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その2  1日目午後

 

神ノ島から再びながさきサンセットロードに入り北上するつもりが、間違えて長崎市内へ向かう道に入ってしまう。地図を見て現在位置を確認しようにも車を停められる場所が直ぐには無く、誤った道をどんどん先へ。やはりカーナビはあった方がいい…などと思いつつ運転していると、右手に建造中の大きな船が。そしてやっと車を停められる場所があり現在位置を確認してみると、女神大橋から見えた長崎港の造船所の前まで来ていた。

高台の上へ続く階段

対岸に大きな客船

路上からは壁で造船所内が見えないが、反対にある民家が建ち並ぶ高台からならよく見えるのではないかと思い、車を降りて高台の上へ続く階段を上っていく。途中まで上ると長崎港対岸の風景が開け、かなり大きな客船が停泊しているのが見える。造船所はまだよく見えず、さらに階段を上って民家が密集する細道の奥へと進んでいくと、いい感じに造船所を見渡すことができる場所に出る。

ここからではまだよく見えない

住宅地の細道へ入る

<< SCROLL    三菱重工長崎造船所 パノラマ写真180°    SCROLL >>

見渡す造船所は三菱重工長崎造船所、の一部。造船所には真っ白いタンク状のものが載った貨物船らしき船と、対岸に停泊していたような大型旅客船の二隻。建造中の旅客船の客室部分だけを見ると横に長いビルのように見える。とにかくデカイ船だ。この一隻を完成させるまでにどれだけの費用が掛かるのか想像もつかない。一度でいいからこんな豪華客船で優雅な旅をしてみたい… 女神大橋からはゆっくり造船所を眺めることができなかったが、道を間違えた結果間近で見物できた。こういう思わぬ発見も旅の醍醐味のひとつなので、たまには道を間違えるのも悪くない、かもしれない。

まるでビルディング

西彼杵半島西岸を北上していく

見物した造船所のすぐ先が長崎市内中心だが、その辺りは過去に車中泊旅行でも立ち寄っているので今回はパス。車も人も多くてゴミゴミした市街地は避けたいし(もう1日旅行期間を延ばせたら平和公園や原爆資料館へは行きたかった)。道を軌道修正してながさきサンセットロードに再び入り、約60km先にある大島大橋へ向けて北上していく。

長崎港より北は西彼杵半島(にしそのぎはんとう)。道路は海岸線沿いが多くなり、西彼杵半島西岸の特徴的な地形や小島を眺めながらのドライブ。ロケーション的にも夕陽を眺めるのにいい場所と思われ、ながさきサンセットロードの名にふさわしい道路が続く。GWということで交通量はぼちぼち多いが、ほとんど信号は無く非常に流れのよい快走路。

特徴的な地形

特徴的な島

 

道の途中途中に眺めのよさそうなパーキングがあるが、全部立ち寄っていたらキリが無いので、その中のひとつに立ち寄り。菩薩らしき白い像がある見晴台からの眺めは、特に印象的なもが見えるわけでもなく普通。それでも視界いっぱいに広がる青い海を眺めるのは気持ちがいい。そして何故か見晴台の敷地内にヤギが4匹ほど飼育されていた。風景よりもヤギの観察に夢中になる。

近づくと危険なヤギ?

こちらは安全のよう

 

のんびり走ろう ながさきサンセットロード

 

途中にある道の駅にも立ち寄り。GWでドライブ日和な天気なだけに、駐車場は満車で多くの人で賑わう。これだけの快晴にも関わらず、天気予報では翌日は雨。数日前からの天気予報で雨となっていたが、とりあえず旅行1日目は晴れとなっていたし、今回のGWを逃したら次はいつ出掛ける機会ができるか分からないので、思い切って車中泊旅行を決行。しかしケータイで翌日の天気を確認するとやはり雨。西側の遠くの空に薄雲が掛かっているものの、あと半日で雨になるとは思えないのだが…

