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その3  2日目

 

2:00頃寒くて目が覚める。上着を一枚着て再び寝る。3:00頃尿意で目が覚める。トイレに行って再び寝る。5:00頃雨音で目が覚める。本降りの雨にがっかりしつつも再び寝る。そして6:00に携帯の目覚ましで目が覚める。雨はまだ降っていて空は一面暗い灰色。やっぱりダメかと再び寝る。6:30過ぎに人の声で目を覚ますと、雨はパラパラと小雨になっていたが空模様は相変わらず。とても前日のように海岸風景を楽しめるような天気ではない。まぁ旅行の前日から分かっていたことだから仕方ない。とりあえず出雲大社くらいは観光しておこうということで、菓子パンを食べてから道の駅を出発。

出雲大社

(いずもたいしゃ:島根県出雲市)

神楽殿

境内の様子

7:00出雲大社着。早い時間の割りには参拝客が多い。まずは昨夜にも寄った神楽殿へ。それから小雨の中本殿のまわりをぐるっと一回り。本殿の木造建築物が特徴的な形をしていて興味が惹かれるのだが、外から覗くかぎり本殿敷地内に参拝客の姿はなく、一般人は中に入れないようす。

本殿

本殿

出雲大社はとても大きな神社ではあるが、神社・仏閣に特別関心があるわけではない自分には、正直退屈な場所である。こういう場所よりもたとえば、山中にひっそり佇み神々しさや神秘性を感じさせる…とか、うっそうと茂った木々の中に木漏れ日を浴びた古い社…とか、そんな趣のある場所のほうが魅力を感じる。知名度が高く規模の大きな神社・仏閣は、霊地というより観光地的な雰囲気を感じてしまう。

おみくじで埋まった木の幹

絵馬たくさん

参道

出雲大社を出てから、1ヶ所見物するのを忘れたことに気付く。参道手前の通りに「日本一の大鳥居」と言われている鉄筋コンクリート製の鳥居がある。日本一周で出雲大社を訪れた時は旅行後に大鳥居の事を知り、行っておけばよかったと思ったのだが、今回もまた見逃してしまった。しかしちょっと調べてみると、出雲大社の大鳥居が全高23mなのに対し、和歌山県には33.9mの鳥居があるので大きさでは日本一とは言えない。見た目の素晴らしさは宮島厳島神社の鳥居の方がずっと上だと思うし。何が日本一なんだろう、昔は何かが日本一だったのかもしれない。

日御碕

(ひのみざき:島根県出雲市)

空模様からしていい景色を見られないことは分かっていたが、日御碕は出雲大社の近くなので立ち寄る事に。日御碕にある日御碕灯台は上まで登ることができる参観灯台で、日本の灯台50選にも世界の灯台100選にも選ばれている。そして高さが43.65mで日本一背の高い灯台なので、とりあえず参観しておきたかった。

日御碕灯台の参観時間は9:00からだったが、駐車場に7:40に着いてしまった。とりあえず雨は止んだので、時間つぶしに灯台周辺を散策してみようと車を降りる。時間と天気の関係か駐車場はガラガラ。駐車場の片隅にある、この先使われることもなさそうな灯台型公衆電話が何だか寂しい。

灯台型公衆電話

この天気じゃねぇ…

駐車場から灯台へ続く道に並ぶ土産屋は何処もまだ閉まっている。どんよりした空模様のせいか、随分寂しい雰囲気の場所に感じる。駐車場から灯台とは反対の道を進み、「ウミネコの繁殖地 経島」という島と周囲を見渡せる見晴台へ。分かってはいたが、空も海も灰色の残念な眺めにガッカリ。朝起きたときは肌寒かったが、海岸に出ると少し蒸し暑いくらいに感じる。

灯台にチョップ!

