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その4  3日目朝〜昼

 

10月5日の旅行2日目は朝から悪天候に見舞われ、午前中で旅行を中断。その翌週末の13、14日の2日とも晴れの天気予報だったので、計画を立て直し旅行を再開。中断した島根県出雲市から再開するといろいろと都合が悪いので、山口県西部の角島から東へ向けて日本海縦断を始めることにした。

前週とほぼ同じ2:30起床。軽く食事を済ませ、何故か台所のステンレスシンクの汚れが気になったので掃除。余裕があるのか寝ぼけているのか、想定外の行動に15分ほどのロス。そして3:15に自宅を出発。外は結構寒い。自分のような軽装での車中泊旅行者には、夜間の車中泊を考えると10月中旬はギリギリの季節。日照時間も短くなり観光できる時間も減るので、そういう点でも冬季は好ましくない。

角島

(つのしま:山口県下関市)

自宅近くの志和ICから山陽自動車道に入り西へ進む。途中山口Jctで中国自動車道に入るが、間違って広島方面の車線に入ってしまい、最寄のICで下りて反対車線に入りなおす。1度高速を下りたことで250円の損失と、20分ほど時間をロスしてしまう。約180km高速を走り美称ICから中国道を下りたのが5:20。前週は朝日を見なかったので今回は一度見ておきたいと思い、角島から日の出を眺めるのに十分間に合うよう出発したのだが、高速でのロスでかなり際どくなってしまう。本土と角島を結ぶ角島大橋を渡ったのが6:25。日の出を見る場所は決めておらず、時間が無いので橋のたもとにある公園に車を停める。角島大橋を展望できる所へ行くと、ちょうど山の後ろから太陽が顔を出し始めるところだった。

山陰から姿を現す朝日

角島大橋と朝日

遠くの風車もはっきり見える

空は雲ひとつない快晴!角島へは2年半前にも車中泊で訪れているが、その時は黄砂の影響でだいぶ景色が霞んでいて残念だったが、今回は遠くの景色までクリアーに見える。

角島灯台

朝日を浴びてツートンカラー

高さは29.6m

朝日を眺めてから角島西端にある角島灯台へ。日本の灯台50選に選ばれている石造りの灯台。朝日を浴びて半面だけオレンジ色になった灯台の姿が印象的。角島灯台は参観できるので、できれば灯台の上から快晴の海岸風景を眺めたかったが、開門の9:00まで2時間もありそんなに待っていられないので諦める。一応前回訪れた時に参観しているからよしとしよう。黄砂で空が淀んで眺めが悪かったけど…

灯台を見物して角島大橋へ戻る。角島大橋は全長1,780mあり、日本で2番目に長い離島架橋。海上を真っ直ぐに延びる橋の姿が印象的で、車のCMなど多くのCMのロケ地にもなっている。2年半前に角島を訪れた時は、そんな絵になるような橋のある風景を一番の楽しみにしていたのだが、黄砂で景色が霞んでいて本当に悔しい思いをした。それだけに今回は快晴に恵まれ本当に満足。ただ、前回訪れた時は海が見事なエメラルドグリーンだったが、今回は普通の青色。太陽が低く十分な明るさではないからか、それとも波や気温などが関係しているのだろうか。

とにかく何処から撮っても絵になる橋だ。シンプルなデザインが綺麗な海と島のある風景に溶け込んでいる。「土木学会デザイン賞2003」というので優秀賞をとっているらしい。こういうのタイプの橋は日本にはなかなか無いと思う。

角島大橋の本土側のたもとには、角島に向かって右側に駐車場とトイレ、左側に見晴台がある。さらに橋のすぐ手前にある高台からも角島大橋を一望できる。なかなかいい眺めだ。海の色は時間が経つにつれ緑がかってきているように見える。やはり日が高くなればエメラルドグリーンになるのだろうか。

高台から角島大橋を一望

元乃隅稲成神社

(もとのすみいなりじんじゃ:山口県長門市)

角島から東へ向けて日本海縦断を開始。海沿いの国道はまだ車の通りが少なく、快晴の下いい気分で快走。そして角島から40kmほど走ったところで、次の目的地の元乃隅稲成神社に到着。ここは「龍宮の潮吹」という、岩壁にある洞窟に打ち寄せた波が穴から吹き上がる現象を見られるスポットなのだが、個人的にそれはおまけで元乃隅稲成神社が目当て。長い鳥居のトンネルがあるのでそれを見たかった。

鳥居のトンネルは神社の裏参道にあたり、まずは正面側の鳥居から元乃隅稲成神社に入る。すると、ナニコレ珍百景?入れにくい賽銭箱?くぐった鳥居を振り返り上の方を見上げてみると…あった。とんでもないところに賽銭箱が設置されている。高さ5mはありそうだ、確かにこれは入れにくい。10円玉で挑戦して6回目でやっと入れることができた。

神社正面の鳥居

ほほう

ははぁ

入れにくい賽銭箱

岩山の中腹にある狭い境内には、「元乃隅稲成神社 祈祷受付所」と書かれた小屋が。中を覗いてみると、何となく四国遍路の接待所を思わせるような雰囲気。小屋の中に人の気配は無い。具体的に何をする場所なのだろう。

