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グラン・ツール・せとうち2017(2017年4月)

2016年11月にサイクリングイベントのオレンジライドに参加して、集団走行やエイドステーションに立ち寄りながらのサイクリングの楽しさを知る。またサイクリングイベントに参加したいと思い、広島県周辺で行われるイベントをネットで検索してみると、結構あちこちでサイクリングイベントやレースが開催されていた。ただ、自分はあくまでも観光サイクリストであり並みの体力・脚力しかないので当然レースには参加しない。上り坂は嫌いなので山間部を走るイベントも避けたい。あまり距離が長いのも辛い。そしてできれば海沿いで景色を楽しみながら走れるコースがいい…という事でおのずとイベントは絞られ、しまなみ海道を走るサイクリングイベント「グラン・ツール・せとうち」に参加する事に。

今回が5回目の開催となる「グラン・ツール・せとうち2017」。コースは40kmの「しまなみハッピーコース」・70kmの「しまなみショートコース」・110kmの「しまなみミドルコース」・140kmの「しまなみマスターコース」の4種。これまでにしまなみ海道往復140kmのサイクリングを何度か経験しているので当然しまなみマスターコースにエントリー。スタート&ゴール地点の向島運動公園に設置される臨時駐車場の利用は先着順なので、イベント申し込み開始早々にエントリー手続きを済ませた。ちなみにマスターコースの参加費は9,000円、駐車場利用料は1,000円。イベント当日の2週間ほど前に参加通知書や駐車許可証などが郵送されて来た。サイクリングイベントは4月16日の日曜日なのだが、前日の15日土曜日に尾道駅前の広場でプレイベントが開催され、そこで参加通知書と引き換えにゼッケンやコースマップなどを受け取らなければならない。つまり土日2日間休みを取れないとこのサイクリングイベントには参加できない。自宅が近所ではない人や土曜日に出勤することがある社会人には少々不便な仕組みだと感じる。参加通知書と一緒にゼッケンなど必要なもの全てを郵送というかたちにはできないのだろうか。

イベントは基本的に雨天決行らしいが、荒天で橋が通行止めになると中止になるとの事。しかし雨の中140km走るのはさすがにしんどいし、何よりタイヤのスリップによる転倒のリスクがかなり高くなるので雨天は避けたいところ。開催日の一週間前からの天気予報では、当日が雨になる予報が出ることもありかなり心配したが、幸いにもイベント開催の週末は快晴に恵まれた。プレイベント当日は自宅から車で尾道へ向かい、10:00に尾道駅前のイベント会場に到着。まだ会場内に人の姿はほとんど無く閑散としていた。とりあえず受付で参加通知書を提出してゼッケンなど翌日に必要なものを受け取る。

尾道駅前

プレイベント会場

右写真が受付で受け取ったもの。左上からサイクリングスタート時にスタッフに提出する整理券、その下がヘルメット前面に貼るゼッケンステッカー、その下がコースマップ、そして一番大きいのが背中に貼るゼッケン。一番下のピンクのリボンは地元中学校の生徒がメッセージを書いたもの。「生口島を楽しみながら最後まで走り切って下さい 瀬戸田中学校 一年二組 ○○○○」と書かれてある。これを自転車の目立つところに結んで走る。何だか地域密着型イベント的な感じでとてもいい。あと大抽選会の引換券を渡された。

ゼッケンやコースマップなど

プレイベント会場と言っても協賛社ブースや地元特産品販売などのブースがいくつかあるだけで、わざわざ尾道まで来たのに何もすることがない。大抽選会は3回あるが、一番早い時間で13:15と3時間近く時間がある。折角なので1回は大抽選会に参加したいので、時間まで他の場所で暇つぶしすることに。で、久しぶりに尾道の坂の町を散策。

坂の町には所々桜が咲いていて散策には最高の日和。桜は散り始めで地面には沢山の花びら。絵になる風景がたくさんあり結構歩き回って疲れてしまったが、少しは翌日のサイクリングのウォーミングアップになったかもしれない。サイクリングするのは1ヶ月振りで、100km以上のサイクリングは小豆島一周以来の半年振り。なので無理なくしまなみマスターコースの140kmを走り切れるか少々心配になっていた。

