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コロナの緊急事態宣言が解除されたのでしまなみ海道へ(2020年5月)

5月14日に政府が新型コロナウイルスの緊急事態宣言を39県で解除すると決定。解除の対象に含まれる広島県では観光施設等が徐々に営業再開され、しまなみ海道のサイクリングコースにある複数の道の駅の営業も5月21から再開された。これで休憩やトイレに困る事なくしまなみ海道をサイクリングをする事ができる。という事で、久しぶりにしまなみ海道往復サイクリングをする事に。ただ、しまなみ往復をするのは1年3ヶ月振り(サイクリングイベントのしまなみ縦走以来)で、走行距離が100kmを超えるサイクリングも半年以上やっていない。前回のしまなみ往復から体力は落ちているだろうし、体重は増えているだろうし…正直40歳になった辺りから100km前後のサイクリングが結構しんどいと思うようになった事もあり、無理なくしまなみ海道往復サイクリングをする自信が無い。なので事前に数日ジョギングをして身体を慣らしておいた。若い頃は前準備せずとも勢いと気力で何でもできたが、悲しい事に40歳を過ぎると無理が利かなくなってくる。

元々しまなみ海道でサイクリングをする時は、レンタサイクルステーションがある向島の尾道市民センターに車を停めていた。しかし2018年秋頃からレンタサイクルもしくは市民センター利用者以外の駐車ができなくなり、代わりに向島運動公園に駐車するようになった。ただ、向島運動公園前の道路が急坂で復路の最後が激坂登りになる点や、駐車場を利用する際は公園内事務所へ赴き記帳する必要があるなど、それらが面倒で2019年夏からは向島の因島大橋真下にある無料駐車場を利用している。ただし、ここからだと尾道市民センターや向島運動公園からのスタートよりもしまなみ縦断コースの距離が短縮されるため、しまなみ海道往復サイクリングは130kmを切る。これまでの往復140kmと比べると少しインチキ往復みたいな感じになってしまうが、まぁ仕方ない。

因島大橋真下の駐車場からスタート

因島大橋へ上がる自転車歩行者道

本来は自転車も有料

広島県尾道市の向島から愛媛県今治市本土までを繋ぐ6つの橋の自転車通行は本来有料だが、平成26年7月から無料期間が続いている。元は期間限定だったが、何度か延長されてまだまだ無料期間続行中。2010年10月に車中泊旅行でしまなみ海道を訪れた際に、レンタサイクルを借りて橋を渡った時は確かに有料だった。各橋の自転車通行料は非常に安いが、料金所で一旦停止しないといけないのが煩わしいし、事前に小銭を用意しておくか(徴収箱があるだけで両替はできない)通行券を何処かで購入しておかなければならないのも面倒。なので今後もずっと無料でいて欲しい。

久しぶりの100km超サイクリング、久しぶりのしまなみ海道往復サイクリングという事で、走行時間の事よりもなるべく疲れないようにする事を意識して走る。他のサイクリストのペースに乗せられないでマイペースの維持を心掛ける。もう本当に、ロードバイクを購入した頃よりも体力は確実に落ちている。そして体重は増えている…あの頃はまだ37歳、今はもう41歳。

やっぱりサイクリングは快晴が一番

来島海峡大橋の先は愛媛県本土

天気が良く気温が高いのでこまめな水分補給も意識的に行なう。この日は風があまり出ていなかったため、向かい風に吹かれて体力を消耗する事にはならずに済んだ。貧脚サイクリストにとって向かい風は敵。もちろん激坂も敵。

走行時間

数日間のジョギングと終始マイペース維持のお陰か、折り返し地点の糸山公園に到着した時点では予想よりも体力の消耗は少ない。スタート地点を変更した関係で往路の縦断距離は63kmとなり、以前よりも約7km走行距離が短くなった事が大きな要因かもしれない。往路の所要時間は3時間10分、走行時間は3時間ちょうど。ちなみに片道70kmだった時の往路ベストタイムは2016年8月のサイクリングで、所要時間2時間57分の走行時間2時間55分。

