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淡路島一周サイクリング(2016年9月)

半年前のゴールデンウィークに車中泊旅行で淡路島に行くことになった際、当初の計画ではロードバイクで淡路島一周サイクリングをする予定だったが、体力面での備えが万全ではなかったため断念。そして旅行中に車で淡路島を一周してみると予想以上に勾配のきつい坂道が多く、自分の貧脚で淡路島一周150kmをサイクリングするのはかなり辛いだろうと判断。結果的にサイクリングは中止して正解だったということで収まり、淡路島一周サイクリングは一旦お蔵入りとなった。がしかし、それ以降に真夏の炎天下でしまなみ海道往復サイクリングを経験したことで、以前よりも着実にサイクリングポテンシャルが上がっていると根拠の無い自信がつき、ちょっと頑張れば淡路島一周もできるだろうという考えに至る。

広島県東広島市の自宅から兵庫県の淡路島までは約280kmの道のり。ロードバイクで淡路島を一周するのに掛かる時間は10時間前後と予測。そして遅くても22:00には帰宅できるようにしたい。ということで、3:30起床の4:00自宅出発。淡路島までの道のりはほぼひたすら高速道路を走るというもので、約半年振りの長距離運転でサイクリングをする前から少し疲れる。帰りはサイクリングで疲れた状態で300km弱運転しなければならない事を考えると気が滅入る。かと言って一泊して翌朝帰路に向かうほどの遠さでもない。

岩屋港前の駐車場

駐車場で自転車の準備中

終始高速道路の流れは非常によく、兵庫県本土と淡路島を繋ぐ鳴門海峡大橋を7:00に渡り、淡路島の北端へ入る。そして北端にある岩屋港前の有料駐車場に駐車。駐車場で車から自転車を降ろして準備している間に次々と車が入ってきて、それらのドライバーが皆レーパン(身体の線がくっきりなレーシングパンツ)を身に付けたロードバイク乗り。自分と同じく車からロードバイクを出してサイクリングの準備。そして岩屋港着の船から出てくる乗船客にもレーパン姿のロードバイク乗りが多数。なぜならば、岩屋港のすぐ隣にある「絵島」という岩場の前の通りが、淡路島一周サイクリングの0km地点になっているから。

岩屋が0km地点

絵島からサイクリングスタート

出発時刻

7:30に岩屋0km地点から時計回りでサイクリング開始。サイクルコンピューターによる走行距離や走行時間などのカウントもここから開始。島一周サイクリングは海側の車線を走る時計回りが基本。まずは北端の岩屋から淡路島東岸沿いの国道を南下していく。走り始めは路側帯が広く平地が続き快走。天気は青空が広がる快晴で、左に海岸線を眺めながらの爽快サイクリング。この辺りでの走行ペースはレーパンロード乗りとあまり変わらず。貧脚でも自転車の性能はそれなりにいいので平地は速く走れる。

最初は路側帯が広く快適な道路が続く

快晴で空も海も青く景色がいい

岩屋から5kmほど進むと住宅や店舗が並ぶ市街地に入り、途端に路側帯が狭くなる。車の交通量が非常に多く、ひっきりなしに車が後ろから追い抜いていく。車線幅も広くなく、バスや大型トラックが追い抜くときは容赦なく幅を詰められる(東京育ちの自分から見て中国・四国地方の車の運転は荒い)ので結構危険を感じる。路面の突起や落下物等にタイヤを取られ、大きくハンドルがぶれたら車と接触して事故に繋がる。このような点はサイクリングスポットとして改善して欲しいところ。ちなみに、しまなみ海道など広島地区のサイクリングスポットの多くには、サイクリングコースを示すブルーラインが路側帯に引かれているが、淡路島には無い。

途中で路側帯が狭くなる

岩屋から10kmほど進んだところで最初の上り坂。勾配は緩く体力を消耗するほどではない。坂を上り切った先には大きな観音像。「世界平和大観音像」という立派な名前がつけられた観音像だが、金持ちが趣味で建てたテーマパーク的なB級スポットで、すでに廃墟となっている。別名「むち打ち観音」!半年前の車中泊旅行で軽く廃墟散策をしている。詳しくは車中泊旅行記の[兵庫県 淡路島一周 と、香川県]にて。

