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2011年4月30日 16日目 (曇りのち雨)  宮崎県高千穂町⇒福岡県豊前市

走行距離:189.5km(合計:3865.3km)

給油:00.00L(合計:208.53L)

 

6:30起床。夜間は車中泊の車で満車だった道の駅駐車場は、起床時には半分以上空いていた。皆動くのが早い。荷物の整理などをして7:00に道の駅を出発。10分ほど車を走らせ、高千穂峡の名所である真名井の滝の側の駐車場へ行くと、すでに満車寸前で沢山の観光客の姿。やはりGWは侮れない。そして駐車場の奥には人の長い列。どうやら高千穂峡の手漕ぎボートの乗船チケットを買い求める人の列のよう。自分もちょっとボートに乗ってみたい気もしたが、観光客で賑わう中1人でボートを漕ぐのは目立って恥ずかしいので止めた。

橋の上から見下ろす真名井の滝

国の名勝・天然記念物に指定されている高千穂峡散策開始。駐車場前にある橋の上から早速真名井の滝が見える。渓谷を流れる五ヶ瀬川に沿って続く遊歩道に入ると、ガイドブックなどに載っているアングルからの滝の眺め。切り立った断崖に囲まれた川に流れ落ちる一筋の滝。なかなかいい眺めだ。落差は17mとの事だが、見た目はもっと大きいようにも感じる。垂直の壁に囲まれた幅の狭い空間にあるからかも知れない。真名井の滝は日本の滝百選に選ばれている。

真名井の滝

五ヶ瀬川に沿って続く遊歩道を歩く

鬼八の力石と切り立った崖

高千穂峡では、縦に筋の通った柱状の形をした岩壁が多く見られる。大昔の阿蘇火山活動で噴出した溶岩流が五ヶ瀬川に沿って帯状に流れ出し、急激に冷やされたためこのような形になったらしい。遊歩道の周りには名前の付いた岩や池、真名井の滝とは別の滝もあるが、どれも大した事無いのでほとんど割愛。それにしても、駐車場は多くの観光客で賑わっていた割には、遊歩道を歩く人の姿は非常に少ない。皆ボートが目的なのだろうか。

特徴的な柱状の岩壁

とり塚

真名井の滝から遊歩道を進んでいくと、三つの橋が見える場所に出る。一番手前が石造りの神橋。そのすぐ後ろに高千穂大橋。一番奥は木々に隠れて見えにくいが、一番大きい神都高千穂大橋。神都高千穂大橋は車中泊した道の駅の隣にあり、道の駅から神都高千穂大橋と高千穂大橋を渡って真名井の滝の駐車場まで行った。橋の高さを見れば渓谷が深い事がよく分かる。高い所で100m、平均で80mの断崖が約7km続いているらしい。

手前から順に神橋、高千穂大橋、神都高千穂大橋

高千穂大橋から見る神都高千穂大橋

自然観察道

神橋を渡り、自然観察道というマイナーな遊歩道に入ってさらに川沿いを進む。途中で川を離れ山を少し登り、高千穂神社に到着。こちらも観光客の姿は少ない。境内をさらっと見物してから、車を停めてある駐車場へ引き返す。

高千穂神社

戻りは自然観察道ではなく車道の端を歩き、途中で高千穂大橋に差し掛かる。高千穂大橋からは高千穂峡の切り立った地形を見下ろすことができる。五ヶ瀬川沿いの遊歩道からよりも、渓谷の地形や規模がよく分かる。

高千穂大橋から見下ろす高千穂峡と五ヶ瀬川

この直後に悲劇が…

高千穂大橋から五ヶ瀬川まで下りて、川沿いの遊歩道の三つの橋が見える場所まで戻る。ここで観光客に写真撮影を頼まれ、ついでに自分も撮ってもらったのだが、自分のカメラを受け取る時に手を滑らせ地面に落としてしまった!落ちたカメラを拾って外観を確認すると、パッと見は傷も無く無事のよう。撮影した写真もちゃんと液晶画面に映っている。がしかし、撮影モードにしてもレンズが出てこない。更には一度電源を切ったら電源が入らなくなってしまった…旅行中にカメラ破損っ!車中泊の旅で2度目だよ(2010年5月に白川郷で転んだ時に破損)…予備カメラも常に持ち歩いているので写真撮影は続行出来るが、カメラの性能は落ちる。旅も後半に差し掛かり、ハイライトの屋久島・種子島を観光した後だったのがせめてもの救い。とりあえず気を取り直して観光続行。いつの間にか遊歩道には沢山の観光客で賑わっていて、五ヶ瀬川にもボートが沢山。混雑する前に観光を済ませておいてよかった。

