トップページ

小豆島一周サイクリング(2016年10月)

小豆島一周は100〜120km程度(走行ルートによる)と、淡路島の150kmと比べると走行距離が短く、勾配のきつい上り坂はあまりないとの情報を得ていた。なので自分には少々過酷と思われる淡路島よりも先に小豆島へ行こうと考えていた。しかし、アップダウンの繰り返しが多く地味に疲れるので、坂道が苦手な人にはあまり向かない…海沿いに一周する場合少々順路がややこしく道を間違えやすい…などの情報も複数あり、何だか面倒くさそうで結局先に淡路島へ行く事に。そして淡路島一周サイクリングをした2週間後に小豆島一周サイクリングをすることとなった。

自宅から約280km先にある淡路島へ日帰りでサイクリングしに出掛けるには遠く、行き帰りの車の運転が結構疲れた。対して小豆島の場合車の運転は片道約140kmと淡路島の半分なので、サイクリング前後の車の運転疲れは少ない。ただしそれは小豆島までの移動ではなく新岡山港までの話。小豆島は離島なので本土から船に乗って渡る必要がある。小豆島への航路は複数あり、広島側から訪れる場合に一番近いのが新岡山港〜土庄港間を航行する両備フェリー。乗船時間は約70分。

サイクリングの時間をたっぷり確保するためには、朝一の便の新岡山港6:20発に乗りたい。ということで、2:45起床の3:15自宅出発。6:20の便を逃すと次は1時間後の7:20になってしまうので、時間に余裕を持っての出発。距離的には淡路島よりも近いが、自宅を出るのは小豆島の方が早くなる結果に。高速道路を走って岡山県に入り、新岡山港に着いたのが5:20。有料駐車場に車を停める。乗船まで丸1時間余裕ができて車内で時間を持て余す。3時間半ほどしか睡眠を取れなかったので少し眠いが、仮眠を取って寝過ごしたら予定が大きく狂うので我慢。

新岡山港待合所

せとうちサイクルーズPASSで割引

車内で暫く時間を潰してから自転車と荷物の準備をし、乗船券を購入するため新岡山港待合所へ。待合所には数人の乗船客がすでに控えていて、その中にはレーシングパンツとビンディングシューズで身を固めたサイクリストの姿も数人いた。新岡山港〜土庄港の乗船料は片道大人1,050円、自転車310円。サイクリング目的での乗船料が割引になる「せとうちサイクルーズPASS」を利用すれば約1割引され、往復で2,460円。車を船に載せるとなると小型車でも片道5,800円掛かるので、サイクリング目的で小豆島へ渡るなら新岡山港に車を停めた方が断然経済的。ちなみに新岡山港の有料駐車場は1日500円と安い。

利用する船は中型フェリー。これまでサイクリングでフェリーを利用するときは、自分の自転車は自分で車両デッキの隅に適当に固定していたが、ここでは船内係員が丁寧に固定してくれる。ハンドルを引っ掛けるバーにタオルを掛けてハンドルに傷が付かないようにする配慮がなされ、後輪はタイヤ止めふたつでしっかり固定。

両備フェリーおりいぶ丸に乗船

係員が自転車をしっかり固定してくれる

朝一の便とあって乗客は数えるほどで、広い客室はガラガラ。不足気味な睡眠を乗船中に補おうとベンチシートに横になるが、いざ寝ようとしても眠れず。要因のひとつは少々効き過ぎの船内冷房と思われ。朝方は少々寒いがサイクリング中は暑くなるので服装は薄着。リュック等の容量が大きなバッグは持たないので、サイクリングを始めたら不要になる上着を着ることはできない。リュックを持たずにサドルバッグを利用すると身軽でサイクリング中は楽だが、本当に最低限の荷物しか持てないのがネック。

