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倉橋島南西部ポタリング(2019年7月)

田島・江田島と大崎上島のサイクリングを経て、のんびりと景色や観光を楽しみながら走るポタリングの魅力を再認識。加えて山頂からの眺望を求めて山登りをする苦労も楽しいと思えるようになった。という事で、短距離・のんびり・山登り付きのポタリング第三弾は呉市倉橋島の南西部。コースに決めた一番の理由は、倉橋島南部にある火山(ひやま)に登りたいから。以前にドライブで火山を訪れた事があり、山頂からの360度のパノラマ風景が絶景で印象に残っていた。それと、倉橋島北部は道幅が狭い上に車の往来が非常に多い区間もあるので避けたかった(かきしま海道サイクリングで懲りてる)。なので交通量が少なく、海岸沿いを走る割合が多く道路からの景色が良さそうな南西部のみを走る事に。

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サイクリングのスタート地点に選んだのは、倉橋島南岸にある大きな岩の前から。いつも通り海岸沿いを時計回りに走れば、とても疲れるであろう火山登山を最後にできるのと、車を停めておける広い路肩があるという事で。自宅からの道のりは一般道で約60km、80分程度。のんびりした日帰りサイクリングを楽しむなら、自宅からサイクリングコースまでの道のりも近い方がいい。ちなみに、上のパノラマ写真の岩の後ろに見える山が火山。

海が綺麗

とにかく海が鮮やか

例年より長引く梅雨で7月に入っても悪天候が続いていたが、タイミングよく休日に快晴になり当日朝にサイクリング決行の判断。なので自宅を出たのは9:00過ぎと遅かったが、目的地が近いので十分サイクリングを楽しむ時間はある。瀬戸内海に近い場所に住んで本当に良かったと思う。

海沿いの道路を快走

快晴で空気が澄んでいる

みんな入れてるのかな

連日雨続きだったのが関係しているのか、この日は空気が澄んでいて非常に視界が良く、空も海も鮮やかで最高に気持ちのいい瀬戸内風景が広がっていた。スタート地点から海岸沿いに続く道路を走り始めると、目に入る全ての景色が素敵で頻繁に立ち止まっては写真を撮るので、なかなか先へ進まない。完全に景色を楽しむためのサイクリングになっている。これぞ正しくポタリング。

最高のポタリング日和

海岸線からの景色を木々に遮られた道に入り、緩い下り坂を快走しているところで前方の地面を移動する何かが目に留まり、慌てて回避。その何かは小さなカニだった。カニを踏み潰して転倒はいろいろと後味が悪い。タイヤが細く転倒のリスクが高いロードバイクは路面状況に特に注意が必要だが、それはアスファルトのひび割れや小石小枝などの異物だけに留まらない。

海が見えない場所もある

路上を這う生き物にも注意

再び景色が開け海を見渡せるようになると、倉橋島の隣にある江田島市の南岸沿いにそびえる採石場が目に付く。山肌をごっそり削り取られ切り立った岩壁になっている様はインパクト大。ちなみに、倉橋島南西部を外周する道路はドライブで走ったことが無く、今回のサイクリングが初めての通行になる。なので初めて見る景色が新鮮で尚更楽しい。

再び海に出る

江田島市の採石場

<< SCROLL    倉橋島南西岸から眺める江田島市南部 パノラマ写真180°    SCROLL >>

倉橋島の南西岸をぐるっと周る外周路は、海を見渡せる海岸沿いの道路と木々に囲まれアップダウンの多い道路を繰り返すような感じで続いている。少々勾配のキツイ場所もあるが、全体的に見て体力の消耗は非常に少ないコース。南西岸にはこれと言った観光スポットが無く、外周路を走る車は非常に少ないので、道幅が狭い場所でもストレスを感じずにサイクリングを楽しめる。そして何より景色が最高にいい。ポタリングのコースとして倉橋島南西岸を選んで大正解だった。

