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酷暑のしまなみ海道往復サイクリングと馬島観光(2018年8月)

今年の夏は災害級と言われるほどに暑い。そんな酷暑の下であえてしまなみ海道往復サイクリングを実行。たまには軽く苦しい思いをして自分の限界を引き出し、普段のサイクリングでは得られない達成感などを味わってみたい…と思った。自分のような運動嫌いのにわかサイクリストには少々無謀かもしれないが、2年前にも真夏のしまなみ往復サイクリングをしているので何とかなるかなと。いつもと同じようなサイクリングはもう飽きたし。それと、前回のしまなみ海道往復サイクリングをした時に、伯方島と大島の間にある見近島に初めて立ち寄り、それがきっかけでしまなみ海道がまたぐ島は厳密には6島+2島であると気づいた。その+2島である見近島ともうひとつ、来島海峡大橋の途中にある馬島への初上陸も今回のサイクリングの目的のひとつ。

サイクリングのスタート地点はいつも通り、向島の尾道市民センター。暑くなる前に少しでも先へ進んでおこうと、駐車場開放時間の7:30より少し早く到着するも開放されておらず。2年前は7:15分には開いていたのに… 仕方なく7:30過ぎまで待って駐車。空は青空が広がっているが雲も多く、幸い太陽は雲に隠れてまだ暑くない。この状態が続けばさほど苦労せずにサイクリングできる。最初から最後までずっと暑いのはさすがに厳しい。

尾道市民センターからスタート

顔も日焼け対策!

出発時刻

7:50にサイクリングスタート。今回は長袖のスポーツインナーとフェイスマスクでしっかり日焼け対策。いつも夏場の外出後は顔と腕が日焼しているが、さすがに今回は日焼け対策無しでは後で大変な事になる。真夏の140kmサイクリングという事で、暑さにバテたり熱中症にならないよう途中途中で休憩を取る事も心掛ける。それから、平成30年7月豪雨から1ヶ月以上経つが、まだ豪雨の爪痕はサイクリングコース上にも所々残っていた。土砂崩れやその危険性があるために片側通行になっている場所や、路肩に砂埃が溜まっている場所など。なのでいつも以上に路面状態に注意して運転。

普段なら身体と天気のコンディションが良ければ往路は無休で走るが、今回は3回休憩。まずは9:50に伯方島から伯方・大島大橋へ上がる坂道を上っている途中。朝一は太陽が雲に隠れさほど暑くなかったが、往路の半分を過ぎた辺りから日が出て一気に暑くなってきた。坂道脇から見下ろす伯方S・Cパークの海岸風景は夏そのもので、沢山の海水浴客がいる。何故自分はこの暑い中サイクリングなんかしているのだろうか、一瞬でもそんな事を考えてはいけない。

伯方S・Cパークを見下ろす

高架下の休憩スペース

2度目の休憩は大島に入って最初の長い坂道を上り切った所で。高速道路の高架下を通る道路両脇が休憩場所になっていて、日差しから隠れる事ができるので何人ものサイクリストが休憩していた。この時点で少々暑さに参り気味で、軽い頭痛が始まった。まさか熱中症…?いや、単に暑さでいつもよりも疲れてそれがたまたま頭痛という形になって出ただけ。そういう事にしておく。ここで2本用意したサイクルボトルの大きい方が空になる。マメな水分補給は怠れない。

往路3度目の休憩は来島海峡大橋が見える大島の道の駅、よしうみいきいき館で。このあとに観光する馬島が目の前に見える。今まで馬島を全く意識していなかったので、対岸の今治本土の陸地と見ていたのかもしれない。「意識しない」という事は「見えていない」という事と同然なのだと実感。

よしうみいきいき館から眺める来島海峡大橋と馬島

タコのから揚げ310円

小腹が減ったのでよしうみいきいき館で軽く腹ごしらえしようと、売店の商品写真を見てタコのから揚げを買ったら思ったよりも小さかった。まぁ、腹を重くしたらペダルを漕ぐのがしんどくなるので食事は最小限でいい。サイクルボトルに入れてある飲み物(お茶)はぬるいので、自販機でジュースも購入。冷えた飲み物ばかり飲んでいたら腹を壊すので、サイクルボトルの飲み物はぬるいくらいがちょうどいい。ただ、たまにま冷えた飲み物で心身共にクールダウンさせたい。

