり高くそびえる観音像の後姿は少々不気味。そして高台の片隅に何故か自由の女神。サイズは小さいが再現度が高くよく出来ている。さらに建物の隣には、錆と変色で無残な姿になってしまった本物の蒸気機関車。これはかなり勿体無い気がする。

高台は一面草に覆われている

寺なのに自由の女神…

ボロボロの蒸気機関車

10年放置でこうなってしまうのか…

平和観音寺は2006年2月に閉館し廃墟となって10年。観音像は高さ100mもあり、建造当時は世界最大の像として話題になったらしい。自由の女神もSLもありでB級観光スポットみたいな場所だなと思ったが、建物内には創設者の個人コレクションであるクラシックカーや時計、陶芸品や民族品などを展示した博物館になっていたとの事で、正にB級観光スポットだった。観音像に全く風格を感じないのにも納得。しかも、観音像首元の展望台がむち打ち症治療用のギプスを連想させることから、「むち打ち観音」とも言われていたらしい。これじゃ廃業になっても仕方ない。

建物正面入口

建物テラスから海を眺める

とりあえず建物の周りをぐるっと一周。建物正面入口を含め、1階の窓のほとんどが木製の板で塞がれ中に入れないようにしているが、所々窓越しに中の様子が見える場所も。そして1ヶ所ガラスが割られ建物内に入れそうな場所が。廃墟の探検には興味があるが、かなり老朽化が進んでいるようで危険なのでやめておく。自分が20代だったら若気の至りで侵入していたかもしれない。

窓越しから1階内部の様子

こんなにいっぱい何に使ったんだ

ここから入れそうだけど…

千光寺

(せんこうじ:兵庫県洲本市)

海沿いばかりではなく山の上にある展望スポットにも行っておきたいということで、淡路島のほぼ中央にある先山(せんざん)の山頂にある千光寺へ向かう。平和観音寺から国道をさらに南下し、途中で何か見所があれば立ち寄ろうと思いつつも特に無く、道の駅あわじから約35km進んだところで淡路島最大の市街地である洲本市街に入る。市街から西へ進み先山に入り、細く曲がりくねった山道を上って千光寺に10:00到着。

高野山真言宗の別格本山

不動堂

道の真ん中に猫

こっちを見てると思ったら…

寝ていた

駐車場から茶屋の前を通り、石段を上ったところに不動堂。千光寺は淡路島十三仏霊場の第一番札所で、不動堂には十三仏があるらしいのだが、旅行時はそんな事知らなかったので素通り。それよりも本堂へ続く道の真ん中で寝ている猫に夢中になっていた。猫はかわいい。

展望台

展望台からの眺め

不動堂よりさらに石段を上った所に展望台が。先山より南の風景を眺望できるのだが、視野が狭く景色を広く見回すことができないのが残念。眺めは低い山々が連なり、盆地には田畑が広がり、家屋がポツポツ散らばる風景。

展望台からの眺め

展望台の向かいある石段を上ったところに仁王門があり、その先に本堂。本堂の周囲や裏手までまわってみたが、何処も木々で覆われ外の景色はほぼ見えない。どうやら外の景色を眺められるのは仁王門手前の展望台のみのよう。もっと広い風景を見られる展望スポットだと思っていたので少しガッカリ。もっとよく調べておくべきだった。まぁ、千光寺を訪れたこと自体は損ではなかったのでよしとしよう。

仁王門

仁王門から本堂を見る

三重塔

仁王門と本堂の間には三重塔が建っている。本堂では読経が行われていた。そして本堂の前には狛犬ならぬ狛猪。普段は社寺を訪れても細かいところまで見ていないが、狛犬が猪なのは珍しいのではないだろうか。

狛犬ではなく狛猪

本堂