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たけはら町並み保存地区は平安時代に京都下鴨神社の荘園として栄え、江戸時代には製塩や酒造で栄えた場所。保存地区には昔ながらの日本家屋や由緒ある寺が残されている。保存地区のメインストリートである本町通りには電柱が無く、郷愁感漂う格子と白壁の町並みが続いている。「都市景観100選」という、日本全国から選定した高いデザイン水準を持つ町の1つに選ばれている。 |
本町通りにある旧笠井邸は、塩田の主が明治5年に建てた屋敷。無料で入館でき、1階と2階の各部屋を見学できる。建物は本町通り南東端の真正面に建っていて、2階の窓からは北西に延びる本町通りを眺めることができる。ただ、通りの先に見える白い鉄筋コンクリートの建物が惜しい。保存地区として取り組む前に建てられたものだろうか。 |
旧笠井邸 |
旧笠井邸1階 |
旧笠井邸2階 |
旧笠井邸2階から本町通りを眺める |
格子の並ぶ本町通りの町並みはとても心が落ち着く風景。初めてなのに懐かしい気持ちにさせる場所。竹の町だけに、通りを歩いていると軒下や格子に飾られた竹細工や竹の一輪挿しをたくさん見かける。 |
愛宕神社 |
小さなダルマがたくさん |
ダルマは長生寺で売られている |
笠井邸から本町通りを歩き始めてすぐ右手にある横道へ入ると、火伏せの神を祭った「愛宕神社」がある。社の中には小さなダルマが沢山並べられている。木の板に書かれた説明をざっくり要約すると、慶長15年に大火災が発生したり、元禄以降は3年に1回と多くの火災に遭い、火災の無いことを祈願して祀られた…との事。 |
愛宕神社の隣にある地蔵堂 |
長生寺本堂 |
境内側から山門を見る |
愛宕神社のある通りを少し奥へ入ったところにある長生寺。愛宕神社に置かれているダルマが長生寺本堂で売られている。本堂左手にある社の足元には、「見ざる・言わざる・聞かざる」のかわいい三猿の石像。そして社の格子戸から中を覗いてみると…表情や経年劣化具合が何とも言えない不気味さを漂わす木彫りの三猿が。いけないものを覗いてしまった気分。 |
本堂で売られているダルマ |
三猿が祭られている社 |
外の三猿はカワイイのに… |
社の中の三猿は恐い |
長生寺には「お抱え地蔵」という石のお地蔵さんがある。お願い事を祈願しながらお地蔵さんを抱え、思ったよりも軽く感じられたら願い事が叶う、という言い伝えがある。実際に持ってみると結構な重さ。願いが叶う人はそうそういないと思われ。 |
お抱え地蔵があるお堂 |
再び本町通りへ。本町通りは景観配慮のため電柱が撤去されスッキリとした町並み。それに必要以上に観光地化されていないので、この手の観光地でよく目にする観光客目当ての売店や飲食店が軒を連ねるような光景も無く、静かで落ち着いた「素」の安芸の小京都を散策する事ができる。 |
電柱の無い本町通り |
古い洋風建築もある |
竹原は酒造の町でもあり、本町通りに竹鶴酒造という名門酒造がある。ニッカウィスキー創業者の竹鶴政孝の実家でもあり、かなり有名な酒造らしい。資料館にもなっている。 |
竹鶴酒造 |
年期のある、これの名称が分からない |
竹原はアニメ「たまゆら」の舞台となっていて、町並み保存地区の風景がアニメ内で忠実に再現され、実在する飲食店や寺、行事なども作中に登場する。そんな訳でたまゆらが町興しに起用されている。元々竹原に来る観光客は年配者がほとんどだったのが、たまゆらがきっかけで若い人が沢山来るようになったらしい。 |
お雛様のイベントポスターにたまゆら |
お祭りのポスターにもたまゆら |
土産屋 梅谷 |
店名までそのまま |
店頭に出された色鮮やかな土産物で一際目立つ「梅谷」。綺麗でかわいい小物や置き物、伝統を感じさせる衣類や鞄など沢山の土産物が売られている。懐かしい町並みに溶け込んだお洒落な土産屋。アニメたまゆらに登場した店のようで、店の外にはセルDVDのジャケットイラストが飾られている。店名までそのまま。 |
許可を得て店内撮影をしています |
和がいっぱいの店内 |
市重要文化財になっている松阪邸という商家の邸宅の入口には、「ももへの手紙」というアニメ映画のポスター。どうやらたまゆら以外のアニメでも竹原の町は舞台となっているらしい。たけはら町並み保存地区は、1983年の映画「時をかける少女」のロケ地にもなっている。劇中の本町通りには電柱が立っていて、通りの雰囲気は現在のようにスッキリとした感じではないので、保存地区として整備される前に撮影されたよう。都市景観100選に選ばれている町並み保存地区は国からの支援整備があり、2022年まで電柱を埋没する整備や重要文化財の補修などが行われるらしい。 |
松阪邸 |
ももへの手紙の舞台にもなっている? |
町のいたるところに飾られている竹細工や一輪挿しなどの飾り。どれもお洒落で欲しくなってしまう。これらの飾りが古い町並みの景観を一層引き立て、またやさしい雰囲気を出している。 |
お好み焼き ほり川 |
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本町通りのほぼ中間地点に、ほり川というお好み焼き屋がある。店の正面はこじんまりとした綺麗な白壁の建物で、店内は外から想像するよりも奥に長く3部屋に分けられ、普通のテーブル席の部屋・鉄板付きテーブルに畳イスの部屋・座敷の部屋になっている。綺麗でお洒落な店。店内にはたまゆらの声優陣のサイン(多分)の入ったポスターが飾られている。何故なら… |
この店もたまゆらに登場していて、作中では「ほぼろ」という店名のお好み焼き屋。作中に出てくる「ほぼろ焼き」というお好み焼きを再現したメニューがあり、ネタとして注文したが1150円は少々高いかと。ネットでほぼろ焼きについて検索したら作中でも1150円だった。。 |
これは観光地価格だな… |
ほぼろ焼き |
ほぼろ焼きの他に、「たまゆらドリンクメニュー」なるものまである。4人のメインキャラをイメージしたドリンクのよう… もう勢いで「のりえちゃんのざっくりトロピカル」注文!何て注文し辛い(恥ずかしくて)名前。で、出されたドリンクを見てビックリ、ストロー太っ!中にナタデココが入っていてそれを吸うためだった。 |
たまゆらはもういいっ、竹原のご当地グルメを楽しみたいっ!と言うのであれば「純米吟醸たけはら焼」。酒造の町でもある竹原のこれぞご当地グルメ。生地に酒粕と日本酒を練りこんであるのでほのかにお酒の味がする。 |
ご当地グルメするならこれ |
純米吟醸たけはら焼 |
お好み焼きほり川の隣には堀川醤油店があり、時をかける少女の登場人物の自宅として劇中で登場している。映画は約30年も前の作品だからか、本町通りにロケ地案内的なものは無い。ほり川の前のT字路の角には、竹原の初代郵便局だった建物が残されている。本町通りに面した建物の中で一番古いのではないかと思うほど年季の入った建物。 |
堀川醤油店の看板 |
竹原の初代郵便局跡 |