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その1  1日目朝〜昼

 

今回の旅は広島県内をざっくり一週するのみで走行距離は少なく、観光スポットも多くないので、車中泊旅行としてはかなり遅めの5:50出発。6:00過ぎに通過した道路脇の気温計は2℃。広島県の山間部は冬はそれなりの降雪があり、GWの時期でも夜間は結構寒い。夜しっかり眠れるか少し心配になるが、1泊なので寝れなきゃ寝れないで別にいいか〜 と、近場の旅行なので楽観的。四国遍路で野宿をした時の事を考えたら屁でもない。雨風凌げる車内に柔らかいシートと十分な防寒具があり、いざとなればエンジンかけてヒーター点ければ何の問題もない。ガソリンがもったいないのでエンジンかけっぱなしにはしないけど…

フルーツロード

(ふるーつろーど:世羅町)

フルーツロード

フルーツロード

6:50に最初の目的地、フルーツロードに到着。目的地といっても観光スポットではなく道路。南北に10kmほど続く農道で、ドライブやツーリングするのに人気の道路らしい。時間が早いからかフルーツロードを走る車もバイクもほんど見かけず、マイペースで快走。確かに程よいアップダウンと緩やかなカーブがある道路で運転が楽しい。

南端から走り始めてフルーツロードの真ん中辺りまで進むと、「60km/hで走るとメロディーが聞こえる…」という看板。路面に車が通ると音が出る溝のある場所がある。速度を合わせて走ると…う〜ん、何か聞いたことのある曲のような、でも分からない。後で調べてみると、となりのトトロの「さんぽ」だった。フルーツロードの北側には、東西に延びるふれあいロードが交差している。ふれあいロードも一部を走行。農地の広がる風景が多いフルーツロードと比べたら普通の農道という感じ。あまり特徴は感じなかったが、のどかな風景が続きいい気分で車の運転ができる。何より快晴なのがいい。

フルーツロード

三川ダム

(みかわだむ:世羅町)

ふれあいロードを走り次の目的地の夢吊橋へ向かう途中、日差しを浴びて鮮やかな梅の花?とダムが目に留まったので写真を撮る。ついでにダムの堤体へ上がる。堤体からの風景はぼちぼち。数日前の小豆島一周の旅で建設中のダムへ行ったが、完成しているダムに立ち寄るのは随分久しぶりな気がする。別にダムマニアではないが、ダムってやっぱいい。今度広島のダム巡りでもやってみようかな、なんて思ったりもする。

三川ダム

三川ダム提体からの眺め

8:00をまわっても車の通りは非常に少ない。周辺に際立った観光スポットが無いからだと思われ。特別な見所がなくとも、晴天の下眺めのよいのどかな風景の中、空いた道路を快走するのは気持ちがいい。

何かを栽培している?

夢吊橋

(ゆめつりばし:世羅町-尾道市)

8:20夢吊橋に到着。ここまで来て初めて観光スポットらしい場所の観光。夢吊橋は橋脚を持たない「吊床版橋(つりしょうばんきょう)というタイプの橋で、147.6mも橋が宙ぶらりんになっている。歩行者専用とはいえ、よく強度が保てるものだなと思う。夢吊橋は平成8年に架けられた橋で、世界一長い吊床版橋としてギネスに認定さた説明書きがある。橋の構造が書かれたものもあり、そこに吊床版橋の世界ランキング5位までが書かれてある。2位のフランス以外は全て日本。

夢吊橋

夢吊橋

夢吊橋を歩いていると何となく浮遊感のようなものを感じる。橋の中心に向けて湾曲している形状の関係でそのような錯覚をするのかとも思ったが、どうやら微妙に揺れているらしい。橋は八田原ダムのダム湖、芦田湖の上に架かっている。山々に囲まれのどかで静かな湖の上に架かる不思議な橋、と言った感じ。

この長さで橋脚が1本も無い

上下町

(じょうげちょう:府中市)

白壁の町並みがあるという事で立ち寄った上下町。夢吊橋までは快晴だったのが、上下に向けて北上するにつれ空模様が怪しくなっていき、上下に着くと雨が降りだしそうな曇り空に。気温もあまり上がらず肌寒い。天気の急変にがっかり。白壁の建ち並ぶメインストリート向けて町の中を歩いていると、格子のある家や古い洋風建築などがちらほら。そして一角に「八十八番 *大師堂」と書かれた社のようなものが(*の漢字が読めない…)。この上下町もしくは府中市全体で四国八十八ヶ所霊場をなぞったものがあるのか、それともここに1ヶ所だけなのか。四国遍路を経験していなければ気にも留めなかったと思う。小豆島にも八十八ヶ所霊場があったし、四国が隣の中国地方には四国霊場にまつわるものが各地にありそう。