木々に囲まれた道を走ったり

そしてまた海沿いを走ったり

<< SCROLL    倉橋島南西岸から眺める陀峯山 パノラマ写真180°    SCROLL >>

外周路は暫く江田島市南部の山「陀峯山(だぼうざん)」と向かい合うかたちになり、山頂部より西にある採石場の山肌がよく見える。岩の地肌丸出しの山は本当によく目立つ。

長閑な海岸風景が続く

ホントにあれ目立つな

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あと少しで海を離れ火山へ向かうということろで、空腹感が気になり出したので昼食。本当は火山山頂で食事をするつもりだったが、さすがに空腹状態で山登りするのは辛い。ちょうど海沿いのパーキングがあったので、そこのベンチに腰かけて対岸の江田島市の風景を眺めながら飯を食う。パーキングの真向かいには倉橋島と江田島市を繋ぐ早瀬大橋が見える。

交通量の少ない道路をのんびり走る

火山登山前に昼食

倉橋島と江田島市を繋ぐ早瀬大橋

スタート地点から約15km続いた南西岸外周路を離れ、倉橋島南部の内陸に入る。行く先には標高408mの火山がそびえ、山頂部には緑から複数の岩がむき出して見える特徴的な眺め。道路は民家の並ぶ住宅地から木々に囲まれた勾配の緩い山道へ。

前方に火山が見える

火山山頂部

住宅地から続く山道を2kmほど走ったところで、火山山頂駐車場へと続く道の分岐点に差し掛かる。が、山頂へ続く道の入口右手斜面が崩れていて、通行止めになっていた。想定外の事態に動揺しつつも、「通行止」の看板が完全に色あせている事に気付き、通行止めになってからかなりの月日が経っていると推測。それなのに比較的直ぐに復旧できそうな斜面崩がそのまま放置されているという事は、土砂崩れ等の被害箇所は山頂駐車場までの間の複数個所あり、復旧の目処が立っていない状態と考えられる。そしてその原因は1年前の「平成30年7月豪雨」に違いないと思ったところ、後で調べたらその通りだった。

火山山頂へ続く道の分岐点

火山登山道路入口右手に斜面崩壊跡

ここでいさぎよく火山登山を諦めるか、それとも取り合えず山道を進んでみるか、少しの間考えた結果、車での通行は無理でも自転車なら行けるかもしれないという事で、自己責任(無責任で都合のいい言い訳っ)で火山山頂を目指す事に。

丸1年間使われていない登山道路に入ると、路面には小枝や小石、木の実などの異物がそこら中に転がっている状態。異物をタイヤで踏んで転倒やパンクなどのアクシデントに遭わないよう、普段以上に路面状況には注意を払い走行。で、早速2箇所目の斜面崩に遭遇。ただ、入口のも2箇所目のも、一応車での通行可能な道幅は残されている。きっともっと大きな被害を受けた場所があるはずだと、さらに先へ進んでいくと…

2箇所目の斜面崩

3箇所目の斜面崩壊は道路まで崩れていて、車での通行は不可能になっていた。アスファルトの路面が半分以上崩れ落ち、残された路面には土砂や草木が積もり、何とか人一人が通れる幅が残されている(誰かが片付けた?)状態。ここを通っても大丈夫なものか、崩れたアスファルトの状況をじっくり確認しながら考え、結局は自己責任で通る事にした。自転車に乗って通るのは危険なので、肩に担いで歩いて通行。

3箇所目は道路が崩壊

これは車では通れない

そして直ぐに4箇所目の斜面崩壊現場。草木の生えた斜面の表面だけが道路上に滑り落ちていた。ここも車での通行は不可。土砂の無い端っこを通って先へ。と、道路脇の茂みに気配を感じ目をやると、ウリ坊がいて茂みの奥へと逃げていった。子供のイノシシがいるという事は当然大人のイノシシも何処かにいるはず。大人のイノシシに遭遇して突進されたらひとたまりも無い。大人イノシシが出て来ない事を祈りつつ足早にその場を離れる。

4箇所目の斜面崩壊

山道の途中からの眺め

5箇所目の斜面崩壊は道路に少量の土砂が流れ込んだ跡があり、タイヤの細いロードバイクでの走行は危険なので降りて通行。そしてその先に激坂。夏の日差しを浴びて暑い中、ヘロヘロになりながらペダルを漕いでいく。しかし後輪が頻繁にスリップ。丸1年間車が通っていない山道の路面には砂や苔などが付着していて、激坂レベルの急勾配でペダルを強く踏み込むとスリップしてしまう。こういう道は登りより下りの方が危ない。軽いブレーキングでもスリップして転倒する危険がある。気を付けないと。