展望デッキから眺める小豆島

小豆島の土庄港に到着

寒い船内で70分間過ごして小豆島の土庄港に到着。航行中の船上からは小豆島周辺に雲が広がって見えたので少し心配したが、小豆島上空は快晴で一安心。淡路島の時のようにサイクリング中に雨に降られるのはもう勘弁。フェリーを降りてまず向かったのが、船上から見えた土庄港に立つモニュメント。「太陽の贈り物」というタイトルの、オリーブの葉を王冠の形に仕立てた彫刻。葉には島の子供たちの海へのメッセージが刻まれている。この印象的なモニュメントに、これから小豆島を自転車で一周するという高揚感を掻き立てられる。ちなみに、小豆島にはこのようなアート作品が点在している。

作品No.69 太陽の贈り物

葉に島の子供達のメッセージ

出発時刻

7:45に太陽の贈り物からサイクリングスタート。島一周サイクリングなのでいつも通りの時計回り。土庄港から街の中を1kmほど走り、世界一狭い海峡と言われている「土渕海峡」を渡って海峡沿いに北へ進み、小豆島西北岸沿いの県道に入る。土渕海峡周辺には「迷路のまち」や西光寺などの観光スポットがあるが、100km超の小豆島一周サイクリングは時間が掛かるので、淡路島一周の時と同じく基本的には観光は無し。島内観光は約3年半前に車中泊旅行で行っているので、詳しくは[香川県 小豆島一周]にて。

土渕海峡

小豆島西北岸沿いの県道を北へ進む

海沿いの県道に出て早速上り坂。と言っても勾配はきつくなく難なく上れる。上りの後は下り坂があり、そしてまた上り坂。サイクリングスタート早々からアップダウンの繰り返しだが、まだ走り始めなので体力に余裕があり、ずっと平坦な道を走るよりは程よいアップダウンがあった方が楽しいと感じる。坂の上からの方が周囲の眺めも良いし、風を切って下り坂を加速するのが気持ちいい。時々古い家が並ぶ集落も通過し、刻々と景色が変化していくので楽しい。土渕海峡から約5km西北岸を北上し、北岸にまわりこみ東へ向けて進む。

静かな集落を通過

道路は路側帯の狭い場所もあるが車の交通量は非常に少なく、ストレスの無い快適なサイクリング環境。車が自分を追い抜く時はほとんどが自分との間隔を十分に空けてくれるし、あまりスピードを出していないので安心できる。小豆島の人は温厚な人が多いのだろうなと思った。

快晴に恵まれ景色は明るく鮮やか

頻繁に脚を止めて写真撮影

この程度の坂が多い

長閑な風景が多い小豆島

快晴に恵まれ道路からの海の眺めが非常によく、進んでは脚を止めて写真を撮り、また少し進んでは脚を止めて写真を撮り…を繰り返す。車は走行中に急停車するのは危ないし、路肩に停めると他の車の通行の妨げになる事もあるので、何処でも好きな時に停まるという訳にはいかない。それに走行速度が速いのでいい景色を見逃してしまうことも多い。対して自転車は機敏にストップ&ゴーができ、景色はじっくり眺めることができる。思い返せば自転車で瀬戸内海をサイクリングするようになってからドライブに出掛けなくなった。

<< SCROLL    小豆島北岸からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

目に留まった景色をいくらでも写真におさめる事ができるのはいいが、ストップ&ゴーの繰り返しはなかなか走行距離が伸びず、時間はどんどん経ってしまうので注意しなければならない。それに地味に体力を消耗する。ただ、長い下り坂を走っている時は疾走感を失いたくないので、いい景色が目に入ってもブレーキを掛けるのを躊躇してしまう。頑張って上り坂を漕いだ後の下り坂を一気に下るのは本当に気持ちいい。

軽快に走れる直線道路

長い上り坂を進んで東岸へまわる

小豆島北岸沿いを東端まで進んだところで、ここまでで一番長い上り坂を進んで小豆島東岸へまわり、道路は県道から国道に。東岸沿いの道路も海を眺めながらのサイクリングができ、車の交通量も非常に少なくとても気分がいい。車が少ないのは周辺に主だった観光スポットが無いからだと思われ。大きな街も無く、所々に集落や漁村があるくらい。そしてサイクリストの姿も予想以上にずっと少ない。サイクリングコースとしてはとてもいい場所だと思うが、離島で航路からのアクセスとなり少々不便なのが要因のひとつかもしれない。