道の駅 夕陽が丘そとめ

道の駅からの眺め

島や岩が集中している

遠くに見えるカトリック出津教会

丘陵地にある道の駅からは広い海を一望。遠方に岩や島が集中している場所があり、その中のひとつに穴の空いた岩がある。ちょっと気になる、しかしちょっと遠い。これから向かう北側には教会が見えやはり少し気になったが、サンセットラインから少し外れた場所にあり、事前の調べでは観光スポット的な教会ではなさそうだったので立ち寄らず。

<< SCROLL    道の駅手前の道路からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

 

道の駅からサンセットロードを3kmほど進んだところに青色の橋があり、さらに1kmほど先に白い橋、その約3km先には赤い橋と、同型異色の橋が3つ続く「トリコロールの橋」がある。フランスのヴォスロール村との姉妹都市交流にちなんでフランス国旗の色が使われた、という代物。この辺りも海を眺めながらのドライブがとても気持ちいい。

四谷河内橋(よつやかわちばし)

ここからも穴の空いた岩が見える

荒川橋(あらかわばし)

青と白は近いので似たような眺め

新神浦橋(しんこうのうらばし)

赤からは特徴的な島が見える

大中尾棚田

(おおなかおたなだ:長崎市神浦下大中尾町)

トリコロールの赤い橋の手前で横道に入り、日本の棚田百選に選ばれている大中尾棚田へ向かう。その途中の川辺で鯉のぼりが沢山泳ぐ光景。そういえばGW中にこどもの日があった。未婚(もちろん子供無し)の自分は毎年GWに鯉のぼりを見てこどもの日がある事を思い出すのであった。

トリコロール赤手前の横道から

川辺でこどもの日の催し

棚田と言えば石川県の白米千枚田が素晴らしく強く印象に残っていて、日本の棚田百選に選ばれている大中尾棚田も白米千枚田のような印象的な風景が広がっていると想像。そんな期待をして辿り着いた棚田は…田植え前で水が張っていなかった!

日本の棚田百選だけど…

田植え前で乾いた風景

田植え時期まで考えていなかったよ

いくら日本の棚田百選と言えど、田植え前の乾いた棚田風景は味気ない。水田になっていればきっと見応えのある風景だったのだろうけど。後から田植え時期を調べてみたら地域によって開きがあり、九州は6月中旬辺りだった。GWの時期には何処も田植えがされているものだと勝手に思い込んでいた。次に棚田へ立ち寄ろうと計画を立てるときには、その地域の田植え時期をしっかり調べないと。。

寺島・大島・蛎浦島・崎戸島

(てらしま・おおしま・かきのうらしま・さきとじま:西海市)

14:50、西彼杵半島北部西岸にある大島大橋を渡り寺島に入る。寺島の大島大橋たもとにある「レストハウス寄り道」に寄り道して、ウッドデッキから橋と周囲の景色を一望。大島大橋の開通が平成11年11月11日となっているが、調べてみるとその午前11時11分11秒に供用開始されたとなっている。よくもそこまでこだわったものだ。

寺島から大島大橋を眺める

<< SCROLL    レストハウス寄り道からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

 

寺島大橋

大島にも造船所

蛎浦島北東岸からの眺め

寺島から大島、蛎浦島、崎戸島と4つの島が橋で繋がっていて、西端の崎戸島の展望台まで行くのが目的。寺島はとても小さな島で、大島大橋を渡ったと思ったら直ぐに次の橋、寺島大橋があり大島へ。そして大島西端から中戸大橋(普通の高架橋なので写真撮らず)を渡って蛎浦島北東岸に入ると、綺麗な浅瀬が広がる海岸や遠くに特徴的なかたちをした島などが見える風景。その反対側にも絵になるような入り江。この辺りは本当に海が綺麗。

