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安芸灘とびしま海道オレンジライド2016(2016年11月)

1年前の2015年11月に初めてしまなみ海道を往復サイクリングした日に、偶然にもとびしま海道では「オレンジライド2015」というサイクリングイベントが行われていた。当時はまだロードバイクを購入したばかりの初心者だったが、もっと走れるようになったら自分もオレンジライドに参加したいと思い、そして1年経って「オレンジライド2016」に参加することに。

オレンジライドは順位を競うレースではなく、マイペースでサイクリングを楽しむイベント。コースは3種目設定されていて、全長約30.5kmの「あきなだ30」、全長約53.3kmの「オレンジ50」、そして全長約88.2kmの「とびしま90」。自分は勿論とびしま90にエントリー。とびしま海道では何度もサイクリングをしていてコースを熟知しているし、ロードバイク購入後直ぐに挑戦したとびしま海道一周サイクリングでは、安芸灘大橋料金所からの出発で走行距離がとびしま90よりも約7km長い94.97kmだった。それにしまなみ海道往復をはじめとする100km以上のロングライドも何度も経験している。なのでびしま90は問題なく完走できる。

参加申し込みは受付開始日に完了。スタート・フィニッシュ地点である上蒲刈島の県民の浜の駐車場利用は先着順なので早々の申し込み必須。先着から外れると県民の浜から約7km離れた駐車場を利用する事になる。3種目合計1,600名の募集に対して県民の浜駐車場は200台しか駐車できないので、正に早い者勝ち。とびしま90の参加費用は中学生以上が6,500円で、傷害保険の加入や記念品・昼食代などが含まれている。イベントの10日ほど前に参加者ガイドブックや県民の浜駐車券、昼食の引換券などが同封された封筒が送られてきた。ちなみに、荒天・強風などでイベント中止となっても参加費の返金はないので、尚更にイベント間近になると当日の天気が気になる。

そして当日は、曇りがちな空模様ながらも11月後半にしては気温が高く、サイクリングには最適な日和となった。7:00過ぎに自宅を出発して8:00に県民の浜到着。自宅から県民の浜までは約40km、道路の流が良ければ1時間弱で着く近さ。とびしま海道は最も身近な瀬戸内海のサイクリングスポット。イベントの1週間前にも身体を慣らすために約70kmサイクリングをしたが、何度も訪れているので正直少し飽きた。しかし今回は念願のオレンジライド参加ということで、初めて走るコースのような高揚感。

県民の浜イベント会場

駐車場から会場へ向かうとすでに沢山の参加者が集まっていて、広い敷地に設置された駐輪スタンドは大量の自転車で満車状態。こんなに沢山の自転車を見るのは初めてかもしれない。そして駐輪されている自転車の8割以上がロードバイクと思われるほどに、ロードバイクが圧倒的多数を占めている。ロードバイクを趣味としている人がこんなに沢山いるものなのだと実感させられる。残りはほぼクロスバイクで、ロングライドに向かないマウンテンバイクや小径車は極小数。変り種で三輪リカンベントやタンデム自転車も見かけた。

三輪リカンベント

タンデム自転車

この格好で参加

受付でゼッケンとエイドステーションで提出するチェックカードを受け取る。自分のゼッケン番号は1022。コース種目で番号の上一桁と色が異なり、とびしま90は1000番台の青色。もしかしたら自分はとびしま90の申し込みが22番目だったのかもしれない。ゼッケンは安全ピンで衣類の背中に留める。ゼッケンを付けただけでも何だかその気にさせられる。レースではなくサイクリングなのだけど。

ゼッケン1022

ちなみに、オレンジライド参加の直前にサドルを赤色から白色のものに変更。サドルが赤色だと少々派手過ぎる気がしてきたので、フレームのベースカラーである白色に合わせた。座面にゲル素材が入ったクッション性の高いサドルを購入。サドルはとにかくクッション性最重視!それから、ネット通販で面白いテールライトを見つけたので試しに購入。通常テールライトは後方を照らすものだが、購入したライトは後方だけでなく地面も照らすというもの。自転車の真下を日の丸のように丸く照らし、とにかく良く目立つ。これなら車を運転するドライバーからの視認性も高く、夜間走行時の安全性も上がるのではないかと思う。

サドルの変更とテールライトの追加

変り種テールライト

これで夜間走行も安心?