 

高千穂峡から次の目的地の大分県の九重へ向けて出発。高千穂峡を出て直ぐに、赤い電車が停まっている「トンネルの駅」が目に留まり、興味を惹かれついでに立ち寄り。全長1,115mもあるトンネルがあり、中に入ると遙か先まで樽がずらりと並んでいる。このトンネル、旧国鉄時代に工事されるも湧き水が出る事故があって中断してしまい、そのまま旧国鉄も無くなり鉄道のトンネルとして使われる事はなかったらしい。で、中の湿度と温度が焼酎を寝かせておくのに適していたため、焼酎の貯蔵庫として使われるようになったとか。

トンネル入口

ズラリと並ぶ焼酎の貯蔵樽

トンネルの手前には焼酎を販売している物産館もある。自分は焼酎は苦手なので物色せず。天気は微妙でもGW中の土曜日ということもあり、駐車場は満車で多くの観光客で賑わっている。トンネルの駅入口にある赤い電車の後ろ側にはSLも展示されていた。色を塗り替えて日が浅いのかピッカピカ。立入できない橋の上に展示されているので近づく事はできない。

物産館

橋の上のSL

SLが展示されている橋の後ろには小さな公園があり、別のSLの動輪が飾られていた。公園からはSLの後ろ側だけを近くから見られる。橋はトンネルの駅の貯蔵庫の直線上にあり、もしもトンネルが開通していたらこの橋の上を実際に鉄道が走っていたものと思われ。橋を挟んでトンネルの駅の反対側にもトンネルがあり、倉庫か何かに使われているのか入口に扉がついていた。

 

トンネルの駅から九重へ向かいつつ、旅行4日目に観光した阿蘇の東側に入る。ちょうどお腹が空いてきたところで、そば処と書かれた看板が目に留まったので車を停める。そこは「月廻り温泉館」という観光スポットで、高千穂峡やトンネルの駅と同じく駐車場はほぼ満車。芝生の広場があり子供連れの家族の姿が目立つ。半年前の四国・九州旅行でも月廻り温泉館の前を通ったが、その時と比べて明らかに交通量が多い。GWというのは恐ろしい。

月廻り温泉館から眺める阿蘇山

名前の通り温泉施設があるが、まだ正午にもなっておらず入浴するには早すぎるのでパス。月廻りレストランという食事処に入り、地鶏うどん(おにぎり付き)を注文。地鶏が売りらしいのでご当地グルメをした事になる?

月廻り温泉館の水車

温泉館横にある紅葉の滝

地鶏うどん

月廻り温泉館から九重へ向けてさらに北上しつつ、旅行4日目の阿蘇観光では時間の関係上立ち寄るのを諦めた城山展望所へ。しかし曇り空で日が差さず、視界も非常に悪く景色は酷く霞んでいる。あまりにも残念な眺めだ… まぁ九重へ行くついでに寄っただけだし、4日目に阿蘇のいい景色を沢山見たのでいいさと、気を取り直す。

 

13:00に大分県の九重に入り、大分県の名勝である九酔渓に架かる九重夢大吊橋へ。15日目に観光するはずだった宮崎県の綾の照葉大吊橋から、歩行者専用吊橋の高さ日本一の座を奪った吊橋。かなり広い駐車場はやっぱり満車状態で、辺りはもの凄い人の数。GW+日本一効果恐るべし。九重夢大吊橋は是非とも晴天の下で観光したかったが、雨が降り出しそうな残念な空模様。天気予報を確認すると前日と変わらず雨。

\500で往復通行チケットを購入して吊橋を渡る。全長は390m、高さが173mで日本一とはいえ、オール金属製のかなりしっかりした造りであまり揺れず、個人的に全くスリルを感じない。風速65mくらい、地震は震度5まで耐えられるとの事。さすがに吊橋の上で強風や地震に遭遇したらスリルどころの話ではないな。

