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大久野島(2014年3月)

野生のウサギがたくさん生息することで知られ、「ウサギ島」とも呼ばれている大久野島。忠海の小学校で飼育されていた8羽のウサギが1971年に島に放され、繁殖を繰り返し現在は250〜300羽ほど生息しているらしい。第二次大戦末期までは毒ガス工場があったことから、「毒ガス島」・「地図から消された島」とも呼ばれていた。当時は機密保持のため大久野島は地図上から消されていたらしい。島内には当時の施設跡や砲台跡などの戦争遺跡が残されている。

大久野島は竹原市忠海町の沖合い3kmにあり、JR忠海駅の隣にある忠海港から船で渡る。乗船料は大人で片道300円。乗船時間は10分程度。船は小型船とフェリーが行き来していて、大体30分〜1時間置きに発着している。

忠海港切符売り場

忠海港桟橋

黒滝山と白滝山山頂

大久野島の巨大な送電鉄塔

乗船中に外の景色を満喫したいのであればフェリーがお勧め。小型船は後部に狭いデッキがあるだけだが、フェリーなら客室を外周するデッキがあるので全方位を窓の外から眺望できる。船上から忠海側を見ると真正面に黒滝山があり、ある程度離れていくと黒滝山の右側に白滝山の山頂部が見えてくる。大久野島は巨大な送電鉄塔が建っているのが印象的。日本一高い送電鉄塔らしい。

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大久野島東岸の第二桟橋から島に入ると、さっそく何羽ものウサギの姿。桟橋の前には待合室があり、船の時刻表を確認できる。ここからは、第二桟橋から島を時計回りに一周するかたちでざっくり大久野島を紹介。

第二桟橋

桟橋前の待合室

第二桟橋から南へ進んでいくとキャンプ場があり、そこにもウサギが沢山いる。地面はそこら中ウサギの糞だらけなのは仕方が無い。島の南部からは、しまなみ海道が通る6つの島の中で最も大きい大三島が目の前に見える。

綺麗な海岸

キャンプ場脇の道

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ウサギは人が近くに来るとエサをねだって駆け寄ってくる。ウサギの集団が自分に向かって一斉に駆け寄ってくる様は気分がいい。しかし残念ながらウサギのエサは用意していなかった。次回大久野島へ行くときにはニンジンでも持っていこう。

ウサギ天国

そこら中糞だらけ

人が来ると一斉に駆け寄ってくる

キャンプ場の側に南部砲台跡

 

 

第一桟橋

大久野島灯台

島の南側にビジターセンターと毒ガス資料館が向かい合うように建っている。ビジターセンターは入館無料で、瀬戸内の自然環境や島の歴史などを紹介した施設。毒ガス資料館は入館料大人100円。基本的に島内の何処にでもウサギはいるが、ビジターセンターや休暇村などの施設がある南側に集中しているようだ。

ビジターセンター

毒ガス資料館

立っておねだり

かわいい

 

幹部用防空壕跡

通信壕跡

慰霊碑

ビジターセンター周辺には防空壕跡や通信壕跡などの戦争遺跡、慰霊碑や殉職碑などがある。今では「ウサギ島」として平和でのんびりとした島ではあるが、昔は毒ガス島としての暗い過去があったことを実感させられる。毒ガス工場で働いていた多くの職員が癌などの病気や毒ガス後遺症の被害にあったらしい。

殉職碑

千羽鶴

大久野島神社

 

大久野島灯台

綺麗な砂浜海岸

島の南端に大久野島灯台が建っている。灯台の少し手前から崖崩れの恐れがあるため立ち入り禁止となっていた。灯台周辺には広場のようになっている夕日の丘や、小高い丘の上にある南部探照灯跡などがある。

夕日の丘

夕日の丘から

南部探照灯跡へ向かう道から

南部探照灯跡

 

国民休暇村宿舎

宿舎前広場

島の南西部に国民休暇村の宿舎と広場がある。宿舎前広場にも沢山のウサギがいる。寝そべっていたり水を飲んでいる様子を撮ろうとウサギに近づきカメラを構えると、こちらに気付いて駆け寄ってきてしまうのでなかなか自然な様子を撮るのが難しい。少し離れたところからズームで撮らないと気付かれてしまう。

くぼみに入るウサギ

寝そべるウサギ

膝に前足を掛けるウサギ

水を飲むウサギ

宿舎隣にある毒ガス貯蔵庫跡

 

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何処にでもウサギはいる

毒ガス貯蔵庫跡

大久野島西岸は、国民休暇村から北部海岸まで堤防沿いに道が延びている。陸側にはいくつかの戦争遺跡。そして長いコンクリートの道にもウサギはいる。本当に何処にでもウサギはいる。島の北端に位置する丘にも戦争遺跡があるのだが、手前が資材置き場となっていて立ち入ることができなかった。

毒ガス工場時代トイレ跡

真っ直ぐ伸びる西岸沿いの通り

長浦毒物貯蔵庫跡

北部海岸

 

歩いて島内一周できる

北部砲台跡

島の北部には広い砲台施設跡が残されている。大久野島は周囲約4km、島を外周する道路は約3kmと小さな島なので、歩きで島を一周できる。島内に点在する戦争遺跡や山頂展望台など一通りの観光スポットを全てまわって4、5時間程度だろうか。国民休暇村宿舎で自転車の貸し出しをしているので、一部の道を除いて自転車でも島内散策ができる。

トンネル

毒ガスタンク台座

あちこちに置いてある

北部砲台跡

 

北部砲台跡と中部砲台跡を繋ぐ道から

北部砲台跡と中部砲台跡を繋ぐ道から

送電鉄塔

北部砲台跡から山の上にある中部砲台跡まで続く山道からの眺めがなかなかいい。大久野島北端部の海岸や小久野島、対岸の竹原市の陸地までよく見える。大久野島は小さい島ながら見どころが多い。

中部砲台跡

北部砲台跡から続く山道を登り切ったところに、日本一高い送電鉄塔が建っている。真下から見上げると本当に大きい。写真では全くその大きさが伝わらないが、高さ226mもあり東京タワーの約2/3の高さがある。送電鉄塔より北側にある山頂展望台までの間に中部砲台跡がある。桟橋から離れていて観光客があまり来ない山頂部にもウサギは沢山いる。食いっ逸れるウサギはいないのだろうか。

ここにもウサギ

中部砲台跡

 

展望台

展望台

大久野島のほぼ中心部に標高100mの展望台があり、360°の景色を眺望。小久野島がある西側の眺めがいい。展望台の隣にある送電鉄塔は46mと小ぶり。

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火薬庫跡

火薬庫跡

展望台の真東あたりにレンガ造りの火薬庫跡がある。屋根は無く倉庫内の地面は木の枝で埋め尽くされていた。そして第二桟橋のすぐ北側には発電所跡の建物がある。無機質に窓が並ぶ建物正面が物々しい雰囲気をかもし出している。

発電所跡

発電所跡

発電所跡

何処にでもウサギ

これでざっくり島を一周。まだいくつか見逃している戦争遺跡もあり、ビジターセンターと毒ガス資料館へも入館していないので、気が向いたら大久野島を再訪しようと思う。何よりもまたウサギに癒されたい。