5箇所目の斜面崩壊

急勾配の激坂を登る

激坂を越え、山頂駐車場まであと僅かという所で6箇所目の斜面崩壊。かなりの量の土砂と草木が道路に流入している。ここを通行できる乗り物はモトクロスバイクくらいだと思う。自転車の自分はかついで通行。このような事案でロードバイクの軽さが役立つとは思わなかった。

激坂を見下ろす

6箇所目の斜面崩壊は道路に大量の土砂流入

登山道路入口から30分弱で山頂駐車場に到着。当然駐車場に停まっている車は無く、人の姿も無し。火山は徒歩用の登山道もあるが、そちらの方は通行できる状態なのかは分からない。6年と8ヶ月振りに訪れた山頂駐車場の様子は、以前よりも周囲の草木がずっと茂っている印象を受けた。これは単に経年よる記憶違いか、それとも道路が通行止めになってから管理がされていないからか。多分後者ではないかと思う。

駐車場から眺める南側の風景

駐車場からは遊歩道を歩く

長い階段道を登っていく

駐車場からは南側の風景を一望。倉橋島より南にある鹿島が見える。ただ、周囲の木々で視野が狭いので一方向の景色しか見られない。360度の視界がある山頂からの絶景とは比較にならない。という事で、駐車場に自転車を置いて少々急な階段道を歩き山頂を目指す。自転車で山登りした後の貧脚には少々しんどい。そしてかなり暑い。途中に北側の風景を一望できる岩場の展望地があり、江田島市南部や早瀬大橋を見渡せる。やはり山頂からの絶景はこんなものではないと、直ぐに遊歩道へ戻り先へ進む。

山道の途中から眺める北側の風景

駐車場から遊歩道を歩いて10分弱で山頂に到着。火山には自分以外に誰もいないだろうと勝手に決め込んでいたので、山頂に1人の高齢者がいてビクッと驚く。山頂には360度のパノラマ風景を眺望できる大きな岩があり、設置されているロープと梯子を伝って大岩の上へ登れるようになっている。岩の上に立つと自分の周囲に視界を遮るものが一切無くなり、これ以上無いくらいの開放感と絶景を堪能できる。本当に最高の展望スポットと言える。

火山山頂にある大岩

大岩の上が最高の展望スポット

<< SCROLL    大岩の上からの眺め パノラマ写真360°    SCROLL >>

最も眺めがいいのは南側の風景で、倉橋島南岸の入り江状の海岸風景や、倉橋島南端と鹿島大橋で繋がっている鹿島などがよく見える。北から西にかけては倉橋島北部、早瀬大橋、江田島市南部の採石場まで見渡せる。ただ、以前にドライブで訪れた時も今回も遠くの景色は霞んでいる。まぁこれくらいならギリギリ合格点と言ったところか。

倉橋島と鹿島を繋ぐ鹿島大橋

倉橋島と江田島市を繋ぐ早瀬大橋

こんなに素晴らしい展望スポットが山道の斜面崩壊でずっと通行止めなのは勿体無い。しかしながら、1年前の7月豪雨は西日本各地で大きな被害を出したため、復旧作業が追いつかず未だに手付かずの場所も多く、生活に直接必要ではない山道の復旧は一番後回しになるのだと思う。こればかりは仕方がない。

採石場も見える

最高の展望スポットだよ

暫く大岩の上からのんびりと景色を楽しむ。倉橋島南部の海岸線を眺めていると、サイクリングのスタート地点にした大きな岩があることに気付く。カメラで最大ズーム撮影すると路肩に停めてあるマイカーまでしっかり確認できる。あと少し車を停めた位置が手前だったら岩に隠れていたので本当に偶然の出来事。

南部の海岸線を眺めていると…

スタート地点の岩とマイカーが見えた!

30分ほど山頂からの景色を楽しんで駐車場へ戻り、自転車に乗って下山。終始下り坂が続く道のりだが、路面状況が良くないので安全第一でスピードは控える。火山登山道路入口まで戻り、細い山道をさらに下って倉橋島南部を縦断する道路に出る。そしてさらに道路を下って南岸沿いの道路に出て、スタート地点の岩に帰着。

倉橋島南部を縦断する道路に出る

倉橋島南岸から火山を振り返る

岩だらけの山頂部

倉橋島南西部一周完了

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

サイクリングに要した時間は10:55から15:15までの4時間20分。そのうち走行時間は半分弱の約2時間で、走行距離はたったの25km。これまでに行なってきたロードバイクでのサイクリングの中で、野呂山ヒルクライムの次に短い走行距離となった。今回もポタリングらしいサイクリングを楽しむことができた。