見るからに丈夫そう

吊橋の幅はこれくらい

吊橋からは岩壁を流れる2つの滝が見える。2つの滝には落差83mの「男滝」、落差98mの「女滝」と名前が付いていて、2つの滝を総じて「震動の滝」。2つの滝は結構離れているのに、何故ひとまとめにしているのだろうか。落差が約80m〜100mとなると大規模な滝の部類に入るはずだが、吊橋からは結構離れているので大きさも迫力も実感できず。この手の滝はもっと間近から見上げるように見物したい。震動の滝は日本の滝百選に選ばれている。

女滝

九酔渓

男滝

吊橋を渡りきり、九酔渓に架かる九重夢大吊橋の全景を見渡せる見晴台へ。吊橋を渡っている時はイマイチ規模の大きさを実感できなかったが、離れたところから全景を眺めて規模の大きさを実感。確かに凄いなこの橋は。晴天ならばもっといい眺めだったろうに。と、曇天を悔やんでいたらパラパラ小雨が降り出す。観光中に雨に降られるのは旅行5日目以来の11日振りだろうか。ここまでは青空が広がる晴天の日が多かったし、それらを考えれば今回の旅は天気には恵まれている方だと思う。

見晴台から眺める九重夢大吊橋

降ったり止んだりの小雨の中、吊橋を再び渡って引き返し震動の滝展望所へ続く遊歩道に入る。途中で男滝と女滝への道に分かれているが、女滝へ続く道は立入禁止になっていた。そして男滝展望所からの眺めはと言うと、吊橋から見るのとあまり変わらず滝までの距離が長く、手前の木々が邪魔で滝の全景が見えない事もあり、眺めはあまりよくない。正直吊橋から眺めるだけで十分だった。天気が悪いので余計にそう感じるのかもしれない。晴れていないのが本当に残念。

女滝展望所への道は立入禁止

男滝展望所から

 

大分県観光2箇所目は、九重から北に20kmほどの場所にある深耶馬渓・一目八景(しんやばけい・ひとめはっけい)。耶馬渓(やばけい)という渓谷で一番の景勝地で、奇岩と紅葉が見所の場所。しかし紅葉の時期ではないし、何よりも時折小雨が降る曇り空なので全く見映えしない風景… 九重夢大吊橋の賑わいと打って変わって、こちらの観光客の姿は皆無に等しい。店が軒を連ねる通りも人の姿はなく寂しい状態。紅葉の時期は多くの観光客で賑わうらしい。

一目八景の散策道に入る

険しく切り立った岩山

こんな奇岩が多い

寂しい雰囲気の一目八景だが、せっかく訪れたので散策道へ入る。散策道からは切り立った岩肌や奇岩が見えるが、インターネットで見た紅葉の景色と比べてあまりにも残念な眺め。紅葉の名所に紅葉でない時に行ってもダメなのね。。しかも悪天候…そのうち本降りの雨になりそうなので、空模様を気にしながら散策道を進む。曇ってはいるがかなり蒸し暑く、体がベトベトして気持ち悪い。

散策道にある花畑

散策道にある岩のトンネル

散策道の終わりまで歩くと車道に出て、一目八景展望台に到着。展望台の正面には大きな岩山がそびえているが、特別印象的な眺めでもなく。やはり紅葉でないとダメなのだろう。正直深耶馬渓・一目八景に立ち寄る必要はなかったと思う。そう思いつつも、せっかくなので散策道の中間あたりまで戻り、見晴台と書かれた案内板の指す山道へも入る。そこには、足元が大変悪くなっているので自己責任で通行してくれとの案内。トレッキングシューズを履いてくればよかった。半年前のようにまた岩場で転びたくないので、足元に細心の注意を払って歩く。

一目八景展望台からの眺め

もう転びたくない…

本当に足場の悪いゴツゴツした岩場の道を上っていくが、なかなか見晴台にたどり着かない。そしてまた小雨がポツポツと降りだす。足場の悪い岩場を雨の中歩くのは危険なので引き返そうか迷っているうちに見晴台らしき場所に着くが、案内板も何も無いのでよく分からない。車道に沿って軒を連ねる旅館や売店が見えるが、他にこれと言って眺めるものは無い。やはり紅葉していないとダメらしい。雨が本降りになったら大変なので、ここが見晴台という事にして駐車場へ引き返す。本当に何をしに来たんだか…

見晴台?からの眺め

見晴台?から見る岸壁

 