会場が多くの参加者と自転車でごった返す中、偶然にも職場の上司と遭遇。それから同期入社した友人とも遭遇。2人が参加する事は知っていたが、1人でマイペースで走るつもりだったので特に待ち合わせはしていなかった。せっかくなので友人と一緒に開会式が行われる運動公園へ移動。

ゲストに安田大サーカス団長

元プロロードレーサーも参加

8:30から行われた開会式にはゲストの安田大サーカス団長が登場。ロードバイクが趣味で自転車芸人を名乗っているらしい。そしてもう1人のゲストに元プロロードレーサー。自分はサイクリングが趣味でもロードレースには関心が無いので全く知らない。開会式では他に偉い人のご挨拶やスタッフの紹介、スタート時に演奏をしてくれる高校生ブラスバンド部の紹介など。最後に団長が参加者をバックにツイッターに載せる写真をスマホで撮影。後日団長のツイッター写真を確認したらしっかり自分が写っていた。ヘルメットとサイクルジャージの色で何とか自分だと判別できる極小サイズだったが。

団長が参加者をバックに写真撮影

運動公園からイベント会場へ戻ると、スタートラインのゲートには既に長蛇の列ができていた。参加者の数に対して開会式で広場に集まった人が随分少ないと思っていたが、どうやらほとんどの参加者は開会式よりも出走準備を優先していたようだ。これだけの人数だとオレンジライドの参加は今回で2回目以上という人の方が多いのかも知れない。

出走待ちの列に並ぶ

やっとスタートラインに辿り着く

高校生が演奏中

長い列の後ろに並び、9:00ちょうどに出走が始まりゲート前に着いたのが9:23。スタートは20人くらいにまとめて2、3分の間隔を置いての出走。そしてスタート地点で演奏されるブラスバンド部の曲を聴きながら9:24にスタート。結局最後尾のひとつ前からの出走となった。とりあえず途中まで友人の後ろに付いて走る事に。

これまでサイクリングはほぼ1人で行なっていたが、大勢のサイクリストと走るのは初めてなのでとても新鮮で、思っていた以上に楽しい。何だかいつも以上にやる気が出て、いつも通る上り坂がいつもよりも楽に感じるほど。オレンジライド開催時は道路交通規制がされて一般車の通行は無いと思っていたが、規制はされずいつも通りの車の往来がある。それでも多くのスタッフが交通整理を行っているので安心して走ることができる。ちなみに、イベント参加にはフロントライトの装着及びトンネル内での点灯が指示されている。出走前の車検は行われないが道路交通法でもライトの装着が義務付けられているので、安全のためにもしっかり装着・点灯!自分はトンネル内で自動点灯するテールライトのスイッチもオン。

コース上には交通整理のスタッフ以外にプロカメラマンも各所に配置され、疾走するサイクリストを撮影。後日スポーツ写真販売サイトから閲覧・購入できるようになっている。ただ、写真は画像データのみの販売が無く、高額なプリント写真(2L半1,620円〜)を買わないとデータを買う事ができないという仕組み。その画像データも1920ピクセルサイズで894円と高い。しかし自分がロードバイクで疾走している写真というのは普段撮る機会もなかなかないし、HPに写真を掲載したいので奮発して数枚購入。

カメラ目線

上蒲刈島の県民の浜をスタートして東隣の豊島へ渡り、北岸沿いの道路を東へ向けて進む。やがて長く勾配がきつめの上り坂に入り、坂の途中で友人を追い越し単独走行に移行。身体能力は友人の方が遥かに勝っているが自転車はクロスバイクで、ロードバイクの自分とは特に上り坂でのペースが合わなかった。やはりロードバイクは坂に強い。