蛎浦島北東岸の道路

綺麗な入り江風景

蛎浦島北東岸から続く道を進んでいくと、赤いパイプアーチが特徴的な崎戸橋が見えてくる。崎戸橋を渡って蛎浦島南西へ続く道を進み、高架橋の本郷橋を渡って崎戸島へ入る。そして細くくねった道を進んでようやく目的地の展望台の手前にあるホテルに到着。大島大橋から約14kmの道のりと微妙に長かった。

崎戸橋

 

崎戸島の西にあるホテル咲き都の駐車場に車を停める。高台の上に建つホテルの前からも大海原を一望できるのだが、いつの間にか北〜西にかけての空に雲が広がっていた。やはり天気予報通り翌日は雨になるのかと不安が募る。この空模様では展望台からの眺めも微妙だろうと思いつつ、遊歩道を歩いて崎戸島西端の33度線展望台へ。

ホテル咲き都

こんなものがあった

展望台の手前には旧日本海軍施設跡の建物。敵艦のスクリュー音等をキャッチする聴音所との事。そして名前の通り北緯33度線にある展望台からの眺めは、予想通り北〜西にかけて雲が広がる風景。曇った方角は海も空も青さが無くぱっとしな眺め。それに加え思っていたよりも景色自体が質素だったこともあり、肩透かしを食らう事となってしまった。

展望台手前に旧日本海軍施設跡

北緯33度線展望台

東側の眺め

北西側の眺め

崎戸島から大島大橋まで戻る途中に、大島の中央にある百合ヶ岳公園に立ち寄り展望台からの景色を眺める予定だったが、空模様からして33度線展望台と同じ結果になりそうなのでパス。

石岳展望台

(いしだけてんぼうだい:佐世保市船越町)

引き続きながさきサンセットロードを進み佐世保市内に入ったのが18:00。例によって市内観光に関心は無いので素通りし、佐世保市中部西岸にある俵ケ浦半島へ。俵ケ浦半島には、九十九島と呼ばれるリアス式海岸の群島を一望できる展望スポットがいくつかあり、そこから眺める夕景が素晴らしいとの事で楽しみにしていた。しかし空は一面雲で覆われ完全な曇りとなってしまい、太陽も雲に隠れてしまった。これでは夕景はまず見られないだろうと諦めつつも、とりあえず展望スポットのひとつへ向かう。

駐車場から300m

どうせ夕景は見られないだろうし、でも一応日没時間が迫っているし、とう事で事前にチェックしておいた展望スポットのうち一番近い、俵ケ浦半島北部にある石岳展望台へ。狭い道路に未舗装で広くはない駐車場の雰囲気からして、そんなに有名なスポットではなさそうだと思いつつ、木々の茂った遊歩道を歩いて高台の展望所へ。

うっそうとした遊歩道

展望所から眺める九十九島

遊覧船航行中

遊歩道の上り道を進み景色の開けた突き当たりに出ると、九十九島を一望できる眺め。期待せずに辿り着いた展望所からの眺めはやはり曇り空だが、雲間から射す日の光が海に移り込み、視界いっぱいに広がる九十九島の眺めはなかなか素晴らしいものだった。九十九島の入り組んだ湾の中を遊覧船が時折通り、その波紋が模様のように広がっていく様子が印象的。曇り空に沈んでいた気分が一気に高まる。遊歩道突き当たりの展望所から後ろを振り返ると、コンクリート造の展望台があるのでそちらへ上る。

円形の展望台からは360°のパノラマ風景を眺望。西側には九十九島のリアス式海岸の風景、東側には佐世保市内の街や造船所などが見える。佐世保市内には九十九島を観賞できる8つのビュースポット「九十九島八景」があり、そのうちのひとつである石岳展望台が最も夕焼けが美しい場所となっているらしい。そんな石岳展望台で2003年に映画「ラストサムライ」の冒頭の夕景シーンが撮影された、という説明書きがあった。詳しいことは調べず一番近いという理由で訪れた石岳展望台だったが、偶然にもいい場所を選んだようだ。