走行距離

糸山公園にある来島海峡展望館はコロナウイルスの影響で休館していた。公園を訪れる客足はいつもと変わらない感じ。ちなみに写真のフェイスマスクはコロナ対策ではなく日焼け対策。脚もまだまだ元気なので、階段道を登って高台にある糸山展望台にも立ち寄り。文句無しの快晴に恵まれていい眺めだが、遠くの景色は少々霞んでいる。東京から広島へ移住してから広い景色を眺める機会が増えたが、中国地方は景色が霞んでいる事が多いなと感じている。大気汚染が深刻な海外の複数地域が、コロナ封鎖の影響で環境改善されて視界が回復しているらしいが、中国地方の視界不良は環境汚染とは無関係なのだろうか。

糸山公園から眺める来島海峡大橋

糸山展望台にも立ち寄り

向島から往路をスタートしたのが7:50で糸山公園到着が11:00。そして11:30過ぎに復路のスタート。復路にかける時間はたっぷりあるし体力的にも十分余裕があるので、とりあえず来島海峡大橋の中間辺りにある馬島に立ち寄り。大きな橋の橋台(アンカーブロック)に設けられたエレベーターに自転車を載せて小島に下りる。こんな楽しみ方ができるサイクリングスポットはなかなか無いと思う。

来島海峡大橋から馬島を見下ろす

エレベーターで馬島へ下りる

2018年8月に初訪問してからすっかりお気に入りの場所となった馬島。島内にいくつかある砂浜海岸が綺麗で、観光客の姿がほとんど無くとても静かで、しまなみ海道サイクリングの穴場的スポット。こういう場所にアウトドアチェアやシングルバーナーなどを持ち込んで、砂浜などでのんびり過ごすのもいいなと思う。自分のロードバイクにはそれらの荷物を積めないのが惜しい。積載能力の高いミニベロが欲しいな…

馬島は穴場的な寄り道スポット

馬島でお気に入りの砂浜へ

復路は往路よりもさらにのんびりペースで走行。ちょくちょく脚を止めて風景写真を撮ったり、色とりどりの花が満開な公園に寄り道したり。腹が減ったらコンビニでホットスナックとエナジードリンクを買って砂浜で休憩したり。1年3ヶ月振りのしまなみ海道往復サイクリングなのでなかなか楽しいが、もう何度も同じ道を走っているだけに前回が1年3ヶ月も前という実感も無い。

大島から眺める来島海峡大橋

造船所を横切る

公園にたくさん花が咲いていた

大三島にあるサイクリストの聖地碑にも立ち寄り。ここはしまなみ海道サイクリングの記念写真を撮るのに最適なスポット。碑の周りには自転車を飾る人型のスタンドが複数あり、多々羅大橋や碑をバックに愛車の撮影も楽しめる。

サイクリストの聖地碑

記念撮影するならココ

碑の周りにある人型スタンド

今回初めて愛車をスタンドに載せた!

走行距離が100kmを超えた辺りから疲労が強く出始め、マイペースな走行ペースはさらにダウン。上り坂がしんどい、尻もそこそこ痛い、そしてまぁまぁ暑い。どうやら自分のサイクリング適性距離は100kmまでらしい。途中で有名なジェラート専門店「ドルチェ」に寄って、アイスを食べてクールダウンしながら休憩。40歳を過ぎた運動不足の身体にはロングライドよりもポタリングの方が向いている、長くても100km以下のサイクリングが向いている、改めてそう思った。まぁ、たまにはクタクタになるまで走るのもリフレッシュになっていいかも知れないが。

多々羅大橋が広島と愛媛の県境

ダブルコーンでバニラ&瀬戸田のレモンを注文

復路で多々羅大橋の中心にある広島と愛媛の県境をまたいだ時に、都道府県をまたいだ移動をしていた事に気付く。コロナウイルスの緊急事態宣言は解除されたが、不要不急の県外移動の自粛要請はまだ解除されていなかった気がする。まぁ、自転車に乗ってちょろっと単独移動しただけなのでセーフという事にしてもらいたい。広島発のしまなみ海道往復のみはほぼ広島県、そういう事にしておく。