坂の途中からの眺め

絵になる風景ばかり

ダム見つけた

漁港を通る

淡路島サイクリングで初めてサイクルジャージを利用してみて、背中にポケットが付いている利便性の高さにすっかり必須アイテムとなり、よりカジュアルなデザインのものを小豆島サイクリングの直前に2着購入。ついでにサイクリングに適した七分丈のアウトドアパンツも購入。それぞれAmazonで3,000円程度と安価なものだが、品質的には十分、だと思う。

サイクルジャージ

アウトドアパンツ

サイクルジャージ

ロードバイクでサイクリングを始めた頃は「普段着サイクリスト」を主張していたが、ロードバイク購入から1年経ってスポーツライクな服装になった。やはりロングライドをするなら少しでも快適で身体への負担が少ない服装がいい。身体の線がくっきり浮くレーサーパンツにはやはり抵抗があるが、この服装ならサイクリング中にコンビニや飯屋に入るのに抵抗を感じる事もないし、このままの格好で帰りがけにスーパーやレンタルショップなどにも立ち寄れる。ということで、これからはレーパンではないカジュアルなサイクルウェアでサイクリングをするロードバイク乗りということで、「カジュアルサイクリスト」を主張していく!

自称カジュアルサイクリスト

東岸の真ん中辺りまで進んだところにある「南風台」という高台で食事休憩。淡路島の外周コースにはコンビニがほとんど無いので食料の携帯は必須、という情報を事前に得ていたので、サドルバッグにゼリー飲料2つとおにぎり2つをあらかじめ詰め込んでいた。実際に土庄港を出発して、海沿いを走り始めてからここまで一度もコンビニを見かけていない(飲食店やスーパーなどの店もほぼ無い)ので、最低限の食料を用意しておいて正解だった。おにぎりをふたつ食べ、サイクルボトルに入れたお茶で喉を潤してサイクリング再開。東岸沿いをさらに南下して小豆島南東端にある大角鼻灯台を目指す。

南風台で腹ごしらえ

サドルバッグに食料ぎゅうぎゅう詰め

南風台を出て直ぐに初めてのトンネル。全長654mの椿トンネル。長く暗いトンネル内の路側帯を自転車で通行するには安全面で不安があり、対向車線側にだけ設けられた歩道を通行。暗いトンネル内では自転車のテールライトを点けていても車からの視認性は低いので、たとえ距離が短くてもトンネル内の路側帯を走るのはできれば避けたい。

654mの橘トンネル

トンネルを抜けると長い下り坂

橘トンネルを抜けると長い下り坂が続き、坂の終わりの脇に風変わりなかかしがいくつも並んでいるのに目が留まる。そして下り坂での風景が山あいで海から離れている事に気づき、持参の小豆島マップを確認してみるとやはり道を間違えていた。トンネルの手前で右折し、大角鼻灯台へ続く県道に入らなければいけないのを忘れていた。ここは間違えやすい場所なので意識していたのだが…仕方ないので来た道を戻る。

ハロウィンかかし?

スヌーピー

これはこわい…

約500m続く坂道を上り、再び橘トンネルを通って曲がるべき交差点まで戻る。往復で約2.5km無駄に走ってしまった。トンネル側からだと交差点の直前に道路標識があるので分かるが、南風台側からだと交差点の手前に道路標識が無かった、気がする…と思ったが、確認してみるとちゃんと道路標識はあった。