千光寺公園展望台からの眺め

坂の町を散策した後に尾道ラーメンを食べてプレイベント会場へ戻る。ちょうどトライアスロン選手によるトークショーが始まったので観覧。サイクリングの魅力やヘルメットの必要性などを語っていた。サイクリングの魅力については共感できる事が多く、なかなか楽しく観覧できた。そしてトークショーの後に1回目の大抽選会。結果はスカ、まぁそんなものさ。この後も演奏やトークショーがあるのだが、翌日は早起きしなければならず、帰って翌日の支度もしないといけないのでここで切り上げる事に。ちなみにこのサイクリングイベントには遠方からの参加者も多く(トークショーで遠方者に何処から来たかを聞いたりしていた)、中には北海道からの参加者も。イベントは2日間あるので、遠方者は尾道周辺の宿泊施設に1、2泊することになる。

サイクリング当日は4時起床。軽く食事をとって5時前に自宅を出る。時間的に交通量は少なく早く現地に到着すると思ったのだが、自宅を出てから暫くの間濃霧による視界不良でスピードを落として運転。途中で霧は晴れるも向島に入るとまた濃霧。そしてスタート&ゴール地点であり臨時駐車場が設置された向島運動公園に着いたのは6:30。公園内も濃霧で周囲の景色が一切分からない状態。

自転車の準備をして会場へ向かうと、既に沢山の参加者がコース別に列をつくってスタートを待っていた。今回の参加者数は約1800名と結構な規模。このイベントの様子は後日広島テレビで放送されることになっていて、テレビ局のカメラクルーの姿があった。番組名「密着!グラン・ツール・せとうち〜自転車がくれた感動の島めぐり〜」。放送日まで忘れていなければ観てみようと思った。

 向島運動公園のスタート会場

テレビ局が来ていた

しまなみマスターコースの列にはレーパンとビンディングシューズで身を固めたガチっぽいロードバイク乗りばかり。自分のようにラフなウェアとフラットべダルの参加者を探すほうが難しい。オレンジライドではそれなりのペースでゴールまで走ったが、さすがにこの面子の中では自分は一番遅い部類に入ると思われ。140km走り切れるか尚更心配になる。

この格好で参加

ゼッケン1236

リボンはここにつけた

服装は半袖のサイクルジャージと七分丈のパンツ。霧に包まれ日が差さないので気温が低く、長袖のウェアを重ね着している参加者が多く見受けられるが、日中は20℃を超える予報になっているのでそれまで少しの間我慢。暑いのに厚着のままでサイクリングするのは結構辛いはず。朝晩と日中で気温差が大きい時期のサイクリングは服選びが難しい。

オープニングセレモニー

7:30にスタート

7:00過ぎにステージ上でオープニングセレモニーが始まる。前日のプレイベントのトークショーに出ていたトライアスロンアスリートの姿も。前年のイベントでは島谷ひとみと戦場カメラマンの渡辺陽一が出ていたらしい。まぁ、自分はあまり有名人に関心が無いのでいいさ。そして7:23にスターターピストルが鳴らされ、しまなみマスターコースを走る参加者からサイクリングスタート。

ゲートの前でスタートを待つ

約50人ずつスタートゲートをくぐってスタートしていき、自分がゲートをくぐったのは7:30。マスターコース参加者の中で真ん中より少し前寄りの位置からのスタート。オレンジライドの時はほぼ最後尾からのスタートで多くの参加者を追い抜いて行ったが、ガチのロード乗りばかりのマスターコースでは間違いなく後続する多くの参加者に追い越されていくことになるので、早めにスタートできてよかった。それと、オレンジライドの時はスタート時に高校生のブラスバンド部が演奏をしてくれたが、今回のイベントではそういったものはなく素っ気無いスタートに感じた。

公園を出て直ぐに坂を下ってスピードが出ると寒いっ!霧は全く晴れず気温は上がらず、暫く我慢するしかない。濃霧のせいで海沿いの道路に出ても周囲の景色は何も見えない。しかしこんな濃霧の中を自転車で走るのは初めてなので新鮮な気分。スタート直後はぞろぞろと長い車列で固まって走行。そんな序盤からスピードを出して車列をガンガン抜いていく猛者もチラホラ。自分はそんなことしたら140km完走できない。今回は周りのペースにあまり乗せられないよう注意して、後半が辛くならないようペース配分に気を配りながら走ることを心掛ける。

エイドステーション(万田発酵)の様子

テレビのインタビューを受けてる!