走行時間

向島の駐車場に帰着したのは16:50。往復走行距離約130kmのサイクリングに要した時間は9時間、走行時間は6時間40分という結果。初めてしまなみ海道往復サイクリング(140km)をした時とほぼ同じ時間を費やしていた。まぁはっきり言って遅い、でもこれでいいんだ。本来自分が好むサイクリングスタイルは、いろいろな所へ立ち寄ったり写真撮影を楽しみながらのポタリングなのだから。何はともあれ、次のしまなみ海道往復サイクリングは当分先になりそうだ。

走行距離

 

コロナによる県外移動制限が解除されたので小豆島へ(2020年6月)

6月19日にコロナウイルスによる県外移動制限が全国的に解除され、とりあえず心置きなく県外へ出掛けられるようになった。という事で、早速県外へ足を延ばしてサイクリングしようと思い立つ(前回のしまなみ往復サイクリングでちゃっかり愛媛県に渡っていたが…)。で、サイクリング目的でいつか再訪しようと思っていた小豆島に決定。前回サイクリングで小豆島を訪れたのは2016年10月なので3年8ヶ月振り。

最初は前回と同じく海沿いの道路を時計回りに走って小豆島を一周するつもりでいたが、観光マップを眺めていたら山間部を走ってみたくなり、出掛ける直前になって走行ルートを変更。小豆島中心部の山間を通る「小豆島スカイライン」と「寒霞渓ブルーライン」を走る事に。ヒルクライムに目覚め?山道を頻繁に走るようになる以前だったら考えられないルート設定。貧脚の自分としては今でも登り坂は苦手だ。しかし自転車で山の上まで登り切る達成感を覚えてしまった今では、たとえ辛いと分かっていても登らずにはいられない。

自転車+人で片道1410円

自宅を深夜の3:30に出て約2時間車を走らせ、岡山県の新岡山港に5:30過ぎ到着。車は港の有料駐車場に停め、自分自転車のフェリー往復乗船券を購入。そして朝一出航6:20の便に乗船。乗客は数える程だが、自分以外にも5人ほどのサイクリストの姿が。それから前回と同様、自転車はフェリーの係員がタイヤ止めでしっかり固定。船体と接触する部分にはタオルを挟んで自転車に傷が付かないようにしてくれる。今までサイクリングで利用した他のフェリーはいずれも、自分で適当に車両デッキの隅に立て掛けるだけだった。岡山⇔小豆島の航行時間は70分と、瀬戸内海を航行するフェリーの中では長い方だからというのもあるかも知れないが、ここまで丁寧に自転車を扱ってくれるフェリーはなかなか無いと思う。

小豆島は離島なので船で渡る

丁寧に自転車を船に固定してくれる

小豆島を初めて訪れたのは2013年4月に車中泊旅行をした時2度目が2016年10月のサイクリングで今回が3度目の訪問。個人的に小豆島は結構お気に入りの場所だが、本土からフェリーに1時間以上乗船する必要があり、広島から日帰りで出掛けるには微妙に遠い距離にあり、島内滞在時間を十分に確保するには深夜に自宅を出ないといけないのでなかなか足が向かない。

土庄港からサイクリングスタート

世界一狭い海峡「土渕海峡」を渡る

フェリー乗船中は長椅子に横になって睡眠タイム。そして7:30に小豆島西部に位置する土庄港(とのしょうこう)に到着。この時点で空は天気予報通りなかなかの快晴。約4年振りの小豆島に気分も上がる。自宅で軽く腹ごしらえをして来たが空腹を感じたので、まずは最寄のコンビニに立ち寄りお握りとチョコ菓子を買って空腹を満たす。空腹で力が出ない状態で登り坂を走るのは本当にしんどい。サドルバッグには事前に購入したお握り3つとゼリー飲料を詰め込んである。小豆島の山間部を走行中に食料の調達は困難なので、十分な補給食の携行は欠かせない。

サドルバッグにおにぎり×3とゼリー飲料

このサドルバッグはいい仕事してくれる

やっぱり余計なものは付いていない方がカッコいい

ちなみに、ハンドルとステムの角に取り付けるバッグは外した。サドルバッグ内の常時携行物を見直し減らす事で、そこそこ補給食も詰め込めるようになったので。やはりハンドル周りはスッキリしているほうがカッコいい。サイクリングを楽しむには愛車の見た目も大事だ。バッグ類はサドルバッグひとつだけの方が見栄えがいい。そもそも1年ちょい前に取り付けたアクセサリーパックを外した時もそう思ったし、何だか同じ事を繰り返している。本来スポーティーであるべきロードバイクのルックスを優先するか、それとも荷物の収納容量を優先するか、本当に難しいところだ。