よしうみいきいき館を出て来島海峡大橋を渡り、折り返し地点の糸山公園に11:30到着。とにかく暑くて身体をクールダウンしたかったので、来島海峡展望館の中にある来島海峡展示室で休憩。本来休憩場所ではないが多めに見てもらおう。。十分に涼んでから外の自販機でカフェオレを買ってがぶ飲みし、さらに500mlペットボトルのお茶を買って空になったサイクルボトル(大)に補充。

糸山公園に到着

来島海峡展示室

3度も休憩したので往路の所要時間は普段より長めの3時間40分。対して走行時間は3時間10分弱と、休憩のお陰か思ったよりも遅くなかった。

時刻

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

糸山公園の見晴台からは馬島の西側がよく見える。西側のほぼ中間辺りに集落があり、左手(北側)には小さい灯台が2つ、右手(南側)には灯台と神社の屋根が見える。サイクリングで糸山公園を訪れるのは今回で4度目となるが、ここでも前回までは目の前に見える馬島を全く意識していなかった。

糸山公園から眺める馬島

神社の屋根と灯台

太い橋台がエレベーターのある場所

11:50に糸山公園を出発。来島海峡大橋に上がって馬島に下りられるエレベーターへ向かう。照りつけるような強い日差しで空と海は青々と、雲は真っ白に映り正に真夏の風景。来島海峡大橋から眺める瀬戸内風景は最高にいい。ただし暑い、かなり暑い。そして往路の途中から始まった軽い頭痛は継続中。少々煩わしいが他に体調が悪いところは無いので気にしない。

来島海峡大橋から眺める馬島

来島海峡大橋から眺める「小島」という名前の島

馬島西岸にある灯台

灯台が建つ岬とトンネル

糸山公園から10分ほど自転車を走らせ、エレベーターへ続く通路の入口に到着。エレベーターは吊橋のケーブルを固定している「アンカーブロック」という橋台にある。エレベーターは自転車歩行者道と車道を挟んだ反対側の原付専用道側にあり、車道下の通路を通ってエレベーターまで行く。しまなみ往復サイクリングでこの通路入口の横を毎回通っていたが、やはり特に意識していなかったのでエレベーターがある事をずっと知らなかった。「意識しない」という事は「知らずにいる」という事だと実感。

エレベーターへ続く通路入口

車道下の通路

ここは3階

エレベーターに乗って馬島に下りる

馬島エレベーターを利用できるのは歩行者と自転車、それと原付。自転車歩行者道からのエレベーター乗り場は3階となっていて、原付はその上の4階から乗り降りするようになっている。ちなみに2階は止らない階で1階が馬島。馬島にも車でアクセスできるインターチェンジがあるが、利用できるのは島民と関係車両のみで一般の人は利用できない。なので一般人が馬島へ入る手段は基本的に徒歩・自転車・原付のみ。伯方・大島大橋の途中にある見近島と同じ。

エレベーターを見上げる

エレベーター出入口にあるトイレ

エレベーターを降りたところには仮設トイレが設置されている。馬島を訪れた観光客への配慮だろうか。来島海峡大橋の建設時に設置されたものがそのまま公衆トイレとして使われているのかもしれない。仮設トイレの隣には多目的トイレもある。エレベーター前からは今治本土へ延びる来島海峡大橋を見上げる眺め。下から見上げる橋は上を通っている時よりも大きさを実感できる。

エレベーター前からの眺め

殉職者慰霊碑

エレベーターから坂道を下りて十字路に出ると、四つ角のひとつに慰霊碑が置かれている。「来島大橋架橋工事中不慮の事故により当島に於いて平成十年六月十日殉職」とあり、七名の殉職者の名前が。そして「馬島住民一同建立」と刻まれている。後からこの事故について調べてみたところ、工事中に作業車が60m下の地上に落ちる事故があり、作業車にいた7名が死亡、1人が重傷を負ったとの事。殉職した作業員達は島民と顔見知りになり、祭りなど島の行事にも参加していたらしい。最初にこの碑を見た時に、何故馬島住民が碑を建立したのか疑問に思ったのと、事故から20年経った今でも真新しいお酒が沢山お供えされているので遺族が頻繁に馬島に来ているのだろうかと思ったが、事故の詳細を知って理解できた。

