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2012年4月23日(月)  巡拝8日目  曇のち晴

参拝札所:無し

歩行距離:24.3km

合計距離:207.3km

出費額:¥8,010

合計額:¥47,465

 

旅館あづまの朝食

おかみさんがテーピングをしてくれた

6:30起床。右足裏のマメの水ぶくれ、少しはマシになった気もするがまだ十分痛い。針で水を抜く。右足首後ろもやはり痛い。いったいいつになったら良くなるのかとうんざりしてしまう。7:00少し前から朝食。今までで一番おかずの種類が多い朝食に満足。食後部屋で足に絆創膏を貼ろうとしていた所におかみさん登場。何をしているのか聞かれたので足の裏のマメと足首が痛いと言うと、それならもっと早く言いなさいよと薬箱を持ってきて、テーピングテープを出して手際よく足に貼ってくれた。旅館あづまは第一番札所から200km弱の場所にあり、歩き遍路にとっては足の痛みや疲労が出てくる頃。なので、あづまに宿泊する歩き遍路には足の痛みに悩まされている人が度々いるらしく、おかみさんが足のケアをしたり正しいテーピングの仕方を教えたりしているらしい。歩き遍路経験があるおかみさんは本当に頼もしい。

あづまの玄関から

8日目の宿泊場所は前日におかみさんが予約してくれていて、あづまから25km程度なので特別急ぐ必要もなく、8:00過ぎに部屋を出る。今までで一番遅い出発。前日の雨でグッショリ濡れてしまった靴は少し湿り気が残っていたがほぼ乾いていた。外は雨が止んだ曇り空。天気予報ではこのあと晴れることになっているが、まだ雨雲が広がりどんよりとした空模様。もう雨の中歩くのは勘弁。。おかみさんが外まで出てきて見送りをしてくれた。あづまのおかみさんには本当にお世話になったしとてもインパクトのある人だったので、旅館あづまは四国遍路で宿泊した宿の中で最も印象に残る場所となった。

 

まだ怪しい空模様

歩道をカニが歩いてる

テーピングをしてはもらったが、やはり歩き始めてすぐに右足の痛みに悩まされる。特に足の裏のマメ。足にはそこそこ自信があったので、まさかこんな事になるとは考えもしなかった。例え体力や脚力に余裕があっても毎日何十キロも歩く習慣など普通の人には無いので、普段から運動している人や登山を趣味としている人でも、足の裏のマメや足首、膝の痛みは起こるらしい。そうならないためには、最初から足のケアや負荷の掛からない歩き方などを徹底しなければいけない。四国遍路はただの体力勝負ではないと痛感。

海沿いの道を淡々と歩く

小腹がすいたのでゆで卵

11:00頃に小腹が空いたので、あずまのおかみさんにお接待でもらったゆで卵を食べる。これから暑くなり汗を沢山かいて塩分が必要になるから、塩は捨てずに持っておいた方がいいと言われたので、小さなジッパー袋に沢山入っている塩は取っておくことに。それからさらに1時間半ほど歩いたところで遍路小屋発見。「遍路小屋第一号」と書かれてあるので、初めてつくられた遍路小屋ということだろうか。小屋の中に入るとテーブルにクーラーボックスが置かれていて、フタを開けると中にはオロナミンCが入っていた。お遍路のためのお接待なのでありがたく1本いただく。四国では遍路文化もお遍路さんも本当に大切にされているのだと改めて思う。

遍路小屋第一号

遍路小屋第一号の中

オロナミンCのお接待

 

右足の痛みがだんだんと耐え難いものになっていく。歩き方は明らかにびっこを引くような歩き方になってしまう。一歩歩くたびに足の裏に激痛。そして右足首の前側(すねの下側)までかなり痛くなっていることに気づく。痛みで足首をあまり曲げられなくなっていた。無理に曲げようとすると激痛…このまま放って無理して歩き続けるのはマズイのではないか、医者に看てもらわなければいけないのではないか、と本気で心配になるほどの痛み。しかしそれでも立ち止まるわけにはいかない、何が何でも前に進まなければいけないと、頭の中のスイッチが入っていたので激痛に耐えながら歩き続ける。

