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その2  1日目昼過ぎ〜夜

 

那久岬

(なぐさき)

壇鏡の滝から山を下りて、島後の南西にある那久岬へ。島後の代表的な夕日スポットだが、時間はまだ16:00と夕景を見るには早い。旅行1日目はもう少し先まで観光しないと予定の2日間で島後を周りきれない可能性が高いので、夕景はもっと先で見物する事にしていた。那久岬の高台にある駐車場に着いて車を停めると、強風で車がやたらと揺れる!そして外へ出ると爆風!!風の抵抗で歩き難いほど。

駐車場の前にある展望台からは那久岬を一望でき、岬の突端に建つ那久埼灯台が見える。海の向こうには島後の西南方向にある島前の島々が薄っすらと見える。それにしても風が強過ぎて真っすぐ立っていられない。危険を感じるほどの風。写真撮影は展望台の手すりに両肘をついて、カメラがブレないよう両手をしっかり固定して何とか撮影。この風はこの日の天気によるものなのか、それとも隠岐の島はいつもこんな強風が吹いているのか、とにかく観光も撮影も困難なレベルの強風は困るっ!

那久岬

那久埼灯台

旧那久埼灯台

肉…じゃなくて牛

駐車場の脇には昔使われていた旧那久埼灯台がある。明治末期に建てられた石造りの小さな灯台で、先に観光した西郷岬にも同じものが建てられたとの事。昔から残されているものではなく復元したものらしい。ちなみに、上の旧那久埼灯台の写真はピンボケ写真になってしまったが、この1枚しか撮っていなかったのでフォトレタッチソフトで補正と縮小して何とかごまかした。それから、柵で囲まれた高台の外は黒い牛が放牧されていた。昨晩食べた肉を思い出した。

駐車場から那久埼灯台まで遊歩道が続いているが、危険を感じるほどの強風に行くか行くまいか少し悩む。しかし行かないと後から後悔しそうだし、駐車場よりもずっと低い位置にある灯台はそれほど風が強くないだろうと判断し、意を決して遊歩道に入る。駐車場には自分以外に二組の観光客がいたが、あまりの強風に展望台で写真を撮って直ぐに車に戻り、駐車場を出て行った。

遊歩道の途中途中に牛の通り道

遊歩道からの眺め

洞門らしき穴が見える

柵に囲まれた遊歩道はここまで

思った通り、遊歩道を下っていくと風は駐車場よりも弱くなって行った。と言っても強風であることに変わりはないが。柵に囲まれた遊歩道の途中途中には、放牧されている牛の通り道が設けられている。ここに牛が居座っていたら面倒な事になるなと思うも、駐車場の周り以外では牛を全く見かけなかった。灯台の少し手前で柵に囲まれた遊歩道は終わり、牛の糞を踏まないよう足元に注意しながら草地を歩いて灯台へ。

無事灯台に到着

那久埼灯台

灯台からの眺め

灯台からの眺め

駐車場から10分ほど歩いて那久埼灯台に到着。風は強いが駐車場の爆風と比べたらだいぶマシだった。灯台からは360度のパノラマ風景を一望でき、那久岬から左右に広がる島後の風景は見応え満点。自分以外誰もいないので絶好の展望スポットを独り占め。那久埼灯台まで下りてきて本当によかった。

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油井の池

(ゆいのいけ)

那久岬から海寄りの県道を北へ進み、県道沿いにある油井の池に立ち寄り。直径約250mの円形の池で、周囲に遊歩道や展望台が整備されている。時間に余裕があれば少し遊歩道を歩いて散策するのもいいと思ったが、壇鏡の滝と那久岬で予定以上の時間を費やしたため、駐車場から歩いて直ぐの展望台からサクッと池を見物するのみ。

油井の池展望台

油井の池

油井の池から少し北上したところにある、油井前の洲という波食棚を見物する予定だったが、波食棚の展望スポットになっている場所が海沿いの細道の途中にあり、その道の砂防壁が工事中でさらに狭くなっていて路肩駐車することができず(駐車場は無し)、油井前の洲見物は断念。細道を抜けた先で車を停めて展望スポットまで歩こうかとも思ったが、微妙に距離がありずっと上り坂で疲れるので止めた。まぁ、マイナーな観光スポットなのでいいさと諦める。