 

リムテープの貼り替え(2019年7月)

サイクリングから帰宅したら毎回必ず自転車の掃除をし、室内保管という事でタイヤまで汚れを拭き取っている。タイヤを綺麗にする事は異常の発見にも繋がるので必要な事と言えるが、倉橋島南西部サイクリングの後の掃除で正に異常を発見。後輪の路面と接地する部分の複数個所に深く粗い擦り傷がついていた。これは間違いなく火山での激坂スリップが原因と思われる。それとは別に後輪にゴムが深くえぐれた場所も。石か何かの異物を踏んでそうなったのだろうか。丸一年間通行止めのままで荒れた山道はタイヤへの負荷が大きかった。

スリップでキズだらけに

異物を踏んでできたと思われるえぐれ

タイヤの大きな傷や劣化はタイヤチューブへの負荷を大きくし、最悪パンクする可能性もあるので、後輪のみ交換する事に。過去2度行なった前後両輪のタイヤ交換の際、磨耗の少ない前輪のみ予備として保管していたので、新品を用意せずにその古タイヤを使用。で、ホイールからタイヤとタイヤチューブを外したところ、タイヤチューブにいくつもの丸い盛り上がりができているのを発見。一体何の跡かと思ったら、ホイールのスポーク穴に空気圧で押されてめり込んだ跡だった。

後輪を古タイヤに付け替え

タイヤチューブに丸い跡が…

リムテープが凹んでる

スポーク穴を塞ぐための「リムテープ」というものがホイールには貼られているが、それがタイヤチューブの圧力に押され凹んでいた。この状態のまま使い続けたらタイヤチューブが傷つきパンクの可能性大!タイヤ交換でタイミング良く?重大な問題を発見できた。という事で、新しいリムテープを購入。

リムテープを購入

元からホイールに貼られていたものは粘着テープで、ビニールテープに似た質感と薄さでいかにも直ぐにスポーク穴部分が凹みそうな感じのものだった。現在使用しているホイールは軽さを売りにしているものなので、リムテープも軽さ重視で薄いものが貼られていたのかもしれない。新たに購入したリムテープは樹脂系のしっかりとしたもので、早々に凹んだりする事は無さそう。粘着面は無く輪になっていて、輪っかのテンションでリム部に張り付ける。

輪になっているリムテープ

装着完了

くっきりと丸い跡のついた後輪のタイヤチューブも新品に交換。前輪のタイヤチューブは跡が薄かったのでそのまま使用。取りあえずこれでパンクの心配は解消。自転車の中ではパンクのリスクが高いロードバイクなので、少しでもパンクに繋がる可能性のある要素は取り除いておきたい。パンクの不安を抱えながらサイクリングをするのは精神衛生的にもよくない。ロードバイクはタイヤの磨耗や空気圧の管理など、特にタイヤ周りの管理は常日頃からしっかりとしておく必要のある乗り物。

 

江田島市南部(東能美島)ポタリング(2019年8月)

前回の倉橋島南西部ポタリングでは、海沿いの道路から江田島市南部にそびえる陀峯山がよく見えた。そこで次のポタリングは陀峯山を登ろうと思い立つ。陀峯山も以前にドライブで訪れた事があり、山頂や山道の途中にある展望スポットからの眺めがとても良かった。しかし山道はかなり狭く、二度とマイカーでは行きたくないと思った場所なので、正にサイクリングで再訪するのに適した場所と言える。ただ、勾配のきつい登り坂が多いという記憶が残っていたので体力面に少々不安があったが、実際はそんな事よりも暑さに苦しめられるハメに…

倉橋島南西岸からの陀峯山の眺め

ここから山登りスタート

車は登山道入口の近くにある大君漁港の駐車場に停める。釣り人や漁港前のカフェ?を利用する人が駐車しているので、サイクリストも駐車していいだろうと解釈。という事で、今回のポタリングは江田島市南部東岸にある大君漁港からスタート。まず陀峯山東側の山道を登って山頂まで行き、次に山頂から陀峯山西側の山道を下りて江田島市南部西岸に出る。そして陀峯山より北を西から東へ周って大君漁港まで戻る、というルート設定。

