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その1  1日目朝〜昼

 

旅行予定日の1週間前から天気予報を毎日チェックしていたところ、旅行前日から悪天候になりそうなので、船とレンタカーの予約が出来ないまま旅行予定日の前日になってしまう。荒天による船の欠航で大島へ行けなくなり、レンタカーのキャンセル料を払うのは嫌だし。。そして旅行予定前日の3月30日は、強風により日本各地で被害が出るほどの悪天。東京の竹芝と伊豆諸島を結ぶ東海汽船の運行情況をネットでチェックしてみると、船は全て運行中止になっていた。翌日の天気予報は晴れる見込みだが相変わらず強い風が出る模様。高波の影響で翌日も欠航になる可能性があるが、空席状況を見ると空きがあるのでとりあえず船の予約をし、それからレンタカーも予約。

そして当日6:00に起きて就欠航確認の電話サービスに掛けたところ、全便就航予定との録音が流れ、無事伊豆大島へ渡れることになった。7:00過ぎに自宅を出て、東京メトロとJRを乗り継いでJR浜松町駅へ。駅から10分ほど歩いて竹芝ターミナルに7:20到着。ターミナルの待合所で船の出航を待つ人は思ったより多い。大島が観光客で混雑しないか少し不安になる。天気予報では降水確率10%の晴れ時々曇りとなっていたが、雲が多いのも気になる。折角海に囲まれた離島に行くのだから、晴天に恵まれ青い海を眺めたい。

竹芝桟橋に停泊中の高速ジェット船

時刻表より5分遅れの8:45出航。船は満席。前日の予約で席が取れたのはギリギリだったのかもしれない。船は定員300名弱の小型船。待合所に人が多かったのは、見送りの人が沢山いたからだった。乗船した船は時速80kmで航行できる高速船。竹芝→大島の乗船運賃は片道で\7220。少々…いや結構高い気もするが、高速船の運賃はこんなものなのだろうか。途中神奈川県の久里浜に寄航しつつ、約2時間の航行で大島へ。乗船中はほぼ睡眠。

岡田港

(おかだこう)

岡田港に下船

岡田港

竹芝出航と同じく時刻表より5分遅れの10:45に伊豆大島岡田港に到着。心配していた空模様は大島に着くと快晴になっていた。少し強めの風が出ていて肌寒い。ちなみに船は、天候や風向きによっては大島西側にある元町港に接岸するので、帰る時は電話で接岸港を確認する必要がある。

岡田港前の様子

伊豆大島岡田港客船待合所

レンタカーは12:00からの予約なので、とりあえず客船待合所の中にある小さな食堂で昼食。ラーメンやそばなど麺類が主で、何となくご当地っぽい感じの大島産あしたば使用「島のりそば \500」を注文。味は悪くない、と思う。そばを食べていると携帯電話が鳴ったのでもしやと思い出てみると、予想通りレンタカーのスタッフからだった。電話の内容は、予定より少し時間が早いけどよければ今からお貸ししますよ、というもの。12:00までまだ30分以上あり他にすることも無いのでご厚意に甘える事に。食事を済ませ待合所を出ると、すっかり人の姿は無くなり静まり返っていた。

島のりそば

レンタカーのヴィッツ

今回利用するレンタカーサービスには営業所が無く、岡田港駐車場での配車。すでにスタッフが待合所前に車を停めて待っていた。ちなみに船が元町港に接岸した場合は元町港まで車を届けてくれるのでとても便利。今回利用する車は新型ヴィッツ。24時間のレンタルで\7000。本土の大手レンタカーよりも割安。スタッフから保険保障制度の説明を受け、車の傷のチェックを済ませ、11:30大島観光開始。大島をぐるっと一周している「伊豆大島一周道路」へ入る。道路の海側の車線を走りたいので時計回りに走り始める。

椿トンネル

(つばきとんねる)

岡田港から車を走らせ程なくして、椿トンネルという、100mほど続く木々に囲まれた道に入る。観光スポットというほどのものではないが、一応車から降りて写真撮影。椿が満開の時期なら見応えあるのかもしれない。

桜株

(さくらかぶ)

これも観光スポットというほどのものではないのだが…伊豆大島は小さいだけに観光スポットも限られるので、ついでに立ち寄り。島内のオオシマザクラで最古最大のもので、樹齢800年以上らしい。国の特別天然記念物に指定されている。

屋久島や種子島のように、綺麗な海を眺めながらドライブが出来ると思っていたのだが、車窓から見えるのは緑ばかりで海が見えない。確かに地図を改めて見てみると、大島一周道路は海岸より少し内側を通っている。何だか惜しい。それと、強風の影響で道路の至るところに木の枝が転がっている。大きなものもあるので注意が必要。それにしても、日曜日しかも春休み期間中だというのに、大島一周道路は車の通りがほとんど無く、運転は快適そのもの。前日の船の欠航が影響しているのだろうか。

裏砂漠

(うらさばく)