慰霊碑のある十字路を右折して馬島西岸へ下りて行くと、来島海峡大橋の真下に出る。頭上高くを通る巨大な橋が今治本土へ向けて延びている光景は正に壮観。この橋は多くの労働力の上に、そして7人の犠牲の上に築かれている橋なのだと、殉職者の事を知ってから来島海峡大橋の見方が少し変わった。

本当に立派な橋

馬島西岸の中間辺りにある港に出ると、馬島観光休憩所という建物があった。休憩所にはテーブルとイスが設置された休憩室と、男女別のトイレがある。馬島は全くと言っていいほど観光地化されていないのに、何故こんな立派な休憩所があるのか謎だ。来島海峡大橋開通当時は多くの観光客が馬島を訪れたのだろうか。

馬島観光休憩所

休憩室

港からも来島海峡大橋を一望。本当にスケールの大きな橋だが、それでも馬島西岸から見えるのは橋全体の1/3だけ。来島海峡大橋は全長約4kmある三連吊橋で、馬島西岸から見えるのはそのうちのひとつの吊橋。

<< SCROLL    馬島西岸の港からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

港からは対岸の山の中腹にある糸山公園が小さく見える。35倍ズームのデジカメで来島海峡展望館を撮影…まあまあ撮れてる。高倍率ズームカメラがあると写真撮影がより楽しくなり、景色を楽しみながらのサイクリングもより楽しくなる。馬島エレベーターのあるアンカーブロックも港からよく見える。離れた所から見ても本当に大きな橋台。

来島海峡展望館

アンカーブロック

お堂?

集落にある石碑

港の端の方にはお堂のような建物や、廃墟と化した小さな平屋建ての建物があった。そして港の前には馬島唯一の集落があり、三つの石碑が建っていた。「馬島火力発電完成記念碑」・「馬島電気導入完成記念碑」・「紀元二千六百年記念事業碑」。馬島に電気が導入されたのはいつなのか気になったが石碑には印されていなかった。ところで紀元二千六百年記念って、何だ…?

馬島西南の海岸

石段を上って神社と灯台へ

港から南へ進むと綺麗な海岸に出て、その先に小島のような形をした馬島最南端があり、灯台が建っているのが見える。海岸沿いの道を南端まで進むと石段が続いていて、上っていくと途中に鳥居があり、さらに先の石段を上ると神社の拝殿がある。神社からは波音が聞こえるが、周囲を木々に囲まれていて外の景色は見えない。

石段から海を振り返る

石段の途中にある鳥居

馬島神社

灯台は神社の後ろにあり、拝殿の裏手にある階段を下りて灯台の元まで行ける。しかしここもぐるっと木に囲まれていて外の景色は全く見えない。しかも灯台元のスペースは非常に狭く、灯台の真下から上を見上げるかたちになるので灯台上部はよく見えない。灯台の名前は「ウズ鼻灯台」。周辺で渦潮でも起きるのだろうか。

参拝…のフリ

拝殿の横から灯台を眺める

灯台を見上げる

神社へ続く石段の上り口まで戻ったところで、石段の脇に獣道のような細道があることに気づく。とっておきの場所へ続いていそうな雰囲気の、木々に囲まれたトンネルのような道を進んでいくと…本当にとっておきな場所に出た。綺麗な砂浜、綺麗な海、真夏の青空と真っ白い積雲…それらが視界いっぱいに広がる最高に気持ちのいい海岸。

細道を進んだ先には…

きれいな砂浜海岸があった

<< SCROLL    馬島最南端の海岸風景 パノラマ写真180°    SCROLL >>

この馬島最南端の海岸にたどり着いた時に、タンカーらしき船が南から北へ向けて航行していた。写真では伝わり難いがもの凄く大きな船。自分が今までに目にしてきた船の中でも一番大きいのではないかと思う。ズーム撮影したブリッジの写真を見ると「NO SMOKING」と書かれている。やはりタンカーで原油でも運んでいるのだろうか。

タンカーと思われる船

NO SMOKING

砂浜の反対側は岩場。岩場の先の方に何やら石造りらしき物体が置かれていて、どうもこちらから見えているのは背後のよう。反対側に文字が刻まれた石碑なのか、それとも地蔵などの神仏が祭られているのか。あそこまで行ってみたいところだが、岩場は途中で海水に浸かっていて向こうまで歩いていけない。大抵こういう場所は干潮時にだけ行けるようになるので、ここもきっとそうなんだと思う。