登り坂の始まりから展望台まで5.3km

大君漁港から住宅が並ぶ細道を500mほど進んだところで「陀峯山 展望台まで5.3km」と書かれた案内板があり、ここが東側の山道の登山口。住宅地を登っていく坂はいきなり急勾配で、暑さも相まって少し登っただけで息が上がる。住宅地の一番上まで登ったところで後ろを振り返ると、倉橋島北部と江田島市南部に挟まれた内海を見渡す眺め。ちょっと進んだだけでそこそこ高い場所まで上がってきた気分になるも、本当の山道は住宅地を抜けた先から。木々が生い茂り、車がやっと一台通れる幅しかない狭小道路が続く。よくもこんな狭い山道を車で通ったなと、陀峯山初訪問時の自分に感心する。

坂道から海を眺める

住宅地を抜け木々の茂った細道に入る

いかにもマイナーな山道であまり車も通らないと思われ、路面には枝や小石や木の実などが散乱しているところが多い。丸一年間通行止めになっていた倉橋島の火山とあまり変わらない。木々が鬱蒼と茂った真夏の山中という事で、小さな虫が顔の周りを常に飛び交い、羽音が鬱陶しくて結構なストレス。そして真夏の炎天下が体力を奪い全身から汗を噴出させる。長い梅雨が明けてから猛暑日が続いていて、大君漁港に着いた時点で車の車外温度表示は36℃になっていた。

路面に異物が散乱

隠地林道を走ってます

登山口から1.2kmの地点に「隠地林道 開通記念碑」と刻まれた石碑が。山頂まで続くこの山道の開通を記念したものだろうが、いくら”隠地”でももう少し道幅を広くはできなかったものだろうか。眺めのいい展望スポットもある事だし。この記念碑に着いた時点で、熱中症の症状が出始めているのではないかと思うほどに身体が火照り汗が噴出し、何故か左目が妙に痛み出す。疲労と汗と喉の渇きと目の痛みと、序盤からコンディションは最悪な状態。それでも先へ進む!

日陰は幾分暑さをしのげるが…

日向はもの凄く暑い

とにかく暑くてたまらない。そして左目は痛いまま。相変わらず耳元で聞こえる虫の羽音が耳障りで仕方なく、手で払っても直ぐに虫が寄って来るのでイライラ。不快指数MAX状態で急勾配の山道を自転車で登るのは本当にツライ。もはやこれはポタリングではない。

景勝地 ここから120m下 と書かれてあるが…

登山口から3kmの地点に「天狗岩」と書かれた案内板。ここから120m遊歩道を下って展望スポットの天狗岩まで行ける。天狗岩は以前陀峯山を訪れた時に一番印象に残った絶景スポットで、今回のサイクリングでも楽しみにしていた場所。がしかし、確かに案内板から遊歩道が続いていたはずなのだが、周囲は木々が茂っていて遊歩道の入口が見当たらない。木々の隙間からかろうじて天狗岩が見えるが… これはおかしいと思いスマホを取り出し、自分のHPの「瀬戸内ドライブ&サイクリング」の中にある「倉橋島・江田島市」のページ内の天狗岩の記事を読んだところ、”滅多に人が来ないのか道には草が生い茂り、草を掻き分けて進まないといけない場所も”と記されていた。

おそらくは長期間遊歩道の管理がされておらず、完全に草木に埋もれてしまったと思われ。元気があれば木々を分け入って遊歩道を探していただろうが、山頂までの道のりを約3/5まで進んだこの時点で既に疲労が激しく、本当に天狗岩までたどり着けるかも分からないのに歩き回る気力は無い。それに木々が茂って視界も足場も悪い山の斜面を下って行くのは危ないと判断し、天狗岩へ行くのは断念。

木々の隙間から天狗岩を眺める

あまりに暑くてクタクタなので、天狗岩の案内板の下にある岩場に腰を下ろして暫く休憩。どちらかと言えば普段はあまり汗をかかない自分だが、全身から汗がにじみ出て体調に黄色信号が出ている状態。しっかり水分補給をしなければ確実に熱中症になる。どうやら真夏の猛暑日に自転車で山登りするのは間違いだった。もっと緩い山道だったらよかったかもしれないが。十分な休憩を取り自転車を漕ぎ出したところ、直ぐに次の展望スポット「追の浦渓谷 丈ノ内展望所」に到着。

