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その6  3日目

 

周囲の音で目を覚まし時間を見ると5:50。車中から外の様子を見回すと、車中泊をしていた多くの人達が出掛ける準備をしたり車を出しているところだった。外は前日の天気予報通り晴れ。そして東には日の出から少し経った太陽。前日の起床時と同じく、もう少し早く起きて日の出見物をすればよかったかなと思う。とりあえず前夜に瀬戸大橋の夜景を眺望した展望台に上がり、早朝の瀬戸大橋と周囲の景色を眺める。雲ひとつ無い快晴で、車中泊旅行では本当に珍しい3日連続文句なしの天気。

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瀬戸大橋の見える風景

与島PAを出発し、瀬戸大橋を渡って岡山県倉敷市に入り、児島ICで高速道路を下りる。それから3日目唯一の観光スポットへ向けて車を走らせていると、目の前に瀬戸大橋が姿を現す。眺める方角の関係で大きな弧を描いているように見えるのが印象的。やはり瀬戸大橋は他の橋と比べて圧倒的な存在感がある。しかしながら実のところ瀬戸大橋は10ある橋の総称で、それらの橋ひとつ単位で見ると明石海峡大橋の方がずっと大きい。

鷲羽山

(わしゅうざん:岡山県倉敷市)

愛用のマックスマップルに「瀬戸大橋や四国を望む国指定名勝の展望台」と書かれてあり、瀬戸大橋を下りたすぐ側なので帰路ついで観光しようと考えていた鷲羽山。ただ、一度高速道路を出る必要があり、それが面倒になったらそのまま帰ろうとも考えていた。しかし今後鷲羽山を訪れる機会は無さそうだし、翌日も仕事は休みで時間的にも十分余裕があるので面倒がらずに立ち寄ることにした。若い頃はもっと些細な観光スポットでも、少々道のりが険しい上に自分が満足できる場所であるか分からなくても、気になった場所へは例え回り道が必要でも訪れていたが、年と共に面倒くさがりになって好奇心が負けてしまう… やはり若いうちにいろんな事をしておいた方がいい。

舗装された道を歩く

登山道の途中から

7:00に鷲羽山駐車場に到着。駐車場から山頂にある展望台までは舗装された登山道を歩いていく。山頂までは10分程度で傾斜はそれほどきつくなく、登山道というよりは遊歩道という感じの道のり。歩き始めてすぐに分岐点があり、気分で右手の道を進む。途中に景色が開けた場所があり、瀬戸大橋の全景を一望。ここからでも十分にいい眺め。

石段道もあり

山頂へ向かう

駐車場に着いた時に駐車されている車は1台もなく、登山道にも人の姿はなくとても静か。前日は丸亀城やこんぴらさんなど大勢の観光客で賑わう場所で人疲れしたので、尚更に鷲羽山の山登りが気持ちいい。やはり自分には人で混み合い賑やかな観光スポットよりも、静かで自然を感じられる場所の方が楽しいし、よいリフレッシュにもなる。ちなみに、登山道の途中にはレストハウスやビジターセンターがあるが、時間的にまずだ開いていないだろうと思い立ち寄らず。

鷲羽山山頂

鷲羽山山頂に立つ!

駐車場から10分歩いて鷲羽山山頂に到着。標高133mと高くはないが、目の前に瀬戸内海の多島美風景と瀬戸大橋の全景が広がっている素晴らしい眺望。快晴ながら景色は少々霞んでいて遠くがよく見えないのが残念だが、間違いなく今回の旅で一番の絶景。面倒くさがらずに立ち寄って本当に良かった。ここからの眺めは夕景が特に素晴らしいらしく、「日本の夕陽百選」に選ばれている。

山頂から瀬戸大橋を眺める

山頂からの風景をパノラマ撮影しようとしたら、デジカメがバッテリー切れになるというタイミングの悪さ。仕方なくパノラマ撮影機能の無いデジカメで普通に撮影。ちなみに旅行では必ずデジカメを2つ持ち歩くようにしている。主に万が一のカメラの破損に備えて。実際旅行中にデジカメを地面に落としてして破損した事があり、予備のカメラを持っていたので助かっている。メモリカードも異常を起こして撮影できなくなった事があるので、カメラとメモリカードの予備は必須。

第三古墳

第三古墳からの眺め

展望台よりさらに先へ進むと古墳が3ヵ所あるので歩いていくと、ただの岩場にしか見えない第三古墳。眺めは鷲羽山山頂に劣らぬ眺望。そしてさらに先へ進んでいくと、第二古墳、第一古墳とあるがやはり岩が転がっているだけのように見える。まぁ、前方後円墳など学校の教科書に載っているような古墳は稀で、現存する古墳のほとんどはこういう素朴なものなのだろう。

さらに先へ進む

第一古墳

一本松の展望地点からの眺め

一本松の展望地点からの眺め

第一古墳からさらに先へ進むと一本松の展望地点。瀬戸大橋にだいぶ近づき景色の見え方も少し変化。そして展望スポットがある終点の東屋まで行くと、瀬戸大橋を真正面から見下ろす眺め。ここが瀬戸大橋を最も近くで見ることができる展望スポット。

瀬戸大橋を通って岡山県本土に到達した高速道路は、トンネルに入って鷲羽山の中を通っている。東屋はそのトンネルの真上にあり、瀬戸大橋を真下に見下ろすかたち。橋上を行き交う車は豆粒のように小さく、それ故随分とゆっくり走っているように見える。何故だかじっと見入ってしまう眺め。東屋で少しのんびりしてから引き返す。

東屋展望台からの眺め

東屋展望台からの眺め

第一展望台からの眺め

駐車場まで引き返す途中にある分岐点でも右手の道へ。つまり登りとは別のルートで下山。分岐点からすぐの場所に第一展望台があり(第二展望台は駐車場側にあったが立ち寄らず)、俳句らしきものが彫られた石碑が。ここからの眺めもとてもいい。が、よくよく他の場所からの眺めと比べてみると、登山途中に見た眺めや山頂からの眺めとほぼ一緒であることに気づく。まぁ、いい眺めは何度見てもいい眺めだからそれでいい。

鷲羽山駐車場に戻ったのは8:30過ぎで、まだまだ時間に余裕がある。これまで岡山県内はあまり観光していないので、これから何処か観光しようかと地図を眺める。そして観光スポットの多い倉敷にでも立ち寄ろうかと暫く考える。しかし全く観光計画を立てていない状態で行っても十分に楽しめそうにないし、早く自宅へ帰ってゆっくりしたい気分でもあったので、結局帰路へ向かう。児島ICから高速道路に入り、途中SAに立ち寄り食事をとり、自宅に着いたのが13:00過ぎ。車中泊旅行で昼の帰宅はかなり早い。しかも翌日も仕事は休み。これならゆっくり旅の疲れを癒せる。若い頃はそんな事は考えず目一杯旅行に時間を費やしていたはず…って、この頃は何かと若い頃と比べてしまう。年を取った証拠だな…