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瀬戸内しまなみ海道を往復サイクリングしたい!

2014年9月にレンタサイクルでしまなみ海道を縦断(向島→今治駅までの80kmを3段ギアのシティサイクルで走破!)。それがきっかけでサイクリングに興味を持つようになり、2015年2月に折りたたみ自転車を購入し、瀬戸内海の島々をサイクリングするようになる。そしてしまなみ海道と並んで人気のサイクリングスポットである、安芸灘とびしま海道を往復サイクリング(60km)してから、しまなみ海道も日帰りで往復(140km)してみたいと思うように。しかしさすがに20インチの小径車で140km走るのは辛い。ということで、しまなみ海道往復サイクリングは一旦お蔵入りとなった。折りたたみ自転車で広島を中心とした主なサイクリングスポットを一通り走り、さらに車中泊旅行で山口県の島を2ヵ所走ったところで、とりあえずサイクリングは一段落した気分に。すると再びしまなみ海道往復サイクリングに意識が傾く。そんな時に何気に立ち寄った自転車店でロードバイクを眺めていたら、それまで全く興味の無かったロードバイクに関心を持つようになる。これなら自分のような貧脚サイクリストでもきっと日帰りでしまなみ海道を往復できる。そうだ、ロードバイクを買おう!という流れで、2015年9月末に自転車店「サイクルベースあさひ」のウェブショップから購入。そして10月2日に自宅最寄のサイクルベースあさひで納車受け取り。

 

ステップ1:ロードバイクの購入(2015年10月)

初めはせいぜい7、8万円のロードバイクで十分だと思った。実際これまでのサイクリングで乗っていた折り畳み自転車と比べれば、その程度の車格でも十分過ぎる走行性能があるのは間違いない。ロードバイクは10万円以上するものが多いが、たかが自転車にそんなにお金を掛けるなどバカらしいと思っていた。しかし、ロードバイクについてネットでいろいろと調べ(身近にロードバイク所有者が1人もいない…)知識が身についていき、複数の自転車店でいろいろなメーカー・いろいろな車格のロードバイクを見て目が肥えていくうちに、だんだんと考えが変わっていく。何より高額なモデルの方が魅力的なデザインのものが多く、当初の予算よりも上のモデルにどんどん目移りしていき…

初めてのロードバイク

そして購入したのが、フランスのメーカー「ラピエール」の入門モデル「アウダシオ300」。フレームはアルミ、フロントフォークがカーボン製で重量約9.2kg(ペダルなし)。フレーム性能は結構いいらしいが、価格を抑えるためにブレーキや変速機等のコンポーネントは安価なものが付いている。それでも定価159,000円(税抜)!セールで25%引きで購入したが、だいぶ予算オーバーしてしまった… 正直、性能云々よりもデザインに惹かれて決めた。見た目も大事。

このロードバイクのデザインは、メーカーが機材供給しているレースチームの車両デザインを再現したもの。なのでパッと見はエントリーモデル離れしたデザイン。配色はフランスのトリコロールカラーで、ベースの白に合わせてサドルやバーテープ、さらにワイヤーチューブまで白にするなど色へのこだわりがあり、レーシーな外観の中にオシャレさも併せ持つロードバイク。

レーシーなデザイン

歴史のある自転車メーカー

チームロゴやスポンサーロゴなど

フロントフォークの内側まで凝っている

アフターパーツの初期装備は、ペダル(本格スポーツサイクルにはペダルが付属していない)・サイクルコンピュータ・ボトルケージ。フレームのカラーに合わせ全て白いものを購入。車重9.2kgという軽さを極力殺さないよう、ペダルはカーボン製の軽いものに。サイクルコンピュータの機能は最低限で、表示サイズの大きさとデザインを売りにしたモデルをチョイス。ボトルケージはペットボトル用とサイクリングボトル用と2つ取り付け。パーツの重量を合せても車重が10kgを超えないようにしたいので、万が一の備えとして携行する工具やパンク修理道具、ワイヤーキーや夜間走行に必要なライト等はリュックの中へ。