最初の上り坂の先に観音像

世界平和大観音像

淡路島は車中泊旅行で観光しているので、今回のサイクリングでは基本的に観光はせず、淡路島一周完走を目指してひたすら走るのみ。そもそも日帰りで観光をしながら自転車で一周できるような時間的余裕は無い。それに帰宅後お酒を飲みながらゆっくりする時間も欲しいし、日没を過ぎて暗くなってしまう前に完走したいので、遅くとも18:00には岩屋へ戻りたい。淡路島を一周するサイクリングイベント「淡路島ロングライド150」が毎年あり(たまたまこのサイクリングの前週末に開催されていた)、制限時間が10時間との事なので、10時間以内におさまる17:30までの岩屋帰着を目標とする。

東岸沿いをさらに南下

時間があればこういうカフェでゆっくりしたかった

東岸沿いの国道をさらに南下していくと前方に長めの上り坂があり、坂の始まりには国道を外れて上り坂から逃れる分岐。ここで国道を離れてもそのまま進めば再び国道に合流できそうなので、上り坂を避けるために国道を抜けようかと一瞬考える。しかしこの程度の坂道で横着しようと考えているようではとても淡路島一周はできない。まだ走り始めたばかりで疲れていないにも関わらず、ちょっとした坂道に面倒くさがる怠惰な自分に呆れる。緩んだ気持ちに活を入れるごとく、ペダルを強く踏み込んで坂道を一気に上る。

サイクリング日和な天気

坂を上るか横道に逃げるか…

坂を上り切った先でレーパン姿のロード乗り2人組みを前方に捉え、試しに後ろに付いて行く。普通のサイクリングと比べて明らかに走行ペースが速く、途中途中にちょっとした上り坂があったが何とか付いていき10kmほど走行。結構オレって走れるじゃん!などと根拠の無い自信が湧いてくる。のちにその自信はあっけなく崩れ去ることになるのだが… 岩屋から30kmほど走ったところで、淡路島で一番大きな街である洲本市街に入る。そのついでに市街にある赤レンガの商業施設「洲本アルチザンスクエア」に立ち寄り。

洲本アルチザンスクエア

バーテープを青色に変更

GW中の車中泊旅行で洲本アルチザンスクエアに立ち寄った際、赤レンガの1階にあるオシャレなカフェで食事をしようとしたら開店時間前で入店できず。そして今回も開店前に立ち寄ったためカフェには入れず。せめてもの赤レンガをバックに愛車の記念撮影。今回のサイクリングの直前にバーテープを赤白ツートーンから青に変更。フロントフォークの青と色が揃い、前から青・白・赤のトリコロールカラーの印象がより強くなった。趣味で乗るものだから見た目も大事。写真撮影の後は市街のコンビニへ。小腹が空いたのでおにぎり2つとエナジードリンクを購入し、店前のベンチに座り腹ごしらえ。まぁ男1人のサイクリングにはオシャレなカフェよりコンビニ飯がお似合いさ。150kmのサイクリングともなるとカロリー消費量はそれなりに多いはずなので、最低限の栄養補給は必須。洲本市街を抜けると当分の間コンビニや飲食店はないので、洲本市街を出る前に空腹を満たしておく事が淡路島一周サイクリングの必須項目。

コンビニで腹ごしらえ

腹ごしらえをしてサイクリングを再開すると、いつの間にか進行方向である南側の空がすっかり曇っていた。北側を振り返るとまだ晴れ間の方が多い。前日までの天気予報では曇り時々晴れとなっていたので、まさか雨は降らないだろうと気にせず先へ進む。洲本市より南の外周路は県道になる。淡路島の外周路で国道になっているのは、東岸側の岩屋から洲本までの約30kmのみ。

洲本から再び外周路を南へ進む

海沿いの県道を南へ進む

洲本から海沿いの県道を10kmほど進んだところで、最初の難所である上り坂に差し掛かる。平均勾配8%、最大勾配10%の上り坂が約1600mも続く。ギアを一番軽くしても自分には結構きつく、次々とレーパンロード乗りに追い抜かれていく。彼らは皆ビンディングシューズ(専用のペダルと靴を固定することで「引き足」が使えるようになり、脚力をフルに活用できる。特に上り坂で発揮)を履いているのに対し、自分は一般的なフラットべダルなので不利なのは確か。しかしそれを考えても明らかに体力・脚力に差があることは否めない。先ほどの些細な自信はあっけなく崩壊。やはりロングライドでも上り坂でも速く走るには、自転車の性能よりもエンジンである人間の身体能力が要求されると痛感。