油井前の洲の近くにある海岸から

山道から油井前の洲方面を眺める

代わりに油井前の洲の先にある海岸に出てみるが、波食棚は見えなかった。仕方なく先へ進み、上り坂を走っていたら海岸線を見渡せる場所があったので車を停めてみるも、波食棚から離れ過ぎていて見えず。まぁ、マイナーな観光スポットなのでいいさ。

夢崎展望台

(ゆめさきてんぼうだい)

島後西岸寄りの県道をさらに北上し、途中にある夢崎トンネルの上にある展望台へついでに立ち寄り。「夢崎展望台」と書かれた天然石の土台部分に、ミッキーマウスの形をした穴が空いているのは何故?そして展望台からは特に何が見えるという訳でもなく、日没が近づいた夕日が正面にあるだけだった。遠くの景色は霞んでいてたので、視界が良ければ島前が見えたのかも知れない。「夢崎展望台」と書かれた石の裏側には、「またござんせ」と書かれてあった。「ござんせ」の意味を調べてみたら、隠岐の方言で「来て下さい」という意味だった。

ミッキーっぽい穴が気になる

夕景スポットかな?

また来て下さい

福浦トンネル

(ふくうらとんねる)

夢崎展望台から北上を続け、昔の手彫りトンネルが残されている福浦トンネルへ。県道を外れて海岸間際の道路を走っていたら、強風で海水が道路に吹き上げ車が潮まみれになってしまった。窓ガラスが汚くなった… 福浦トンネル観光後にまたこの道を通らないといけないので少々気が滅入る。本当に隠岐の強風は厄介だ。

車で福浦トンネルは通れない

ここから徒歩で向かう

福浦トンネルは車での通行は不可で、途中で車を降りて徒歩で向かう。トンネルへ続く海岸沿いの道からは、水平線に近づいた太陽が眩しい夕景が広がっていた。島後の西岸沿いは大抵が夕景スポットになるのではないかと思う。車両通行止めの場所から3分ほど歩いて福浦トンネルに到着。がしかし…

きれいな夕景

福浦トンネル

福浦トンネルは徒歩で通行可能なはずだったが、何故か立ち入り禁止になっていて入口にロープが張られていた。崩落の危険でもあるのだろうか、立ち入り禁止の理由は書かれていない。ぱっと見た感じは通行しても問題なさそうなので、ロープを超えてトンネルに入ってみようかとも思ったが、万が一という事もあるので自重することに。う〜ん、やっぱりトンネル内を歩いてみたかった。そして来た道を戻る際、車はまた潮まみれになるのであった。窓ガラスが汚い…

中を歩いてみたかった

ローソク島展望台

(ろーそくじまてんぼうだい)

福浦トンネルからさらに北へ進み、島後北西部にあるローソク島展望台へ。夕日スポットとして有名な場所で、日の入り時刻の18:50前後より少し前に到着するのでちょうどいいと思った。展望台がある尾白鼻園地(おじろはなえんち)までは、狭く曲がりくねった山道が4kmほど続く。

駐車場奥の第一展望台

左手に小さくローソク島が見える

18:30に尾白鼻園地駐車場に到着。駐車場の奥にある第一展望台からは日本海と周囲の海岸風景を一望。展望台は断崖の上にあり、眼下の海岸にはローソク島が小さく見える。しかしいつの間にか空一面に雲が広がり景色は霞み、展望台到着時に見えた太陽は直ぐに雲の後ろに隠れてしまった。夢崎展望台や福浦トンネルに立ち寄った時はそれほど曇っているようには見えなかったのに… そしてこの展望台もかなりの強風。風通しのいい場所は何処へ行っても強風。毎回写真を撮るのに苦労する。ズーム撮影はブレブレになってしまうのも辛い。

ローソク島

特徴的な形をした岩

第一展望台から眺めるローソク岩は遠くて小さいが、駐車場から断崖の下まで続く遊歩道があり、ローソク島を近くから見られる第二展望台がある。ただ、歩行距離は約850mあり第二展望台までずっと下りなので、戻りは当然850mの道のりを登らないといけない。戻りが面倒なので第二展望台まで行くべきか少し悩むも、折角ここまで来たのだからきっちり観光しておこうと、遊歩道の階段道を下りる。