砂浜の反対側は岩場

岩の上に何かがある

南に広がる今治市本土の陸地に、船舶の航行管制などを行なう海上交通センターの建物が小さく見える。電光掲示板に矢印やアルファベットなどを順に表示し、航行中の船に何かを知らせている。海上交通センターというものは日本に7箇所しか設置されていないらしい。

来島海峡海上交通センター

この砂浜気に入った

馬島南端の海岸から西岸沿いの道を来島海峡大橋まで戻り、さらに北へ進んでトンネルを通る。歩いてトンネルの上に上がって行けば、来島海峡大橋から見えた岬の上に建つ小さな灯台まで行けそうだが、山道のような場所を歩く事になりそうなのでヤメ。馬島観光後は向島までの復路の道のりが丸々残っているので、山歩きで体力を消耗するのは避けたい。

馬島トンネル

馬島北西側に出る

馬島北端にある灯台

トンネルを抜けると馬島北西側に出る。堤防沿いの道路の先にある丘の向こうに、馬島北端に建つ灯台の頭だけが見える。あの灯台へは行けるのかよく分からない。とりあえず今回は酷暑のしまなみ海道往復サイクリングという事で、これ以上馬島を探検する時間も体力にも余裕が無いので、別の機会に馬島をもっとじっくり観光したいと思った。

馬島北部から眺めるインターチェンジ

エレベーターで来島海峡大橋に戻る

トンネルから続く道は馬島北部をぐるっと周り、エレベーターがある一段下の道に戻る。空腹になり力が出なくなってきたので、慰霊碑の側にあるベンチに腰掛け、サドルバッグに入れていたウィダーインゼリー2つを飲んでエネルギーチャージ。少し休憩してからエレベーターに乗り、来島海峡大橋の自転車歩行者道へ戻る。

<< SCROLL    大島南西岸からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

大島の復路は前回と同じく西岸沿いを走行。前回は曇りがちな空模様だったので海岸沿いの道路からの風景はパッとしなかった。今回は青空を背景に南の空に大きな積雲が広がり、大島南西岸から眺める来島海峡大橋は印象的な風景。真夏の快晴は本当に暑いが空や海の景色は最高に気持ちがいい。

真っ白な積雲が夏らしい

景色は最高に気持ちがいい…しかしやっぱり暑い、本当に暑い。この酷暑の中、残り60km強ある復路を走らないといけないと考えると気が遠くなる。そして大島西岸沿いルートにある難所の激坂で苦しめられ、坂の途にある日陰で暫く休憩。正直もうペダルを漕ぎたくない、そして上り坂は勾配が緩くても走りたくない。しかしペダルを漕いで前へ進んで行かないと帰れない。酷暑のしまなみ海道往復サイクリングの復路は試練の道のりだった。

大島西岸を進む

大嫌いな激坂を上る

もはや完全に温かいお茶となったサイクルボトル(小)を飲み干し、同じく温かいお茶になっているであろう糸山公園で補充したサイクルボトル(大)は飲む気になれず、冷えた飲み物を求めて走り続け自販機を発見。日陰でジュースをがぶ飲みしてクールダウン。まだ復路ひとつ目の島も抜けていないのにバテバテ。時間は14:50。始めは17:30前後に尾道市民センターに帰着するだろうと考えていたが、この調子だと18:00は過ぎる。そうなると自宅に帰ってゆっくるする時間も少なくなる。会社が盆休み中で翌日以降も休みなのが救い。

冷えた飲み物で一息入れる

大島から伯方島へ渡り、コンビニで食料を買って伯方S・Cパークで食事休憩。砂浜に腰を下ろして海を眺めながら休憩したいところだが、暑いので建物の日陰に避難。腹が重くならない程度のホットスナックとカフェオレ、そして疲れた身体に栄養ドリンクを購入。少々まとまりの無い食べ合わせなのは気にしない。サイクリング中に小腹を満たすためコンビニに立ち寄る時は、お握りや菓子パンよりも何故かホットスナックが食べたくなる。

伯方S・Cパークの砂浜

これでゴールまでがんばる

伯方島から大三島に入り、途中日陰で休憩。そして大三島から生口島に入ったところでもパーキングで休憩。ここまであまり気にしていなかった頭痛が重くなり、いよいよペダルを漕ぐ元気も無くなり長めの休憩を取る。壁に背中をもたれてしゃがみ、少しでも眠ればいくらか回復するだろうと目をつむるが…眠れない。それでも20分ほど休憩したら頭痛は治まり体力・気力も少し回復した。自販機でジュースを買って水分補給しサイクリング再開。がしかし…