第一の難所に突入

1.6kmも上り坂

平均勾配8%は自分にはきつい

淡路島一周サイクリングは150kmという長い道のりに加え、勾配がきつく距離の長い坂道が続く難所が4ヵ所ある。そのためか、淡路島の外周路を走るサイクリストのほとんどがロードバイク+レーパン+ビンディングシューズという事に途中で気づく。自分がよく行くしまなみ海道やとびしま海道では、クロスバイクやミニベロ(タイヤが20インチ以下の小径車)でサイクリングしている人も多く見かけ、ラフな服装も多い。淡路島一周は少々本気で挑む必要があるサイクリングコースという印象。

いくら進んでも終わらない上り坂

途中途中で脚を止める

途中3回ほど立ち止まって脚を休めつつも何とか坂を上り切る。それにしても、電動アシスト機能付きのスポーツサイクルに悠然と追い抜かれた時には危うく脱力するところだった。エンジンやモーターなどの動力発生機に頼らず人力のみで急坂を上る事がいかに大変かを思い知らされた。そして残りの難所3ヶ所がどんなにきつい上り坂でも自転車を引いて歩かないと、この時に決めた。洲本より南の県道は車の交通量が非常に少ないので、自分の真横を追い抜いていく車にストレスを感じる事が無いのが幸い。交通量の多い急坂をふらつきながら上るのは危ない。

淡路島のB級珍スポット

空も海も灰色で境目が分からない

坂を上り切ると今度は下りが続く。暫く木々に囲まれた道を進んできたが、淡路島のB級珍スポットである「ナゾのパラダイス」まで来ると視界が開け、山々の向こうに海を臨む風景が広がる…のだが、空一面厚い雲に覆われ空も海も灰色掛かった同じ色になり、水平線の位置がよく分からないほど。曇り時々晴れどころか雨が降ってもおかしくない空模様になってしまい、この先の天気が心配になる。まだ全行程の半分も走っていないのに、この先雨天の下で淡路島一周をするのはかなり厳しい。

モンキーセンターには立ち寄らない

Z!!

乗り心地が悪い自然石舗装

坂を下りきって海岸沿いの道路に出ると自然石舗装の道路が暫く続く。衝撃吸収性の低いロードバイクのタイヤが路面の凹凸を拾い、ガタガタと微振動が身体に伝わってくる。1つ目の難所の坂道で結構疲れてしまい、路面からの振動ですら負担に感じて余計に疲れる。まだ150kmの半分も走っていないのにこの程度で疲れていて、本当に淡路島一周を完走して今日中に帰宅できるのか少し不安になる。曇ってしまい景色が映えないのは残念だが、快晴で強い日差しが出ていたらもっと体力を消耗していたに違いない。そう考えると曇り空でよかった、などと考えていたら…

岩屋から出発して3時間半経った11:00、走行距離が60kmを超えたところでとうとう雨が降り出す。最初は小雨だったのが本降りになり、ずぶ濡れになるのはイヤなので雨宿りできる場所を探し、目に留まった木陰に避難。このまま雨が降り続くようなら来た道を引き返すべきか、それとも雨の中淡路島一周を走り切るか、再び晴れそうには無いどんよりとした曇り空を見上げながら考える。それにしても天気予報は当てにならない。

60km走って雨に遭う

木陰で雨宿り

10分ほど雨宿りしていたら小雨になったので、とりあえずサイクリング再開。タイヤは溝の無いスリックタイヤで濡れた路面には弱いので、滑りやすいマンホールなどの金属部には特に注意して走行。それからブレーキの効きがあまりにも悪くなったことに驚く。雨中のロードバイク運転はこれが初めてで、ブレーキシュー(ブレーキのゴム)とホイールのリムが完全に濡れてしまうと驚くほどにブレーキが効かなくなることを初めて知る。こういう時はディスクブレーキ装着車の方が圧倒的に有利。