2ヶ所目の展望スポット

<< SCROLL    丈ノ内展望所からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

丈ノ内展望所は道路脇にある岩場なので、遊歩道を歩く必要も無く見晴台の岩場に出られる。眺めは岩肌の目立つ陀峯山の追の浦渓谷と、正面に倉橋島の陸地が広がる絶景。しかし暑さにやられてかなりバテていたため、景色をじっくり眺めたり写真を撮る余裕は無く、直ぐに日陰に避難してまた休憩。全国で熱中症による死者が多数出るほどの連日の猛暑、この暑さは本当にヤバイ。

丈の内展望所の岩場

採石場の山

採石場の港

休憩して体調が少し落ち着いたところで、再び展望所の岩場に立ち景色を眺める。前回のポタリングで走った倉橋島南西部の海岸線から見えた陀峯山から、今度は倉橋島南西部を眺めている。少々景色は霞んでいるが、まぁ許せる範囲の視界。倉橋島南西岸からよく見えた採石場の削られた山肌は角度的に見えず、代わりに採石場の港の様子が見える。

山肌の岩を削って造られた道

日陰が嬉しい

引き続き山頂を目指して山道を進む。この暑さは過去2度行なった真夏のしまなみ海道往復サイクリングよりも辛く、丈の内展望所に着いた時点で登頂は諦めて引き返そうかと迷っていたが、幸い丈の内展望所より先は木々に日差しが遮られ日陰が多い道が続き、何とか暑さにあらがいサイクリング続行。日差しを浴びた平地よりも日陰の登り坂の方がいいと思うくらいに暑い。

分かれ道のY字路

山道は登山口からずっと一本道が続いていたが、山頂まで1kmを切ったところで初めての分かれ道。このY字路の分岐にある行き先案内板があまりにも素っ気無くて逆に目を惹く。いったいどうすればこんなにもデザインセンスの無い案内板になるのか。軽い衝撃を受けつつ「陀峯山 パノラマ展望台」の表示を指す道を進む。その先にもうひとつ分岐のT字路があり、そこを直進すればいよいよ山頂。

デザインセンスゼロ

山頂目前ということろで道路脇にあるベンチに目に留まり、我慢できずに腰を下ろし休憩。ベンチからはちょうど外の景色を見られるよう草木がひらけていて、さらに眺望の利く岩場まで下りられるようになっていた。しかし丈ノ内展望所から景色を眺めた時よりも視界が悪くなり、正面に見える倉橋島がかなり霞んで見える。苦労してここまで登ってきたのに残念だ。

山頂の直前にあるベンチからの眺め

ベンチから少し下りた岩場からの眺め

だいぶ景色が霞んでしまった

そしてようやく陀峯山山頂の駐車場に到着。登山口から山頂にたどり着くまでに掛かった時間は1時間40分。これまでにロードバイクで行なった山登りの中で一番厳しい道のりだった。と言っても、登り坂の辛さより猛暑が主な原因だが。。 山道は終始狭かったが山頂駐車場は随分と広く、しかし車は1台も停まっていなく人の姿も無し。それと、山頂までの道のりですれ違ったのはオートバイ1台だけ。本当にマイナーな山道だ。

帽子は誰かの忘れ物?

陀峯の石碑

駐車場には登頂記念スタンプなるものが設置されていて、木々に囲まれた岩場の上には「陀峯」と刻まれた大きな石碑がある。そして駐車場より一段高い標高438mの山頂には柵に囲われたアンテナ設備があり、柵の外をぐるっと周る通路が展望台になっている。展望台からは広視野のパノラマ風景が広がっていて、陀峯山より北に続く江田島市の陸地や西隣にある大黒神島などを一望できるが、残念ながら景色はすっかり霞んでしまい残念な眺め。そんな景色の写真を撮っていたら、1人のロードバイク乗り(ガチっぽい)が展望台まで上がってきて挨拶。熱中症のリスクを背負って猛暑の中ここまで自転車で登るのは自分だけではないと知り、妙な安心感を得る。しかしまぁ、ガチのロード乗りにはさほどきつい道のりではないのだろうけど。

