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その4  2日目午前

 

道の駅うずしお

(みちのえきうずしお:兵庫県みなみあわじ市)

毎度の事ながら夜中に寒くて目を覚まし、ヒーターを点けて車内を温め、自分の身長ほどあるブランケットを首元から足先まで掛けて再び眠る。その後も二度ほど目が覚め、熟睡した感が無いまま6:45の目覚めで睡眠を終了。何処かで日の出を眺めようかと前日に考えたのだが、早起きするのが面倒になり、結局日の出時刻より約1時間半も遅れての起床。

道の駅から眺める大鳴門橋

旅行2日目も朝は雲ひとつない快晴。やっぱり日の出見物すればよかったかなと少し後悔。気を取り直し大鳴門橋が見える道の駅の突端へ。前日の明石海峡大橋と比べてしまうと、大鳴門橋は大きさも形も至って普通の橋に見えてしまう。実際は全長が1,629mもあり十分大きな橋だが、それでも明石海峡大橋の全長の半分にも満たない。いかに明石海峡大橋が大きな橋であるかを改めて実感させられた。

干潮で橋の基礎部分がむき出し

海水の流れが非常に速い

大鳴門橋が架かる鳴門海峡は潮の満ち引きで起こる潮流が日本で最も速く、渦潮がたくさん発生する事でも有名な場所。この日は7:30の時点で潮流が発生していて、北から南へ向けて流れの速い川のように海水が流れていた。しかし渦潮は発生していない模様。大鳴門橋には「渦の道」という、鳴門海峡の渦潮を見下ろすことができる遊歩道がある。この旅行2日目朝が潮流時間と重ならなくても渦の道観光はする予定だったので、偶然にも潮流が発生していたので運がいい。もしかしたら渦潮も見ることができるかもしれないと期待がふくらむ。渦の道がある対岸の四国徳島県の鳴門公園へ向け、大鳴門橋を渡る。

鳴門公園

(なるとこうえん:徳島県鳴門市)

8:00過ぎに鳴門公園に着くと、すでに駐車場には車が沢山停まっていて観光客が多い。どうやら人気の観光スポットのよう。鳴門公園には2010年10月に初訪問していて、約5年半振りに見る風景に懐かしさを感じる。初訪問では6:00台と早い時間に訪れたこともあり、渦の道観光はパスしてしまった。

渦の道へ向かう

駐車場から早速渦の道へ向かう。大鳴門橋の上に架かる歩道橋からは、淡路島まで真っすぐ延びる大鳴門橋を眺望。なかなかいい眺めだ。鳴門公園には海峡や橋を眺望できる展望台が数ヶ所あり、他にも大鳴門橋架橋記念館や国際美術館などの施設もあるが、今回の目的地は渦の道のみ。展望台は初訪問で一番見晴らしのよい場所へ行っているし、基本的に展示物の見学には関心が無いので…

歩道橋から眺める大鳴門橋

渦の道入口の手前には、「本日の渦潮の巻く時間」が表示されていた。干潮は8:00〜9:00で現時刻が8:30ちょうどと、偶然にもなかなかいい時間からの渦の道散歩。干潮の潮流は7:30にはすでに始まっていたので、潮流が発生している時間=渦潮の巻く時間、という訳でもないよう。気象条件により時間は異なります、とも書いてある。入場料510円(大人)を払って渦の道へ入る。

渦の道入口

渦の道

大鳴門橋の橋げたに設置された渦の道は、右手の海側はガラス張りで左手の橋内部側は金網のみ。橋内部側からは雨風が入り込まないためと思われ。渦の道を進んでいくと所々にガラス床がある。高所恐怖症の人には通れない障害物かもしれない。ガラス床から渦潮を眺められたら面白そうだが、そうタイミングよく渦潮は発生してくれない。海面から渦の道までの高さは約45m。

内側は金網のみ

ガラス床

渦の道からの眺め

あっちの通路の方が楽しそう

渦の道は入口から約450m続いていて、突き当りの展望室が渦潮の発生地点に最も近い場所。展望室のガラス越しに鳴門海峡の潮流風景を見下ろすと、海面は広範囲に乱れていてあちこちで小さな渦が見える。しかしパンフレットに載っているような大きな渦は見当たらない。

渦の発生地点を見下ろす

小さな渦

展望室

展望室のガラス床

しばらく同じ場所から潮流を眺めていたが、結局期待したような大きな渦潮を見ることはできなかった。少し残念ではあるが、渦の道の海上散歩は十分に楽しめたのでよしとしよう。

展望室から橋げたを眺める

鳴門公園を眺める

お腹が空いたので渦の道散歩の後は食事。香川県と言えばやっぱりうどん!…いや、淡路島と向かい合った鳴門公園は徳島県だった。しかしうどん県が隣県なためか、公園内には複数のうどん屋がある。その中の1軒の、1階が土産屋で2階がうどん屋になっている店に入店して「とりにくうどん」を注文。大鳴門橋がいい感じに眺められる窓際で食事。観光地の飯屋なので味は期待していなかったが、思いのほか美味しく満足。

