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大崎上島(2012年11月)

瀬戸内海のほぼ中央にある大崎上島は、造船とみかんの産地として知られる島。広島県本土とも他の島とも橋で繋がっていない離島である事、際立った観光スポットが無い?という事で、安芸灘とびしま海道やしまなみ海道の島々と比べて観光客は少ない様子。安芸灘とびしま海道の岡村島と橋で繋ぐ計画が以前からあるらしが、実現はされていない。さらに将来的に竹原市と大崎上島を橋で繋ぐ計画もあり、もし2つの橋の架橋が実現すれば、安芸灘とびしま街道が呉市から竹原市まで縦断できるようになり、かなり魅力的なドライブルートになる。是非とも実現させてほしい。

竹原港待合所

フェリー乗り場

大崎上島へアクセスする航路は複数あり、自宅から近い竹原市の竹原港からフェリーに乗船。自動車航送運賃は4m未満で往復3610円(2012年現在)と、高くはないが安くもない微妙な金額。広島県の瀬戸内海には橋で渡れる島が多数あるので、離島の大崎上島へはなかなか足が向かない。

航行中のフェリーから眺める契島

航行中のフェリーから眺める竹原市

竹原から大崎上島までの航行時間は30分程度。竹原港を出航したフェリーからは、長い煙突がランドマークの竹原市の街並みや、島全部が鉛の精錬工場になっている契島がよく見える。残念ながら空模様は雲が多くすっきりしない天気。普段ドライブや旅行に出る時は何よりも天気にこだわる自分が、何故快晴でもないのに大崎上島へ向かったのか。何故なら「気が向いた」から。これを逃したら今度はいつ気が向くかわからない。

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竹原港発のフェリーが発着する大崎上島の港は、島の北側にある垂水港と白水港の2ヶ所。竹原港の出航時刻によって行き先が変わるが、2つの港は2km程度しか離れていないのでどちらでもいい。今回は垂水港から大崎上島を時計回りに一周。

 

北端東側の道路

しまなみ海道が通る大三島が見える

島の東海岸に出ると、しまなみ海道が通る大三島の陸地が目の前に広がる風景。大崎上島と大三島の間が県境になっていて、向こうは愛媛県。

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五階建ての木造家屋

左右対称の建物

島の東海岸にある木江港周辺には、古い建物や昔の町並みが残されている場所がある。木江港のすぐ手前の通りには五階建ての木造家屋が建っている。昔ながらの木造民家で五階建てはかなり珍しいと思う。

造船所のある木江港

車の周りをずっとうろうろ

この猫気になる…

木江港前の通りに車を停めておいたら、白い猫が車の周りをぐるぐる回ったり、立ち止まってじっと車を凝視したりと、不気味な行動をしていた。少し離れた場所から暫く観察していたが、車から離れる様子がないので近寄っていくと、こちらに気付いて小走りで離れていった。何度もこちらを振り向く猫の顔が不細工…もとい不気味。猫の奇妙な行動に、自分の車に何かあるのか、動物の死骸でも巻き込んでいるのかと不安になり、車をぐるっと一周して異変が無いか確認。特にタイヤまわりと車体裏をよく確認し、匂いも嗅いでみたが特に異変は無い。そしてふと気付く。自分があの猫と同じような行動をしている事に。。あの猫はいったい何をしていたのだろう…

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木江港周辺に古い町並みがあるという事は知っていたが、何処にあるのかは分からず、適当な場所で車を停めて海岸沿いの通りから住宅地の細路地へ入る。すると古い木造家屋が隙間なく建ち並ぶ通りに出る。三階建ての木造建築が多い。旅館や商店があるが人の気配や生活感を全く感じない、時が止まったような通り。

細路地に入る

古い町並み

細路地の先に神社の鳥居

細路地をさらに奥へ進むと石造りの鳥居があり、鳥居から続く石段を上っていくと小さな社が。社のある高台からは、古い町並みの密集した瓦屋根とそのうしろにかすかに見える海と島々。上ってきた石段を見下ろせば、古びた塀や家、電線にまで葉がぎっしり絡みついた風景。何だか時代に取り残されたような空間で、不思議な感覚に陥る。でもこういう場所は嫌いではない。もの寂しさも感じるが、何故か落ち着く。

神社の社

神社からの眺め

参道の石段と鳥居を見下ろす

鳥居から海沿いまで続く細い路地

 

テーマパークみたいな塔

木江港交流倶楽部かもめ館

木江港の少し南に、大崎上島らしい落ち着いた風景にはそぐわない派手な建物がある。緑色の屋根の塔と、赤とピンクとオレンジのド派手な建物。木江港交流倶楽部かもめ館という、芸能育成と発表の場らしい。外観は竜宮城をイメージしたそうな。

かもめ館前の道路から

穏やかな海と多島風景

 

クマさん鉄のオブジェ

船のスクリュー?