山頂のアンテナ設備と東屋

展望台の様子

<< SCROLL    陀峯山展望台からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

ざっと景色を眺めた後は東屋で休憩と食事。日陰でゆっくり休んでお腹も満たされ、一時は限界を感じた暑さによる疲労もかなり回復。原因不明の左目の痛みもほぼ解消した。しかしここで便意をもよおすという新たな問題が発生。前日の夜に焼肉の食べ放題に誘われ、翌日にサイクリングをする事が決まっていたにもかかわらず満腹になるまで食べてしまった。そして心配していたサイクリング中の便意、しかもマイナーな山道を登り切った山頂で。

まさかこんなにしんどい目に遭うとは…

本当にありがたいWC

不幸中の幸い山頂にはトイレがあった。"陀峯天体観望所"と書かれてある建物の奥に、コンクリートブロックを積んで造られた2室のトイレと、その隣に仮設トイレが1つ。しかし道路や遊歩道が満足に管理されていない山のトイレ。とても使える状態ではないだろうと恐る恐る確認したところ、いずれも汲み取り式便所で汚物が満杯なカオス状態。それでもコンクリブロックの1室だけ何とか使える状態でホッとする。奇跡的にトイレットペーパーもある、少し湿ってはいるが。さすがに野グ◯は避けたいので、カオスなトイレを利用。サイクリング前日の食べ過ぎはよくないと痛感。

陀峯天体観望所

公衆トイレ

出るもの出し切って心身共にスッキリしたところで、もう一度展望台から霞んだ景色を眺める。西側には江田島市南部西岸と橋で繋がっている沖野島が見える。山頂に着いても暑さで体調が優れないままならば、陀峯山東側の山道を引き返して最短距離で大君漁港に戻るつもりでいたが、十分に体調が回復したので当初の予定通りサイクリング続行。山頂で約1時間過ごしたのち下山開始。江田島市南部の西岸へと続く陀峯山西側の山道を下りて、展望台から見えた沖野島を目指す。

西に見える大黒神島(上)と沖野島(下)

江田島と沖野島を繋ぐ沖野島橋が見える

西側の山道も滅多に車が通っていないような状況で、東側の山道以上に路面に木の枝や植物などの異物が沢山落ちている場所が非常に多く、せっかくの下り坂でもスピードを出せない。少し大きな異物を踏んだだけでも転倒する恐れがあるので気を使うし、パンクのリスクもある。さらに道の途中には、路上に倒れた木の一部を切ってギリギリ車が通れる幅を確保してある場所や、頭上に伸びる枝葉が低く垂れ下がり、車で通ったら確実にボディ上部をこする事になる場所も。陀峯山の山道を車で通るには、ボディに擦り傷をつける覚悟が必要。

江田島の西岸へ向かう

倒木の跡

本来ロードバイクで走るには向かない道路

段々畑の横を通る

西側の山道も約5q続くが、下山に掛かった時間は30分弱とあっという間。それでもずっとブレーキを掛けっぱなしだったので、両手の指が結構疲れた。とにもかくにも陀峯山は道路の状態が悪いという点で、ロードバイクで走るには不向きな山道だった。

山を下りて住宅地を通り

江田島西岸に出る

展望台から見えた沖野島橋

沖野島から陀峯山を見る

陀峯山を下りて西岸に出たところで、直ぐ向かいに目的地の沖野島。沖野島もドライブで一度訪れているが、沖野島大橋を渡って島に入ると直ぐに「この先私有地につき関係者以外立入禁止」と書かれた標識があり、島内散策はできなかった。取りあえず今回も橋を渡ってみるがやはり関係者以外立入禁止の看板があり、直ぐに引き返して島を出る。まぁ私有地なので仕方がない。それから江田島市南部西岸沿いの道路を北へ向けて進む。高い場所から遠くの景色を眺めても霞んでイマイチだったが、海岸沿いから見る海は透明度が高くとても綺麗。

海が綺麗な江田島西岸

江田島西岸を進む

お洒落な家発見

これが最後の海沿い風景

予定のルートはこの後陀峯山より北の内陸へ回り込み、西岸から東岸へと横断して大君漁港へ戻りサイクリング終了。しかしそれではほぼ陀峯山の山登りのみのサイクリングで終わるので、このまま西岸沿いを江田島市北部まで走ろうかと考えるも、海沿いの平坦な道路を軽快に走っても猛暑による熱風が当たって爽快感はゼロ。このまま暑い思いをしながらサイクリングを続けても楽しくないので、結局コース延長はせずに東岸へ向かう。

