トップページ

その3  1日目昼〜夜

 

みくりが池に日が射すのを待っていたら…

突然室堂平一面が曇り始めた

みくりが池から地獄谷・りんどう池・エンマ台・みどりが池と、室堂平を一周して再びみくりが池に戻ってきて11:30。雲の動きが速く太陽が顔を出したり隠れたり。出来れば最初にみくりが池を見た時よりも明るいみくりが池が見たかったので、近くにある山荘のオープンデッキに腰を下ろして休憩しつつ、雲の動きを眺めみくりが池に日が射すのを待つ。しかし南側にあった雲が室堂平上空に流れ始め、あっという間に空一面が雲に覆われてしまった。あまりの急変に驚く。室堂平を一通り周った後でよかった…室堂平は完全に日差しが遮られ、一気に気温が下がって涼しくなる。

立山も雲で覆われる

みくりが池展望台からの立山の眺め…

朝に室堂平に着いた時に、雄山の登山は止めた方がいいと判断したのは正しかった。もし登山をしていたら頂上に着くのがちょうどこの頃と思われ、雲で室堂平も立山連峰も何も見えずにアルペンルートの観光を終えるところだった。空腹だったのでみくりが池展望台の目の前にある温泉のオープンデッキで飲み食い休憩。地獄谷を見ながらこれからどうするか考えていたら、小雨が降り出すもすぐに止む。

T字路を左折して進む

空模様からしてこの日の内に再び晴れる事はなさそうだし、午前中の晴れている内に室堂平を一周できたので、黒部ダムまで戻ってもよかったのだが、時間はまだ12:00過ぎで余裕があるので、少し気になっていた地獄谷のT字路左側の遊歩道に行ってみることに。曇っていい景色は望めないが、涼しく快適なのでちょっとした散歩気分で。

T字路から左側は地獄谷・大谷コースというルートで、地獄谷から室堂平の西側をぐるっとまわり室堂駅まで行くコース。途中に池やこれと言った観光スポットも無いマイナーコースな上、悪天候のせいもあって人の姿は無い。

道の途中に「地獄谷火山ガス危険区域図」が。「たいへん有毒な火山ガス…ぜん息の人、気管支に疾患のある人は立ち入らないように…警報が発せられたり臭気が強いときは急いで通り抜けてください…」って、そんな危険度の高い所によく遊歩道をつくったなぁと思う。「臭気が強いとき」とは、あの鼻にツンとくる刺激臭の事だろう。風が出ている時はガスが遊歩道に流れてくる可能性もあるので本当に注意が必要だ。

何かと思えば…

こんな物が設置されるほどに危険という事か

さらに少し進むと遊歩道の脇に金属製の大きな箱が。職員用の作業道具入れか何かと思ったら、有毒ガスに侵された人を手当てする道具が入っていると思われる救急防災箱だった。こんな物まで用意されているとは…実際に有毒ガスに侵される観光客がいるというとこか。あちこちにある「遊歩道以外立入禁止」の注意書きや火山ガス危険区域図、そして救急防災箱。何だか脅しをかけられているみたいで少し心配になってくる。人も全然見かけないし…

足を滑らせたら地獄の谷に転落

ある意味地獄谷の名にふさわしい光景

遊歩道の途中に完全に雪で覆われている所が。一応歩行するための足場が出来てはいるが、万が一足を滑らせたら崖の下まで転げ落ちる事になる。なのでかなり慎重に歩く。と、雪道を渡っている途中にゴソッっと音がして、音が聞こえた斜面の上を見ると…大きめの岩が転がってきた!しかも自分の方に向かって!!慌てて雪道を渡り切る。シャレにならない…本当に危なかった。もう少しで室堂平駅のホワイトボードの最近の事故の項に、「8/6 地獄谷・大谷口で男性が落石の被害に遭い…」と書き込まれるところだった。遊歩道の上の斜面を見ると、いつ転がってきてもおかしくないような岩が無数にある。これはかなり怖い。足早にその場を立ち去る。

遊歩道を歩いていると一羽の鳥が姿を現した。遊歩道の真ん中で立ち止まったり左右にうろうろしている。自分が前に進むと2mくらいの距離を置いて鳥もトコトコと前を進む。これはおもしろい。暫く鳥と歩いていると、向かいから観光客がやってきて鳥は遊歩道の外へ行ってしまった。後から知った事なのだが、日本では本州中部の高山地帯にしか生息していない特別天然記念物の雷鳥だった。日本では3000羽ほど生息しているらしい。室堂平でも頻繁に見れる鳥ではないようなので、自分はツイていたと言えるかもしれない。