曇り空でも気温は最適

ゼッケン1024の友人

豊島からさらに東隣の大崎下島へ渡り、北岸沿いを東へ進む。そしてスタート地点の県民の浜から13.2km地点のチェックポイントになっているエイドステーション@に10:00到着。駐輪スタンドは満車なので自転車は地面に平置き。飲食物が配られるテントには長蛇の列ができていて、並んでいるとチェックカードを回収するスタッフが回ってきたので提出。つまり飲食物がいらないなら列に並ぶ必要はない?と思いつつも皆並んでいるのでそのままテントの直前まで進んだところで、列は鯛めしを受け取るものだとのアナウンス。時間を無駄にした… 自宅で軽く食事をしてきたのでお腹は空いていない。必要以上に食べて途中でトイレに行きたくなったら面倒なので、エイドステーション@では何も口に入れずに先へ進む。

エイドステーション@

自転車を平置き

エイドステーション@から豊島北岸沿いを引き続き東へ進み、小島の平羅島・中ノ島を通ってとびしま海道東端に位置する岡村島へ渡る。自分はあくまでも観光サイクリストであり身体は鍛えていないので、ロードバイク乗りとしては遅い方だと思っていたが、意外と参加者の多くは自分よりも走行ペースが遅く、ビンディングシューズで足とペダルを固定したサイクリストを上り坂でも次々と抜いていく。何だか気分がよくなりさらにペースを上げ、ペースの速い集団に付いて走り続ける。速いペースを維持したまま岡村島を反時計回りで一周して、再び平羅島・中ノ島を通って下蒲刈島南岸を西へ進み、35.6km地点にあるエイドステーションAに11:00到着。エイドステーション@からほぼずっとハイペースで走り続けたのでさすがに疲れた。

エイドステーションA

エイドステーションAは混雑していなかったので駐輪スタンドに自転車を停めることができた。少し空腹感が出てきたのでうどんをいただく。さらに甘夏ピールやいか姿フライなどをつまみ、みかんがおいしくて5個も食べてしまった。とびしま海道の島々はみかんの産地として知られているだけにおいしい。エイドステーション@では飲食を完全にスルーしてしまったが、やはりこういうイベントでは食も満喫しながらの方が楽しい。のんびり食事をしていたら次第に混雑してきたので、程よく空腹が満たされたところで出発。疲れは完全に取れた。

うどんを食べる

いか姿フライも食べる

みかんを沢山食べる

大崎下島の南岸沿いは少々強い向かい風が吹き続け、少しでも風の抵抗を減らすためドロップハンドルの一番低い位置のエンド部分を握り、可能な限り姿勢を低くして走行。体力の消耗を抑えるためにペースを落として走るが、それでも"上ハンドル"のままで走っている多くの参加者をじわじわと抜いていく。向かい風には"下ハンドル"やエンド部分を握って姿勢を低くした方が絶対に楽なはずなのだが、何故かそれをやっている人はほとんどいない。

姿勢を低くして向かい風に抵抗する

大崎下島南岸を西へ進む

大崎下島から西隣の豊島へ渡り、引き続き南岸沿いを進む。相変わらず向かい風が吹き、平地を淡々と走り続け、曇り空で景色は映えず、何度も走っているコースということもあり少々飽きが出てくる。飽きてくると足が重くなってペースもダウン。しかしとびしま海道で一番長い上り坂の手前まで来ると自然と気が引き締まっていく。豊島と上蒲刈島を繋ぐ豊島大橋まで続く長い長い上り坂で走行距離は50kmに。坂道を上るのに気合が入り、サイクリング意欲が復活。

上り坂を前に気が引き締まる

長い上り坂で三輪リカンベント捕捉

まだまだ余裕〜

橋を渡って上蒲刈島に入り、今度は北岸沿いの道を進む。ここでペースの速い集団に付いて暫く走り続ける。単独で走るより集団と走ったほうがハイペースを維持できるものだとオレンジライドに参加して初めて知った。自分は基本的にマイペース走行のカジュアルサイクリストだが、たまにはスポーツ走行寄りな走り方もいいと思った。初のサイクリングイベントは本当にいい経験になる。天気は相変わらずの曇り空だが、快晴だったらそれなりに気温が高くなり暑さによる体力の消耗が大きかったと思われ。程よい曇天のお陰でまだ元気。