深耶馬渓・一目八景からさらに北へ向けて車を走らせ、この日最後の観光となる青の洞門の直ぐ側まで進んだところで、目を惹く随分長い石橋があったので寄り道。耶馬渓橋という8連アーチの石橋で、全長116mもある日本一長い石橋だった。完成したのが大正12年(1923年)と歴史もある。偶然にもなかなか凄い石橋を発見してしまった。地元では「オランダ橋」という愛称で呼ばれているらしい。「オランダ◯◯」と名が付く名所は大抵ガッカリ名所というイメージだが、この石橋は例外と言える。

耶馬渓橋

車が通れる

耶馬渓橋は普通乗用車が1台通れる幅があり、とりあえず車で一往復。それから耶馬渓橋の前に車を停め、歩いてひとつ隣の橋へ行き耶馬渓橋の全景を眺める。ここで小降りだった雨がとうとう本降りに。慌てて車に戻り、青の洞門へ向かう。

 

禅海和尚の像

青の洞門に着いたのは17:00過ぎ。雨は本降りになり空は暗くなり始め、観光客の姿も無し。駐車場前にあるレストハウスも閉まっていて寂しい雰囲気。腹減った… 駐車場前の広場には、「禅海和尚の像」がある。青の洞門はノミと槌だけで30年かけて掘り抜いたと言われる、全長約342mのトンネル。完成したのは1763年(宝暦13年)と言われている。多くの通行人が命を落とすほどの断崖絶壁の難所だった所に、禅海和尚という人が石工を雇って掘ったらしい。それにしても傘を差しながらの写真撮影は何ともやりづらい。旅行16日目にして傘を差しての観光はこれが初めて。

青の洞門出入り口

車道は後から手が加えられたもの

車は信号で交互通行

当時から残る歩行者専用トンネル

青の洞門は明治40年に再掘削され、禅海和尚が掘った当時とはだいぶ変形している。現在は車が1台通れる広さになっていて、信号で交互通行している。一部にだけ歩行者専用の小さなトンネルがあり、そこが禅海和尚が掘った当時から残る素堀のトンネルらしい。素堀部分にはお地蔵さんと禅海像が備えられていて、最初に開けた明かりとりの穴も残っている。開通後禅海が通行人から通行料を徴収したという話が伝わっていて、青の洞門は日本最古の有料道路とも言われている。

トンネルにあるお地蔵さん

禅海像…と、雨天で気分が晴れない旅人

最初に開けた明かりとりの穴

青の洞門出入り口

 

青の洞門で1日の観光を終え、食事処と入浴施設が見つかりそうなJR中津駅へ向けて車を走らせていると、小型のSLや電車が置かれたラストランの前を通り、興味を惹かれUターンして店に車を停める。「汽車ポッポ」というレストランと民宿の店だった。旅行記のいいネタになりそうなのでここで食事をしよう!…と思ったが、何とこの日に限って貸切で入店できなかった。ツイてないなぁ。

JR中津駅前まで行くも、思ったほどの賑わいも店も無い。ビジネスホテルが数軒目に入り、気分的にホテルに泊まりたくなったので、値段が安くて綺麗そうなホテル2軒を伺うもどちらも満室。そして駅周辺のそこら中で中学生〜高校生くらいの団体が歩いているのを見かける。何かの大会でもあるのだろうか。その影響でビジネスホテルが満席なのかも知れない。ともあれ、ホテルに宿泊するのは諦め先へと進み、大分県から福岡県に入ったところでジョイフルに入店して夕食。食後に店内で地図を見ていると、ジョイフルのすぐ側に「豊前」と書かれた温泉マークがあったので、ジョイフルの店員に「この近くにある”とよまえ”という温泉は日帰り入浴出来ますか?」と聞いた所、「??あ、”ぶぜん”温泉のことですね」。…豊前は”ぶぜん”と読むのか、恥をかいてしまった。その豊前温泉で入浴して、暫く休憩室でゴロゴロ。そして温泉のすぐ近くにある「道の駅 豊前おこしかけ」に車を停めて車中泊。ここも車中泊と思われる車でほぼ満車。GW恐るべし。雨天による湿度のせいで車内も少し蒸すし、やっぱりホテルに泊まりたかった。22:20就寝。

 

本日の食事

朝食 コンビニ パン
昼食 月廻りレストラン 地鶏うどん
夕食 ジョイフル ねぎとろ丼・サラダ

昼はご当地グルメ?