境内

祈祷受付所

祈祷受付所の奥隣に社があり、そこから鳥居のトンネルが続いている。龍宮の潮吹がある岩場まで123本もの鳥居がぎっしりと並んでいる。これは見事な眺め。鳥居のトンネルは少々勾配の急な石段になっていて、ある程度下りると緩い坂道に。鳥居のトンネルと言えば京都の伏見稲荷大社にある「千本鳥居」が有名。未訪なので機会があればそちらへも行ってみたい。

神社側は石段が続く

鳥居の背は低い

龍宮の潮吹側は坂道

鳥居のトンネルを抜けると芝生の広がる岩の上。波打ち際の高い岸壁の上へ上がると周囲の海岸線を一望。神社を振り返れば、芝生と木々の緑の中に紅い鳥居が連なるコントラストの効いた眺め。人気もなく波と風の音だけが心地よく聞こえる落ち着いた場所で、ちょっとした穴場スポットを発見した気分。ここへはまたいつか再訪したいと思った。

裏参道の入り口

岩山中腹の断崖にある元乃隅稲成神社

そこそこ風が吹いているものの波は随分と穏やかで、岩壁に打ち寄せる白波は少なく龍宮の潮吹も見られない。北風が強く波の高いときには30mもの潮吹きが見られることもあるらしい。まぁ龍宮の潮吹よりも鳥居のトンネルの方が目的だったのでいいさ。あまり風が強いと観光に支障が出るし、寒いのはイヤだし。

岩壁からの眺め

岩壁からの眺め

再び鳥居のトンネルを通って境内へ戻る時、自分以外誰もいなかったのでデジカメで動画を撮ってみた。トンネルを通る時のカメラアングルをもう少し上に向ければよかったかな…

千畳敷

(せんじょうじき:山口県長門市)

元乃隅稲成神社から4、5km走って千畳敷へ。9:00を過ぎ日が高くなり、気温も上昇し21℃に。車を降りると強い日差しが照りつけ暑いので、長袖から半袖のシャツに着替える。千畳敷は標高333mの高台に広がる草原で、緩やかな斜面が続く先には風車。そしてはるか遠くまでの海岸風景や島々を一望できる眺望。いい眺め、快晴って素晴らしい。ちなみに「千畳敷」とは、名前の通り千畳の畳を敷いた広さを形容していて、日本各地に千畳敷と名のつく場所は沢山ある。

千畳敷 333m

カフェレストラン

空を仰ぎたくなる景色

駐車場のすぐ隣には、草原と大海原の風景に溶け込んだお洒落なカフェレストランがある。ここでコーヒーの1杯でも飲もうと思ったのだが、残念ながらまだ開店前だった。元乃隅稲成神社と同じくこちらも人の姿はほとんどなくとても静か。本当に長閑で落ち着いた場所だ。旅行中でなければ芝生で寝転がったりベンチに腰掛けのんびり読書でもしていたい。

時間に余裕があれば次は山口県萩市の青海島へ行き、青海島を一周する遊覧船に乗る案があった。数々の奇岩を見られたり洞窟をくぐったりと、結構魅力的な海上クルージングらしい。しかし乗船時間が90分と長く、青海島の観光全部で2時間半以上費やすことになりそうなので、あまり時間に余裕がない事もあり青海島観光はボツに。それと、萩市には昔の城下町の町並みが残る観光スポットがあるのだが、そちらは以前ドライブで行ったことがあるので立ち寄らず。ということで、千畳敷から約80km先にある萩市の笠山へ向かう。途中で眠くなったのでコンビニに車を停め、気休めに安い栄養ドリンクを買って飲み小休憩。仮眠をとろうとシートを倒すも眠れず。代わりに腹が減ったので菓子パンとフランクフルトを買って空腹を満たす。そういえば、以前は車中泊旅行の時には毎回栄養ドリンクを持参していた。残業で十分な睡眠をとれないまま深夜に出発したり、1日に何百キロも車を走らせるのが常で、運転中に眠くなったり集中力が散漫になることがしばしばあったので。もう若くないのであまりハードな車中泊旅は控えたい。。

笠山

(かさやま:山口県萩市)

笠山は標高112mの小さな火山。世界最小の、日本最小の火山などという触れ込みがあるが、根拠はないらしい。噴火口を間近で見られるというので少し気になるも、ネットで写真を見る限り大したものではなかった。それでも海沿いの国道から少し外れるだけで行けるので、ほんのついでに立ち寄る。山の上まで車で進むことができ、駐車場から歩いてすぐのところが頂上になっていて、階段で火口の中へ少し下りたところに岩の裂け目がある。普通に見ただけではただの岩場の隙間という感じ。やはり観光スポットとしては少々地味な場所だった。

噴火口

笠山展望台

噴火口のすぐそばに展望台があったので上ってみると、沖に浮かぶいくつもの小島を一望できる眺め。島を数えてみると6つほど。どの島も随分と平たく見える。これらの6つの島の総称を「萩・六島村(はぎ・ろくとうそん)」というらしい。

左から順に相島・羽島・尾島・肥島・櫃島・大島

パッと見た感じでどれも無人島だろうと思っていたが、帰宅後PCで写真を見てみると町のある島があった。調べてみると6島のうち3島は有人で、面積の一番大きい大島には役場や学校がある。このような小さな離島での生活はどんなものなのだろうと思う。島内での行動範囲は非常に狭いだろうし、商業・娯楽施設や医療施設も限られる。なので多くの島民は頻繁に船で本土へ渡っているのだろうか。通学や通勤で毎日島と本土を行き来する人もいるのだろうか。興味深い。

奥が相島、手前が羽島

一番大きい大島