西岸から東岸へ移動

もう登り坂は走りたくない…

江田島市南部を東西に横切る道路は交通量が多く、そして日陰も無く、暑い日差しを浴びて熱風を受けながら黙々とペダルを漕ぎ、クタクタになって大君漁港に帰着。短距離サイクリングながら2本のサイクルボトルに入れた計1.5リットルのお茶は飲み干し、港の自販機でカフェオレを買ってがぶ飲み。温まったお茶をずっと飲んでいたので冷えた飲み物が感動的に美味しい。猛暑日の山登りは予想していたよりもずっと厳しかった。サイクリングに快適な天気であれば、陀峯山を登るのにここまで苦労しなかったはずだし、もっと走行距離を延ばして海沿いのサイクリングを楽しむことができた。今後は真夏の猛暑日にサイクリングをするのは控えようと思った。

大君漁港に帰着

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

サイクリングに要した時間は9:00から12:50までの約4時間で、うち走行時間は半分の約2時間。走行距離は19kmと少なく、前回よりもさらに短いポタリングとなった。今回は暑さに苦しみながら陀峯山を登っただけで、景色を楽しみながらマイペースで走るポタリングとは程遠い結果となってしまった。トホホ

 

その道、走行注意!(2019年8月)

ポタリングの計画はあっても休日の予定と天気の折り合いがつかず(盆休み明けから月末までほとんど天気が悪かった)、なかなかサイクリングに出掛けられず悶々とする日々。そんなある日、午前中だけサイクリングに時間を取れる事になり天気予報は晴れのち曇りだったので、気分転換に自宅から最寄のサイクリングスポットであるとびしま海道へ。運良く予報通り午前中だけ快晴に恵まれ、瀬戸内の多島風景を楽しみながら約70km走行。しかし何度も走っているコースなだけに復路の途中で飽きてしまう。走行ルートを毎回変えて走れば飽きないと思っていたが、コースも景色も覚え切ってしまっている上、元々飽きっぽく同じ事を繰り返すのが苦手な性格なのでやはりダメだった。これでしまなみ海道に続きとびしま海道も暫く足を遠ざける事になりそう…

<< SCROLL    歴史の見える丘公園からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

とびしま海道は1年前の平成30年7月豪雨で道路の側壁崩壊が複数箇所で発生。被害箇所の多くは応急処置だけされ暫く片側相互通行になっていたが、豪雨から1年経ってようやく修復工事が行なわれていた。毎年11月に開催されるサイクリングイベント「安芸灘とびしま海道オレンジライド」の2018年度は、片側相互通行が多く安全にイベント開催ができないという事で中止になったが、2019年度のイベントは翌年3月に開催が決定していた。修復工事が11月までに終わらないので翌年に繰り越したという事だろうか。いずれにせよ、オレンジライドには過去2回参加しているのでエントリーしない…多分。

崩壊した斜面を修復中

路上に崩れた側壁を撤去中

これがあったら要注意

今回大崎下島の南岸沿い道路を走った際、「走行注意レベル4」と書かれた標識の存在に初めて気付く。支柱には平成29年度と書かれてあるので、平成30年7月豪雨より前に設置されている事になる。標識より先へと進んで行くと、斜面崩壊痕に土のうを積んで道路への流出を防いでいる場所が3箇所もあった。広島は軟弱な地盤が多く、土砂災害危険箇所が全国で突出しているらしいので、このような崩壊現場を通過する時は十分注意しなければならない。この標識について少し調べてみたところ、落石や崖崩れの発生する恐れが高い区間に設置されるもので、走行注意レベルは1〜4の4段階に設定され、レベル4は最も危険度の高い段階だった。

大崎下島南岸沿いの道路

こんなのが3箇所あった

ところで、ちょうどこのサイクリングをした日に、富士山の山頂付近で石積みが崩れて女性が落石に当って死亡した、というニュースがあった。石積みは前年の台風で崩落して仮復旧したものとの事。豪雨等による斜面崩壊痕も再び崩れる可能性があるので、サイクリングでそのような場所を走行する時は本当に十分注意したい…と言っても結局のところ、身に降りかかる予期せぬ災いというヤツは避けようが無い部分もあり、安全なはずの場所で突然災難に見舞われる事もある。結局は運とかタイミングとか、そんなものだと思う。よってこれからも程々に注意しつつアグレッシブに行動して行きたいと思う。