ここにも色へのこだわりが

カーボン製の軽量ペダル

サイクルコンピュータ

ブレーキレバーがシフトレバーになっている

薄くクッション性の低いサドル

ロードバイクの細いタイヤはどうしても走る場所を選ぶ。空気圧が高くパンパンなので、僅かな段差でも振動を受けるし、大きな段差を無理に通過するとパンクや転倒の危険も。路面の溝や排水路のふたなどにタイヤが挟まる危険もある。そのようなリスクが高い乗り物であると十分理解し、常に路面の状態に気を配りながら運転する必要がある。なのでロードバイクで走る場所は、基本的にサイクリングコースとして整備された道路のみに限定。それでも転倒の危険は十分あるのでヘルメットを購入。スピードの出るスポーツサイクルでもヘルメットの着用義務は無いが、やはり必須アイテム。ヘルメットはネットで1,000〜3,000円程度の安価なものも多くあるが、万が一の時に頭を守る重要アイテムなので信頼性の高いもの(10,000円程度)を購入。

ロードバイクにヘルメットは必須

通気性をよくするため穴だらけ

ロードバイクにパンク修理道具の携行は必須

ロードバイクはパンクのリスクが高いので、パンク修理の備えが欠かせない。タイヤチューブ・ホイールからタイヤを外す道具のタイヤレバー・携帯用ポンプなどは必須。自分の場合はそれに加え、軽微なパンクならワンタッチで補修できるパンク修理剤(チューブに液体ゴムを充填して穴を塞ぐもの)も携行。さらに各部ネジが緩んだ時のために六角レンチを、変速機調整が必要になった時のためにプラスドライバーも用意。作業中の手の怪我を防ぐための作業手袋、手が汚れた時に拭くウエットティッシュも。さらにさらに、シートポストをフレームに固定するシートクランプの予備も用意。サイクリング中にシートクランプのネジが切れ、何十キロも立ち漕ぎする羽目になった…という記事をネットで見かけたので。備えあれば憂いなし。

ちなみに、ロードバイクでサイクリングをする時の服装は至って普段着。普段と違うのはリュックを背負うくらい。ロードバイクに乗るサイクリストがよく身に付けている、ピッチピチのサイクリングウェア”レーパン”にはかなり抵抗があったので。サイクリングの帰りにあの格好のままスパーやレンタルショップなどに立ち寄るのは自分には無理。確かにサイクリング専用のウェアの方が快適なのだろうが、レースをするわけでもないので普段着で十分かなと。スキニージーンズなら裾をギアに挟むこともない。普段着でさりげなくロードバイクを乗りこなす! …などと言いつつ、気づいたらサイクリングウェアで決め込んでいたなんて事になる可能性も否定できない。

普段着サイクリスト

 

ステップ2:ロードバイクに慣れる(2015年10月)

まずはドロップハンドルに前傾姿勢、ギアチェンジなどに十分慣れる必要がある。しかし自宅周辺の道路はロードバイクの走行にはあまり適していない。ということで、納車後最初の週末にロードバイクを車に載せ、自宅から30km弱の場所にある広島空港のサイクリングコースへ。広島空港の滑走路の周りをぐるっと周回するサイクリングコースは一周約12km。そこそこ高低差があり、スピードの出る長い下り坂もキツイ上り坂もある。一部区間を除いて一方通行で、車や歩行者を気にすることなく気持ちよくサイクリングができる場所。自転車を慣らし運転するのにもちょうどいい。できれば5周はしたかったが、貧脚の自分には上り坂が辛くて4周で切り上げた。富士登山や四国遍路の経験があり、歩く事に関しては結構足に自信があるが、自転車のペダルを漕ぐのに使う筋肉は衰えきっていた。中学・高校生の頃はマウンテンバイクが趣味で、ふとももにはかなりの筋肉がついていたのだが… いくら自転車の性能が良くても、エンジンである人間の体力、特に脚力が無ければ上り坂は楽ではない。これから沢山走って強靭な脚力を身に付けたいと思った。