香川じゃないけどうどん

お茶園展望台からの眺め

食事をしたうどん屋のすぐ先に展望台があったので、ついでに立ち寄り。鳴門公園のパンフレットに”最高の撮影ポイントだよ”と書かれてある「お茶園展望台」。確かに大鳴門橋の全景をいい角度で眺望できる。ただ、そろそろ橋を眺めるのにも飽きてきた。まだ明石海峡大橋と大鳴門橋のふたつしか見ていないが、普段からしまなみ海道など瀬戸内海の橋をよく目にしているのが要因と思われ。しかしこの後にもうひとつ、瀬戸大橋が控えている。

丸亀城

(まるがめじょう:香川県丸亀市)

鳴門公園を出て最寄の鳴門北ICから高松自動車道に入り、徳島県から香川県へ移動。約90km走って出坂ICで高速を下りて丸亀城へ。丸亀城は創建当時の状態を維持し続けている現存天守。特別城に関心があるという訳ではないが、全国に12しか残されていない現存天守が旅行先もしくはその近辺にある場合は、なるべく立ち寄るようにしている。

丸亀城

大手二の門

12:00に丸亀城に到着。城内駐車場は満車で何とか車を停める。外は日差しが強く結構な暑さ。正直あまり外を歩き回りたくない気分だが、丸亀城天守は高台の上にある。それにしても、下から見上げる天守は随分と小さく見える。高台に積まれた石垣の方が立派で天守がおまけのよう。小規模な天守であることは知っていたが、実際に目にすると拍子抜けするほどに小さい。

一応、正門に当たる門から入って観光を始めようと、駐車場から大手二の門へ移動。内堀に架かる橋を渡って大手二の門をくぐり、さらに大手一の門をくぐった先で、「丸亀じゃんご」というお笑い芸人?がライブを行っていた。丸亀市専属住みます芸人…丸亀市のみで活動している芸人だろうか。即席の椅子に腰を下ろして観ている観客は10人ほど。ぼちぼち笑いが出ている。自分も少し観てみようかと思ったところでちょうどライブが終わってしまった。

標高66mの高さにある天守を目指し、見返り坂という坂道を上る。この坂道が結構な急傾斜で距離も長い。転んだら下まで転げ落ちそうなほど(少し誇張)。足腰の弱い高齢者には大変かもしれない。坂を上った先には「石垣の美」と題された石垣がある。亀山城の石垣の中で最も高く、20m以上の城壁が続いている。その角部が「扇の勾配」と呼ばれている。石が綺麗に積まれ緩い曲線を描いた石垣は確かに美を感じる。丸亀城は「石の城」とも呼ばれ、石垣の名城として有名らしい。

石垣の美

見返り坂

程なくして頂上である本丸に到着。歩いた距離は大したことないが、暑い中坂道や階段を上って汗をかいてしまった。間近で見る丸亀城天守はやはり小さく、天守というよりやぐらのよう。さすがの現存天守もこれだけ小ぶりだと存在感も小さい。何でこんなにも小さな天守を建てたのだろう。築城した武将の権力が天守の大きさにも関わったりするのだろうか。この天守は四国内にある四つの現存天守の中では最も古く、日本で一番小さな現存天守との事。

丸亀城天守

天守最上階

入城料200円を払って天守内へ入る。中にはお決まりのように鎧など当時のものが展示。小さな天守だけに内部は狭く、展示物の数は少ない。現存天守だけあって内部の造りは木造で雰囲気がある、でも狭い。天守最上階からは窓越しに周囲の景色を一望。しかし3階建てと低層なので、本丸からの眺めとほとんど変わらず。他の城と比べると正直物足りない感が大きかったが、それでもやはり現存天守なのだから訪れる価値はあったと自分に納得させる。

天守最上階より西側の眺め

天守最上階より北側の眺め

本丸からは北〜西〜南と、東側以外の景色をぐるっと眺望できる。市街地風景メインの眺めだがなかなかの展望。北東側には遠くに瀬戸大橋が見える。そして西側には見覚えのある特徴的なシルエット。四国遍路の道中で何度か目にして印象に残った山。何だか懐かしい。四国遍路をしたのは約4年前で、旅行で四国を観光するのは約5年半振り。いずれまた四国のあちこちを旅してまわりたくなった。

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遠くに瀬戸大橋

4年ぶりに見るシルエット

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時間的な制約があり丸亀城観光はこれで終わり。正直なところ暑くてこれ以上城内を歩き回りたくないというのもある。今回の丸亀城訪問を含めて、これまでに訪れた現存天守は9ヶ所。城マニアというわけではないので、残る3ヶ所の現存天守も必ず訪れたいとまでは思わない。しかし日本一の名城と言われ世界遺産に登録されている姫路城には未だ訪れたことが無く、次に予定している車中泊旅行で目的地のひとつに入れてある。日本一で世界遺産のものなら是非とも抑えておきたい。まぁ、丸亀城も日本一(小さい現存天守)で国の重要文化財に指定されているので、とりあえず抑えておいてよかった。