道路標識はしっかり見ないといけない

橘トンネルの上を通る県道からの眺め

長い上り坂が続く

ここは見落とさず左折

橘トンネル手前の交差点を曲がってからは暫く上り坂が続く。勾配はそれほどきつくはないが、ほぼずっと上り坂でしんどい。その途中でまた交差点があり左折。そのまま直進すると橘トンネルを抜けた先の国道へ戻ってしまうので注意。左折した道路は狭くなり、そしてさらに上り坂が続く。周囲は木々で覆われ海はあまり見られない。車もサイクリストも全く見かけなくなり、随分とマイナーな道に入ってしまった気分。

道は狭くなりさらに続く上り坂

マイナーな道を進む

坂手港へは向かわず左折

勾配は緩くてもじわじわと疲れが出てくる長い坂道を進んでいると、前方路面に何か緑色の細長いものが…と思ったらカマキリ!危うくカマキリを踏み潰しそうになり、とっさにハンドルを切ってバランスを崩しそうになる。危ない危ない。そしてまた交差点。「坂手港」と書かれた標識が木陰に立つT字路交差点を左折。大角鼻灯台を指す道路標識や案内板は見当たらず、非常に分かりづらい交差点。そして橘トンネル手前交差点から約9km走ってようやく大角鼻灯台に到着。橘トンネルから灯台までの道のりで車が通ったのは1度だけで、サイクリストの姿はゼロ。

小豆島一周車中泊旅行では大角鼻灯台を訪れてないので、今回のサイクリングが初訪問。道路から灯台は見えず、道路脇に地味な標識が立っているだけなので、車で通ったら見落としてしまいそう。道路脇から灯台まで続く歩道は獣道のように草木が茂っていて、途中で大きな蜘蛛の巣が張られ行く手を阻む。えらいマイナースポットに来てしまった。蜘蛛の巣を払いのけ辿り着いた大角鼻灯台は小ぶりで質素な外観で、門が施錠され敷地内には入れず、周囲を木々に覆われ海も見えず、かなり期待外れな場所だった。まぁ、サイクリングのチェックポイント程度の考えだったのでいいさ。

この標識を見落とさないように

灯台へ続く道

大角鼻灯台…

時刻

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

土庄港から大角鼻灯台までに掛かった時間は4時間弱。走行距離は55kmで小豆島一周の約半分走ったことになる。そのうちの約2.5kmは道を間違えて余分に走ってしまったものだが。

写真撮影のためのストップ&ゴーがかなり多かったり道を間違えたりしたが、ここまではほぼ予定通りに進んでいる。前回の淡路島サイクリングと比べると明らかにゆっくりペースで、難所と言うほどの坂も無いのに平均速度は20km/hを切っている。それでもこのままのペースで進んでいけば、予定している土庄港16:30発のフェリーの乗船に間に合いそう。急がず景色を楽しみながらのマイペースサイクリング。

大角鼻灯台からさらに細道を進む

民家が並ぶ町を通る

大角鼻灯台からさらに先へ進み町に入ったところで、「二十四の瞳映画村」という観光スポットへ続く道の交差点に差し掛かる。映画村は半島状になった地形の先端にあり、交差点を左折し5km先の映画村まで行くと道路は行き止まり。なのでまたこの交差点まで戻らなければならない。折り返しが面倒で当初の予定では映画村までは行かないつもりだったが、時間に余裕があるので立ち寄る事に。せっかくなので小豆島完全一周を目指したい。

二十四の瞳映画村へ向かう

二十四の瞳映画村へ続く道

対岸の街を眺める

二十四の瞳映画村へ続く道にもアップダウンはあるが勾配は緩めで、走りやすい道路で難なく映画村に到着。映画村観光は以前にしているので今回はパス。さすがにテーマパークをのんびり観光する時間は無い。二十四の瞳映画村については[香川県 小豆島一周]にて。映画村の向かいには「愛のボラード」というアート作品が。船を係留するためのアレにしか見えないが、これが芸出品として受け入れられるなら自分はもっといい芸術品を作れる気がする。きっと皆そう思っているに違いない。