ここから2つ目の難所

最大勾配11%は激坂だよっ

この高さでもまだ途中

その後雨は直ぐに止み、とりあえずはサイクリング中止の危機を脱す。そして淡路島最南部にある2つ目の難所の坂道に差し掛かる。平均勾配8%、最大勾配11%と、1つ目の難所よりも最大勾配がきつい。最大勾配と思われる場所は激坂で、レーパンロード乗りでも自転車を停める人がいるほど。当然自分も途中3回ほど立ち止まって脚を休めつつ、ラストスパートはダンシング(立ち漕ぎで車体を左右に振るヤツ)で何とか上り切る。もうホントにしんどい。観光サイクリングが基本スタイルで、アウトドアは好きだが運動は嫌いな自分には難所どころか酷所。しまなみ海道やとびしま海道にはこんなきつい坂道は無い。

辛い辛い上り坂の後には気持ちのいい下り坂が待っている。スピードの出し過ぎ注意しつつ下り坂を快走。上り坂を必死に漕いで汗ばんだ身体に風が当たって気持ちがいい。空模様は降雨時よりもやや明るくなり、雲も少し薄くなってきた。これなら再び雨に降られる事はないだろうと一安心。ブレーキの効きも回復した。

丘の上から一気に下る

福良へ向かう

猫を観察する

束の間の平地走行

2つ目の難所を過ぎたら今度は直ぐに3つめの難所。平均勾配9%、最大勾配はまた11%と、またもや激坂道。ヘアピンカーブのある山道で、体感的にはこれまでで一番勾配がきつい。あまりの急坂に辛くて立ち止まった際、身体が後ろに傾いて転びそうになった。これは歩きでも辛い。でも絶対に歩かない。そんな激坂道で全行程150kmの半分の75kmに到達。岩屋を7:30に出発してからの所要時間は約4時間半、時刻は12:00になるところ。

早くも3つ目の難所

最大勾配は11%

またもや激坂

時刻

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

ここまではほぼ予定通りのペース。しかしこの先確実にペースが落ちていくと予測。それでも目標の10時間・17:30までの到着にはあと5時間半あるので、大丈夫だろうと楽観視。

坂道を上り切ったところで、順路となる福良へ向かう道と「若人の広場公園」へ向かう道との分岐。半年前のGWに行った[兵庫県 淡路島一周 と、香川県]で観光した若人の広場公園が印象的だったので、余裕があれば今回のサイクリングでも立ち寄ろうと考えていた。しかし公園まではさらに1km坂道を上らなければならず、余計に疲れるし時間のロスも大きいので断念。福良へ向かう道に入る。やっと下り坂だと思ったら最後に短く急な上り坂があり、それを越えて今度こそ下り坂。

もう1mでも坂を上りたくない

下り坂のヘアピンから福良湾を眺める

下るには気持ちのいいヘアピンカーブ

平均勾配9%の上り坂を1100mも上っただけに下り坂も急で長い。ヘアピンカーブになっているところからは、淡路島南部の海の玄関口である福良湾を一望。坂道を下りきったら福良湾沿いに少し進み、休憩と食事のため「道の駅福良」に立ち寄り。道の駅には、食事処や土産屋や観光案内所などがある「うずしおドームなないろ館」や、飲食店や土産屋が並ぶ通りなどがある。到着したのが12:30と昼時だったので駐車場は満車で、多くの観光客で賑わっていた。空には所々晴れ間が覗くようになる。

福良湾沿いに進む

うずしおドームなないろ館

日本丸という船が停泊していた

福良港津波防災ステーションという建物があった

道の駅周辺を少しぶらぶらしてから海鮮丼屋に入る。店内はほぼ満席で、客の中にはレーパンロード乗りの姿も。注文したのはいくら丼。1200円という値段を考えると少々ボリューム不足を感じるが、サイクリング中の食事にはちょうどいいか。食べ過ぎると身体が重くなるし眠くなるしでダルくなる。5分で完食。

この店で昼食

いくら丼1200円也

空腹を満たしいざサイクリング再開!…しようとしたら、道の駅に到着した時よりも疲労感が大きくなっている。ずっと身体を動かし続けた状態から長時間身体を休めると、休憩前よりも身体が重く感じて動くのがしんどくなってしまうアレ。なので軽くストレッチして身体をほぐしてから出発。それでもペダルを漕ぐ脚が重い、サドル座面に当たるお尻が痛い、イマイチやる気が出ない。しかし道の駅を出て直ぐに最後の難所の坂道に差し掛かる。