向島から因島大橋を渡って因島に入り、スタートから約45分走って因島にある最初のエイドステーションに8:15到着。グラン・ツール・せとうちの冠スポンサーである万田発酵の本社。ここに立ち寄るために因島のコースは公式のモデルコースから一部外れたルートになっていた。スタートが早かったのでエイドステーションはまだ混雑しておらず、補給食を受け取る列はできていなかったので何か食べようと思ったのだが、配られていたのは万田発酵の補助食品のみ。ご飯物や麺類などを期待していただけにかなり残念。オレンジライドでは最初のエイドステーションで鯛飯が振舞われていたのだが… きっと次のエイドステーションでお腹を満たせるようなものが出るだろうと期待して万田発酵を後にする。

補給食としては物足りない…

万田発酵を出てから次第に霧が晴れていき、気温も上昇してやっと寒さから開放される。因島と生口島を繋ぐ生口橋が架かる海峡には霧が残っていて、印象的な風景が広がっていた。その眺めに多くの参加者が脚を止めて写真撮影。やはり景色を楽しみながらのサイクリングは最高に気持ちがいい。すっかり青空が広がり景色が映え気分も上昇。

海峡に立ちこめる霧

生口橋を渡る

<< SCROLL    生口島から眺める生口橋と因島 パノラマ写真180°    SCROLL >>

しまなみ海道サイクリングのモデルコースでは、生口島は往路復路共に島の西側を走るのだが、今回参加のしまなみマスターコースでは往路は東側を走り復路が西側を走るルートになっていて、しまなみ海道六島のうち生口島だけ一周するかたちになっていた。東西で走行距離に大差はないが、西側にはコンビニや有名なジェラート専門店「ドルチェ」などがあるのに対し、東側にはほぼ何も無いので、西側を走るのが一般的なのだと思われ。

生口島東岸沿いを進む

天気が良く空も海もきれいな青で、生口島の往路では何度か脚を止めて写真撮影。レースではないので急ぐ必要はないし、確か制限時間があったが十分間に合うだろうと気にせず。実は今回のサイクリングイベントに参加するにあたり、エイドステーションの位置や制限時間、その他細かな内容をほとんど確認していなかった。しまなみ海道は何度も往復サイクリングしていてコースを知り尽くしているという安心感からか全く気に留めず。当日寝坊せず4:00に起床して向島運動公園に6:30までに到着することと、半年振りのロングライドなのでペース配分に注意して復路の分の体力を残すこと、気に留めていたのはその程度だった。

生口島から眺める多々羅大橋

多々羅大橋を渡る

生口島を半周して多々羅大橋を渡り大三島へ入る。多々羅大橋が架かる海峡にも薄っすらと霧が掛かっていて何ともいい眺め。しまなみ海道はドライブやサイクリングで何度も訪れているが、今回のように霧が掛かっている光景を目にするのは初めて。

多々羅しまなみ公園に立ち寄り

記念撮影に最適なスポット

多々羅大橋のたもとにある道の駅多々羅しまなみ公園へ。てっきりここがエイドステーションだと勝手に思い込んでいたがそうではなかった。本当に全くと言っていいほど事前にコース確認をしていなかった自分に呆れる。まぁ折角立ち寄ったのでサイクリストの聖地碑で記念撮影。むしろここは立ち寄っておくべき場所とも言えるが、自分がここにいる間に来たイベント参加者は数人だけ。このサイクリングイベントには地方からの参加者も多く、しまなみ海道を初めてサイクリングする人にはお勧めのスポットだと思うのだが、意外とこの聖地碑のことは知られていないのかもしれない。

エイドステーション(JAしまなみ選果場)の様子

シャケフレーク?