大三島でも休憩

生口島でも休憩

左足ふくらはぎの筋肉がたまにヒクヒクと軽く痙攣するようになり、左足を庇いながらペダルを漕ぐも生口島の走行中につってしまう。痛いっ!まさか熱中症によるものだろうか。脚をストレッチして何とか回復させるも気力は大幅にダウン。もう軽トラでもヒッチハイクして自転車と一緒に乗せて行ってもらいたい気分。そしてこの辺りから喉が渇いて身体が水分を欲しても、胃がそれを受け付けようとしなくなってくる。水分の取り過ぎだろうか、いやそんな事は無いはずだ。サイクルボトルのぬるいお茶ばかり飲んでるので気分的なものかもしれない。

因島から眺める夕景

雲行きが怪しくなってきた

生口島から因島に入ってコンビニに立ち寄り、ジュースを買って外のベンチに腰掛け休憩。時間は18:00をまわり日は傾き、気温も下がってきて暑さによる身体への負荷は減った。天気予報では夜から雨となっていたが、北側の空にはいつの間にか雨雲が広がり、コンビニから走り始めると数滴の雨粒が肌に触れる。尾道市民センターに帰着する前に本降りの雨に降られたら困るので先を急ぐ。

因島大橋を渡る

振り返れば日没風景

因島大橋

対岸に因島の大浜埼灯台が見える

因島と向島を繋ぐ因島大橋を渡っている最中に日没。遅くても19:00には尾道市民センターに帰着できると思っていたが、既に18:50をまわっていた。もう帰宅時間を気にしても仕方ないし、空を見る限り雨の心配も無くなったので、日没後の夕景を眺めながらマイペースでペダルを漕いでいく。

<< SCROLL    向島南岸からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

最初の予定より大幅に遅れて19:30に尾道市民センター帰着。今まで行なってきたしまなみ海道往復サイクリングで最も遅い時間の帰着となり、日が長い8月なのに外はすっかり暗くなってしまった。

向島大橋の下を通る

尾道市民センターに帰着

7:50にスタートしてから帰着までに11時間40分を費やし、ほぼ半日掛かりのサイクリングとなった。一番の要因は休憩回数。今回のしまなみ海道往復サイクリングでの休憩回数は往路で3回、復路では10回くらいと、休憩回数も未だかつて無い多さだった。馬島観光に約1時間半費やした事を考えても、しまなみ往復に丸半日というのは長過ぎた。それだけ暑さが辛かった。ちなみに、サイクリング中に摂取した水分量は約3.6リットル。2年前の真夏のサイクリングでは約3.4リットルだったのでほぼ同じ。これは一般的に考えて多いのか少ないのか、それが気になる。

走行時間も7時間20分と、これまでのしまなみ往復サイクリングで最長となってしまった。初めてのしまなみ往復サイクリングよりも25分長く、さらに2年前の真夏のサイクリングよりも1時間長い。

帰着時間

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

正に自分の限界ギリギリのところで走り、頭痛や足がつったりと少々のアクシデントに見舞われながらも何とか無事に完走でき、苦労しただけに達成感はあった。しかし酷暑のしまなみ海道往復サイクリングは思った以上にしんどい、もう二度とやることはあるまい…と思ったが、この苦労をすっかり忘れる2年後あたりの夏にまたやりたくなるかもしれない。暑い夏に思いっきり暑くなる事をするのもたまにはいい。熱中症にさえならなければ…

 

馬島再訪(2018年8月)

酷暑のしまなみ海道往復サイクリングでは十分に馬島観光できなかったので、2週間後に馬島を再訪。今回はいつもの向島から今治までの往復サイクリングではなく、しまなみ6島を向島から数えて4つ目の大三島からサイクリングをスタート。広島本土の竹原市忠海港から大三島の盛港までフェリーで移動し、盛港から馬島まで片道約35kmのサイクリング。これなら体力にも時間にも余裕ができてゆっくり馬島観光ができる。

<< SCROLL    フェリーで大三島へ向かう パノラマ写真180°    SCROLL >>

2週間前も快晴で夏らしい瀬戸内風景を満喫する事ができたが、今回はさらに天気が良く絵に描いたように真青な青空。2週間前の写真と見比べても一目瞭然。それだけに暑い。片道35kmだからと油断して熱中症にならないよう、途中でコンビニに寄って休憩と軽い食事をとる。馬島には食べ物を売っている売店も飲み物の自販機も無いので、観光中に空腹にならない程度の腹ごしらえと飲み物の持参は必須。