ここで右折

ここから最後の難所

最後の難所は平均勾配11%、最大勾配は何と15%。普通に考えたら自転車で上るなど非常識とも思える道のり。それでも食事をして栄養補給ができたからか、ひとつ前の難所よりは脚が動く。しかしとにかくしんどい。ペダルを漕ぐのに必死で坂道の写真を撮る事に気を回す余裕も無い。最後の難所ということで、力を振り絞って極力立ち止まらずにひたすらペダルを漕ぐ。

4つめの難所の坂道の途中に、「道の駅うずしお」へ向かう道とそのまま外周路を進む道の分岐点がある。道の駅までは片道約1.5kmで道路は行き止まりとなるので、往復3km走って分岐点まで戻らなければならない。なので道の駅には立ち寄らずそのまま外周路を進んだ方が当然楽だし時間の節約にもなるのだが、淡路島一周サイクリングコースは道の駅うずしおまでの道のりも含まれているようで、道の駅まで行かないと走行距離が150kmに満たない可能性がある。それに、このサイクリングで淡路島北端にある明石海峡大橋と、南端にある大鳴門橋両方を訪れるつもりでいたので、ここでは迷わず道の駅うずしおへ向かう。

道の駅うずしおから眺める大鳴門橋

展望台から眺める大鳴門橋

道の駅うずしおは駐車場の入場制限が行われているほどに観光客が多かった。道の駅にある「あわじ島バーガー」という店が全国ご当地バーガーグランプリで1位と2位を獲ったらしく、それ目的の観光客が多いと思われ店の前には行列が。自分も少しは気になっが行列に並ぶのはイヤなのでパス。道の駅うずしおからは大鳴門橋を一望でき、橋をバックに愛車の撮影をしようと思っていたが、観光客が多く駐車場整理の係員の目もあるので展望スポットまで自転車を運べず。早朝など観光客の少ない時間帯なら問題なさそう。北側の空には青空が広がり天気は回復傾向。

休憩を兼ねた道の駅観光を30分ほどして、外周路との分岐点まで戻る。この分岐点からさらに上り坂が続く。いいかげん自転車の運転中に度々立ち止まり写真撮影するのが面倒になり、以降は写真が少ない。HP掲載前提の撮影とは言え、見栄えもしない坂道風景を撮るのにも飽きてきた。写真が無いので細かい事はよく覚えていないが、とにかく頑張って坂道を上り、そして下った。

分岐点まで戻る

最後の難所を越えると淡路島西岸沿いの南端に出る。ここから淡路島北端の岩屋までひたすら北上していく。海側の空はすっかり晴れて日が差し、青々とした風景を再び見ることができた。サイクリングスタート時は快晴で、難所が続く淡路島南部では曇天が続き、全ての難所を抜けたら再び快晴。一時雨に降られたものの、難所の上り坂で強い日差しを浴びずに済んだのは本当にタイミングが良かった。ずっと快晴のまま汗だくになって坂道を上っていたら、体力の消耗はもっと大きかったに違いない。

西岸にでると快晴

海が綺麗

到着時刻

走行時間

走行距離

走行距離100km地点に牛がいた

15:00になる少し前に走行距離が100kmに到達。残るは3分の1の50km。スタート地点の岩屋からここまでの道のりに掛かった時間は7時間強。この調子だと残りの50kmを走るのに3時間は掛かり、目標の10時間以内を果たせない。75km地点では時間に余裕を感じていたが、それ以降に立ち寄った2ヵ所の道の駅で結構時間を消費してしまった。まぁ仕方ない。時間に間に合わせようと無理して疲れるのはイヤなので、遅くなっても今日中に帰宅できればいいやと一気に志を低くしてマイペースに行く。

淡路瓦の橋

慶の松原

淡路瓦で有名な湊地区に入り、慶の松原に立ち寄り小休憩。サドルバッグに入れておいたゼリー飲料2つのうちの1つを飲んでエネルギーイン。湊から淡路島北端までの沿岸道路は「淡路サンセットライン」と呼ばれる夕陽スポット。洲本から淡路島南部をぐるっと周る間はずっと車の交通量は少なかったが、湊から北は再び車の交通量が多くなる。