二十四の瞳映画村

作品No.109 愛のボラード

映画村向かいの土産屋

じゃこ天とコロッケを食べる

もうそろそろ小腹が空いてきそうな気がしたので、何もない道中で空腹になる前に軽く腹に入れることに。小豆島は「うどん県」で知られる香川県なのでうどん屋でもあればよかったのだが、辺りには見当たらず仕方なく映画村の向かいにある土産屋でじゃこ天とコロッケを購入。店前のベンチで食べる。味はまぁおいしいが、普通サイズのじゃこ天一枚200円、コロッケ一個300円には観光地価格の頂点を感じた。

醤油醸造に使う杉樽

マルキン醤油の工場

二十四の瞳映画村から交差点まで戻り少し進んだところで、醤油の匂いが漂う醤油蔵通りに入る。ここへも以前訪れていて、天然醸造蔵やマルキン醤油記念館を見学している。今回は素通りだが、以前に迷った末食べなかった「しょうゆソフト」の看板が目に留まり、今回は食べてみようか一瞬考える。しかしどうしても醤油味のソフトクリームの味が想像付かず、万が一口に合わず精神的ダメージを受けたら後のサイクリングに影響しそうなので止めておく。次回小豆島を訪れる事があったら次こそチャレンジしようと思った。

今回も食べず

国道を西へ進む

進む先に見える三都半島

醤油蔵通りを過ぎたところで初めてコンビニを発見したが、特に買うものは無いので通過。映画村向かいの土産屋でじゃこ天とコロッケを買わずに、このコンビニで買い物すればよかったと一瞬思うも、ささやかながらも観光グルメしたのだから良しとする。さらに先へ進んでいくと、間違えて通ってしまった橘トンネルから続く国道に合流し、西へ向けて進む。小豆島の中では大きい街に入り車の交通量が一気に増える。路肩が非常に狭い場所もあるので自転車の運転には気を使う。密集地を抜けると景色の開けた海岸沿いに出る。進行方向の先にはこれから向かう三都半島が見え、対岸には二十四の瞳映画村がある半島状の陸地が広がる眺め。

<< SCROLL    小豆島南岸からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

日本のオリーブ発祥の地とされている「小豆島オリーブ園」前の交差点を左折し三都半島に入る。半島南端にある地蔵埼灯台を目指して東岸沿いの県道を進む。小豆島オリーブ園の隣にはギリシャ風車などの観光スポットがある「道の駅 小豆島オリーブ公園」があり、疲れや空腹があったら休憩がてら立ち寄ろうと考えていたが、どちらも無くまだ余裕があるので通過。

ここへは寄らず

三都半島東岸を南下していく

ここもアップダウンあり

三都半島の地蔵埼灯台へ続く道もアップダウンの繰り返し。アップダウンのある区間は大抵道幅が狭く、両側を木々で覆われ周囲の景色はあまり見えず、平坦で広い通りに出ると景色が開け眺めがいい。昼過ぎになっても雲の少ない快晴のままで、海岸風景は文句なしの眺め。そんないい景色も朝からずっと眺めていると少々飽きてくる。景色に飽きてくると自転車を漕ぐのも飽きてくる。淡路島一周をした時にも感じた事だが、橋伝いに複数の島を渡って行くしまなみ海道やとびしま海道などと比べると、ひとつの島だけを長時間走るサイクリングは道のりや景色がだんだん単調に感じてくる。

長閑でいい眺め

小豆島オリーブ園前の交差点から7kmほど進んだところで、地蔵埼灯台へ続く道と分岐する交差点あり。この交差点から灯台までは3.3km。そしてここから灯台までの短い道のりが、小豆島外周コースで唯一「難所」と言える急勾配の坂道が続く区間。事前の調べで急坂があることは知っていたが、淡路島が4ヵ所も難所があるのに比べたら小豆島は1ヵ所だけなので特に気にしていなかった。が、上り坂の始まりから想定外の急勾配に圧倒され、いつまでも続く急坂に心身共に消耗してとうとう自転車を押して歩く。淡路島4ヵ所の難所は全て自転車を漕いで上り切ったのだが、今回はそこまで頑張る気力が出ず。他のサイクリストの姿が無かったため競争心によるモチベーションが生まれなかったからと思われ。まぁ競争しても負けるのだが。カジュアルサイクリストは無理しない。

灯台への分岐点

ここから激坂!

