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穴埋め編 三段峡

 

時間と天気の関係で行きそびれてしまった三段峡。帝釈峡と並ぶ広島を代表する景勝地で、どうしても一度観光しておきたかったので、広島県一周から三週間後の2013年5月25日(日)に出掛けることに。どうしてこの日にしかはズバリ、数日前から天気予報をチェックして確実に快晴になると確信したから。広島県一周では曇り空に悩まされ、ほとんど満足な景色を見ることができなかったので、今回こそは日差しを浴びた明るい景色を楽しみたいという悲願があった。

本来は広島県一周の旅の中で訪れるはずだったので、おまけとして三段峡もこの旅行記に載せることにした。ただ、車中泊旅行のような道中の記録は一切取っていないため、写真が多く文章は少なめの簡易制作(手抜きとも言う)。

三段峡正面口⇔黒淵

三段峡は全長13km(16kmという表記もある)と広い。全ての散策を歩いてまわるとなると、丸1日掛かる。ネット上や三段峡散策マップ(駐車場でもらえる)には所要時間に応じたモデルコースが載っている。それらを参考にしつつ、主な見所を見てまわれるよう2つのコースに分けて散策することに。

まずは三段峡南端に位置する三段峡正面口から黒淵まで歩くコース。正面口に着いたのは9:00。ハイキングに最適な季節の快晴の日曜日、それでも観光客の姿は数えるほどしかいない。こちらとしては人は少ないほうが好都合だが。散策路を歩くだけなので服装は普段着、一応靴はトレッキングシューズに履き替え出発。

三段峡正面口

正面口から橋を渡って散策路へ

綺麗な川

舗装されていて歩きやすい

姉妹滝

散策路は峡谷の川に沿って続く。やはり晴れていると気持ちがいい。日差しを浴びて青々とした草木、散策路に射す木漏れ日、エメラルドグリーンの川。悲願とも言える快晴の下での自然散策にやたらとテンションが上がる。曇り空の下で散策した帝釈峡の時とはあまりにも景色が違う。やはりこういう場所は快晴の時に訪れないと楽しめない。

車中泊でもこういう明るい景色が見たかった

石が並んでいるのをよく見かける

赤滝

目に入る景色全てがシャッタースポットのようにきれいで、写真を撮る手が止まらない。車中泊の時に無理して行かずに本当に正解だった。あの時訪れていたらこんな景色はまず見られなかった。しつこいようだが自然散策を楽しむには青空と日差しは必須だ。

散策路から眺める峡谷の風景は本当に素晴らしい。これまで瀬戸内ばかりドライブに出掛けていたが、広島は山間部にもこんな魅力的な場所があるのだと知らされた。帝釈峡へもこのような快晴の日に再訪したいと思う。

何処を撮っても絵になる

本当にいい場所だ

まもなく黒淵

黒淵に渡し船がある

写真を撮りまくりながらゆっくり歩いて70分ほどで、黒淵の船着場に到着。そして船着場からの景色に圧倒される。川を挟みこむようにそびえる、切り立った断崖が水面にくっきりと映りこんでいる。特徴的な断崖の岩肌と木々がまるで水中に存在しているかのよう。この景色を見るためだけにここまで来る価値がある、と思える眺め。この風景を見たときのインパクトの強さは、今まで日本中を旅してきた中でも5本の指に入る、と思う。

黒淵渡船場

素晴らし過ぎる景色

船着場に船がいない場合は、隅にぶら下げられている棒を引いて合図をする。対岸の船着場まで紐が繋がっていて、棒を引くと対岸の鈴が鳴って船頭に知らせるというもの。対岸は目と鼻の先なので直ぐに船が来る。乗船料は大人が往復500円。もちろん乗客が1人でも航行してくれる。ちなみに渡し船に乗らずに散策路を歩いて先へ進むこともできる。

対岸まで紐が延びている

棒を引けばすぐにやってくる

乗船中の景色も素晴らしい。そして船頭のおじさんがよく喋る。船頭さんの話によると、昔は観光客で賑わっていたらしいが時代と共に人が減り、現在は休日でも観光客はまばららしい。最近の人は歩くのを嫌がるから…と。広島県は、何処へ行くにも車で移動するような生活スタイルの地域が多いので、あまり歩きたがらないのだろうか。