エネルギーインする

淡路サンセットラインを走る

難所は全てクリアしたとは言え、ちょっと急な上り坂やちょっと長い上り坂には度々差し掛かる。100km以上走り4つの急坂を越えてきた身体には、このちょっとした上り坂でもしんどい。しかし難所でもない坂道の途中で脚を止めるのは情けないので、ギアを一番軽くしてゆっくりゆっくり上っていく。そんな感じで淡々と先へ進んでいく。晴れて海側の眺めはいいが、進んでも進んでもあまり景色が代わり映えしないので飽きてくる。そうなるとなかなか先に進まないような気がして疲労感が増してくる。ペースが遅いので実際になかなか先へ進んでいないのだが。

ちょっと急な上り坂

ちょっと長い上り坂

走行中にトイレに行きたくなりコンビニに立ち寄り。ついでに何か食べ物を買って腹に入れようと思ったが、空腹と言うほどではなく固形物を噛んで飲み込む気分でもなかったので何も買わず、サドルバッグに入れてある残り1つのゼリー飲料を飲んでエネルギーイン。これでほんの僅かに自転車が軽くなった。実際運転への影響は限りなくゼロと言えるが、疲れているので僅かでも軽くすることで気持ちも僅かに軽くなる。

淡路サンセットラインをひた走る

17:20の夕景

目標タイムリミットが迫った17:25に走行距離140kmを突破。これまでで1日の走行距離の最長は、しまなみ海道往復サイクリングの140km(サイクルコンピューターの距離計では139.79km)。とりあえず走行距離の記録は更新したが、淡路島一周達成まで残り10kmあり、目標の所要時間10時間以内の一周は成らず。まぁいいさ、無事150km走りきることができればいいさ… 暗くなってきたのでテールライトを点滅させての走行。

記録更新

江崎公園

日没が近づくにつれ再び空全体に雲が広がり始め、太陽が雲に隠れてしまう直前に江崎公園に到着。半年前に車中泊旅行で淡路島一周した時も江崎公園から夕陽見物をした。ここまで来ればスタート地点の岩屋までは直ぐ。間もなく淡路島一周サイクリングを達成する事への感慨が湧いてくる。

江崎公園から眺める17:47の夕景

淡路島最北端まで進んだところで「道の駅あわじ」に立ち寄り、明石海峡大橋を眺望。時刻は18:00ちょうど。明石海峡大橋は週末の日没後からライトアップされるはずなのだが、日没時刻から10分程度しか経っていないためかライトアップされておらず。まぁ、とりえずこれで予定通り淡路島の南北に架かる2つの橋を眺める事ができた。すっかり外は暗くなり、フロントライトを点灯して絵島へ向かう。

明石海峡大橋

岩屋の絵島に帰着

道の駅あわじから2kmほど走って絵島に帰着。7:30出発からの到着時刻は18:10。淡路島一周に掛かった所要時間は約10時間40分。走行時間は約7時間20分なので、休憩や食事、ちょっとした寄り道などに費やした時間は約3時間20分ということになる。休憩や寄り道をもう少し抑えれば目標の10時間以内に収まったと思われ。まぁ、あまり時間ばかり気にして急いでいたら風景を楽しみ写真を撮りながらのサイクリングができない(自分のサイクリングスタイルはスポーツ走行ではなく、あくまでも観光サイクリング)ので、このペースでよかったのだと思う。

帰着時刻

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

走行距離は152km。きっとこの先1日の走行距離でこれを超えることは無いと思われ。自分にとって無理なく日帰りサイクリングできる走行距離は150kmまでかなと。

自分には淡路島一周150kmコースは、しまなみ海道往復140kmやとびしま海道全島一周100kmよりもずっと負荷が大きく、ロングライドでお決まりのお尻の痛みに加え初めて股も痛くなり、さらに膝関節も少し痛くなった。貧脚サイクリストにはややハードなサイクリングコースだったが、走り甲斐があり記憶に残るサイクリングになった。もしも淡路島が身近な場所だったらまたサイクリングしたいと思うところだが、自宅から300km弱の道のりがあり車で片道3時間半は掛かるので、今のところ再度淡路島一周サイクリングをしようという考えは無い。しまなみ海道やとびしま海道などの魅力的なサイクリングスポットが身近にあるので。

