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初登山その2  九合目→富士山測候所

 

九合目を越えたしあともう一息、もう楽勝だね!などと思っていたら大間違い。九合目からが本当にしんどい。相変わらず頭は痛いし足も結構重くなってきて、小休憩が一気に増える。しかし足を止めたりしゃがんだりすると、呼吸のタイミングが崩れて余計に頭が痛くなる。

「九合五勺」?中途半端な…でもこれで本当にあと一息!

ちまちま大事に飲んでいた500mlペットのお茶も、八合目から減りが早くなって半分以下に。しかもかなり腹減った…朝起きてバナナ一本食べて、七合目でチョコボール一箱食べただけでよくここまで登って来れたと自分に感心する。ケチケチ。

遂に山頂が目の前に見えてきた。ゴールはもう目前。しかし疲労はピークに達し、少し歩いては少し立ち止まってを繰り返しながら進む。

五合目から約6時間、遂にやったー!!いや本当に疲れた、腹減った、喉渇いた…そして頭が痛い。山頂の天気は快晴。こんなに苦労して登頂したのに、悪天候だったらやるせないったらありゃしない。とにかくやったぞ!日本一の富士山登頂!!

後から知った事だが、四ヶ所ある五合目の中で富士宮口五合目が最も標高の高い位置にあり、山頂まで最短距離で登れるルートだったので、初登山の自分には最適なルートだった。

山頂はかなり日射しが強いが、気温は低く寒いくらいなのでタートルネックシャツを着る。ここで初めて自分がおもいっきり日焼けしている事に気付く。富士宮口山頂には左写真の「浅間大社奥宮」や、「山頂富士館(食堂・売店・宿泊施設がある)」などあるが、激しい頭痛に加え気分が悪くなってきてそれどころではなく、日陰の地面の上で30分ほど横になる。

少し寝たら大分気分が良くなった。今回の富士山初登山は、明らかに睡眠不足&食料不足&水分不足。とりあえず空腹が限界なので「山頂富士館」の食堂でカップラーメン(600円!)を食べ、ラムネジュース(500円!)を飲んでお腹はとりあえず満足。それにしても、いくら富士山頂だからってあの値段はちょっとねぇ…でも仕方ないか。

間近で見る富士山の噴火口は結構迫力がある。本当は火口をぐるっと一周(お鉢巡り)したいところだが、もうそんな体力も気力もない。今回は初登山だし体慣らし、次回登る機会があったらその時にお鉢巡りをしようと思った。

富士山測候所がある「剣ヶ峰」という丘の上が、本当に日本一高い場所、3776mの地。測候所の白いドームの中にはレーダーがあり、それで気象観測をしている…と言うのはすでに過去の話で、1999年にレーダーによる気象観測は廃止されたらしい。

すでにヘトヘトなのにあんな急勾配を登らないといけないのか…とちょっと気が重くなるも、やはりあそこまで登ってこそ本当に日本一高い3776mの地に立った事になる。これが本当に最後の上り坂なんだと気合を入れ、剣ヶ峰の急勾配を一気に駆け上がる。

富士山測候所の白いレーダードーム。富士山頂のランドマーク的存在。こんな所に測候所を建設するのは相当大変だったと思う。気象観測は廃止されていても、測候所の表札の隣のホワイトボードに山頂の気象データが書き込まれていた。

ホワイトボードの

気象データ

 平成13年7月12日12時

 風向:西

 風速:37m/s

 気温:+7.4℃

 気圧:652.2hPa

 天気:晴

測候所から眺める富士宮口山頂

小さなレーダードーム?と廃墟が見えた

遂に辿り着いた日本一高い地には「三七七六の碑」が。「日本最高峰富士山剣ヶ峰 三七七六米」と刻まれている。「米」は「メートル」と読むの?

疲れきっているので三七七六の碑での記念写真は変な顔…でも日本一を征した(大げさ)達成感は大きい。この時点でまたいつか富士登山をしてここまで来ようと思った。

ちなみに下山は休憩無しで一気に五合目まで下りて3時間。下りは楽なので調子に乗って小走り気味に歩いていたら、足を滑らせ転んでヒジをすりむいた…あと日焼け対策を全くしていなかったので酷い日焼けをしてしまった。唇まで日焼けして粘膜が割れて血が出て痛い思いをする羽目になった。富士登山に日焼け対策は必須だと痛感。

 

教訓:富士登山には十分な飲料・食料・丈夫な靴・日焼け対策・防寒対策・睡眠が必要