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睡眠中に首と左腕を蚊に刺され、かゆくて夜中に目が覚める。再び眠りにつくも、また蚊に刺されて目が覚める。もう勘弁して…蚊に効く虫除け剤が欲しい。蚊のせいで熟睡できぬまま6：30に起床。朝食も夕食と同じく沈黙のまま済ませ、宿を7：30出発。

朝食

県道を歩く

山を登らずトンネルで越える

朝から快晴。涼しいうちに距離を稼ごうと、宿から札所までの約10ｋｍの道のりを休憩無しで歩く。足の調子はほぼ回復し軽快な足取り。宿からの遍路道は県道の平坦な道が暫く続くが、途中で県道を外れて登山道のような道に続いている。遍路地図を見る限り山道は少々険しそう。県道ならトンネルを通過して山越えできるので楽だし近道にもなるので、山道には入らずそのまま県道を進む。本来ならば昔ながらの遍路道である山道を進むべきなのかもしれないが、今回は身体への負荷を掛けない事を優先。せっかく良くなった足をまた痛めたくはない。山を越えたら海に出て、宇佐大橋を渡って横浪半島に入る。

山から海に出る

宇佐大橋を渡り横浪半島へ

第三十六番札所　青龍寺（しょうりゅうじ）　山門

青龍寺にある滝

第三十六番札所青龍寺に9：40到着。いつも通りの参拝、特に書く事も無く…

青龍寺　本堂

青龍寺　大師堂

青龍寺から遍路道は二手に分かれている。横浪半島の山道を進むルートと、再び宇佐大橋を渡って本土まで打戻りして、横浪半島に囲まれた湾の海岸沿いを歩くルート。半島のルートはアップダウンの多い山道で大変なので、ほぼ平坦な道が続く本土側のルートの方がいいと、巡拝11日目に会った善根宿のオーナーにアドバイスをもらっていた。また、約1年半前に車中泊で四国一周した時に横浪半島の山道を走っていて、確かにアップダウンの多い道だったという記憶も残っていた。ということで、無用な苦労は避け平坦なコースへ。

遍路休憩所

畳もあって宿泊もできる

宇佐大橋を渡って本土まで打戻りして、湾沿いの道を歩き始めてすぐに、一見公衆トイレと勘違いしそうな遍路休憩所を発見。コンクリート製の建物の入口には扉が無く中が丸見えだが、ソファや畳が置かれていて宿泊することも可能。遅い時間に着いていたら宿泊に利用していたかもしれない。入口の上には薄っすらと「観光案内所」の文字跡が。元は観光案内所だったのか、しかし公衆トイレに見える。

カーブばかりの湾沿いの道

人通りが全くと言ってよいほど無く、車の通りも非常に少ない湾沿いの道を淡々と歩いていく。クネクネとした海岸線に沿って道は延びているのでカーブだらけ。何だか無駄に距離を歩かされている気分になってくる。それでも道は平坦なので割と楽なのだが、少しくらい上り下りがあってもいいからもっと直線的に歩きたい。湾沿いの道は10ｋｍほど続く。

遍路休憩所

この後本当に寝てしまう

小夏みかんをもらう

コンクリート製の遍路休憩所から1時間半ほど歩いたところで、今度は屋根の上に船が載った木造の小さな遍路休憩所が。暑くて疲れたので休憩所に入る。12：30を過ぎていてかなり空腹だったが、当分先まで店も何も無さそうなので、栄養補助食のウィダーインゼリーを飲んで空腹を抑える。休憩がてらおふざけで自分が寝ている写真を撮っていたら、本当に眠くなって寝てしまう。そこへお遍路さんが休憩所に入ってきて目を覚まし、時計を見ると30分ほど寝ていた。後から来たお遍路さんは小夏みかんがいくつも入った袋をぶら下げていて、重いからと2つくれた。小夏を食べて巡拝再開。いつの間にか空は曇って青空が消えていた。

トンネル内歩行注意

いつの間にか曇り空に

歩道は無いに等しい

淡々と道を歩いていると、後ろから通り越して行った車が前方の路肩に停まり、車から年配の夫婦が出てきて自分の方へ歩いてきて声を掛けられる。わざわざ車を停めてお接待をしに来てくれたのかと思ったが、そうではなく主人による人生観の説法が始まった。今までに30回も転職して来て何処も大手有名企業で、学歴は無いけど一度も面接に落ちた事は無く、それは本を沢山読んで教養を身につけて自分に自信を持てるようになったから…とか、人生で成功する上で大切なのは知識よりも知恵…というような話。これが本当に長くて、重い荷物を背負ってじっと立って聞いているので肩が疲れてくる。それから話は、四国八十八箇所を参拝しても何のご利益も無いし役に立たないという方向へ進んで行き、そして創価学会を勧める話に。結局それが目的なの…？体感時間20分あたりで限界を感じ、何とか話を切り上げて逃げるように2人と別れる。体力的にも精神的にもどっと疲れた…お遍路にもいろんな人がいるが、お遍路に声を掛けてくる人もいろいろいる。

遍路小屋

15：30に遍路小屋に着き休憩。先客のお遍路さんが2人いて、1人は昼に遍路休憩所で小夏をくれた人、もう1人は前日の夕方に行動を共にした関西の人だった。やはり顔見知りのお遍路さんに会うと元気が出る。3人で雑談をしながら宿泊する宿の話になり、まだ誰も予約をしていなかったので近場の宿数軒に電話して、空き部屋のあるビジネスホテルを3人揃って予約。関西の人は一足先に遍路小屋を後にし、自分と小夏の人は少し遅れて一緒にホテルまで歩く。

15：30過ぎに宿の予約

ビジネスホテルさつき

ホテルの部屋

蚊除けスプレー購入

予約したビジネスホテルに17：00到着。本当にクタクタ。ずっと和室の宿泊施設を利用してきたので、久しぶりのベッドのある部屋に少し違和感。部屋のソファに腰掛け少し休憩してから、素泊まりなので食事をするため手ぶらで外に出る。ホテルの隣にドラッグストアがあったので、蚊による睡眠妨害を阻止するための蚊除けスプレーを購入。

夕食

ホテルの側にあるスーパーに入り、その中にあるレストランに入店。これまで利用してきた宿泊施設は旅館・民宿で、出される夕食・朝食はずっと和食だったので洋食が恋しくなっていた。ということでカルボナーラスパゲティを注文。味はまぁ、予想した通りだったが久しぶりの洋食で満足できた。

ホテルに戻りユニットバスでシャワーを浴び、洗濯を済ませ、テレビを点けてお菓子を食べながら翌日の計画を立てる。翌朝は5：00起きで出発するため21：00には寝るつもりだったが、テレビを見ていたら22：30を過ぎてしまう。