渡し船に乗船中

対岸に到着

対岸の船着場と黒淵荘

対岸の船着場に着くと、目の前に黒淵荘という茶屋がある。やまめの串焼きやお弁当などが売られている。無料の冷たい麦茶が置かれていたり名水黒淵なる湧き水が出ていたりもする。ここでひと休憩。ちょうど空腹だったので弁当を買って食べる。

黒淵荘

食事ができる

無料の麦茶

名水黒淵

弁当を買って食べる

黒淵荘から吊橋を渡った所にトイレがある。黒淵荘から先は水梨口までこれと言って見所はなく、遊歩道からの景色も正面口から黒淵までと比べると単調らしく、効率的に散策するなら黒淵で折り返して水梨口まで車で行ったほうが楽だと、渡し船の船頭さんも言っていた。ということで正面口まで引き返す。

黒淵荘の横に架かる吊橋

犬ーっ

北へ延びる三段峡

水梨口⇒二段滝⇒三段滝⇒水梨口

三段峡水梨口

30分の道のり

三段峡正面口から車で水梨口まで移動し、二段滝と三段滝を見てまわる散策開始。まずは二段滝から。二段滝は渡し船に乗らないと行けず、船着場の猿飛まで歩く。と、黒淵のトイレ前で見かけた犬を発見。どうやら黒淵から水梨口まで歩いてきたようだ。車で移動してきた自分が恥ずかしい…

二段滝へは渡し船で行く

散策路

さっきの犬っ

水梨口からの散策路も川沿いに続いているが、正面口〜黒淵と比べると景色は単調で、何処にでもありそうな散策路という感じ。三段峡のハイライトは正面口〜黒淵のようだ。

二段滝と三段滝の分かれ道

正面口と比べるとおとなしい風景

歩道なのに…

あまり花は見かけない

水梨口から30分ほどで猿飛渡船場に到着。黒淵の船着場ば無人だったが、猿飛には簡易的な待合所があり係員が常駐していた。乗船料は往復400円。猿飛の渡し船はちょっと変わっている。船頭さんは航路の頭上に張られたロープを手でつたってボートを進ませる。モーターやオールでは何か問題があるのだろうか。それとも岩場に挟まれた狭い航路を進むにはこの方法が最適なのだろうか。船頭さんに聞けばよかった。

猿飛渡船場

渡し船到着

猿飛から二段滝までの航路は切り立った断崖に挟まれ、その隙間をゆっくりと船で進んでいく。何メートルもある岩の上に木が生え、頭上は日差しを浴びて緑色に輝く葉で覆われている。何とも表現しがたい素晴らしい空間。まるで秘境に入り込んだかのよう。

船頭のおばちゃん

このロープをつたって船を進める

黒淵に劣らぬ素晴らしさ

この先が二段滝

5分弱船に揺られて辿り着いた二段滝は、岩場に囲まれた正に秘境的な雰囲気の空間。滝壺はエメラルドグリーンでとても綺麗。滝は小さなものだが勢いがよく大きな音を立て、それを滝壺から間近で眺められるので見ごたえがある。名前の通り元は岩の段差が二段あったのだが、1988年の集中豪雨で一段壊れてしまい現在は一段。

二段滝

ぐるっと岩の壁に囲まれた場所にある

二段滝の次は三段滝へ。水梨口から歩いてきた道を途中まで戻り、三段滝へ続く分かれ道へ入る。そして別の川に出て、少し歩いて三段滝に到着。猿飛からだいたい25分くらい。

三段滝へ向かう

三段滝へ続く散策路

少し離れた対岸の歩道から滝を眺めるかたちなので、あまり迫力は伝わって来ない。二段滝と比べてしまうとどうしても物足りなさを感じてしまうが、二段滝と猿飛の航路の印象が強すぎるので仕方ない。三段滝で三段峡散策は終了。水梨口へ戻り帰路に就く。

三段の岩場を流れる

三段滝

9:00に正面口から散策を始めて、水梨口の散策を終えたのが15:00。三段峡観光に掛かった時間は約6時間。広島県一周の車中泊旅で計画を立てた時は最低3時間と見ていたが、結果的には最低半日は必要だった。あの時仮に計画通り14:00頃に三段峡に着いていたとしても、どの道全然時間が足りなかった訳で。。広島県一周とは別個にして観光して本当に正解だった。三段峡は是非とも紅葉が見ごろの時に再訪したい。