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その2  1日目昼〜夜

 

帝釈峡

(たいしゃくきょう:神石高原町)

日本百景のひとつで広島県を代表する景勝地の帝釈峡。南北に約18km続く峡谷で、奇岩や洞窟、橋など見所の多い観光スポット。峡谷の端から端まで散策路を歩いて全て回るのは大変なので、観光のメインとなっている上帝釈と神龍湖を観光する事に。

駐車場は閑散としている

桜橋から眺める神龍湖

帝釈観音堂から林道を北上し、神龍湖前の観光客用駐車場に到着。駐車場に車は3台だけで、駐車場前の直売所はシャッターが閉められている。曇り空とはいえ、GW中にも関わらずあまりにも閑散とした有様。まぁ人が多くてゴミゴミしているよりはいいけど、曇り空でどんよりとした雰囲気の中で人気も全く無いとさすがに寂しい雰囲気。

桜橋を渡って

トンネルを通って

散策路を進んで

帝釈峡のように自然を満喫するような観光スポットは晴れてこそ楽しめる場所。悪天候では本来の景色を見ることができない。天気のせいで観光意欲が湧かないが、旅行を中断せずに続行すると決めた以上、計画通り観光するしかない。気を取り直して帝釈峡散策開始。神龍湖の北側に神龍橋というのがあるので、散策路を歩いて橋へ向かう。散策路を入って直ぐのところにも桜橋という鉄橋がある。かなり年季が入っていていい味出している。桜橋からは神龍湖の風景。石灰岩カルスト地形というものらしい。

神龍橋

桜橋を渡りその先のトンネルを通って、散策路を進んで行くと神龍湖に架かる赤い橋が見えてくる。神龍橋は何というか、絵に描いたような一昔前の立派な鉄橋、という感じ。自分の中でこの手の鉄橋は、蒸気機関車が汽笛を鳴らして走っている絵が浮かぶ。神龍橋は橋長84mあるどっりしとした鉄橋だが、幅は3.6mと狭く歩行者専用。黒ずんだ赤い塗装に年季と風格を感じる。しばしの間写真撮影に夢中になる。橋について知識も特別な関心も無いが、この神龍橋は妙に惹かれるものがある。晴れていればもっと…いや、人が全くいないからゆっくり写真が撮れてよかったじゃないか。

神龍橋

神龍橋

神龍橋からさらに散策路を北へ向けて進む。それにしても人がいない。帝釈峡は広島を代表する観光地なので人が多いと思っていただけに、本当に拍子抜け。紅葉スポットとしても知られているので、紅葉シーズンは観光客で賑わうのかもしれない。機会があれば紅葉シーズンに再訪したいとも思うが、会社が休みの日で紅葉が見ごろでかつ、晴れている日となるとなかなか難しい。それにどうも自分には紅葉にイマイチ縁が無いように感じる。紅葉を見に出かけると見ごろを過ぎていたり、曇りで景色が映えなかったりと、そんな事が多い…

散策路

柏岩・幕岩へ続く道

散策路は途中で二手に別れ、片方は数キロ先の上帝釈に続いている。上帝釈まで歩いていくのは面倒なので車で行くことにし、もう片方の柏岩・幕岩へ続く道へ。するとまた古い橋が。柏岩橋という橋を渡るとさらにもうひとつ、幕岩橋がある。柏岩・幕岩というのは、橋から見える岩山の事だろうか。湾曲した川に架かるふたつの古い鉄橋、橋の目の前に岩山の切り立った断崖。なかなかいい場所だ。これで紅葉していれば本当に素晴らしい景色になると思われ。

柏岩橋

幕岩橋と奥に柏岩橋

幕岩橋と幕岩

幕岩橋の先は通行止め。垂直に切り立った山肌の岩壁を削ってつくられた道が続いているのだが、頭上から石が落ちてくる危険があり通れなくなっている。幕岩橋のたもとからその道を眺める限り、本当に危険そうな感じ。しかし道がつくられているということは、以前は普通に観光客が利用していたのだろうか。いずれにせよここで神龍湖周辺の散策は終わり。車で上帝釈へ向かうため駐車場へ引き返す。神龍湖周辺の散策路を歩いてすれ違った人はたったの5人。平日のマイナースポット並みじゃないの。。

通行止

頭上が危険で通行止な道

帝釈峡

(たいしゃくきょう:庄原市)