 

ロードバイク購入から1年経って(2016年10月)

淡路島一周サイクリングが2016年9月最後のサイクリングとなり、2015年10月頭にロードバイクが納車されてから丸1年が経過。1年間の走行距離は2340km。週末の度にロングライドで身体を鍛えているロード乗りと比べたら極めて少ない走行距離だが、月平均2回程度で真冬は走らない観光サイクリストにしてはそれなりに走ったなと思う。とりあえず、これからもロードバイクでサイクリングをして行きたいと思っている。サイクリングはドライブよりもゆっくり景色を楽しむことができ、いつでも何処でも脚を止めて写真を撮ることができ、よい運動にもなり健康的。サイクリングは本当におもしろい。

積算距離

1年間ロードバイクに乗ってみての感想

速く長く走れる:軽い車重・路面抵抗の少ないタイヤ・空気抵抗の少ない前傾姿勢のおかげで加速が良く、高い速度を維持でき、上り坂にも強く、下り坂の伸びがいい。長距離・長時間走るのに向いている。

安定性が高く乗り心地がいい:素人目から見ると細いタイヤと前傾姿勢のロードバイクは一見扱いづらい印象があるが、実は非常に安定性が高く快適な乗り物。ロードバイクに慣れるとママチャリや折りたたみ自転車の方が不安定で乗り心地が悪く感じる。

意外とパンクしない:幅狭で高圧なロードバイクのタイヤは一般的な自転車よりもパンクのリスクが高く、サイクリングではパンク修理道具一式の携行は必須。とは言え、段差や路面の凹凸、石やゴミなどの落下物に注意して走行すれば滅多にパンクしない。自分は今のところサイクリング中に一度もパンクをしていない。

地味に出費が多い:初期費用に自転車本体・ヘルメット・パンク修理道具一式・空気圧計付きポンプ・必要に応じてサイクルウェアやグローブ・シューズ…と揃える必要がる。そしてサイクリングを繰り返すうちに自転車のドレスアップと高性能化がしたくなり、カスタムパーツにお金をつぎ込む事になる。

いろんなコースに挑戦したくなる:当初はしまなみ海道やとびしま海道、その他広島県内の島々のサイクリングで満足していた。しかし次第にもっと遠くのサイクリングコースにも目が行くようになり、山口県の周防大島、兵庫県の淡路島まで足を伸ばすようになり、次は香川県の小豆島へ。

健康的な趣味にはより積極的になる:サイクリングは程よい運動になり、ロングライドを走りきった時の達成感は大きく、多くの充実感を得られる趣味だと言える。ただ楽しいだけでなく健康的なので継続したくなる。

趣味がロードバイク優先になる:ドライブ好きだったがロードバイクでサイクリングするようになってからドライブをしなくなった。ロードバイクを買う前は車をスポーツクーペに買い換えようと(元々スポーツカー好き)考えていたが、ロードバイクを積載できない、もしくは前後輪共に外さないと積載が困難なのでやめた。自転車を運べれば車は何でもよくなった。自転車と比べたら車の運転は座っているだけなのであまり楽しいと思わなくなり、ドライブ・車への関心が薄くなった。

自転車保険加入の証

ロードバイク購入1年経過に伴い自転車保険を更新。近年自転車事故による高額賠償のニュースが話題に上がるようになってきた。自転車運転による過失で重度後遺障害事故や死亡事故を起こしてしまい、裁判で高額損害賠償を命じられるケースがある。日本では自転車の保険加入義務は無いが、通勤・通学・サイクリングなど使用目的を問わず、路上で自転車を運転するなら自転車保険には必ず加入するべき。ちなみに、小学生が起こした自転車事故で親に約1億円の損害賠償を命じられたケースもあるので、小さな子供でも保険加入は必須。今回継続した保険は賠償責任補償の限度額が5,000万円だが、賠償額が1億円を超える事故事例も複数あるので、次は限度額がもっと高いものに変更したほうがいいと思った。自転車の運転も車の運転と同じくらい十分気をつける必要があると、改めて感じた。