グミや饅頭をゲット

サイクリストの聖地碑で写真を撮ってもらったお兄さんの後に付いていき、次のエイドステーションのJAしまなみ選果場に9:25到着。約1kmほどサイクリングコースから外れたところにあり、何だか無駄に走らされた気分になる。前のエイドステーションでは期待した補給食が無く肩透かしを食らったが、今度こそ美味しくお腹に溜まるものが出るだろうと期待。そろそろお腹も空いてきたし。しかし振舞われていたのはシャケフレーク?を乗せた小量のご飯とグミや饅頭などのお菓子。これには正直目を疑った。140km走るサイクリングイベントの補給食にしてはあまりにも乏しい内容。約半年前に参加したオレンジライドの補給食と比べるとかなり質も量も落ちる。グラン・ツール・せとうちの方が走行距離が長く参加費も高いのだが… 仕方ないのでシャケフレーク?乗せご飯を2口食べ、饅頭を2つ食べ、グミを一袋食べて空腹を和らげる。

ここまで来てふと気づいた事がひとつ、オレンジライドと比べてカメラマンの姿が随分と少ないなぁと。オレンジライドのコースである安芸灘とびしま海道と比べるとしまなみ海道の方がコース距離が長いので、仮にカメラマンの数が同じならばしまなみ海道の方がカメラマンの配置間隔が広くなるのは分かるが、それを考慮しても明らかに少ないと感じた。オレンジライドでは自分が疾走する様子を良い構図で何枚も撮られていたが、今回はちゃんと撮られているのか心配になる。折角のイベント参加なので、颯爽とロードバイクで走っている自分の姿を写した写真が欲しい。

大三島橋を渡る

大三島を進んで大三島橋を渡り伯方島に入り、10:10にエイドステーションの道の駅伯方S・Cパークに到着。向島運動公園からスタートしてここで約50km。走行時間は約2時間。

エイドステーション(伯方S・Cパーク)の様子

浜辺で休憩するサイクリスト

やっとご飯ものが出たけど…

今度こそしっかりとした補給食が欲しいと思っていたところ、お腹に溜まりそうなおにぎり、おもち、バナナがあった。しかしおにぎりには惹かれず手に取らず、おもちを食べてみると今までに食べたことの無い柔らかい食感に違和感。結局バナナでお腹を膨らます。それから、グラン・ツール・せとうちで出される飲み物は紙コップに注がれたもののみだが、オレンジライドでは500mlのペットボトルも配られていた。やはり補給食の量・質共に劣る気がする。

バナナで腹ごしらえ

エイドステーションを出た直ぐ先で参加者と一般人の衝突事故に遭遇!サイクリング参加者が一般道から大島大橋に上がるための自転車道へ左折する際に、向かいから歩道を走ってきたおじさんが乗るママチャリと衝突。おじさんとママチャリは無事のようだったが、参加者は転倒しロードバイクのフロントホイールが酷く変形して自走不能に。丈夫で重いママチャリと軽量化を徹底したロードバイクとの衝突では、ロードバイクの方が圧倒的に分が悪い。現場にはイベントの誘導員がいたが誘導の仕方が分かりづらかったらしく、おじさんが誘導員に文句を言っていた。実際は何が一番の原因なのかは分からないが、配置された誘導員の中にはスマホをいじっていたり余所見をしていてしっかり交通誘導をしていない事が目に付いていた。誘導員が必要な交差点に誘導員が配置されていない、誘導員の数が不十分とも感じた。大きな会社が主催し複数の協賛社がありテレビ局まで来るイベントにしては、誘導員やエイドステーションの質が随分低い。少しはオレンジライドを見習って欲しい。ロードバイクが壊れてしまった参加者には本当に気の毒に思う。

