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その2  2日目

 

7箇所目:石廊埼灯台

(いろうざきとうだい:静岡県南伊豆町)

夜になっても蒸し暑くてなかなか寝付けなかったが、前日の夜にラジオで流れていた天気予報通り、深夜に雨が降り大分涼しくなり、それから深い眠りに就く事ができた。しかし4:30過ぎに目が覚めると雨は止んでいて、またジメジメと蒸し暑い。もう一度眠ることはできそうにないし、外が薄明るくなって来たので車を降りて灯台へ向かう。しかし空はどんよりと曇っていて、岬からの眺めに期待はできず気分は低空飛行。

前日夜のようにライトは必要無いものの、薄暗く草木に囲まれた遊歩道はやっぱり不気味。灯台に着いた時はまだ点灯していたが、先に岬で海を眺めてから灯台へ戻った時にはすでに消灯していた。石廊埼灯台は日本の灯台50選に選ばれているが、先に訪れた伊良湖岬灯台、御前埼灯台と比べると随分印象が薄いように感じるので、なぜこれが50選に選ばれたのか疑問に思った。外観の見た目だけではなく時代背景やいろいろな要素が込められているのかも知れない。

灯台への道に猫が数匹

灯台から遊歩道をさらに先へ進むと、岸壁にめり込むように建てられた石室神社があり、その先が伊豆半島最南端である石廊崎の突端になっている。岬突端の岸壁の上まで行く事ができ、そこに石室神社のお社?がある。

岬の突端からは太平洋を一望。海は台風の影響でかなりしけていて、怖いくらいに荒れ狂う波と音に初めは足が少しすくんだ。しかしながらなかなか迫力のある光景で、暫く荒れた海を眺めていた。空は雨が降りそうな曇り空だったので日の出は見られないと思っていたが、僅かな雲の切れ間から太陽が顔を出してくれた。これがまたきれいで暫く見入っていた。結局この岬で1時間近く景色を眺めていた。悪天候でいい眺めは期待していなかっただけに、自然の力強さときれいな朝焼けを見られて大満足。

岬の突端まで遊歩道が延びている

後ろに見える建物が石室神社

岸壁に打ち寄せる荒波

5:30頃に雲間から顔を出した朝日

8箇所目:爪木埼灯台

(つめきざきとうだい:静岡県下田市)

爪木崎海水浴場駐車場から、岬の先端に向かって10分ほど遊歩道を歩いた先にある灯台。爪木崎灯台のデザインは、灯台のお手本のような絵に描いたような形。心配した空模様はだいぶ晴れ間が増えてきてはいるが、残念ながら爪木埼灯台の背景は雲一色。丘の上の一本道の先に建つ灯台と、背後に広がる大海原…と、いいロケーションなだけに本当に残念

9箇所目:須崎恵比寿島指向灯

(すざきえびすじましこうとう:静岡県下田市)

爪木崎海水浴場駐車場にあった観光案内図を見て、爪木埼灯台以外にもいくつかの灯台があることを知り、まず恵比寿島という小さな島へ向かう。

恵比寿島

橋を渡って恵比寿島に入り、階段を上って奥へ進むと神社と並んで小さな灯台がある。しかしこれを灯台と言っていいのだろうか?名前も「灯台」ではなく「指向灯」だし。でも折角なので灯台としてカウントしてしまおう。爪木埼灯台から空模様は一変して青空が広がり、そして真夏のような暑さに。ちょっと歩いただけで汗が出てきて早くもバテ気味…恵比寿島を一周しようと思ったが、蒸し暑い中木々の茂った道を歩く気にはなれず引き返す。

恵比寿島のすぐ近くにもう1つ灯台があり、カーナビにもその灯台が表示されていたのでナビを頼りに進んで行くと、灯台の目前で道が無くなっていた。先は木がうっそうと茂っていて、徒歩でもとても進む事ができそうになく断念…ちょっと悔しい思いをする。

稲取岬灯台近くの海岸

神社の後ろに見える灯台

10箇所目:稲取岬灯台

(いなとりみさきとうだい:静岡県東伊豆町)

稲取岬灯台に向けて車を走らせていると、何とも海の眺めが良い海岸にたどり着く。空は完全に晴れて空も海も鮮やかな青色に。そして海岸に押し寄せる波の音がとても気持ちよくて暑さを忘れてしまいそう。海岸のすぐ側にある鳥居をくぐって、丘の上へ続く階段を上り切ると神社があり、そのすぐ後ろに灯台がある。灯台に着いた時には体中が汗でびっしょり。こんなに汗をかくことなんて滅多に無いと思うくらいの汗。あまりの暑さに灯台の側にある休憩所に非難。暫くイスにだらぁっと座って体力の回復を待つ。