二枚のシフトレバー

レバー大(ブレーキレバー)をクリック

レバー小をクリック

ロードバイクと言えば、慣れが必要そうなドロップハンドルに疲れそうな前傾姿勢、お尻が痛くなりそうな薄いサドル、そして転び易そうなやたらと細いタイヤ。これらがロードバイクを取っ付きにくそうなものにしている。自分もそんなイメージしかなかったが、実際にロードバイクを走らせてみると全くそんな事は無かった。ドロップハンドルの持ち方や前傾姿勢は乗り始めて直ぐに慣れ、自転車自体が非常に安定性に優れているので細いタイヤでも不安は無い(段差等が無ければ)。下り坂を前傾姿勢で加速しても恐いと感じなかった。そして薄いサドルでも意外とお尻が痛くなりにくい。前傾姿勢が体重を分散させてお尻に掛かる負担が少ないのかもしれない。100kmを超える長距離走行で体力的疲労以上に心配したのがお尻の痛みだったが、これなら衝撃吸収剤が入った自転車用のインナーパンツを履けば何とかなりそうだ。唯一慣れるのに少し時間が掛かったのがギアチェンジ。ブレーキレバーとその裏にある小さなレバーのふたつを内側に倒してシフトチェンジするのだが、レバーをクリックするストロークが長く指が疲れたのと、クランク側のギアはレバー大でシフトアップ、後輪側のギアはレバー小でシフトアップと逆なので、シフトミスをよくした。しかしこれもサイクリングコースを4周するうちに慣れた。

上ハンドル

下ハンドル

思いのほか乗り心地がよく直ぐに運転に慣れたのだが、不満点がひとつ。ブレーキの効きが悪い、特に後輪。元々ロードバイクのブレーキというのは、絶対的な制動力よりも細かいコントロール性能の方が求められるものらしいが、それにしても効きが悪い。通常走行時の「上ハンドル」では、ブレーキレバーを深く握れず強く引けないので、制動距離が長くなりとっさのブレーキングに対応できない。高速走行時に前傾姿勢になる「下ハンドル」では、ブレーキレバーをしっかり握れるので実用に耐えうる制動力が無い事はないが、下り坂を高速で走る時は不安を感じる。それにブレーキタッチが悪く操作性が良くない。ブレーキレバーを引いた時にカッチリ感が無いのにも不満。

ロードバイクを購入した自転車店でブレーキの効きについて相談したところ、原因はブレーキキャリパーの性能不足と判明。ロードバイクの完成車で特に入門モデルの場合、価格を抑えるために安価なブレーキキャリパーがついている事が多いとの事で、もれなく自分のロードバイクにもノーブランドの安物がついていた。ブレーキってある意味一番大事な部分だと思うのだが… ブレーキキャリパーを高性能なものに換えれば解決できるとの事で、早々にコンポーネントのアップグレードを迫られることとなった。とりあえず一度公道のサイクリングスポットを走ってみて、改めてブレーキキャリパー交換の必要性を考えることに。

ノーブランドのブレーキキャリパー

 

ステップ3:公道に慣れる(2015年10月)

安芸灘大橋料金所からスタート

広島空港のサイクリングコースで約50km走り、とりあえずロードバイクの運転に慣れたので、次は公道のサイクリングコース。初めての走行で50km走れたんだから次は100kmでしょ、という事で、広島空港サイクリングをした翌週末に、複数の島が橋で繋がり全島一周しつつの往復で100km弱ある安芸灘とびしま海道へ。サイクリングのスタート地点である安芸灘大橋料金所までは自宅から車で約30kmと近いので、広島空港と並んで気軽に出掛けられるサイクリングスポット。最短距離での往復(約60km)は折りたたみ自転車で走った事があり、その後に全島一周もやるつもりだったのだが、やはり小径車ではしんどいだろうということでお蔵入りになっていた。

サイクリングコースとして整備されている安芸灘とびしま海道と言えど、あくまでも一般道。道路にはマンホールや排水路のふたなどが当然あり、橋には金属製のつなぎ目。自転車が通行する道路の端には、小石や小枝や木の実などが落ちている場所もある。なので常に路面状態に注意を払いつつ運転する必要がある。

 