2度目の小豆島サイクリング最初の目的地は、土庄港から約7kmの場所にある小豆島大観音。車中泊旅行で初めて小豆島を訪れた時に、少し離れた場所から目にして気になるも立ち寄らなかった。小豆島スカイライン入口の直ぐ手前にあるので、ついでに立ち寄るのにちょうどいい。

小豆島大観音へ向かう

長い登り坂を進む

小豆島大観音敷地内の急坂を登る

土庄港周辺の市街地を抜けて、小豆島西部の南北岸を繋ぐ山道に入る。激坂と言うほどの急勾配ではないが、貧脚サイクリストには楽ではない長い登り坂が続く。快晴のお陰で日が照って暑く、汗が噴出し余計に疲れる。やがて小豆島大観音の入口に着くも、敷地内も登り坂が続き最後に結構な急坂。本来は坂道も汗をかくのも嫌いなのに、何故今自分はこんなところをサイクリングしているのだろうかと、真面目に考えてしまった。今からでもルート変更してやっぱり海沿いを一周しようかな…などと一瞬でも考えた怠惰な自分に呆れる。

小豆島大観音に8:10到着。高さは50〜60m(正確な記録は無いらしい)となかなかの大きさ。世界一美しい観音様という事になっているらしい。入館料500円で観音内部のエレベーターに乗り、最上階まで登ることができる。最上階に設置された小窓から外の風景を一望できるらしい。入館時間は8:30からだったが、初めから観音内部に入ろうとは思っていなかったので、ざっくり外から眺めて観光終了。とりあえずどんな姿をした観音様か分かったので、それでいい。

小豆島大観音

首の下にあるのが小窓?

寒霞渓を目指す

小豆島大観音を出て直ぐに、小豆島の山間部を東西に延びる小豆島スカイラインの西端に到着。ここから東へ向けて約10kmの山道を進み、スカイラインの終点にある標高612mの寒霞渓(かんかけい)を目指す。Googleマップのストリートビューで確認した限りでは、急勾配ばかりの山道ではなさそうだったし、10kmという距離は2度ロードバイクで登っている野呂山さざなみスカイラインと同じなので、貧脚サイクリストの自分でもそれほど苦労せずに走り切れると思った。がしかし、その予想は大きく外れる事になる…

小豆島スカイラインを進む

こんなトンネルも通る

小豆島スカイラインに入って暫くはきつい急勾配も無く、マイペースで順調に進んで行く。ちょっと暑さに参り気味ではあるが。まだ早い時間帯だからか、離島で訪問客が少ないからか、加えてコロナの影響もあるのか、車の往来は非常に少ない。道路の端は枝葉等がたくさん落ちていたり、前日の雨で濡れている場所が多いので、車が少なくて本当に助かる。日は照っているが空には雲が目立つようになり、寒霞渓のある東側はいつの間にか完全な曇り空になっていた。天気予報では晴れとなっていたのに、これは大きな誤算だ。

山道の途中から西側を見下ろす

滝見展望台入口

小豆島スカイラインを約3.5km進んだところで、「滝見展望台入口」と書かれた建物にたどり着く。ご自由にお入り下さいとあるので、建物内の通路を通ってベランダのような展望台へ出る。しかし滝があると思われる眼下の風景は木々に遮られ、ほとんど何も見えない状態。何だかとても残念な観光スポットだ。本来なら高さ21mあり小豆島最大の滝である「銚子の滝」が見えるらしい。この辺りは銚子渓という観光地で、道路沿いには滝見展望台の他に「銚子茶屋」や「自然動物園お猿の国」などもあるが、興味を惹かれる事も無く先へと進む。

建物内の通路を通って展望台へ向かうも…

木々が邪魔で滝は見えず

滝見展望台から先は急勾配の登り坂が断続的に続くようになり、体力の消耗が一気に激しくなる。曇りがちな空模様になってもスカイラインには日が差し、暑さにも苦しめられるハメに。6月後半ならそこまで暑くはないと思っていたが、もうすでに夏の暑さだった。暑さに耐えながら急勾配の坂道を自転車のペダルを漕いで登るのは本当にしんどい。