今まで見てきた灯台は円柱型だったが、稲取岬灯台はちょっと珍しい?四角柱型の灯台。と言っても特別印象的な灯台ではないが、青空をバックにした白亜の灯台はやっぱり絵になる。曇り空でパッとしなかった爪木埼灯台もこんな青空だったらいい景色になっていたに違いない。

伊東市の城ヶ崎には門脇埼灯台があるが、展望台を兼ねた造りになっていて見た目も展望台そのもの。全く灯台らしくないデザインで好ましくないのでパス。その代わりに門脇埼灯台の近くにある、以前訪れて印象に残っていた橋立吊橋へ。以前は吊橋の側にある岩礁に下りて見上げるように吊橋を眺めたが、この日は満潮時だったのか岩礁は海に浸かって下りられなかった。

橋立吊橋へ行く途中に通った歩道に沿って流れる水路が、木漏れ日に照らされてとても綺麗だった。

11箇所目:川奈埼灯台

(かわなざきとうだい:静岡県伊東市)

今回の旅で最も苦労したのが川奈埼灯台までの道のり。灯台までは山道を歩いて行くが、道が荒れ放題で倒木が道を阻んでいたり。不安ながらも更に進んでいくと、途中から草が生い茂りもはや道とは言えない状態になっていた。もしかしたら道を間違えたのかと更に不安になり、一旦引き返して山道を下りた所にいた地元の人に聞くと、間違いなく灯台へ続く唯一の道との事。川奈崎灯台はゴルフ場の先にあるので、ゴルフ場内を歩いていけば楽だろうがそうも行かず、かといってここで引き返すのは悔しいので再度山道に入る。三脚で生い茂った草木とクモの巣を払いのけて進み、ようやく灯台が姿を現わす。やっと着いたー!と思ったら、灯台の目前で道が草木で完全に寸断されていた…さすがにこれ以上進むのは無理だと諦め、背の高い草木の向こうに見える灯台を何とか写真に収める。ゴルフ場に建つ灯台ということで、ゴルフピンをイメージしたかなり珍しい形をしている。上の部分はUFOにも見える。

山を下りて自分の体を見ると、服にクモの巣が沢山まとわりついていた!しかも水浴びでもしたかのように髪の毛まで汗でびっしょり…クモの巣を払いシャツを着替えるも汗で気持ち悪い。とにかく直ぐにでも風呂に入りたい状況。このあと2日目の予定は神奈川県の城ヶ島に行くだけだったので、入浴施設を見つけることを最優先に車を走らせる。

倒木が行く手を阻む

生い茂る草木が行く手を阻む

草木で灯台までの道が寸断

途中渋滞にハマりながらも入浴施設を探して運転していたら、温泉マークのある道の駅を発見。伊東市湯川にある「道の駅 伊東マリンタウン」という場所で、食事・ショッピング・スパ・遊覧船などが楽しめる複合施設。それだけに駐車場は満車状態でたくさんの人で賑わっていた。車を停め早速目的のスパへ。入館料は1,500円と車中泊の旅には少々高いが、とにかく汗を流してスッキリしたかたので迷わずスパ・イン。泡風呂と打たせ湯をメインに約1時間入浴して心身共にスッキリ。その後仮眠室で2時間ほど睡眠を取って体力も回復。目が覚めるとお腹が空いていたので、スパ内のレストランでマグロ丼とサラダを食べてお腹も満足。入浴・睡眠・食事で完全リフレッシュ。やはり旅にはこういう息抜きも必要なんだと実感。次の旅からは1日1回は身体を休める時間を取るようにしたいと思った。道の駅に着いたのは14:00頃だったが、出る時には19:00近くになっていた。ちょっとのんびりし過ぎた。

スパ内のレストラン

伊豆半島を出て相模湾沿いの国道を走行中、突然土砂降りの雨が降り出す。台風の影響による突発的な大雨。ワイパーを最強にしても道路標識や道路上のラインがロクに見えないので、コンビニの駐車場に一時避難。雨が止むまで仮眠を取ろうと思ったが、車の屋根に叩きつける雨音と稲妻の閃光でなかなか眠れない…それでも少し眠ったようで、目が覚めると小降りになっていたので運転再開。しばらく走ると江ノ島灯台の灯りが見え始め、立ち寄る予定は無かったがついでに寄り道する事に。しかし再び土砂降りの雨。とりあえず橋を渡って江ノ島に入るが、島内の道路入口はゲートが閉められていた。仕方なくゲート手前の路肩に車を停め、そのまま車中泊。