サイクリングのスタートは雨上がりの直後。どんよりとした曇り空で日差しも無く、きれいな瀬戸内風景を楽しむことができない天気。普段の観光サイクリングであれば中止するところだが、今回はただ走るのが目的なので中止の理由にはならない。濡れた路面がスリップによる転倒を引き起こすのではないか少々心配したが、速度を抑えて走れば問題ないだろうと判断し決行。往路は安芸灘大橋料金所からとびしま海道最東端に位置する岡村島の岡村港まで、折りたたみ自転車で走った時と同じようにブルーラインが引かれたサイクリングコースを走行。コースの様子については、広島・愛媛 瀬戸内ドライブ&サイクリングの「とびしま海道サイクリング」のページで紹介しているのでここでは省略。長距離サイクリングによるお尻の痛み対策のために、衝撃吸収素材がついたインナーパンツを履いて臨んだ。

生憎の空模様

想定外の水溜り

タイヤは溝の無いスリックタイヤだが、濡れたアスファルトの路面でも思いのほかしっかりグリップして、不安の無い走りをしてくれる。ただマンホール等の金属の上は間違いなく滑りやすいので、それらに十分注意して運転。サイクリングコースを示すブルーラインが引かれた道路脇には所々に水溜りができていたので、後続車に注意しつつ回避。正直水溜りの事までは考えていなかった。さすがに細いスリックタイヤで水溜りの中を走るのは不安だし、何より泥除けがついていないので自分がびしょ濡れになってしまう。

岡村港までの約30kmの道のりの間には、急勾配の上り坂がいくつかある。折りたたみ自転車ではかなりきつくて立ち漕ぎして何とか上り切った坂道が、ロードバイクでは座ったまま上ることができた(それでもやはり結構しんどかったが)。そして下り坂では上り以上に顕著に性能差を実感させられた。タイヤが細く路面との抵抗が少ないため、下り坂でのスピードの伸びがいい。折りたたみ自転車で40km/h出た坂道が、ロードバイクでは何と54km/hと段違いの伸び。しかもロードバイクの方が圧倒的に安定性が高く安心感がある。やはりロードバイクは普通の自転車とは違うと実感。しかしスピードの出し過ぎは禁物。小石や小枝程度の障害物を踏んだだけでもバランスを崩し転倒する恐れがある。自転車で高速走行中に転倒したら、きっと大怪我をするだろう。以後下り坂のスピードを自制せねば…

岡村港に到着

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

終始マイペースで進み、途中写真撮影のために3度ほど足を止めただけで岡村港に到着。85分で30kmを走り、平均速度は21.5km/h。この程度の道のりなら休憩も水分補給も無しで行ける余裕を感じた、涼しければ。

30km程度の走行では全然疲れが無く、インナーパンツの恩恵かお尻の痛みも全く無いので、直ぐにサイクリングを続行。岡村港からさらに先へ進み岡村島の北岸沿いを走って島を一周する。復路は往路では通っていない道を走り、往復で全ての島を一周するようにして安芸灘大橋料金所まで戻る。サイクリングコースを示すブルーラインが路肩に引かれているのは縦断コースのみ。ブルーラインが引かれていない道路は交通量が少ない半面、アスファルトのひび割れや段差などが目立つ場所もあり、小石や木の枝などの障害物が多い場所もある。他の自転車と比べてタイヤが非常にデリケートなロードバイクは、とにかく段差や溝や障害物に神経質になる必要がある。

岡村島北岸沿いの道路へ入る

岡村島を一周して大崎上島まで戻り、御手洗町並み保存地区を通って大崎下島南岸を進む。岡村港に着いた辺りから徐々に晴れ間が広がり、大崎下島南岸に入ると日が差すようになり明るい景色に。日差しは強くなく、綺麗な瀬戸内風景を眺めながら快適なサイクリングができる…と思ったのだが、海からの強い向かい風が容赦なく吹きつけ大きくペースダウン。これまで平地ならマイペースでも20km/h程度で進んでいたのが、頑張ってペダルを漕いでも15km/hも出ない。まだ全行程の半分も走っていないのにこれはしんどい。サイクリングに向かい風は大敵。