途中から急勾配が続くスカイライン

延々と続く急な登り坂

ひたすら続く登り坂

まだまだ続く登り坂

滝見展望台からスカイラインを約3.5km進んだところで、展望スポットの四方指(しほうざし)へ続く分岐路に差し掛かる。急坂を登りっぱなしでクタクタなので、寄り道をして余計に走りたくない気分ではあるが、せっかくここまで登って来たのだし四方指まで500mと近いので、少し考えた末寄り道を決意。

マジでしんどいよスカイライン

スカイラインを外れて四方指へ

500mならまぁいいか

分岐路から続く細道を進んで行き、途中左手にある四方指展望台へ。コンクリート造の立派な展望台の上からは360度のパノラマ風景を眺望、と言っても見えるのは周囲の木々ばかり。20kmほど北にある本土が見えるが、遠くの景色はかなり霞んでしまっている。土庄港に着いた時はそれなりの快晴で視界も良かったのに、短時間のうちに天気が急変してしまった。今回は本当に天気予報のアテが外れた。四方指に着いてからはあまり日が差さなくなり、暑さによる体力の消耗が軽くなったのは良いが。。

四方指展望台

四方指展望台から本土を眺める

<< SCROLL    四方指展望台からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

四方指展望台の直ぐ先には、小豆島東寄りの南岸風景を一望できる大観峰展望台。2つの島が繋がったような半島状の陸地に囲まれた内海湾(うちのみわん)と周辺の街並みが見える。ここはなかなか眺望の利く展望スポットだが、やはり景色が霞んでいてちょっと残念な眺め。7年前に車中旅行で早朝に訪れた時も、同じように曇っていて霞んだ眺めだった。機会があれば次こそは快晴の時に再訪したいと思う、もちろん自転車で。

大観峰展望台

大観峰展望台から見える街並み

<< SCROLL    大観峰展望台からの眺め パノラマ写真250°くらい    SCROLL >>

四方指からスカイラインに戻り、残り3kmの道のりを進んで寒霞渓を目指す。途中で嬉しい下り坂が続くも、やがてまた登り坂に。小豆島スカイラインは車やバイクなら気持ちよく運転できるドライブコースだが、自転車で走るにはひたすらしんどいヒルクライムコースだった。Googleマップストリートビューで坂道を見ても勾配の具合は分からない、という事が分かった。

束の間の下り坂に一喜し

再び続く登り坂に一憂する

クタクタになりながらも小豆島スカイラインの終点にある寒霞渓駐車場に10:30到着。いや本当に疲れた。とにかく疲れた。土庄港を出てから寒霞渓に着くまでの道のりの間で見かけたサイクリストの姿は、四方指を出てからすれ違ったロードバイク乗り1人だけだった。スカイラインでの走行ペースはかなり遅かったが、健脚ロード乗りに抜かれる事も一度も無く。少ないのはサイクリストだけでなく、寒霞渓駐車場に停まっている車も数える程で、日曜日の割に観光客が少ない。やはりコロナウイルスの影響が多少なりとも関係していると思われ。

寒霞渓駐車場にサイクルスタンドがあった

自転車でここまで来たぞ

苦労して辿り着いた寒霞渓の展望台からは、内海湾や周辺の街並みが大観峰展望台からよりもよく見える。しかし空一面曇天模様となり眺めは言うまでも無く冴えない。まぁいいさ、ここまで自転車で登ってきたという達成感は変わらない。標高612mの寒霞渓は広島の野呂山(839m)や灰ヶ峰(737m)よりも低いが、小豆島スカイラインはそれらの山道よりも急勾配の坂道が多く大変だった。

<< SCROLL    寒霞渓展望台からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

堤体の長いダムが見える

寒霞渓周辺は全て岩山

寒霞渓で暫く休憩して補給食のお握りを食べるつもりでいたが、まだ空腹ではないので20分ほどの滞在で寒霞渓を後にし、さらに東へ、さらに上へと続く寒霞渓ブルーラインに入る。そして2kmほど進んだところで星ヶ城園地(ほしがじょうえんち)へと続く分岐路に差し掛かる。この先には何があるのか、道路はどこまで続いているのか分からず、7年前の車中泊旅行で立ち寄ったかどうかも覚えていないので、スマホで調べようとしたら電波は圏外。行くか行かぬかかなり迷った末、とりあえず時間には余裕があるので寄り道する事に。

寒霞渓ブルーラインを進む

また寄り道する

濡れた路面は自転車を担ぐ!