何の鳥かと思ったら…特別天然記念物の雷鳥だった

視界の悪化が進み、結構歩いて足も疲れてきた。雨がぱらついてきたしもう終わりでいいやと思った頃に、タイミングよく室堂駅に続く上り道に入る。しかしこの上りが結構キツくて息が切れる。気温は低く涼しいのに汗だくになってしまった。ちょっと危険な目に合ったりもしたが、13:00過ぎに無事室堂駅に戻る。

どんどん霧が濃くなる

岩だらけの地獄谷・大谷コース

晴れていれば何か見えるのだろうか

とりあえず飲む

立山玉殿の湧水

(たてやまたまどののゆうすい)

室堂駅前の広場にある「立山玉殿の湧水」は、立山連峰の万年雪が2、300年かけて地中でろ過された湧き水。朝に室堂駅から広場に出た時は観光客が沢山いて湧水には列ができていたが、天気が悪化した昼過ぎは混んでいなかったのでとりあえず飲む。うん、冷たくて美味しい。結構飲んだ。

室堂平はもう十分、ということで13:45発の大観峰行きのトロリーバスに乗車。車内では終始爆睡。結構疲れていたようだ。

晴れていれば後に立山が見える

大観峰(だいかんぼう)

行きは乗り物の発車時刻の関係で立ち寄れなかった、大観峰駅の見晴台に立ち寄る。ロープウェイのホームの上に展望台があるのだが、トロリーバスの改札口の側にある見晴台からの眺めの方が、黒部湖とロープウェイを一緒に撮影できるのでいい。室道平は視界不良の悪天候になってしまったが、ダム周辺はまだ大丈夫のよう。

黒部湖と後立山連峰を一望

黒部平駅を見下ろす

大観峰駅にあったポスター

大観峰駅でロープウェイを待っている間、駅員がアルペンルートの風景写真集の売込みをおもしろおかしくやっていた。そのときふと目に止まった一枚のポスター、冬のアルペンルートの道路風景。こういう景色も機会があれば生で見てみたい。

ロープウェイで大観峰から黒部平まで下り、そのまますぐにケーブルカーで黒部湖まで下りてダムへ向かう。

ケーブルカーで黒部湖駅へ

黒部湖(くろべこ)

まだ時間に余裕があるので黒部湖畔の遊歩道を少し歩く。途中にカンパ谷吊橋という長さ60mほどの橋がり渡る。吊橋よりも先に進もうか迷ったが、見所があるのか分からないし遠くから雷の音が聞こえるようになってきたのでヤメ。突然土砂降りに降られても困るので、トロリーバスに乗って車を停めてある扇沢まで戻る事にした。

黒部湖

カンパ谷吊橋

吊橋から黒部湖駅に戻り、ダムを渡って黒部ダム駅へ。ダムからトロリーバスの乗車口まで続く通路や駅構内は天井が円形で、ダム建設時に作業のために掘られたトンネルをそのまま利用している事をうかがわせる。ダムから駅構内までの通路は非常に涼しくひんやりしている。通路の壁にはダム建設開始から完成するまでの写真が順に展示されている。

黒部ダム駅入り口

駅へ続く通路

駅構内

扇沢駅降車ホーム

トロリーバスで扇沢まで戻り関電トンネルを出ると、外は大粒の雨だった。場所(標高)によって天気が全然違う。傘を持って来ていなかったので(トレッキングで傘を使うのはいろいろと危険なのでレインコートをカバンに入れていた)、扇沢駅から車を停めている駐車場までダッシュ。時間は15:30過ぎとまだ夕暮れ前だが、この日は他に観光する予定もないし雨も降っているので、立ち寄り温泉を探しに扇沢を出発。

大町アルペンラインを抜けた所で立ち寄り温泉を発見。時間に余裕があるのでもう少し別の場所を探してみようかとも思ったが、面倒くさいので止めて入浴。16:30過ぎから19:00頃までのんびり入浴。のんびりしすぎて手足の指が物凄くふやけてしまった。入浴後に運転中に目に入った小洒落たランチハウスで夕食を済ませ、コンビニに車を停めて就寝。21:00の就寝はこれまでの車中泊の中でもかなり早い。早すぎてなかなか眠れない…