格子のある家

古い洋風建築

八十八番

そして白壁の並ぶメインストリートに行ってみると、自分が期待していたような古い町並みではなかった。白壁の中には修復したのかそれとも最近建てられたものなのか、随分と真っ白で真新しい感じのものが多い。そしてメインストリートは商店街となっているようで、店の看板やのぼりが目立ち景観を損ねている。イメージしていた郷愁感のある町並みではなくがっかり。しかし晴れていればもっといい町並みに見えたのかもしれない。通りに観光客らしき人の姿は全くなく、人の姿自体ほとんどなく寂しい感じ。ここだけに限らず、広島県内で休日に観光客で賑わう場所は少ないように感じる。宮島など一部の有名観光スポットを除いて、不景気が影響しているのかなかなか観光業は潤っていない様子。

上下町のメインストリート

上下キリスト教会

無理解なんだ…

メインストリートのランドマークなっている上下キリスト教会は、白壁の日本建築の上に十字架が立つ鐘楼がのった変わったつくり。教会の正面玄関にある立て看板には「証し 弟子たちの無理解」… ”証し”とは、神様から頂いた恵みを人々に伝えることの意味だと、ちょっと調べてみて分かった。この教会の弟子たちは無理解なのか。メインストリート以外にも古い町並みのある通りがありそうなのだが、天気が悪くて散策する気にはならず。

上下の観光を終えたのが9:40。空を見渡す限りでは、この日のうちに晴れることはまずないだろうという感じ。あまりに残念な空模様なので旅行を中断して帰ろうか暫く考える。しかし一見晴れる見込みは全くなさそうに見えるが、山間部の天気は変わりやすいので分からない。ここで中断して日を改めてまた来るのも面倒だし、車で移動しているうちにまた晴れるかもしれないし…停めた車の中で10分ほど考えふけった結果、このまま旅行続行することにした。上下を出てすぐに睡魔が襲ってきて路肩に停め、10:20から1時間ほど仮眠をとって目を覚ますと、空が晴れてるっ!!やはり中断しないでよかったと車を出すも、たまたま1ヶ所雲間から青空が見えていただけで、仮眠をとる前と変わっていないことに気付きがっかり。でも先へ進む。

福桝川大橋

(ふくますがわおおはし:神石高原町)

福桝川大橋

橋長279m、高さ約100mの橋

高さ100mの高所に架かる福桝川大橋へ立ち寄り。車で渡るだけでは普通の橋という感じ。橋の西側たもとに見晴台があり、福桝川大橋の全景を眺めることができるが、深い谷間までは見えないのでやっぱり普通の橋の眺め。それにしても天気が悪くて景色が映えない、気持ちも映えない。雲間から僅かな青空が見えると、そこから雲が晴れて日が射すのではないかと一瞬期待するがそれも叶わず。天気予報では晴れだったのにっ!先日旅行した小豆島でも2日目は曇りだったし、どうも天気にイマイチ恵まれていない気がする。

足がすくむ高さ

雲間に僅かな青空…

深い山あい

空模様に不満を持ちつつも歩いて橋の中心まで行き、橋から身を乗り出して下を覗いて高さを確認してみる。下が遠すぎて100mという高さの距離感は掴めないが、とにかくもの凄く高い。山あいの深い谷底が随分下に見える。高所は得意な方の自分でも足がすくむ。橋の片側には端から端まで地元の中学生が描いた絵が並ぶ。

帝釈観音堂

(たいしゃくかんのんどう:神石高原町)

福桝川大橋から帝釈峡へ向かうため細い林道を走っていると、道路脇に洞窟のようなものがあり車を停める。「帝釈観音堂洞窟遺跡」と書かれた案内板には、旧石器時代から縄文時代全般にわたって住居・墓地として利用された洞窟遺跡…とある。奥行き約16mあるらしいが、中へは入れない様子。洞窟遺跡の隣には、「大風呂洞遺跡」と書かれた案内表示があり、気になるのでそちらも見てみることに。しかし大風呂洞遺跡までは山の斜面を登っていかなければならず、これが結構険しく足場も悪い。登りはじめてすぐには辿り着かず、引き返そうか迷いつつも登り続け何とか到着。が、調査中で立ち入り禁止になっていた。広島大学が発掘調査しているらしい。名前か察するに大きな風呂場の遺跡でもあるのだろうか。

矢印があると行きたくなる

調査中…

大風呂洞遺跡