星ヶ城園地までの道の途中には前日の雨水?が流れている場所があり、そんな場所では自転車を担いで通過。タイヤを濡らすと自転車が汚れて帰宅後の洗車が面倒くさくなる。ロードバイクは室内保管という事もあり、どんなに疲れても帰宅後直ぐに汚れを落とさないと落ち着かない。何気に潔癖症で神経質な性格だと思う。

分岐路から500mほどで星ヶ城園地駐車場に到着。長々と登り坂を走らずに済んだのは良かったが、駐車場からは徒歩でないと進めない山道が続いていた。案内板によれば山道はいくつかの展望スポットに続いていて、小豆島で最も標高の高い星ヶ城山の東峰(817m)までは約0.6km。広い駐車場に車は1台も停まっていなく、マイナースポットな感じがするのでブルーラインへ引き返そうかとも思ったが、せっかくここまで来たのだから小豆島の最高峰まで登ってみようと、自転車を駐車場に置いて山道を歩く。

駐車場から先は徒歩

仕方なく片道0.6kmの山歩き

木々が密集する山道を歩く

星ヶ城東峰の祭祀遺構

駐車場から10分も歩かずに東峰に到着。大した山道ではなかったが、小豆島スカイラインで散々体力を消耗しているので息が上がった。そして古墳のような遺構があるのを見て車中泊旅行でも訪れていた事を思い出す。高台からの眺めは曇り空と霞んだ景色で相変わらず残念だが、周囲の木々に景色が遮られ元から眺めはあまり良くない。山歩きをしたら空腹になったのでここで昼食にしたいところだが、自転車のサドルバッグに入れてある食料は持ってきていなかった。

星ヶ城東峰からの眺め

誰か個人が立てたと思われる標識

遺構がある見晴台の手前には、背の高い木々に囲まれた祠がひっそりと佇んでいる。東峰阿豆枳神社(とうほうあづきしまじんじゃ)という、佇まいや名前からして妖怪や神様が登場するアニメに出てきそうな祠。とにかくこの雰囲気がいい。とりあえず、東峰阿豆枳神社があったので星ヶ城山東峰まで登って損は無かった、という事にしておく。星ヶ城西峰にもこれと対になる祠があることを思い出したが、これ以上山歩きをするのは面倒で駐車場へ引き返す。

東峰阿豆枳神社

個人的に東峰のハイライト

ブルーラインは星ヶ城園地との分岐路の直ぐ先で下り坂になり、南にある内海湾へ向けてひたすら山を下って行く。下り坂を疾走しながら食事をするのにいい場所はないかと探していたところ、観光施設の廃墟らしき建物を見つけたので立ち寄り、正面玄関前の階段に腰掛けて食事休憩。時間はちょうど12:00。建物内には沢山の椅子があり、玄関上のひさしに「太陽の丘ピースパーク」と書かれてある。後からネットで調べたところ元レストランだった。

内海湾へ続くブルーラインを進む

廃墟で食事休憩

食事を済ませて引き続きブルーラインを下る。昼になっても車の往来は非常に少なく、ストレスなく自転車の運転ができるのはいい。小豆島は海沿いも山間も景色の良い場所が多く(この日は天気のせいで良くなかったが)、車の交通量は比較的少ない(コロナが影響していない過去2度の訪問時も確かそうだった)ので、のんびり観光するにもサイクリングするにもいい場所だと思う。ただ、自宅の東広島からだと小豆島まで片道3時間半は掛かり、高速道路料金・ガソリン代・フェリー乗船料(人+自転車)などの交通費は往復で9000円前後になるので、いつでも気軽に行ける身近なサイクリングスポットではないのが惜しい。

