トップページ

尾道灯りまつり(2014年10月)

尾道灯りまつりは尾道中心部で毎年10月に行われるお祭り。JR尾道駅周辺や本通り商店街、寺院などにたくさんのぼんぼりが灯される。ぼんぼりは市内の児童・生徒らが将来の夢や願いを描いた紙でつくられたもの。灯りまつり開催中には複数の寺院や施設で合唱や演奏などのイベントも行われる。

 尾道灯りまつりは毎年10月の第2週目あたりの土曜日に開催されているもよう。土・日と2日間開催されれば参加しやすいのだが、土曜日の1日だけとなると仕事の都合等で時間の確保が難しく、広島に越してきた年の2012年、翌年の2013年と2年続けて行くことができず、2014年にやっと参加できることとなった。

 

尾道駅周辺

尾道駅前ロータリー

しまなみ交流館前広場

尾道灯りまつりの開催時間は18:00〜21:00。18:00の少し前からぼんぼりに火が点けられ始める。18:00から尾道駅前港湾緑地で点灯式が行われた。祭りを散策するにはぼんぼりの配置場所や各種イベント開催場所が記されたビラを利用すると便利。JR尾道駅構内の観光案内所などに置かれている他、駅前でビラ配りをしていた。

尾道駅前港湾緑地

ぼんぼりは薄い紙を巻いて地面にテープで簡単に固定されているだけなので、微風程度でもぐらぐら震える。点灯式のスピーチで「雨にも弱く、風にも弱く…」とうまい事言っていたが、正にその通りだ。竹灯篭で灯される竹原のイベント「憧憬の路 町並み竹灯り」以上に開催条件がデリケートかもしれない。

尾道駅前港湾緑地に並べられたぼんぼり

全て子供が描いたもの

ぼんぼりの中にろうそく

写真と実際では色味が違う…

撮影に使ったカメラは安価なコンデジだが、広角側開放f値が1.8とコンデジにしては明るく、三脚無しでも夜景の手撮り機能を使えばブレ無しでそこそこの画質で撮れる。しかし灯りの色味や照度の具合まではさすがに再現されず、一眼レフ等の高性能なカメラで撮った写真と比べたらやはり明らかに劣る。軽装主義で大きいカメラ・重いカメラを持ち歩くのがどうしてもイヤなので仕方ない。

 

本通り商店街

美津子像

美津子像

アーケード商店街に並ぶぼんぼり

全部でいくつあるのだろう

1km以上続く本通り商店街のアーケードにもぼんぼりが並ぶ。美津子像がある尾道駅側からアーケードに入り少し進んだ所にある、商業会議所記念館広場にもたくさんのぼんぼり。芸術的なデザインの照明オブジェもいくつか置かれていた。本通り商店街を端から端まで歩くには少々距離が長いので、商店街の散策は通りの中間辺りにあるゆとりの広場で終わり。

商業会議所記念館広場

記念館広場の中心に置かれたオブジェ

尾道灯りまつりに使われるぼんぼりは基本全て同じ形・大きさの紙筒なので、そういう点では場所場所の個性は薄い。たけはら憧憬の路では竹をいろいろなデザインに加工して灯篭をつくり、凝ったデザインのオブジェなどもたくさん用意しているので、それぞれの灯りに個性があり飽きることが無い。尾道と竹原では祭りのコンセプトが似て非なるものなので比較するべきではないのかも知れないが、たけはら憧憬の路をすでに観ている自分には少々質素に感じたというのが正直な感想。

手形ぼんぼり

少し凝ったぼんぼり

ゆとりの広場

 

寺院巡り

持光寺山門手前

持光寺境内

山の斜面に民家や寺院が密集し、迷路のような細い路地が張り巡らされた「坂の町」。坂の町に25ほどある寺院のうち、案内マップを見る限り16の寺院がぼんぼりを配置していることになっていたが、全てを周るのは到底無理なので数軒のみ立ち寄り。

 

狭い歩道にも灯り

電池式のキャンドルライト

小さなキャンドルライトが並ぶ

入り組んだ細路地の一部では、電池で光る小さなキャンドルライトが置かれていた。暗い裏路地の道端にこういうものを無造作に置いておけるのは、治安が良く民度の高い日本ならではだと思う。

とある民家の窓

尾道坂の町と言えば猫

 

各寺院で灯されるぼんぼりもやはり皆同じ紙筒。もちろん描かれてい絵は全て違うので、それらの絵を見て楽しむのもいいかも知れない。細路地や寺院に外灯は少なく、ぼんぼりの灯りのみで視界をまかなっている場所も多い。そのような場所は足元以外は暗いので、寺院の建物や周囲の景色はほとんど暗がりになっている。実際の様子と掲載している写真との明るさはほぼ同じ。暗い場所は本当に暗い。

光明寺山門手前

光明寺境内

光明寺のぼんぼり

 

宝土寺手前の路地

外灯の下で猫が居眠り

宝土寺境内

宝土寺境内

ひとつくらい演奏・合唱イベントを観ておこうと思い、宝土寺の本堂で行われた「箏とリコーダーのアンサンブル」を観賞。一般的には「琴」と呼ばれている楽器だが、正確には琴とは違い「箏(そう)」という名前の楽器らしい。地元の小学生による演奏だが十分に聴き応えのあるものだった。このようなイベントが複数個所で行われるが、開催時間が重なるものが多く開催場所間の移動にも時間がかかるので、計画的にまわっても観られるのは3ヶ所程度と思われ。

箏とリコーダーのアンサンブル

「こと」ではなく「そう」

 

艮神社参道入口

艮神社境内

樹齢900年前後と言われる大きなクスノキがある艮神社(うしとらじんじゃ)にぼんぼりは設置されておらず、境内には祭りの詰め所のようなテントが複数設営されていた。猫の細道にもぼんぼりは無く、所々に仄かな灯りがある程度。

猫の細道を通る

小瓶の中に灯り

ふくろうの灯り

 

千光寺へ続く階段

外灯が無い場所は足元以外真っ暗

尾道市街や尾道水道を一望できる千光寺に寄ったのは21:00になる少し前で、すっかり人影も無くなり静まり返っていた。灯りまつりの開催範囲は東西に約2kmと広く、入り組んだ小路の多いエリアに寺院が集中している事もあり、多くの祭り開催寺院を見てまわるにはそれなりの時間が必要になる。しかし開催時間は18:00〜21:00までの3時間と短く、合唱や演奏などの観賞をすると散策できる時間はさらに限られてしまうのがネック。欲張りな人は効率良くまわれるよう事前にしっかり計画を練った方がいい。

千光寺本堂

千光寺の上を通過するロープウェイ

千光寺鐘楼

鐘楼からの眺め