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その4  2日目朝〜昼

 

お釜

(おかま:宮城県蔵王町)

おおっ、素晴らしいっ!特徴的な火口壁と深緑色の湖面が独特な雰囲気を出している。写真だと大きさを対比するものが無いので、どれくらいの規模のカルデラ湖なのかよく分からなかったが、実際目の前にするお釜は結構大きい。一昔前の測定によると、湖面の直径は東西径325メートル、南北径335メートル、周囲1,080m。名前の由来は見たままで、釜状の形をしているから。

ここからの記念撮影は外せない

見晴らしがよさそうな高台に建物が見える

快晴で周囲の景色もよく、沢山の観光客がお釜をバックに記念撮影をしている。この時湖面の色は緑色だったが、太陽光の当たり具合で青色や茶色などさまざまな色に変わる事から、「五色沼」とも呼ばれている。前日に訪れた福島県福島市の女神湖、福島県北塩原村の五色沼、そして宮城蔵王のお釜と、これで旅行記のタイトル通り三つの五色沼を訪れた事になる。

刈田嶺神社

刈田岳山頂

お釜をバックに記念撮影した場所から、高台の上に建つ建物が見えたので行ってみる。建物は刈田嶺神社という神社で、刈田岳(かっただけ)の山頂に建つ。刈田岳は宮城県で二番目に高い山で標高1,758m。それだけに周囲の見晴らしがとてもよい。細長い山頂には大きめの積み石が沢山あって、少し神々しい雰囲気がある。

刈田岳山頂からはお釜と周囲の地形、背骨のような馬の背もよく見える。ちょっと日本離れした迫力ある眺め。馬の背の先にある山、熊野岳山頂をよく見ると、かすかに建物らしきものが見える。おそらくまた神社か何かだろうと思うが少し気になる。刈田岳山頂から馬の背を通って熊野岳山頂まで行くには結構距離がありそうだが、時間に余裕があるし折角快晴に恵まれたのだから行ってみよう!とうことになった。

熊野岳山頂にある建物、らしきものを目指して馬の背を進む。刈田岳山頂から眺めた時は結構な距離がありそうに見えたが、実際歩いてみるとサクサクと進み、お釜の火口壁が真後ろに見える所までやってくる。ここからのお釜の眺めもいい。蔵王のお釜は本当に特徴的な形をしている。

刈田岳山頂から馬の背を進み…

熊野岳の目の前までやって来た

ここからの眺めも最高

馬の背を真っ直ぐ進んでたどり着いたのは、熊野岳山頂の北側にある断崖。ここから眺めるお釜と周囲の景色も素晴らしい。先に登った刈田岳山頂から眺めるお釜とは、また違った雰囲気の景色。刈田岳山頂の刈田嶺神社も小さく見える。ここから田嶺神社を見ると随分遠くに見えるが、刈田岳山頂からここまでの所要時間は30分ほど。帰りに通る蔵王エコーラインも見える。エコーラインのお釜に向かう上り車線は果てしなく渋滞している。やはりこの手の観光スポットに行くなら、出来るだけ早い時間に着くようにするに限る。紅葉シーズンなら尚更。

蔵王エコーラインは超渋滞

熊野岳山頂北側の断崖から眺めるお釜

左の建物は避難小屋

崩壊した石造りの壁

熊野岳山頂の北側から、刈田岳山頂から見えた建物を目指して山頂南側へ進む。熊野岳山頂は南北に細長い。北側断崖の近くに石造りの避難小屋があるが、目指すのはこれではない。避難小屋のさらに先には、元は避難小屋であったであろう崩壊した石造りの壁の一部がある。

上の写真は熊野岳山頂から見て東側の風景。時間は11:00をまわり、自分が歩いた時はほとんど人のいなかった馬の背に沢山の人が歩いている。下の写真は西側の風景。目の前には山頂から中腹辺りまで紅葉した山があり、その先にも山々が広がる雄大な風景。熊野岳は蔵王最高峰の山らしく、それだけに眺望がきく。

赤い屋根と鳥居が見えてきた

熊野神社

そしてやっと見えてきた目的地の建物は、予想通り神社だった。石垣に囲まれた赤い屋根の祠が建つ熊野神社。その奥が熊野岳山頂南端。思ったより沢山の人がいる。ここもよい眺望。熊野岳山頂標識に1840mと書かれている。先に登った刈田岳山頂よりも約80m高い。

熊野岳南端

熊野岳 1840m 南

周りの景色を眺めつつ少し休憩して、車を停めてある駐車場へ向けて出発。帰りは山頂北側まで戻らず、熊野神社の側にある道から馬の背まで降りる。進行方向左側に見えるお釜を眺めつつ、少し疲れた足で淡々と馬の背を歩く。もう一度お釜の撮影スポットまで行ってみようかとも思ったが、さすがにもう十分お釜を堪能しただろうという事で(本当は疲れて面倒くさいという理由の方が大きい…)リフト乗り場へ。リフトで駐車場まで降りてくると、お釜行きのリフト乗り場は長蛇の列。そして広い駐車場には、満車で停められず駐車場内をぐるぐるまわる車が何台も。それを見て熊野岳山頂から眺めた蔵王エコーラインの渋滞を思い出す。嫌な予感が… 9:30頃にリフトでお釜へ行って、刈田岳と熊野岳の山頂に登って駐車場に戻ってきたのが12:00。随分と中身の濃い2時間半だった。

帰路に向かうため蔵王エコーラインを東に進むのだが、途中にお釜の側まで車で行ける有料道路の蔵王ハイラインの入り口があるので、ハイラインの入り口付近で渋滞しているのではないかと思ったら、案の定だった。20分ほど渋滞にはまって、ハイラインの入り口を過ぎると渋滞は解消。対向車線の上りは熊野岳山頂から眺めたとおり悲惨な状態。

駒草平

(こまくさだいら:宮城県蔵王町)

写真右上の特徴的な地形がお釜の裏側に当たる場所

お釜からエコーラインを少し下った所にある駒草平駐車場に車を停める。駐車場から続く遊歩道を少し歩くと見晴らしのいい断崖に突き当たる。正面に広がる山はそこそこ紅葉していてなかなかいい眺め。不帰(かえらず)の滝という、落差28mの滝もある。不帰の滝はお釜から流れる水らしい。

不帰の滝

紅葉が広がる駒草平

不動滝

駒草平から蔵王エコーラインをさらに下った所に、観光名所の三階滝と不動滝。二つとも1年前にも観光しているので、今回はちょろっと一瞬見るだけ。お釜へ向かう対向車線の渋滞は不動滝辺りまで続いていた。この辺りの車は陽が沈む前にお釜に辿り着けないと思われ。。紅葉などの観光シーズンに宮城県側からお釜に行くなら、午前中の早めに行く事が必須のようだ。

エコーラインを抜けて東京へ続く国道4号線に入り、適当な所で高速道路に入ろうと思っていたら、高速は数十キロの渋滞が発生しているようなので暫く国道を走る事に。しかし宮城県から福島県に入った辺りで国道も渋滞になり、いい加減気が狂いそうなほど延々と渋滞が続く。そして栃木県に入ったところで高速道路へ。自宅に着いたのは予定より3時間以上遅い22:00過ぎ。宮城県の国道4号線に入ってから約8時間もかかってしまった。もの凄く疲れた…やっぱり休日に車で紅葉見物に行くものではないと思いつつも、快晴の下でお釜を見ることができて満足な今回の旅であった。