延々と続く急坂!

こんな高い場所まで上ってきた

灯台よりアンテナの方が目立ってる

激坂を上り切った後の下り坂で視界いっぱいに広がる絶景が現れる。青い空と海、三都半島突端の細長く白い砂浜、約10km先に広がる香川県本土の陸地。そして地蔵埼灯台が小さく見える。何とも清々しく心が落ち着く眺め。この景色を見て単調な気分が一気にリフレッシュされた。この三都半島南端からの眺めは小豆島一周サイクリングで最も印象に残った風景。

<< SCROLL    三都半島南端からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

坂を一気に下って地蔵埼灯台へ。残念ながら地蔵埼灯台も敷地内には入れないが、バックに海が広がっているので大角鼻灯台よりもずっと見栄えする。この辺り一体は「釈迦ヶ鼻園地」という公園になっていて、坂の上から見えた砂浜へ出てみようと思ったが、地蔵埼灯台に着いたのは予定より遅れ気味の14:15。乗船予定の土庄港16:30発フェリーの出航まで2時間程しかない。いつの間にか時間的余裕が無くなっていた。仕方なく砂浜に出るのは諦める。

地蔵埼灯台

金網の中には入れない

時刻

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

大角鼻灯台に着いた時は時間に余裕を感じていたのだが、予定外だった二十四の瞳映画村までの往復と地蔵埼灯台までの激坂で時間を食ってしまったようだ。

時間が押しているので釈迦ヶ鼻園地の観光はできないが、車中泊旅行で小豆島をまわった時に軽く散策しているので良しとし、地蔵埼灯台の写真をサクッと撮って先へ進む。今度は三都半島西岸を北上していく。

三都半島西岸沿いを北上

いつに間にか半島の東岸に出ていた

地蔵埼灯台から3kmほど進むと道路は海沿いから離れ、その先に急な上り坂。また激坂が続くのかとうんざりしつつも500mほどで上りきり、そして下り坂を下りて道路は再び海沿いに。しかし海は右手にある。西岸沿いを北上しているので海は左手にないとおかしい。周囲の景色と地図を見比べ、地蔵埼灯台へ向かう時に通った三都半島東岸沿いの道路にいることが判明。うっかり道を間違えて東岸に出てしまった。仕方なく来た道を引き返し、下ってきた坂道を今度は上ってそして下って、正しい西岸沿いの道路へ入る。これで道を間違えたのは2度目。1度目と同じく往復約2.5km無駄に走ってしまった。

軌道修正して再び西岸を北上

勾配は緩いがやたらと長い上り坂

坂の途中からの眺め

そしてまたもや上り坂。勾配は緩いが進んでも進んでも終わりが見えず、走行距離は間もなく100kmになり、それなりに疲れが出てきた身体には地味にしんどい。途中2度ほど立ち止まり小休憩し、後ろから追いつかれたサイクリストに励まされつつ、何とか上りきる。

作品No.81 段山遺跡群

四角い穴から中に入れる

長い長い上り坂の後にはお決まりのように下り坂が続き、田畑が広がる集落に出た所で風変わりなアート作品に出くわす。網でつくられたイノシシ・足・顔。それぞれ作品の後ろ側に穴が設けられていて、網の中に人が入れるようになっている。これらの作品でいったに何を訴えようとしているのか、芸術とは無縁の自分には全く分からない。ただ面白いのは確かで、他には何も無い場所ながら数組の観光客が訪れていた。写真を撮ったり他の観光客と話をしたりと、ここで結構時間を消費してしまった。