伯方・大島大橋を渡る

気を取り直し伯方・大島大橋を渡って大島へ。しまなみ海道が通る六つの島で最南にある大島は一番の難所。往路復路のどちらにも長く勾配がきつめの上り坂が複数あり、貧脚サイクリストには一番体力を消耗する区間。しまなみ海道は何度も走っていてコースはしっかり把握しているので、極力体力の消耗を抑えるようペース配分に気を配ってマイペースで坂道を上っていく。後続車に抜かれても気にせずゆっくりマイペース。ギアを一番軽くしてとにかくマイペース。「ギアを残すな、脚を残せ」というどこぞのセリフが頭に浮かんだ。

大島を走りきり、来島海峡大橋を渡って折り返し地点の糸山公園へ向かう。来島海峡大橋でしまなみマスターコースの先頭集団と思われる車列とすれ違う。糸山公園での休憩時間などを考えると1時間は差がついているだろうか。それでも先頭集団(きっとガチのロードバイク乗り)からしたら軽いサイクリング程度の感覚で走っていると思われ。こういう場面に直面すると自分も身体を鍛えて剛脚サイクリストになりたいと思う。しかし運動が嫌いで面倒な事を継続するのも嫌いな自分には到底不可能と思われ、結局貧脚観光サイクリストの枠からは出られないのである。まぁそれでいいのだ。

来島海峡大橋を渡る

11:25に折り返し地点であるエイドステーションの糸山公園に到着。久しぶりのロングライドなので疲れるのが早く往路でクタクタにならないか心配していたが、頻繁にサイクリングをしていた時とあまり変わらない感じ。普段のサイクリングで調子がよければ往路は無休なのに対し、途中3ヵ所のエイドステーションとサイクリストの聖地碑に立ち寄り、さらに写真を撮るため複数回立ち止まっているので、それらが休憩となり予想していたより疲れなかったのかもしれない。

エイドステーション(糸山公園)の様子

糸山公園から眺める来島海峡大橋

向島運動公園から糸山公園までに掛かった時間が約4時間なのに対し、走行時間は約3時間10分。信号待ちや写真撮影のために立ち止まった時間と、(間違って)サイクリストの聖地碑に立ち寄った時間をを差し引くと、計3ヶ所のエイドステーションで休憩した時間は30分にも満たない。

走行時間

走行距離

おでん!

糸山公園では補給食におでんが振舞われていた。これだよ、こういうのが欲しかったんだよ!やっと満足できる補給食に出会えた。程々にお腹を満たすため紙コップに入ったおでんを2杯食べる。もっと食べたい気もしたが、後から来る参加者の分が無くなってしまってはいけないし、食べ過ぎてお腹が重くなるとサイクリングに支障が出るので自重する。

糸山公園からは来島海峡大橋を一望。実はしまなみ往復サイクリングで糸山公園に立ち寄るのはこれが初めて。これまでは「サンライズ糸山」というサイクリングターミナルを折り返し地点として毎回立ち寄っていた。しかし今回のイベントで糸山公園の方が眺めがよくのんびり休憩するにはいい場所と知ったので、次からは糸山公園を折り返し地点にしようと思った。ちなみに、複数の島と橋を渡り多島美風景を楽しめるしまなみ海道サイクリングコースは世界的にも珍しく、世界7大サイクリングコースのひとつに選ばれている。正にサイクリストの聖地。

記念撮影にいいロケーション

糸山公園の展望スポットで写真を撮ってもらった参加者と暫く談話しながらの休憩。この時に琵琶湖一周サイクリング「びわいち」の話題があがり、琵琶湖一周をしてみたいなと思うようになる。オレンジライドの時も参加者とびわいちの話をしていて、瀬戸内のサイクリングスポットほど景色も道路もよくなくそれほど楽しめないと聞いたのでボツになったが、琵琶湖は日本を代表するサイクリングスポットなのでやっぱり挑戦してみたいなと。一周約200kmと距離は長いが坂が少なくほとんど平地なので、自分にも何とか1日で一周できそうだなと。結果翌月のゴールデンウィーク中に琵琶湖へ赴く事になる。