ブルーラインから見える内海湾

曲がりくねった山道をひたすら下る

「十四番札所 清滝山 →」と書かれた標識が目に留まり矢印の方を見ると、切り立った岩山とそこに張り付くように建つ寺院が。小豆島の島四国八十八ヶ所霊場の札所だという事はとりあえず分かる。岩肌は穴だらけの軽石のような凹凸のある特徴的なもので、道路から見上げる岩山と札所の様相に興味を惹かれ立ち寄ってみる。

この看板が目に留まり

岩山に張り付く寺院発見

山門にネコさん

道路脇にある階段を上って山門をくぐり、木々に覆われた境内に入る。荘厳な雰囲気のある境内をサイクルウェアにヘルメットというアウトドアな格好でうろつくのは少々気が引けるが、こればかりは仕方がない。そして他の神社仏閣では目にした事のない物体を発見。垂直に切り立った岩壁にガラス張りの建造物が張り付いている。外からだと2階建ての展望台のようにも見える。鮮やかな朱色に塗られている事もあり違和感と存在感が凄い。一体何なんだこれは!?

特徴的な岩肌

岩壁にガラス張りの建造物

ガラス張りの建造物の下に門があり上まで階段が伸びているが、「この階段は登れません。右手の階段へお廻り下さい。」と書かれてある。何なのかさっぱり分からないが、とにかく別の階段から登れると分かりテンションが上がる。

「右手の階段」を登ったところ

洞窟のような階段道を進む

壁面にはお賽銭がたくさん

「右手の階段」を登ると建物の扉があり、「清滝山 不動明王」と書かれてある。扉を開けて中に入ると洞窟のような穴に階段が続いている。階段は手すりを境に上りと下りで分けられていてるが、日本の道路とは反対の右側通行。土足厳禁なので靴を脱いで階段を進んで行くと、外から見えたガラス張りの1階部分に出る。どうやら岩壁にできた穴をガラス窓で塞いでいるよう。洞窟かもしれない。ボコボコした壁面にはお賽銭が沢山はめ込まれている。ここが清滝山の堂内という事だろうか、よく分からないがとにかくインパクトのある空間だ。

ガラス張りの中に出る

上りと下りで別々の階段が設置されている

ガラス窓の空間には両端に階段が設置されていて、こちらも向かって右側が上り、左側が下りと指定されている。狭い空間に何故わざわざふたつの階段を設置して上りと下りで分けているのか、何故右側通行なのか、宗教的な意味合いがあるのかも知れない。下り階段だけ何故螺旋階段なのかも気になる。2階に上がると祭壇があり、天井には照明具(名称が分からない)がびっしりと吊るされていて何とも神々しい雰囲気。ただ、お守りや指輪やロウソクなどを沢山陳列して無人販売しているのを見て現実に引き戻された。ともあれ、ここは今回の小豆島サイクリングで一番の発見。

ガラス部屋2階部分

他にも清滝山境内を少し見て周ってから(ガラス張りの部屋の印象が強過ぎたので他は割愛)、ブルーラインをさらに下って行く。清滝山を出て直ぐに、小ぶりな岩山に寄り添うように建つ別の札所があったが、目に留まったもの全てに立ち寄っていたらキリがないので素通り。そして寒霞渓展望台から見えた、堤体の長いダムにたどり着く。内海ダムという2013年に完成した新しいダムで、車中泊旅行で2013年4月に訪れた時はまだダム湖に貯水されていなかった。ダム堤体から眺める寒霞渓の山々が印象的。

少し気になるもここは寄り道せず

内海ダムには寄り道

<< SCROLL    内海ダムから寒霞渓の眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

寒霞渓ブルーラインは内海ダムを過ぎると住宅が並ぶ平地を続き、やがて内海湾沿いを通る国道に突き当たる。ここでブルーラインは終わり。寒霞渓からここまで約15kmの道のりだった。ブルーライン終点の交差点を左に折れてさらに3kmほど進み、サイクリングの計画当初からの目的地だったマルキン醤油に14:00到着。