大崎下島南岸を進む

強風で波立つ瀬戸内海

強風に阻まれながらも大崎下島南岸をぐるっとまわり、豊浜大橋を渡って豊島へ。豊浜大橋の上は自転車を真っ直ぐ運転できないほどの強い横風が吹き、危ないので自転車を降りて歩道を歩く。強風は本当に厄介だ。豊島に入っても強風は吹き続け、まるで風との戦いのようなサイクリングが続く。

大崎下島西岸から眺める豊浜大橋

豊浜大橋も強風

豊島から豊島大橋へ上る坂道

上蒲刈島から眺める豊島大橋

豊島南岸沿いを走り、豊島大橋へ続く長い長い上り坂へ入る。この坂道が復路の難所のひとつで、折りたたみ自転車で通った時は辛くて途中で自転車を降りてしまった。鍛えられたサイクリストならスイスイ上っていけるのだろうが、自分にはロードバイクでも結構しんどい。それでも立ち漕ぎせず座ったままで上り切ることができた。豊島大橋を渡って上蒲刈島に入り、島の東岸沿いの道路から北岸沿いへとまわりこみ西へ進む。

上蒲刈島から蒲刈大橋へ上る坂道

蒲刈大橋を渡って下蒲刈島を一周

上蒲刈島から蒲刈大橋まで上るきつい坂道も座り漕ぎで上り切り、橋を渡って下蒲刈島へ。時計回りに下蒲刈島をぐるっと一周して、安芸灘大橋へ続く最後の坂道を上り、橋を渡って無事料金所に帰着。安芸灘とびしま海道全島一周往復に掛かった時間は約5時間で、走行距離は約95km(惜しい、あと少しで100kmだったのに…)。それだけ走ってもお尻はそれほど痛くならなかった。当初はサドルをクッション性の高いものに交換しようと考えていたが、これならインナーパンツのみの利用でしまなみ海道往復140kmにも耐えられると思った。

下蒲刈島から見る安芸灘大橋

安芸灘大橋料金所に帰着

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

復路はとにかく海から吹きつける強い向かい風に苦労させられた。ペダルが重く思うように進まず、往復合計の平均速度は往路よりも約3km/h落ちてしまった。向かい風さえなければ走行時間ももっと少なかったはず。

安芸灘とびしま海道を走ってみて、ロードバイクがいかに走行性能の高い自転車であるかが改めてよく分かった。速く走ることができ、上り坂にも強く、長距離走行も疲れにくい自転車であると。一方で、ロードバイクの弱点も実感させられた。やはり段差や溝が多い場所では不向きな乗り物。小石や小枝なども大きな障害物となる。小石を踏んだ時に高圧なタイヤが小石を弾き飛ばし、バチンッ!と大きな音を出して驚いた。とにかく常に路面状況に目を配りながら走らなければならないので、普通の自転車ほど景色に集中できないと感じた。それからブレーキ性能にはやはり不満を感じたため、サイクリングの帰りに自転車店へ立ち寄り高性能なブレーキキャリパーを注文。

 

ステップ4:ブレーキキャリパーの変更と装備の追加(2015年10月)

広島空港でのロードバイク初走行から不満を感じていたブレーキの効きを良くするため、ブレーキキャリパーを高性能なものへ変更。最初からついていたノーブランドのブレーキキャリパーと比べると明らかに効きが良くなり、特に問題視していた上ハンドルでの制動力も改善された。キャリパーの剛性が高くなったことで、ブレーキレバーの操作感も良くなりカッチリとした感じに。ついでにもうひとつ変更したのがタイヤチューブのバルブキャップ。標準の黒色のプラスチック製のものから赤色のアルミ製のものに交換。ささやかながらも個性を主張。

高性能なブレーキキャリパーにアップグレード

バルブキャップでドレスアップ

ベルはブレーキと同じく装着が義務付けられているという事をロードバイク購入後に知る。ベル装着の賛否についてはロードバイクの話題の中でも特に荒れるらしい。自分もロードバイクにベルなんてダサいと思ったし、取り付けたところで使わないので意味がないと思っていた(ロードバイク購入時にベルはついていなかった)。しかし、義務であるならばやはり必要だと判断し、できるだけ目立たない小さなものを購入。