糸山公園で30分ほど休憩して11:55に復路の出発。再び来島海峡大橋を渡って大島に入り、往路で走ってきた道を戻る。十分な休憩を取っても復路の走り始めは気分も足も重い。往路で走ってきた70kmの道のりを今度は戻らなければならないという精神的重圧がのしかかる。しかも難所の大島を最初に走らなければならない。長い長い上り坂がしんどい。何台もの後続車に抜かれつつも何とか上りきり、伯方・大島大橋を渡って伯方島に入り、往路では3番目のエイドステーションだった道の駅伯方S・Cパークに13:00到着。再び空腹になったが補給食と言えるものは何も残っていない悲惨な状況。グラン・ツール・せとうちの運営スタッフはサイクリングイベントの事を何も分かっていないと確信した。呆れて余計に疲れる。仕方なく売店でフライドポテトを購入して食べる。

売店でポテトを購入

補給食はお菓子のみ

伯方島からさらに往路で走ってきた道を戻り、大三島橋を渡って大三島へ入る。往路では2番目のエイドステーションだったJAしまなみ選果場に14:05到着。きっとここも補給食はないだろうと思っていたが、かろうじて数種類のお菓子が用意されていた。いかにもその辺の店で買ってきて補充したような感じだが、何も食べるものが無いよりはマシだ。これがオレンジライドだったならば、温かい豚汁やおいしい大長みかんを食べてほっこり気分になっていた。あぁ、オレンジライドが懐かしい…

大三島から多々羅大橋渡って生口島に入り、往路で走った東岸とは逆の西岸沿いを走る。生口島の復路コースを4分の3あたりまで進んだところで、しまなみマスターコースでは復路のみのエイドステーションになる瀬戸田高校へ立ち寄り。到着したのは15:05なのだが、15:20で運営を終了しますとスタッフからのアナウンスが。え…そんなに早く終了するの?と、ここで初めてコースマップを確認し、各エイドステーションの運営終了時刻までに通過できないとリタイアを勧告される事を知る。ここまでそんな事は全く気にせずマイペースで走ってきた事にゾッとする。

エイドステーション(瀬戸田高校)の様子

補給食はみかん類のみ…

えっ!?

エイドステーションの補給食はみかん類のみ。瀬戸田高校は4つのコース全ての参加者が立ち寄る場所なので、先に立ち寄った他のコースの参加者に食べ尽くされてしまったと思われ。一番補給食を必要とするしまなみマスターコースの参加者は補給食を食べられないという不条理さ。と、テントの一角に「40kmお弁当」「70kmお弁当」と書かれた張り紙が。エイドステーションに立ち寄る回数が少ない40kmコースと70kmコースには弁当が用意されていたらしい。一番カロリーを消費する140kmコースには弁当どころか十分な補給食も与えられていないというのに…やはりこのサイクリングイベントの運営には問題がある。

そして復路最後のエイドステーションの万田発酵に15:45到着。ここは食べ物が一切無くなっていた。腹減った…だいぶ疲れたので椅子に腰掛けしばしの休憩。すると間もなく16:00で運営を終了しますとのアナウンスが。復路は結構タイムリミットギリギリで進んでいた事になる。しかし自分よりも遅れている140kmコースの参加者がまだまだいるはず。しまなみマスターコースの制限時間設定はロングライドに慣れている人を基準に設定されているのかもしれない。

エイドステーション(万田発酵)の様子

とりあえず最後のエイドステーションを無事運営時間内にパスすることができ、後はゴールの向島運動公園まで走るだけなので、これ以上疲れないようマイペースで進む。久しぶりの100kmを超えるロングライドに復路からじわじわと疲労が溜まって行き、万田発酵で椅子に座って休憩してから急激に身体がだるくなりペダルを漕ぐ脚も重くなる。股も結構痛い。やはりロングライドするなら事前に身体を慣らしておく必要があると改めて思った。そして何よりも空腹で力が出ない…

