・寝心地の悪さ
車中泊の旅で一番苦労したのは車内での睡眠。はっきり言って寝心地が悪い。キャンピングカーやミニバンの様な室内空間が十分広い車なら話は別だが、利用した車はスポーツカーとコンパクトカーで、いずれも運転席をリクライニングするだけの就寝方法だった。特に日本一周の旅で利用したマイカーの”トヨタMR2”は、2人乗りのスポーツカーでMR車(ミッドシップエンジン・リアドライブ…運転席の後ろにエンジンがあり後輪駆動)なため車内が本当に狭く、シートをリクライニングするスペースがあまり無いので、慣れるまでの最初の数日はなかなか寝付けなかった。普段のドライブで眠気を覚えて仮眠する時は直ぐに眠れていたので問題無いと思っていたが、日中の仮眠と夜の睡眠では状況が全く違った。また、MR2のスポーツタイプのシートはリクライニング時の首の支えがどうも悪く、ヘッドレストの高さを調節したり外してみたり、首の後ろに服を丸めて挟んだり空の500mlペットボトルにタオルを巻いて枕代わりにしたりと、いろいろ試していた。それから、MR2はマニュアル車でアクセル・ブレーキ・クラッチとペダルが3つあり、狭い空間で少しでも足を伸ばして寝られるように、靴を脱いで足をペダルの間に入れていた。シートを出来るだけ後方へリクライニングするためシート位置を前方へスライドすると足元がが狭くなり、逆に足を伸ばすのを優先するとほとんどリクライニングできない。その辺の微調整もなかなか難しかった。北海道一周の旅からはレンタカーのコンパクトカーを利用しているので、運転席を水平近くまで目一杯リクライニング出来て足元のスペースも十分だったが、いずれにせよ運転席をリクライニングするだけの車中泊は快適とは言えない。
・夜の寒さ
日本一周の旅では9月末から10月上旬にかけて東北・北海道地方をまわったが、夜間はかなり気温が下がり車内での睡眠は寒い思いをして大変だった。次の北海道一周の旅は7月頭からの出発なので、夜間でもそれほど冷え込む事は無いだろうと思っていたが、実際は7月でも深夜から朝方にかけては震える程の寒さだった。日本一周と北海道一周の旅では毛布や防寒着などは用意しなかったので、着替えのシャツを重ね着して寝ていたがそれでも寒い。だからと言って就寝中ずっと車のヒーターを点けているのはガソリンが勿体ないので、就寝の直前だけヒーターを点けて車内を暖めてから寝ていた。とりあえずそれで眠る事はできるが、深夜から朝方にかけての冷え込みで必ず目が覚める。再度ヒーターで車内を暖めても消すと直ぐに冷えてしまい、どうしても寝られない時は朝一の目的地へ向けて車を運転していた。そのおかげで朝焼けを見られたり、他の観光客がいない早い時間から観光を始められたりと、得した事もしばしばあったが。ただ、目を覚ましたら寒さで足の指先がしびれていた時はさすがにヤバイと思った… そんな車中泊環境でも旅行中に一度も風邪を引いていないので、自分は結構タフなヤツなんだなとも思った。四国・九州の旅の途中からは、毛布代わりのブランケット(旅行中に購入)に包まって寝ていた。当然少しでも暖かい方がよく眠れるので、面倒くさがらずに就寝時の防寒対策はしておくべきだったと後々から反省。最悪凍死の危険も無いとは言えないし。。基本的にミニマリストで荷物は最小限に抑えたい方なので、かさばる毛布や防寒着まで持って行く考えは無かった。まぁ、震えながらの車中泊も若かりし頃の良い思い出となったが。
・外灯照明の遮断
車中泊の場としてよく利用したのが道の駅や公園などの駐車場。場所によっては外灯が眩しくて睡眠の妨げになるので、服やタオルを上手く利用してカーテン代わりにしていた。九州一周の旅ではアイマスクを初めて利用し、とても役に立った。ちなみに全ての車中泊の旅において、外灯の遮断や車内のプライバシー保護のために窓を塞ぐ目隠し的な事はしていない。単純に毎日就寝前に準備するのが面倒だし、ミニマリストとしては荷物が増えるのも嫌だし、人に車内を見られてもあまり気にしないので。防犯上の事を考えれば目隠しをした方がいいのは明らかだが、治安の良い日本なら大丈夫だろうという事で。
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