ベルとライトを常時装着

上から見ればあまり目立たない

フロントライトはリュックに入れておき、万が一外が暗くなるまで走る事になった時だけ装着するつもりでいたが、ベルと同じく常時装着することに。安芸灘とびしま海道サイクリングでトンネル内を走行した時に必要性を感じた。ベルもライトもハンドルの下側に取り付け、できるだけ目立たないようにした。実際に取り付けてみるとそんなにロードバイクの外観を崩すほどでもなかった。ベルとライトの装着でモラルのあるサイクリストである事を主張!

 

ステップ5:走行ペースと時間を意識してサイクリング(2015年10月)

ブレーキキャリパー交換後に再び安芸灘とびしま海道へ。どれだけブレーキ性能が上がったのかを明確に体感するには、同じ道を走ったほうが分かりやすい。そして、同じコースを走るなら前回よりも走行時間を少しでも縮め、前回と今回のデータを元にしまなみ海道往復に掛かる時間を予測し、往復サイクリングの計画を立てる参考にしたいと考えた。

快晴で少々日差しが強い

広島県と愛媛県の県境を通過

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

前回の往路に掛かった走行時間は「1:24.59」、つまり約85分。これを10分くらい短縮できないかとペースを気にしつつ走ったのだが、前回の往路では無かった向かい風が時々発生し、岡村港に着いてみると走行時間は「1:24.31」、つまり約85分。何と前回と28秒しか差がないという、偶然の平均化に驚く。平均速度も前回の「21.5」に対し今回は「21.6」と、僅か0.1km/hの差。

復路は前回のような厳しい向かい風はなく、それならばと往復合計の走行時間短縮に挑戦。前回よりも30分以上縮めて4時間半以内で95kmの道のりを走り切るのを目標に、平均速度20km/h以上を保つようにペダルを漕ぐ。しかし途中で問題が。お尻が痛い。前回はほとんどお尻の痛みは気にならずに95km走り切ることができたのだが、今回は40kmほど走った時点で痛みを感じ始めた。前回と同じくインナーパンツを履いているのに何故だろうか。さらに70km辺りから空腹になり始め、次第に力が入らなくなる。前回は事前にコンビニで買ったおにぎりを持参して途中で食べたが、今回は食べ物を持参していなかった。とびしま海道にはコンビニや売店がほぼ無いのでサイクリング中に食べ物を購入できず。長距離サイクリングには補給食の携行も必要不可欠と痛感。ただ、しまなみ海道にはサイクリングコースの途中途中にコンビニや道の駅などがあるので、事前に食べ物を用意せずとも長時間空腹に悩まされる心配はない。

御手洗町並み保存地区を通る

風が少なく穏やかな海

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

最後の10kmは強い空腹感に耐え、ちょくちょくお尻を浮かせながらペダルを漕ぎ、ギリギリ目標の4時間半以内で安芸灘大橋料金所に帰着。空腹とお尻の痛みさえなければ、ロードバイクで100km程度の走行は大して疲れるものでは無いと確信。走行距離よりも上り坂や向かい風が体力消耗に大きく影響すると改めて実感。

安芸灘とびしま海道での走行データを参考にしつつ、無理のないペースでしまなみ海道を往復するのに必要な時間を考えると、走行時間に8〜9時間、休憩や食事などに2時間前後、合計10時間〜11時間と推測。しまなみ海道往復140kmサイクリングは結構大変なチャレンジだとずっと思っていたが、ロードバイクで安芸灘とびしま海道を100km弱走ってみた後は考えが一転。ロードバイクさえあれば誰でもしまなみ海道を往復できるだろうとさえ思える。となるとやはり一番の心配はお尻の痛みで、これについてはもう少し様子見の必要がある。もっとクッション性の高いインナーパンツを履くか、もう少し走り込んでいけば自然と慣れるか。サドルをクッション性の高い大き目のものに変更するのは見た目が悪くなるので避けたい。サドルの位置やペダルフォームが悪くてもお尻が痛くなるようなので、その辺についても探っていく必要がありそうだ。