石岳山頂に建つ展望台

<< SCROLL    九十九島を一望 パノラマ写真180°    SCROLL >>

佐世保市内方面

随分尖った山

九十九島の多島風景は、見慣れた瀬戸内海の多島風景とは随分違った印象があり新鮮な眺め。日の光が雲に完全に遮られてしまうまで展望台から九十九島を眺めていた。残念ながらくっきりと丸い輪郭を映す夕陽も日没の瞬間も眺めることができなかったが、曇り空ながらもいっときでも夕景が見られたのでそこそこ満足できた。

水墨画のような風景

18:40の様子

18:55過ぎに日差しはシャットアウト

夕食をとるため、入浴予定の温泉ホテルの近くにあるショッピングセンターへ。カレー屋に入ろうとしたら店内はほぼ満席、しかもガタイのいい外人で席が埋まっていて圧倒される。佐世保に米海軍の基地があるのでそこの米軍と思われ。カレー屋では落ち着いて食べられそうもないので、仕方なく隣のラーメン屋に入る。気分的にカレーが食べたかったが仕方ない。食事を済ませ20:00過ぎに温泉ホテル「花みずきSASPA」へ行くと、団体客がいるため日帰り入浴者は21:00〜…となっていた。ついてない。

バイパス沿いの並木道

仕方ないので時間まで温泉ホテル前のパイパス沿いにある港をぶらついて時間潰し。石岳展望台から見えた九十九島を航行する遊覧船と思われる船がライトアップされていた。辺りは人影も無くしんとしていて、吸い込まれそうなくらい真っ黒な水辺が不気味に感じる。そしてはたから見ればそんな場所をウロウロしている自分はきっと不審人物だろう。

遊覧船のライトアップ

雲間から見える満月

21:00ちょうどに温泉に戻り22:30まで入浴。露天風呂があると思いきや無く、そして何故かジェットバスや泡風呂など全てが止まっていた。故障だろうか、それとも団体客が出たので止めてしまったのか。いずれにせよフロントで料金を払う時に何も告げられなかった事に不満。ちょっと損した気分だが、汗を流して服を着替えてスッキリして気がおさまる。

入浴後は石岳展望台より3、4km北にある弓張展望台から佐世保市内の夜景を眺める予定だった。弓張展望台も九十九島八景のひとつで、佐世保で最もスケールの大きい夜景を見られる場所、とされている。しかし、展望台へ向かう山道に入ると「弓張岳 22:00〜5:00 車両進入禁止」と書かれた立て看板が。とりあえず先へ進めそうだが進んだ先にゲートがあり封鎖されている可能性もあるし、ここは大人の対応をとって引き返す。で、石岳展望台からも市街が見えたのを思い出し、きっと夜景が見られるだろうと再び石岳展望台へ。石岳展望台までの道は通ることができたが、駐車場に照明は無く真っ暗で、車は1台も停まっていない。どうやら夜間に訪れる場所ではないらしい。それでもペンライトを持って遊歩道へ入る。遊歩道も完全な暗闇状態で明かり無しでは歩けない。ペンライトの小さな明かりで薄明るく照らされた木々に囲まれた道、その狭い視界以外は完全な闇。風にざわめく木々の音が時おり人のうめき声のように聞こえ、思わず背後を振り返りえる。これは結構恐い…

完全な暗闇…

石岳展望台から眺める夜景

恐怖に耐えて辿り着いた展望台からは佐世保の夜景を一望…できたのだが、構図的に印象の薄い眺め。やはり弓張岳から眺めたかった。まぁとりあえずは夜景を見られたのだから良しとしよう。時間は23:30。外は生温い風が吹き、空には雲のフィルターが掛かった月明かり。そして翌日の天気予報はやはり雨。翌日は弓張岳から日の出を眺めて、つつじ祭りに行ってと、いろいろ予定があるので天気が気掛かりで仕方ない。

石岳展望台駐車場から狭い山道を下りたところにある九十九島動植物園の駐車場に車を停め就寝。