向島の海岸沿いを淡々と進む

最後はスタッフのお姉さんの後ろ姿を眺めながら

因島大橋を渡って向島に入り、走行ペースがちょうどいい車列に並んで淡々とペダルを漕ぐ。少しずつ車列の前方へ移動して行き、先頭を走るスタッフをお姉さんの後ろ姿を眺めながら走行。右左折する時や車接近時に声を掛けてくれるのだが、「このペースならきっと制限時間までにゴールできますよー!」との声にハッっとする。そういえばゴールにも制限時間が設定されていたが確認していなかった!!改めてイベント内容を全然把握していなかった自分に呆れると共に、ここで初めて焦りだす。サイクルコンピューターで時間を確認すと16:40なので、ゴールの制限時間は17:00と予測(自転車を停めてコースマップを確認する余裕が無い)。万が一にも制限時刻オーバーしたら悔やんでも悔やみきれないので、お姉さんを抜いて一気にペースアップ。そして向島運動公園入口手前の勾配のきつい上り坂を最後の力を振り絞ってペダルを漕き、ゴールゲートをくぐって無事完走。

向島運動公園の運営時間が17:00までだったのに対し、自分がゴールしたのは16:45とギリギリだった。時間制限がある事を最初から知っていたら、サイクリングの途中途中で立ち止まってのんびり写真を撮ったりはしていなかった。まぁ、無事にゴールできたので良しとしよう。しまなみ海道は何度もサイクリングしているが、やはりこのようなイベントで完走すると達成感がある。完走後はステージに上がり、「FINISHER」と書かれたプラカードを持って記念撮影(自分のカメラで撮ってくれる)。イベントで完走したという実感が湧く。オレンジライドでこれは無かった。

無事完走!

スタートからゴールまでに掛かった時間は約9時間15分で、そのうち走行時間が約6時間50分。エイドステーションでの休憩や走行中の写真撮影などに2時間半ほど。休憩が多い割には普段のしまなみ往復サイクリングよりも走行時間が長かった。普段とは一部異なったルートを走ったため、走行距離は約145kmと5kmほど多かった。そしてこのサイクリングイベント中にオドメーターが3,000kmを突破。ロードバイク購入から約1年半で3,000kmは、ガチのロードバイク乗りからしたらかなり少ない走行距離だろうが、たまの休日に軽いアウトドア感覚でサイクリングをする程度にしてはそこそこ走っているのではないかと思う。

ゴール時刻

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

オドメーター

それなりに疲れた

完走後はイベント会場の地べたに座り休憩。オレンジライドでは完走後にカレーライスが振舞われたが、グラン・ツール・せとうちはでは何も無し。そういえばオレンジライドでは完走証がもらえたが、グラン・ツール・せとうちは完走証も無し。参加賞として今治タオルをもらっただけ。今回でサイクリングイベントの参加は2度目なので、他のイベント運営がどんな感じなのかは分からないが、オレンジライドと比較すると運営内容のほぼ全てにおいて大きく劣っている事は否めない。まぁ1度は参加しておいて損は無かったと思う。

後日ネットに掲載されたイベント写真を閲覧。自分が写っている写真が数枚あったがどれも構図がイマイチで、人物が随分と小さかったり、逆に大き過ぎて人物の全体像が入りきっていなかったり、人物をアップし過ぎて自転車があまり写っていなかったりと、プロのカメラマンの撮影とは思えない写真ばかりだった。他の参加者の写真を見てもやはり撮影レベルの低いものばかり。アマチュアカメラマンが多かったのだろうか。だとしても自分の方がもっといい構図で撮れたと思えるような写真が多い。オレンジライドでは構図の良い写真が多く本当によく撮れていたのだが。今回参加したグラン・ツール・せとうちは、本当にあらゆる面でイマイチなイベントだった。

グラン・ツール・せとうちにはもう参加しないと思うが、しまなみ海道の高速道路を走るサイクリングイベント「サイクリングしまなみ」にはどうしても参加したい。普段は車でしか通ることのできない瀬戸中央自動車道を自転車で走ることができるイベント。ただ、高速道路を通行止めにして行う大掛かりなイベントのため開催されるのは1年おきで、残念ながら2017年は開催されない年だった。是非とも2018年に参加したい、まだサイクリングに飽きていなければ…

 

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