クマさん鉄のオブジェ

島の南東には「クマさん鉄のオブジェ」というものがある。最初は熊をイメージしたオブジェなのだと思っていたが、「クマさん」、「ゲージツ家」で知られる篠原勝之氏の作品だった。一時期よくテレビに出ていたスキンヘッドの人。でもこのオブジェ、何となく熊に見えないことも…ないか。クマさん鉄のオブジェのすぐ側には、船の形をした郷土資料館がある。休館中になっていた。大崎上島への観光客が少なく入館者がいないからだろうか。大崎上島を訪れたのは日曜日だったが、観光客らしき人の姿は全くと言っていいほど見かけなかった。

木江ふれあい郷土資料館

木江ふれあい郷土資料館のすぐ側、島のほぼ南東端にある中ノ鼻灯台。明治27年からある歴史ある灯台らしいが、小ぶりでかわいらしい灯台とそれを囲む壁が何だかとてもお洒落な感じ。本当に小さな灯台だがとても印象に残る。背景の空と海がもっと青ければもっといい絵になっただろうなぁ。

中ノ鼻灯台

正面

この灯台気に入った

もう少し晴れていればなぁ

中ノ鼻灯台のすぐ南にある弓張岩。昔々弓の名人小早川冬平が弓の弦を岩に固定し海賊船めがけて矢を放った…という説明文があるが、本当なのだろうか。その話を抜きにしたら限りなくただの岩だ。

弓張岩

弓張岩のある岸辺

 

大崎上島で最もいい景色が見られる場所だと思われるのが、島のほぼ中央にある神峰山(かんのみねさん)。標高453mあり大崎上島で最も高い山で、周囲の景色を一望できる展望台が複数個所ある。第1展望台のある駐車場までの山道は道幅の狭い場所もあり、所々に崖から落ちてきたと思われる石ころや木の枝が転がっていたりと、あまり人が訪れないマイナースポットみたいな道。しかし駐車場はしっかり整備されていてトイレもあり、何より展望台からの眺めが素晴らしく、個人的には大崎上島で一番の観光スポット。

駐車場前の第1展望台

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第1展望台からは北側の風景を一望できる。大崎上島北部の陸地と瀬戸内に浮かぶ小さな島々、そして向かいに広がる広島本土の陸地。訪問時は薄雲が広がり遠くの景色が霞んでいるのが残念だったが、空気の澄んだ快晴だったら最高だろう。

木江港

4階建て木造建築のある通り

中国電力の発電所

遠くに竹原の煙突

第1展望台から山頂の第3展望台までは遊歩道を歩いて行く。第1展望台から5分ほど上り道を進んだところに石鎚神社分所があり、その向かいにこじんまりとした展望台。北〜東の風景を眺望。

石鎚神社分所

石鎚神社分所向かいの展望台

木江港

砂浜でふたつの島が繋がっている?

第1展望台からも木江港は見えたが、石鎚神社分所向かいの展望台から見下ろす木江港の眺めが、構図的にとても気に入った。造船所?の黄色い屋根や船の水色をはじめ、港や住宅地にいろんな色があり、景色が少し霞んでそれらが淡い色になってとてもいい感じ。

<< SCROLL    石鎚神社分所向かいの展望台からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

石鎚神社分所からさらに遊歩道を進むと第2展望台がある。駐車場にある神峰山展望台案内図によれば、第1展望台から第2展望台まで徒歩約7分。第2展望台からは東側の眺望。大三島や大三島南端に続く小島などの風景。訪問時東側は完全に曇っていたので、いい眺めは拝めず。

石鎚神社分所から続く遊歩道

第2展望台

山頂へ続く道

お地蔵さんがたくさん

やさしいお顔

第2展望台から神峰山山頂の第3展望台までも徒歩約7分。山頂まで続く道の途中途中に小さなお地蔵さんが。山頂に着くとまず鐘つき堂と薬師堂があり、そのすぐ先に第3展望台がある。第3展望台からは西側の風景を一望。ここも空模様がイマイチで微妙な眺め。残念だ。

鐘つき堂と後ろに薬師堂

第3展望台

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島の南西側にある権現山にも見晴らしの良い展望台があるそうなので、山頂まで通ずると思われる道に入っていくが、道がやたと狭く車のボディに草が当たる。不安ながらも先へ進んでいくと、しっかりとした木の枝まで道に飛び出すようになり、これ以上先へ進むのは厳しいと判断し引き返す。安芸灘とびしま海道の豊島にある十文字山の二の舞は御免だ。。

権現山山頂へ向かおうとするが…

これ以上先へは進めない…

 

長島大橋

長島大橋たもとの見晴台

大崎上島の北西部に長島という小さな島があり、大崎上島と橋で繋がっている。島の面積の半分ほどは中国電力大崎発電所が占めている。2つの島を繋ぐ長島大橋の長島側たもとに小さな見晴台があり、発電所の様子や竹原方面を見渡せる。

見晴台から発電所を見る

見晴台から契島を望む