国定公園だよ

神龍湖から車を走らせ、帝釈峡北部の上帝釈に着いたのが15:00。天気の関係で上下町からはあまりじっくり観光していないのだが、思ったよりも時間が経っている。途中で仮眠をとったり帝釈観音堂に寄り道したりしたからかもしれない。ともあれ広島県一周1日目の観光は上帝釈までなので、時間を気にせずのんびりできる。そして空には所々青空が見えるようになり、日は射さないものの景色は少し明るくなる。少しだけ気持ちも晴れる。

散策路

上帝釈の駐車場に停まっていた車はたったの1台。誰もいない川沿いの散策路を歩いてまず白雲洞へ。白雲洞は奥行き200mまで見学できる鍾乳洞窟で、入場料は250円。部分的に狭い場所があるが、足場が板張りになっているので歩きやすい。よくある観光洞窟と同様に、何かの形に見える鍾乳石や奇岩などに名前がつけられている。名前の通りそれなりに見えるものもあれば、ちょっと苦しいものも。観光スポットとして楽しまれるよう、必死で何かに形の似ているものはないか探すのだろうか。

白雲洞

月の兎…一応うさぎっぽく見える

狭い場所がある

白雲洞を出てすぐ、散策路の左手に岩壁に空いた穴が見える。「鬼の窓」と名のついた高さ4mの穴で、その下には「鬼の唐門」という岩の裂け目のような穴がある。鍾乳洞が崩落して入り口だけが残ったものらしい。散策路からだと大して大きくはなさそうに見えるが、高さが8mあり真下まで来ると結構大きいことが分かる。鬼の唐門のすぐ隣には10mの石柱「鬼の供養塔」がある。この辺りは鬼にまつわる何かがあるのだろうか。

鬼の窓と鬼の唐門

高さ8mの鬼の唐門

鬼の供養塔

さらに散策路を進み、帝釈峡一番の見所になっている雄橋へ。鍾乳洞が侵食によって落盤し残った部分で、高さ40m、全長90mの巨大な岩のかたまり。日本を代表する天然橋で、昔は実際に生活道として使われていたらしい。

雄橋

雄橋の中から

橋の中の道の隅に積み石がいくつもある。たまにこういう積み石をみかけるが、誰が何のために積んでいるのだろう。宗教的な意味合いがあるのだろうか。自分の中で積み石といえば、地獄の川原で積んでも積んでも鬼に崩されてしまうあれが思い浮かぶ…

道の隅に積み石

天然の橋になっている

最初は雄橋を見て引き返すつもりだったが、せっかく少し晴れてきたしまだ時間があるので、「素麺滝」まで歩くことに。雄橋までは数人とすれ違ったが、雄橋から先は人っ子一人おらず。そして途中に食堂の廃屋。今は閑散としているが、昔はもっと観光客で賑わっていたのかもしれない。

雄橋からさらに南へ進む

断魚渓

食堂の廃屋

橋の先はながしそうめん場(立ち入り禁止)

雄橋からのんびり歩いて20分ほどで蕎麦滝に到着。滝と言っても岩の隙間からちょろちょろと水が数本流れているようなもので、見落として通り過ぎるところだった。自分がイメージしていた滝とあまりにも違っていたので拍子抜け。そして腹が減ったのでカバンの中のおにぎりを2つ食べ、来た道を引き返す。皮肉なことに戻り際になって青空が広がり、西日が射して辺りの風景が明るくなる。

蕎麦滝

帰り際に日が射し始める

車中泊する場所に決めていた、庄原市の「道の駅 遊YOUさろん東城」に18:00到着。道の駅にある食堂で夕食をとろうと思ったのだが、18:00閉店で食べ損なう。道の駅の隣に中華料理店があるのだが、夕食時に客が1人も入っていない事に不安を感じ、コンビニで弁当を買って車内で食べる。できれば店内でゆっくり食事がしたかった。食後は道の駅から5、6kmのところにある温泉施設へ行って1時間半ほど入浴。そして道の駅に戻ったのが20:30過ぎ。ここでもう少し先へ進んでおこうかと考えるが、次の道の駅は山の中。山奥だと冷え込みそうだし、早めに寝て最も冷え込む深夜から朝方に移動した方が効率がよいと思い、当初の予定通り遊YOUさろん東城で車中泊することに。21:00就寝。