大三島盛港に到着

糸山公園まで行かずに馬島へ

いつものしまなみ海道往復サイクリングでは愛媛県今治市本土に上陸し、サンライズ糸山か糸山公園を折り返し地点として立ち寄っているが、今回はそこまで進まず直で馬島へ。あくまでもこのサイクリングは馬島観光が目的。

<< SCROLL    馬島エレベーターの通路入口前からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

馬島に着いたのは10:00ちょうど。2週間ぶりの馬島は相変わらずひと気が無く静かで、そして最高に景色がいい。そして前回以上の快晴で空も海も鮮やかな青色をしていて気持ちがいい。まずは馬島唯一のトンネルの手前にある小さな砂浜へ。砂浜の北端には灯台が建つ岬があるが、砂浜からだと灯台は見えない。砂浜の南端には来島海峡大橋が通っている。

トンネル手前の砂浜と灯台が建つ岬

砂浜から来島海峡大橋を見上げる

今回の馬島観光の大きな目的のひとつが、西岸の岬の上にある灯台の元へ行く事。少し歩かないといけないので時間と体力に余裕が無かった前回は断念した。トンネルの直ぐ手前に灯台へ続く道がある。木々に囲まれた狭い道で、途中から足場がかなり悪くなり少々険しい道のりになる。地面の土が雨で流された後のようになっていたので、もしかしたら「平成30年7月豪雨」の影響を受けたのかもしれない。

馬島トンネル

トンネルの手前にある横道を進む

少々険しい上り道が続く

山道のような悪路を歩いている途中に複数人の女性の声が近くに聞こえ、トンネルの辺りにでも人がいるのかと思ったらそうではなく、来島海峡大橋を自転車で渡っている人達の声だった。自分のいる場所から橋の上までは結構な距離があるのに会話の内容まで聞こえたので驚いた。周囲に声を遮るものが無いとそういうものなのだろうか。

道の途中から来島海峡大橋を眺める

この人達の会話が聞こえた

細道を数分歩いて灯台に到着。小浦埼灯台という小さな灯台からは対岸の今治本土の陸地が広がる眺め。特別景色がいい場所というわけではないが、知っている人は限られる穴場スポット的な雰囲気のある場所でいい。とりあえず、橋の上からも糸山公園からもよく見えるこの灯台まで行く事ができて気が済んだ。

小浦埼灯台

灯台からの眺めはまぁまぁ

<< SCROLL    小浦埼灯台からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

トンネルを抜けた先にある堤防沿いの海岸にも立ち寄り。一見砂浜は無いが浅瀬に砂浜のような地面が透けて見えるので、干潮時には砂浜になるのかもしれない。それにしても海がとても綺麗。

トンネルを抜けた先の海岸

浅瀬の水底がよく見える

馬島北端にある灯台まで歩いて行ける道が一応あるようだが、少々道のりが長く険しそうで行くか行くまいかずっと迷っていたので、とりあえず自転車で進めるところまで行ってみる事に。馬島北部を周る道路から細い横道が続いていて、やがて灯台まで続いていると思われる山道のような未舗装路の入口にたどり着く。しかし思った通り木々が生い茂った獣道のような険しい道で、さすがに歩く気にはなれず止めた。苦労して灯台まで行っても景色の開けたいい場所とは限らないし。諦める勇気も大切だ。

木々に囲まれた細道を進んでいく

写真だと分からないが道がある

馬島北側から南へ移動。南西岸にある砂浜からも綺麗な海岸風景と来島海峡大橋を一望。本当にこの日は格別に天気が良く、これ以上無いくらいに海が鮮やかな色を発して最高の眺め。猛暑の中サイクリングをして馬島を訪れた甲斐がある。

<< SCROLL    馬島南西岸の砂浜海岸からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

小浦埼灯台ともう1つ、今回の馬島観光の大きな目的が南端の海岸岩場にある石造り?の物体の正体を暴く事。しかし2週間前と同じく、物体のある岩場の手前が海水に浸かって道はできていなかった。そのうち潮が引いて歩いて行けるようになるのではないかと期待して暫く待ってみるが、一向に海面水位は下がらず。