第二展望台へ向かう

遊歩道を下りていく

遊歩道を10分ほど下って第二展望台に到着。断崖上の第一展望台から眺めるよりは確かにローソク島が近いが、それでも思ったよりも遠かった、と言うよりも小さかった?正直なところ、駐車場からここまで歩いて来たにしては物足りない眺め。それにしても、何故ローソク”島”なのだろか。どう見ても島には見えない。ローソク”岩”の方が正しいと思う。予定ではここから夕日見物をするつもりだったが、日の入り時間が迫っても太陽は雲の後ろに隠れたままで、結局日没を見ることはできず。本当に残念。

第二展望台

展望台からこれは見られない

ローソク島は名前の通りローソクのような形をしていて、特定の場所で夕日見物をするとローソク島の真上に太陽が重なり、ローソクの灯し火のように見える。ただ、特定の場所というのは海上で、ローソク島展望台からは見ることができない。この辺りを運行する遊覧船から見られるらしい。

第二展望台からの眺め

第二展望台からの眺め

ローソク島展望台でこの日の観光は終わり。展望台から駐車場まで850m続く登り道は、空腹になっていた事もあり思った以上にしんどかった。そして駐車場に戻ったのは19:00過ぎ。入浴予定だった島後唯一の温泉施設の営業時間は20::00までで、この日は入浴できない事が決定した…

夕食は何処かの海岸で夜の海を眺めながら食べようと考えていた。しかし海沿いは強風で火を使うのは困難な状態。バーナー用の防風板を用意してきたが、軽く薄っぺらいので役に立たないだろうし、そもそもあらゆるものを吹き飛ばす強風の中で食事などできない。なので何処でもいいから風をしのげる場所は無いかと考えていて目に留まったのが、尾白鼻園地駐車場にあるトイレの裏。

駐車場も強い風が吹いているが、トイレの裏手は建物と木々が風除けになってほとんど風が入ってこない。そしてトイレは綺麗で入口に扉があるので外は匂わない。今から車を出しで暗い中食事する場所を探すのは大変だし、何より空腹でもう我慢できない。もうここで食事するしかない、という事になった。トイレの表にある長椅子が持ち運べたので裏手に移動し、テーブル兼椅子代わりに。これで折り畳み式のテーブルと椅子を出す手間が省ける。しかし、まさかトイレの横で初めてのアウトドア料理をする事になるとは…

尾白鼻園地駐車場のトイレ横で夕食

食事の用意

塩分過多…

旅行1日目の夕食は、カップヌードル・焼き鳥ちゃんこめし・SPAM。バーナーとヤカンで湯を沸かし、黙々と食べる。初めて食べるSPAMという缶詰が結構しょっぱく、思ったよりもおいしくない。カップ麺もカップ飯も塩気が多い。明らかに塩分過多。旅行1日目にして既に新鮮な野菜が恋しい。空腹は満たせるが食欲が満たせない。まぁ仕方ない、これも経験だ。四国遍路をした時は、僅かな食べ物しか口にできないまま薄い寝袋ひとつで野宿をして、空腹と寒さでひもじい思いをしたことがある。それと比べれば何の問題も無い。

いきなり土砂降りの雨

食事をしている途中から、稲妻と共にゴロゴロと遠くで雷の音が聞こえ始める。次第に雷鳴は大きくなっていき、稲妻は辺りが真っ白になるほど眩しくなり、食事を終える頃にポツポツと雨が降り出す。これはマズイと慌てて後片付けをし(ちゃんと長椅子も戻した)、運転席に着くと同時に雨はいきなり土砂降りに。間一髪だった。一時は前方の視界が遮られるほどの激しい雨になったが、暫くして雨は弱くなった。

尾白鼻園地から島後最北端にある白島崎へ向かい、21:00に到着。駐車場にはキャンピングカーとミニバンが停まっていた。駐車場の奥にある白島展望台は日の出スポットになっていて、自分と同じく翌朝展望台から朝日を眺めるつもりで車中泊をしていると思われ。しかし雨は止まず、スマホで翌日の天気予報を確認すると曇り時々雨。予報外れの晴天は旅行1日目だけだったかと肩を落とす。まぁ仕方がない。実際の天気は翌朝になってみないと分からないので、また予報が外れる事を期待して就寝。

前回の車中泊旅行から寝袋使用