上蒲刈島から橋を渡って西隣の下蒲刈島へ。ここの橋まで続く上り坂が自分には勾配がきつく、とびしま海道で一番嫌いな坂道なのだが、後ろに続く参加者に抜かれるのは悔しいのでかなり必死になってペダルを漕ぐ。そのせいで一気に疲れてしまった。やはり無理はよくない。下蒲刈島に入り南へ進み、スタート地点から68.1km地点のエイドステーションBに12:40到着。ここが最後のチェックポイントでゴールまで残り約20km。ここまであっという間だった。

エイドステーションB

カープおばちゃん達が豚汁提供

おいしいよ〜

エイドステーションBでは豚汁とみかん3個ほど食べる。他にもいろいろあったが、お腹いっぱいにすると自転車を漕ぐのがだるくなるので欲張るのはやめた。ゴールを急ぐ必要はないのでのんびり休憩してから出発。ちなみに、3種目共それぞれ制限時間があり、とびしま90は9:00〜16:00の7時間。

エイドステーションBから先はコース上を走る参加者の姿がまばらになり、自分の前後に誰もいない事も。そうなるとサイクリングイベントで走っている感じが薄くなり、見慣れたコースに再び飽きてきてペダルを漕ぐのが一気にだるくなる。スポーツ全般はもとより、サイクリングも精神面から身体の調子が大きく左右されると改めて実感。とりあえず当分とびしま海道のサイクリングは避けようと思った。

参加者がまばらになったコースを走る

表情からして飽きている

エイドステーションBから下蒲刈島を時計回りに一周して、上蒲刈島に渡り南岸沿いを東に進んで県民の浜へ戻り、そして14:01にチェッカーフラッグを受けてゴール。

無事完走!

チェッカーフラグを受ける完走者

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

約4時間半でとびしま90完走。平均して1時間で約20kmという、いつものサイクリングと大差ないペースだった。エイドステーションAとBでは十分な休憩と食事をしたので、ゴール後の疲労感は予想した以上に少なかった。

ゴール後は受付で完走証と記念品のボールペンをもらい、今回のイベントや参加者のサイクリング歴などに関するアンケートを記入。ついでに郵便局のマスコット「ぽすくま」と記念撮影。それから昼食引換券でカレーをいただく。ここで偶然にも駐車場で隣だった人と一緒になり暫く雑談。その人は中国・近畿地方を中心に多くのサイクリングスポットを走っていて、自分が近頃関心を持ち始めた琵琶湖一周、通称「びわいち」の経験もあり、コースの様子や感想などをあれこれ質問。結果、終始琵琶湖を始めとする自然風景を楽しみながら走れるコースではなく、車の往来が多い普通の道路の割合が多く、とびしま海道やしまなみ海道ほど楽しめないとの事で、やっぱりびわいちは止めた。2ヵ月前に行ってきた淡路島よりも琵琶湖はさらに遠く、自宅から車で行くのは疲れそうで進んで計画を立てていなかったが、これできっぱり諦めがついた。

完走証

ぽすくまと記念撮影

カレーで締める

閉会式は無くゴールしたら各自解散。14:40に会場を後にし、車にロードバイクを積んで帰路へ就く。前日が雨でコース上の路面が一部濡れていたので、自転車は結構汚れてしまった。帰宅後は休む間もなく洗車をして、次のサイクリングのために準備万端にしておく。

一年越しに果たしたオレンジライドは期待以上に楽しく、集団走行をしたり他のサイクリストの走りを見ることがいい刺激となり、とてもいい経験になった。今回のイベントを通して、サイクリングもロードバイクもとてもいい趣味だと改めて実感し、これからも続けて行きたいと思った。しまなみ海道でもいろいろなサイクリングイベントが毎年開催されているので是非とも参加したい。