馬島最南端の砂浜海岸

今日も水位が高い

もしかしたら干潮時でも地面が出るまでに水位は下がらないのかもしれない。海面の高さは自分の膝くらいに見える。これなら靴を脱いで海の中を歩いて行けそうだという事で実行。しかし岩場で素足になると足の裏が痛い!海の中に入っても痛い!結構痛いっ!自分の足の裏の皮は思ったよりも厚くなかった。痛みでバランスを崩して転んだらデジカメ・スマホ・財布全てが水に浸かってダメになってしまうので、足場に注意しながら痛みに耐えて一歩一歩慎重に歩く。

潮が引くのを待つが…

海の中を歩く事にした

目的の物体に向かう途中で右手に洞穴を発見。かがんで通り抜けることができる大きさの穴。足の裏が痛いので余計に歩きたくないが、せっかくなので洞穴へ入ると…地面に石ころが沢山あってかなり足の裏が痛い。洞穴を通り抜けると左手に岩場に挟まれた風景があり、前方にはさらに縦長の洞穴がある。縦長の洞穴内は地面に大きな岩が転がっていて足場が悪いので通らず、海岸に引き返す。それにしても足の裏が痛い。昔はこんなに弱くなかったと思うのだが…

洞穴を発見

中を通ってみる

こんな景色に出る

さらに洞穴が続く

足場が悪いのでここは通らず

そして真の目的である物体の背後に到着。物体の反対側に周りこむと予想していた通りお地蔵さんだった。2週間越しの疑問が解けてスッキリ。ちなみに七分丈のズボンは裾を膝上までまくり上げていたがびしょ濡れになってしまった。サイクルグローブもびしょ濡れ。まぁ気温が高く直ぐに乾くから問題ない。

ここを渡った先に…

目的の物体が

お地蔵さんの台座部分には十数枚のお賽銭がお供えされているが、全て激しく酸化・変色している。どれもだいぶ前にお供えされたものなのだろうか、それともここに置くとあっという間に腐食してしまうのだろうか。足の裏が痛い思いをしてせっかくここまで来たので、自分もお賽銭をお供えする。

お地蔵さんだった

お地蔵さんから砂浜海岸を眺める

お賽銭に100円玉をお供えする

馬島にはたっぷり2時間半ほど滞在した。今後もしまなみ海道をサイクリングする時には気が向いたら馬島に立ち寄ろうと思う。往復サイクリングの折り返し地点を馬島にするのもいいかもしれない。

伯方S・Cパークでかき氷休憩

来島海峡大橋から大三島の盛港へ向けて復路を進み、途中伯方島の伯方S・Cパークに立ち寄ってかき氷を食べる。酷暑に身体が冷たいものを欲している状況で食べるかき氷はとてつもなくおいしいと初めて知る。日本の夏には何て素晴らしい食べ物があるのだろうと思った。ガツガツ食べたら頭がキーーンと痛くなり堪えて、治まったらまたガツガツ食べてキーーンとなって…を繰り返す。あまりにおいしいのでもう1つ食べようか迷ったが、途中で腹を下したら困るので自重した。あとはサイクルボトルの温まったお茶で我慢。

盛港の手前3、4kmの場所で低い段差を通過した際、前輪が随分とへこんだような違和感を感じる。もしやパンクしたのかと思ったが、走行中の前輪を見てもタイヤは潰れていないのでそのまま走り続け盛港に帰着。そして前輪を指で押してみるとやはり空気が減っていた。フェリーが来るまで20分ほど休憩して再びタイヤを確認するとすっかり空気が抜けて走行不能になっていた。何処でパンクしたのか分からないが、盛港帰着まで持ってくれてよかった。当然予備のタイヤチューブは常備しているが、サイクリングの真っ最中にパンク修理するのは面倒くさい。

帰宅後にパンクした前輪のタイヤチューブを調べたところ、微小な穴が開いていた。そしてタイヤには直径2mmほどの金属片がめり込んでいた。金属の削りカスのようなものが丸まった金属片。こんなに小さな異物がタイヤに刺さっただけでもタイヤチューブにまで達してパンクしてしまうとは、やはりロードバイクはパンクのリスクが高い乗り物なのだと思った。ロードバイク以外の自転車でもパンクするかも知れないが。ともあれ、サイクリングにはパンクへの備えが必須であると再認識させられた。

こんな小さな金属片でもパンクする