この案内板が目印

駐車場から歩いて10分

木々に囲まれた細道を抜けると…

伊豆大島の見所の1つが裏砂漠という、一面火山噴出物のスコリアで覆われた黒い大地。その裏砂漠を一望出来る展望台へ向かう。大島一周道路から「月と砂漠ライン」という細い山道に入り、3kmほど車を走らせたところで駐車場に到着。そこからさらに10分ほど歩くと、大島東側に位置する裏砂漠を一望できる開けた場所に出る。

裏砂漠を一望

写真では伝わらないがもの凄く景色が広い。荒涼とした黒い地面の砂漠が一面に広がり、ここは本当に日本かと疑うような眺め。同じ東京都でも自分が住んでいる都心とはかけ離れた風景。日本狭しと言えどいろんな風景があるのだと改めて思った。この裏砂漠は、国土地理院作製の地図で日本で唯一「砂漠」と表記されている場所らしい。しかし砂漠の定義には当てはまらず、あくまでも名前だけの砂漠。

海に向かって道が伸びている

空が広い

裏砂漠に出てさらに道を進んでいくと、裏砂漠第1展望台がある。しかし途中から強風に煽られ前に進むのが困難になる。向かって左側にある斜面が途中で途切れ、強風を直で体に受ける。それでも何とか第1展望台まで進む。展望台と言っても地面に小さな標識があるだけで、最初に裏砂漠に出た場所と眺めはほとんど変わらない。あまりに風が強くカメラを構えるのもままならない。第1展望台からさらに道は続き、小高い丘の上に第2展望台がある。気合で第2展望台まで行こうと前へ進むが、本当に吹き飛ばされそうなほどの強風と、一緒に飛んでくる砂が顔に当たって痛く、身の危険を感じ引き返す。強風は止みそうにもなく、悔しいが第2展望台へ行くのは断念。

手前が第1展望台、先に見える小高い部分が第2展望台

第1展望台の目印

立っていられないほどの強風

そんな危険な第1展望台に1組の家族が進んでいく。展望台の目印と一緒に記念撮影をしようとしているようだが、強風で皆しゃがみこんでいる。小さな子供もいるので危ない…それにしても今までに経験した事が無いほどのもの凄い風。晴天なのは嬉しいが風の影響で第2展望台まで行けなかったのが本当に残念。景色が良いので暫く第1展望台付近にいたが、ずっと強風に当たっていたので疲れてしまった。

筆島

(ふでしま)

海の見えない道路をずっと南下してきてやっと海が見えてきた所に、海岸を見渡せる見晴台発見。断崖絶壁の海岸風景が広がるいい眺め。海岸の前には「筆島」という細長い岩礁が立っている。確かに筆先に形が似ているが、どう見ても島ではなく岩礁。「筆岩」のほうが合っている。ここも風が非常に強く、写真をブレないように撮るのが難しいほど。海面の所々で海水が白い霧状になって吹き上がっているのが見える。運がなければこの日も船が欠航になっていたかもしれない。

見晴台から眺める筆島海岸

筆島

歩いて海岸へと降りていくと、白い十字架が建っていて、その隣に「オタイネの碑」がある。何やら歴史的背景があるようだが、細かい事は気にしない。筆島海岸は海水浴場になっているようで、海岸の目の前に駐車場とトイレがある。今は人影が無いが、夏場は多くの行楽客で賑わうのだろうか。

オタイネの碑と十字架

潮風で眼鏡もカメラのレンズも真っ白さ

それにしても、岡田港から筆島海岸まで南下してきて、観光客と思われる人の姿をほとんど見かけていない。岡田港を出てから裏砂漠の展望台で1組の家族、そして筆島海岸を見下ろせる道路沿いの見晴台で2人組みの女性を2組見かけただけ。やはり前日が荒天で船が欠航した事、この日も風が非常に強い事が影響しているのだろうか。ともあれ、こちらとしては人が少なく静かなのは好都合。強風には少し参るが。

筆島アップ

筆島海岸堤防からの眺め

龍王崎

(りゅうおうさき)

大島南端の波浮港にある何がし邸というのに、興味は無いが一応寄っておこうということで、適当な所に車を停めて住宅地の中へ入る。が、案内板も見当たらず道に迷う。と、「竜王崎灯台鉄砲場」と書かれた案内板が目に留まり、よく分からないが何となくそちらへ向かう。

鉄砲場へ続く坂道を上っていくと昔の防空壕が2つあり、その上が鉄砲場の高台になっている。高台の上にも防空壕が1つ。「大東亜戦争時の陸軍防空壕」とネームプレートが付けられている。大東亜戦争っていつの話だっけ… 鉄砲場に鉄砲のレプリカなどは無く、鉄砲が設置されていた跡が残されているだけ。 

高台床下の防空壕

高台から眺める波浮港

高台からは波浮港や周囲の海を一望。そして白亜の龍王崎灯台が建っている。ここも人の姿はなく静か。住宅地を通ってこの鉄砲場まで来る間も人の姿は全く無かった。あまりにも人が居ないので妙な感じ。

重機関銃設置跡

高台の上にある防空壕

龍王崎灯台