ソフトクリームを食べるためにマルキン醤油へ

とりあえず前回と同じ場所で記念撮影

初めて食すしょうゆソフト

何のためにマルキン醤油へ立ち寄ったのか、それは「しょうゆソフト」を食べるため!過去2度の小豆島訪問でいずれもマルキン醤油に立ち寄っていて、いずれもしょうゆソフトの看板が目に留まり気になるも、果たしてしょうゆ味のソフトクリームは美味しいのか、という疑問と不安が拭えず2度とも食べ逃していた。で、次に小豆島を訪れる時は絶対に挑戦しようと思っていたので、3度目の正直で今回遂にしょうゆソフトを食す。そして味の方はというと…醤油っぽい味ではなかった。ほのかな塩気とキャラメルのような甘さが混じったような味?大体そんな感じの味。ちょっと身構えていたので拍子抜けしたが、普通に食べやすい味で安心した。

それにしてもマルキン醤油がある一帯は醤油の匂いが凄い。到着直後は少々気になるも直ぐに慣れたが。それと、建物の壁や屋根はススで汚れたように真っ黒になっている。醤油の製造過程で酵母菌が揮発して建物に色をつけているのだろうか。そして一番気になった事と言えば、しょうゆソフトの看板が随分と劣化して古ぼけていた事。過去2度の訪問時に撮った写真と比べると明らか。現在は表面がひび割れ絵は色あせ、薄汚れてしまっている。かなりどーでもいい事ではあるが、何故かとても気になった。これが月日の流れというものかと。2週間後には42歳の誕生日を迎えるので、年月の経過による劣化や衰えというものに敏感になっているのかも知れない。

マルキン醤油の建物は真っ黒

2013年4月 → 2016年10月 → 2020年6月

しょうゆソフトを食べた後は、土庄港まで続く国道に入り西へ進む。本当ならマルキン醤油から山道を登って洞雲山(洞窟の中にある寺院で小豆島八十八ヶ所霊場第一番札所)へ立ち寄る予定でいたが、曇天ではイマイチ気分が乗らず(前回車中泊旅行で訪れた時も曇天だったので余計に…)、ボチボチ土庄港へ引き返す事に。途中国道沿いにある小豆島オリーブ公園へ帰りついでに立ち寄り、白亜のギリシャ風車が建つ小高い丘まで上がるも景色はやっぱり映えず、ちっとも面白くない。「ねぇ、今から晴れるよ」と言って快晴にしてくれる”100%の晴れ女”を呼びたい。

曇り空だと海岸風景も映えない

小豆島オリーブ公園の風車

土庄港まであと少しというところで「双子浦」と書かれた公園入口らしきものに目が留まり、何となく気になり最後の寄り道場所に。入口からは長い登り坂が続き、途中から完全な激坂となり面食らう。そしてたどり着いた高台の駐車場からは周辺の海岸風景を見下ろす眺め。

仕方なくまた急坂を登る

高台の駐車場からの眺め

長い石段が続く印象的な構図

石段下から神社を見上げる

高台には神社があり、海まで続くように延びる石段の参道風景が印象的。実際は海まで続いていないが。この石段から小豆島のランドマークのひとつであるエンジェルロードがよく見える。石段を下りた所が見晴らし台になっていて、ベンチに腰掛け少し休憩。想定外の急坂を登らされて結構疲れた。ここも快晴ならば見応えのある風景で気持ちのいい場所なんだろうなぁ…などと思いながらエンジェルロードを眺める。時間に余裕があればエンジェルロードへも行くつもりでいたが、こんな空模様なのでキャンセル。

干潮でエンジェルロードが姿を見せていた

次こそ快晴の日に小豆島サイクリングをしたい

走行時間

走行距離

土庄港に帰着したのが15:50。8時間ちょいのサイクリングで走行時間は約4時間と、観光等に費やした時間が意外と多かった。帰路のフェリーは最終便の18:30発に乗る予定でいたが、曇天でサイクリングを早めに切り上げたため16:30発のフェリーに乗船。時間を目一杯使わずもったいない事をした。今回の小豆島サイクリングの走行距離は約60kmと少なく、小豆島一周の半分程度という結果に。

所要時間も走行距離も予定より短いサイクリングとなったが、それでも小豆島スカイラインと寒霞渓ブルーラインを走ったので十分走った感はある。とにかく今回は天気が本当に残念だった。小豆島へはいつかまたサイクリングで訪れようと考えているので、次こそは快晴の下で寒霞渓や四方指からの眺めを満喫したいと思う。つまり次回も山登りサイクリングという事になる。がんばろう…