曇りで風景が映えずつまらない

これだけで1,672円の出費

せめて市販のシップを貼って少しでも症状を和らげたいと思い、遍路道を歩きながら薬局を探す。しかしなかなか店は見つからない。途中通行人に尋ねると4、5km先にあると言われ、遮二無二なって歩き続け本当にもう限界と思った所でやっと薬局にたどり着く。店員に足首の症状を伝えて勧められたシップと、足の裏のマメのクッション代わりに貼るシップの2種類を購入。それと薬局の隣にあったスーパーマーケットで、足指が独立した靴下を1足購入。足指が分かれている靴下の方が指にマメができにくいと何度か話を聞いていたので。

薬局のすぐ側にあるバス停?で足に湿布を貼り、五本指靴下を履く。そして少しでも荷物を軽くして足への負担を減らそうと、荷物の中から不要な物を探す。結果長袖シャツ1枚、石鹸と石鹸入れ、洗濯バサミ3つ、方位磁石を捨てることに。とにかく少しでも荷物を軽くしたかった。暫く休憩してから遍路歩き再開。シップがクッションにもなって痛みは少し和らぎ、なんとか歩けるようになった。それでもかなり痛いが… これ以上足へ負荷を掛けないように小幅でゆっくり歩く。

荷物の軽量化のため捨てる

靴のサイズは厚手のアウトドアソックスを履いたサイズに合わせているので、薄手の五本指靴下では緩くて歩きにくかった。しかしその上から厚手のソックスを重ね履きすると今度はキツ過ぎる。なので薄手の五本指靴下+インソール2枚重ねでサイズを調整。なかなかいい感じだと思ったが、やはり歩いているうちに違和感… 結局五本指靴下は脱いでアウトドアソックスに履きなおす。昼頃から快晴になり、海沿いの道からは綺麗な海岸風景が見られるようになる。

四国のみち

晴れていい眺めに

歩きだから撮れるトンネル内の様子

トカゲ発見

足の痛みに耐えて歩き続ける

遍路杖を購入した時から付いていた鈴がいつの間にか無くなっていることに気づく。紐が緩んで歩いている時に落としてしまったと思うのだが、全然気づかなかった。まぁ、あづまのおかみさんにもらった杖カバーにいちごの鈴が付いているのでいいか。

足の痛みに一時は本当にどうなるかと思ったが、シップのおかげか何とか歩き続けることができた。そして思っていた以上に、自分は執念深くしぶといヤツだという事が分かった。しかしまだまだ先は長いので無理はよくない。足の痛みに耐えかねて四国遍路をリタイアする人も少なくないらしい。リタイアだけは避けたい。何としても四国八十八ヶ所を自分の足で歩き通したい。

 

民宿 谷口

宿泊する部屋

16:30過ぎに宿に到着。靴下を脱いだ裸足の状態だと足の裏が痛くてまともに床の上を歩けない。この痛みは本当にヤバイ… 部屋のすぐ側にある浴室までの移動すら辛い。入浴後に浴室隣にある洗濯機に洗濯物を持っていくのがまた辛い、トイレに行くのも辛い… こんな状態でこの先歩けるのかかなり不安になる。しかし自分が出来ることはシップを貼るくらいしかない。本当に先が思いやられる。

シップを貼るしか手立てがない

夕食

お吸い物

18:00から夕食。刺身と大好きなトマトが沢山あって満足な料理。食事を作ってくれた宿の奥さんと話をしながら食事。この日の宿泊客は自分だけだったが、宿はサーフスポットのすぐ側にあり、これから夏にかけてサーファーで賑やかになるとの事。さすがにお遍路が若いサーファー達と一緒というのは居づらそうだ。早めに宿に着き夕食前に入浴も洗濯も済ませていたので、食後は部屋でのんびりとテレビを観て過ごす。久しぶりにゆっくりテレビを見た気がする。23:00就寝。