中に入ってみた

道の駅 小豆島ふるさと村

三都半島の西岸根元付近にある「道の駅 小豆島ふるさと村」に立ち寄り、少しの間休憩。ここで走行距離が100kmを突破。15:30を過ぎ、16:30の出航まで1時間を切ってしまった。残りの走行距離はあと約15kmあり、頑張って走らないとフェリーに間に合わない。16:30を逃すと次はちょうど1時間後の17:30。無理せず一便遅らせるのも手だが、翌日は仕事なので少しでも早く帰宅してゆっくりしたい。

時刻

走行距離

三都半島から再び国道に合流し、西に進んで土庄港の直ぐ南までやってくる。ここから土庄港まで外周路を走ると約10kmなのに対し、最短距離で向かえば2km程度。時間は16:00を過ぎていて、このまま最短距離で向かえば16:30発のフェリーに間に合が、外周路を進むとギリギリ間に合わないと判断。どうしようか少し迷うも、ここまで大角鼻灯台と地蔵埼灯台をまわる大回りサイクリングをしてきて、わざわざ二十四の瞳映画村まで寄り道したのだから、やはり完全な小豆島一周を果たしたい。なので16:30発のフェリーは諦め、17:30発のフェリーに乗ることとにした。

国道を西へ進む

フェリーを一便遅らせることで1時間強の時間ができたので、ちょうどすぐ側にあった「エンジェルロード」に立ち寄り。干潮時に小島まで砂浜が延長されて道ができるエンジェルロード。訪問時は満潮?で道は途切れていた。休憩を兼ねここで少しのんびりと過ごす。走行距離が100kmを超えた辺りから右膝関節が痛くなり始めたため、階段の上り下りがしんどい。2週間前の淡路島一周サイクリングで痛めた膝が治りきっていなかったようだ。

エンジェルロード

エンジェルロードからの夕景

大好きです小豆島

小豆島と言えば浮きで作ったこれ

空腹になってきたので何処かで食事をしようと思ったが、それでまた時間に余裕がなくなったら困るので諦める。サドルバッグに入れてあるゼリー飲料を飲んで空腹を抑える。そしてエンジェルロードからさらに西へ進む。そしてまた道を間違え約500m余分に走る。結局小豆島サイクリングでは3度も道を間違えた。

小豆島西端を走る

防潮堤にこいつがたくさん

夕陽を浴びながら小豆島西端部の県道をのんびり走る。フェリーの出航は17:40だからまだ余裕はある……ん?40分だったっけ??フェリーの時刻表をメモした地図を確認すると、17:30のところを何故か途中から17:40と思い違いしていた事に気づき、出航まで30分を切っていた。17:30を逃すと次は18:10発になり、自宅に着くのは22:00前後。翌日が休みなら別に構わないが、仕事があるのでそれでは遅すぎる。慌てて走行ペースを一気に上げるが、こういう時に限って目の前に上り坂。疲れた身体に鞭打って必死に坂を上り、そして土庄港に帰着したのが17:10。結果的には焦らなくても時間に間に合った。

日没直前の風景

土庄港に帰着

帰着時刻

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

小豆島一周に掛かった時間は約9時間半、走行距離は約120kmという結果になった。ただし、3度も道を間違え計約5.5km余計に走ったので、それを差し引くと約113kmになる。

淡路島と比べて約30km走行距離が短く、勾配のきつい上り坂も少なく、外周路は眺めのいい場所が多い小豆島。アップダウンの繰り返しは多いが、難所以外でそれほど辛い坂道は無い。小豆島は自分にとってロングライドするにはちょうどいいサイクリングコースだった。いずれまた小豆島にサイクリングへ行きたいと思った。ただ、自宅から約2時間車を走らせ、さらに70分間フェリーに乗船しなければならないのがネック。そのため、今回のように日帰りで小豆島一周サイクリングをするとなると、あちこち観光しながらというのは難しい。なので次回小豆島をサイクリングする時は、大角鼻灯台と二十四の瞳映画村がある半島状のエリアと、地蔵埼灯台がある三都半島へは行かない「小一周」にしようと思う。それなら走行距離が80km前後となり難所の激坂も通らないので、時間に余裕を持って観光しながらのサイクリングができると思う。