あまりにも冴えない海岸風景を眺めながら、海岸沿いの遊歩道を歩いて日御碕灯台まで行くも、開門まで30分以上時間があるので1度車に戻り、車内で時間を潰す。そしてそろそろ灯台へ行こうという時に、また雨がポツポツと降り出す。もう本当にどうしようもない天気。。

曇ってると寂しい風景に見えてしまう

9:00に一番乗りで灯台の中へ。と言っても他に客の姿は無い。参観料は200円。入り口から入るとそこには下駄箱、何と日御碕灯台は土足厳禁。いままで複数の参観灯台へ行っているが、靴を脱ぐ灯台は初めて。何故土足厳禁??気になって昼寝ができなくなると困るので、受付の人に聞いてみて納得。一般的な灯台の螺旋階段はコンクリート製なのに対して、日御碕灯台の螺旋階段は鉄骨製で段差の部分が空いている。靴のままだと靴底についた汚れなどが段差の隙間から落ちて、下を歩いている人の頭上に落ちてしまうことがあるので靴を脱ぐようにしているとの事。国内の参観灯台の中で靴を脱ぐのは日御碕灯台だけらしい。

下駄箱

灯台の構造図

螺旋階段を見上げる

途中の階

階段が内壁と一体になっている一般的な灯台とは違い、日御碕灯台の内部は中空の階層構造になっている。中心に鉄の柱が下から上まで延びていて、そこに螺旋階段が巻かれているつくり。本当に珍しい構造の灯台だと思う。金属製の階段は靴を脱いで靴下を履いた状態では滑りやすく、勾配も急なので足元には十分な注意が必要。特に6階から灯室に上がる階段が異様な急勾配でちょっと危ない。階段に滑り止めが欲しい。

163段の螺旋階段を上って頂上部に出る。コンクリートの床が冷たい、しかも雨で濡れている。そして視界いっぱいに広がる灰色の風景。晴れていれば結構いい眺めだと思われ。一応周囲の風景を写真に収めたが、残念過ぎる景色なので掲載は1枚だけ。

最後の急勾配

雨が…

灯台からの眺め

景色は楽しめなかったのでせめておいしいものでも食べておこうと、土産屋が並ぶ通りを物色。この辺りは海産物が名物らしく、海鮮どんぶりを売っている店が目立つ。ある店のメニューを見ていると、道を挟んだ隣の店の店主に声を掛けられる。商売熱心な人だ。少し談話すると、日御碕は朝から停電で電気が使えないとの事。外に設置されている飲料の自動販売機も止まっているらしい。駐車場に着いたとき何か飲み物を買おうとしてやっぱり止めておいてよかった。店内も消灯していて薄暗い。外だけでなく屋内も暗い状態だなんて、なんてタイミングだ… 停電でも食事は出せるとの事で入店、お勧めらしい海鮮丼を注文。広島からわざわざ観光に来てくれたのでと、小鉢を一品おまけしてくれた。

海鮮丼1200円

日御碕から出雲大社の方へ戻る途中に、海岸沿いの道路脇にある見晴台から景色を眺めたりしてみたが、やはり写真を撮る気にもならない眺め。天気が回復する見込みもなさそうなので、ここで旅を中断しようと決める。非常に残念だが、前日は快晴に恵まれ大満足だったのでまぁいいかなと。帰路へ向かう前に、車中泊した道の駅 大社ご縁広場のすぐ側にある「旧大社駅」にだけ立ち寄ることに。

旧大社駅

(きゅうたいしゃえき:島根県出雲市)

駅舎

玄関

旧大社駅は1924年(大正13年)につくられたもので、駅舎とホームが当時のまま残されていて国の重要文化財になっている。木造の駅舎は内外装ともにレトロ感があり、正に大正ロマンな建築物。1990年に廃駅になったそうな。

駅舎の中

ホーム

ホームには蒸気機関車が置かれている。状態はよくなく、全体的に汚れた感じで塗装もボロボロ。旧大社駅は駅舎とホームをちらっと見るだけで観光終了。日御碕を見終わって旅の中断を決めた時点でお帰りモードに入っていた。この後は帰るだけなのだから、もう少しゆっくりしていけばよかった。

旧大社駅を出たのが10:30過ぎ。日本海沿いの国道を西に進み浜田自動車道へ向かう。途中で眠くなったのでコンビニに車を停め仮眠。そして13:30頃に浜田自動車道に入り山間部へ入っていくと、雨が降り出し一時土砂降りに。もういくら雨が降っても構わない。汚れた車が少しは綺麗になるからちょうどいい。それからまた眠くなりサービスエリアで仮眠。旅行中断で完全に気が抜けてしまったらしい。浜田道から中国自動車道、広島自動車道と乗り継ぎ、広島ICで高速を下りる。このまま帰宅するのもつまらないので、広島市内に立ち寄り買い物してから帰宅。