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音戸の瀬戸と休山(2014年10月)

呉市の本土最南部とその南にある倉橋島に挟まれた海峡を音戸の瀬戸(おんどのせと)という。音戸の瀬戸には特徴的な三重螺旋高架橋をもつ音戸大橋があり、日本一短い定期航路の音戸渡船があり、古い民家が密集する住宅地がありと、際立った観光スポットは無いがのんびり町並み散策するには絶好の場所。そんな音戸の瀬戸周辺と、ついでに音戸の瀬戸の北側にある夜景スポットの休山を紹介。

音戸の瀬戸

音戸大橋

音戸大橋は1961年に音戸の瀬戸に架けられた古い橋で、倉橋島側にあるループ橋は日本初の三重螺旋高架橋。倉橋島と本土との行き来をするための重要な交通路だったが、橋幅が狭く歩道は無く、三重ループ橋という構造もあって慢性的な渋滞が発生。そして老朽化の問題も出てきたため、音戸大橋から約350m離れた場所に第二音戸大橋が架けられ2013年に開通。実際に第二音戸大橋の開通前に音戸大橋を渡った時は渋滞していたが、第二音戸大橋の開通後に訪れると音戸大橋を渡る車は非常に少なかった。

珍しい三重螺旋高架橋

音戸大橋に歩道は無い

呉市本土側の音戸大橋のたもとに音戸の瀬戸公園の駐車場がある。音戸大橋と三重螺旋高架橋を眺めるなら、音戸の瀬戸公園駐車場がロケーション的にもいい。公園内には2つの音戸大橋を眺められる場所もある。レトロで小ぶりな音戸大橋に対して、近代的デザインで大きな第二音戸大橋。

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音戸大橋が架かる場所が海峡の幅が最も狭く、音戸大橋と第二音戸大橋の間に両岸を往復する渡し舟が運行している。音戸渡船という定期航路で昔ながらの木造船。航行距離は120mほどしかなく、日本一短い定期航路とうたわれている。音戸大橋たもとの公園駐車場から公園内を歩いて、渡船乗り場まで10分程度。

日本一短い定期航路

公園から音戸渡船の桟橋を見下ろす

渡船乗り場(音戸の瀬戸公園側)

かなり年季の入った料金表

古い木造の渡船乗り場は築50年以上と思われ、まるで映画のロケセットのような建物。建物内に掲げられている料金表にも歴史を感じさせられる。音戸渡船の歴史は300年とも言われているらしい。

桟橋(音戸の瀬戸公園側)

乗船料は片道大人70円、小人40円。何故か夏休み期間の7月10日〜8月31日までは大人80円となっている。自転車90円、原付バイク110円と、小さい二輪も載せられる。航行距離が短いとはいえ随分と安い。上の写真の料金表から値段が変わっていないようなので、何十年も前からこの値段で営業しているのかもしれない。時刻表は無く、1人でも客が来れば直ぐに出航してくれる。営業時間は5:30〜21:00と長く乗船料が安い事もあって、歩道が整備された第二音戸大橋が開通してからも地元の人には不可欠な交通手段のよう。

船内

操縦席

船は50年以上前に建造された小さな木造船。元々は漁船?だったかのような造り。120mの航行距離の乗船時間は約3分。2つの橋に挟まれた狭い海峡ののんびりとした風景を眺めながら船に揺られていると、少しばかり郷愁感を覚える。

船上から第二音戸大橋を眺める

船上から音戸大橋を眺める

渡船乗り場(倉橋島側)

渡船乗り場(倉橋島側)

 

音戸大橋の三重螺旋高架橋

音戸大橋と奥に第二音戸大橋

清盛塚と見晴台

清盛塚正面

倉橋島側の堤防沿いに清盛塚というものがある。堤防から僅かに離れ孤立した石垣の上にあり、陸伝いに入ることはできない。その清盛塚を正面から見られるように、堤防から見晴台が突き出ている。清盛塚のある辺りからは2つの音戸大橋を前後に重ねて見られたり、北から東にL字に折れる音戸の瀬戸の中間点に位置し海峡のほぼ全景を見られる。清盛塚対岸のやや右手には石造りの常夜灯が建っている。

<< SCROLL    清盛塚前から眺める2つの橋 パノラマ写真180°    SCROLL >>

音戸の瀬戸

常夜灯

 

商店が並ぶ裏路地

尾道を思わせる小路

白壁が並ぶ住宅地

倉橋島の音戸大橋が架かる周辺には古い町並みが残る。瓦屋根に格子窓、白壁といった昔ながらの家屋が多く残り、迷路のような狭い小路と坂道があり、高台には寺院がある。少し尾道を思わせるような町並み風景。高台にある寺、法専寺の境内からは瓦屋根の町並みと2つの音戸大橋を見渡すことができる。

法専寺

法専寺の格言

法専寺境内から眺める音戸大橋

法専寺境内から眺める第二音戸大橋

建造から半世紀以上経つ小さな音戸大橋は古い町並みになかなか馴染んでいるが、近代的デザインで大きな第二音戸大橋は随分とミスマッチな光景。木造家屋が軒を連ねる小路から見上げる第二音戸大橋は異様な物体にも見えるし、逆に第二音戸大橋がこの町の古さを強調しているようにも見える。

古い住宅密集地の先に…

第二音戸大橋がそびえる

 

第二音戸大橋脇の階段から

階段の上にある神社

第二音戸大橋の脇には、堤防沿いの道路から橋の上まで続く長い階段がある。堤防沿いの住人が徒歩で第二音戸大橋を渡って対岸まで行くには、長い階段で橋の架かる丘へ上がり、橋長約500mの橋を渡りきり、今度は対岸の丘を岸まで下りるという、結構面倒な道のりになってしまう。なので第二音戸大橋が開通しても音戸渡船の必要性は高い。

<< SCROLL    第二音戸大橋脇の階段からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>