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その3  1日目昼〜夜

 

山道の残雪は先に進むにつれ増えて行き、雪解け水が道に流れてぬかるんでいる、と言うよりグッチャグチャな所が多数。そして靴もグチャグチャのどろどろ…これはちょっと困る。そんなこんなで大沼池大蛇神社の鳥居から40分ほど歩いたところで、木道に建つ鳥居がある所に辿り着く。ここで道が分かれていて、鳥居の先は志賀山登山コース、もう一方は四十八池へ。志賀山登山コースにある志賀山・裏志賀山の山頂からは、志賀高原の山々を一望できて、大沼池や他のいくつもの池を見渡すことができる素晴らしい眺めらしいが、時間的にも体力的にも厳しい(この後入浴する立ち寄り温泉の営業時間に間に合わなくなる・2日目もちょっとしたトレッキング・そもそもほとんど寝てないのに更なる山登りは無謀でしょ!)ということで諦め、当初の予定通り四十八池へ。

鳥居の先は志賀山登山コース

四十八池(しじゅうはちいけ)

開けた湿地帯に木道がジグザグに延びていていい雰囲気の眺め。大小合わせて70前後の池があるらしい。池と言うより水溜りと言った方が合うような小さなものある。一部にミズバショウが沢山咲いている。…ん?池の数は70程度なのに名前は四十八?昔は48個だったのが増えたのだろうか?

木々の間から覗く四十八池

ミズバショウ

渋池(しぶいけ)

四十八池から先の道のりは下りが多く、ハイペースですたすたと進む。途中から砂利道になり、何キロも歩いてきた足に固い石が響いて疲れを感じつつも、30分ほどで渋池に到着。清水口から10km近く歩いてさすがに疲れが出てきた。渋池が池巡りコース最後の池。いい眺めだけど印象は弱く少し残念。大沼池や四十八池を見た後なので仕方ないか。渋池から「ひょうたん池」へ行く分かれ道があったが、どんな池なのか分からないし余計に歩く事になるので、少し気になりつつも予定通りの道を進む。

渋池から数分歩いて前山山頂。ここからサマーリフトで下りれば池巡りコースのトレッキング終了なのだが、時計を見るとまだ15:00と予定より1時間ほど早い。そこでひょうたん池に行ってみようかと少し考える。長距離を歩くのも山登りも久々でそれなりに疲れを感じてはいたが、せっかくここまで来たのだし天気もいいのだから歩こう!ということで、渋池まで戻りひょうたん池へ続く道へ入る。

前山山頂

山頂から眺める熊の湯温泉と笠ヶ岳

ひょうたん池(北側)

ひょうたん池(南側)

ひょうたん池(ひょうたんいけ)

渋池から砂利道を10分ほど歩くと木道に出る。木道の両側にある小じんまりとした池がひょうたん池。木道を挟んだ2つの池が上から見るとひょうたんの形に見える、という事は池の名前で分かる。周囲の景色を綺麗に映しているひょうたん池。ミズバショウもちらほら咲いている。来てそれなりによかったと思える池だった。

ひょうたん池(南側)と木道

ミズバショウ

ひょうたん池から先の道は思いっきり山道という感じで、足場の悪い岩場や狭い獣道のような所も。足も疲れてきて山道を歩くのも飽きてきたのでしんどい。ほとんど下り道なのが幸いなところ。道の途中で遥か先の山々を一望。北アルプス山脈だろうか、山肌にまだ雪が残っているのが見える。予定では1、2ヵ月後に北アルプスの「黒部立山アルペンルート」に行くつもりでかなり楽しみにしていたが、志賀高原の山道を歩き回ったから暫く山はいいかぁ…と、散々自然を恋しがっていたくせに1日で気が変わってしまう自分に少し呆れる。そんな事を考えながら30分ほど山道を下ってようやく車道に出る。そしてそのすぐそばにある木戸池に16:00到着。

山道はもういい…

志賀高原より低い所は曇っているようだ

↑池巡りコース(ちょっと延長)ここまで↑

木戸池

木戸池から車を停めた清水口まではだいぶ距離があるので、木戸池から清水口まではバスで移動しようと、停留所の時刻表を見るとバスは1時間に一本、しかも16:00以降は無い!?木戸池から清水口まで歩いたら1時間以上かかるぞ…ちょっと焦る。木戸池の目の前にあるホテルの従業員にバスの事を聞くと、バスの時刻表が載った志賀高原トレッキングマップのパンフを持ってきて、乗車時間と乗り換え方を丁寧に教えてくれた。よかった…バスはまだあった。停留所の時刻表は間違いor見間違いだったようだ。とにかくホッとした。バスが来るまでの30分ほど木戸池を眺めながら休憩。そして16:27木戸池発のバスに乗って蓮池まで行き、そこで別のバスに乗り換えて清水口へ。

車に戻ったのは17:00。池巡りコースのトレッキングを始めた10:30から約6時間半ほど車から離れていた事になる。車中泊の旅でこんなに長く車から離れていたのは初めてかも知れない。そして計15kmは歩いた。車中泊の旅で1日にこんなに沢山歩いたのも初めて。車を停めた場所は清水口のすぐ側にある清水公園の駐車場。駐車場の前に「志賀の雫」という湧き水が出ていて、午前中に来た時にはペットボトルやポリタンクに湧き水を入れている人が何人もいたので、自分も空になったペットボトルに水を入れる。そして晩飯と立ち寄り温泉を求めて草津温泉へ向けて出発。何だか1日が長い。

志賀の雫

真っ白な湯気が立ち昇る平床大噴泉

地面からも湯気

煙突からも湯気

木戸池から清水口までバスに乗って移動した道を通り過ぎ、道路際から立ち昇る真っ白い煙を発見。温泉の源泉が湧き出ている平床大噴泉に立ち寄り。2006年の能登半島一周の帰りにも寄ったけど一応。それから道路は志賀高原最高峰の横手山山頂付近まで上り、道路際から志賀高原を一望。なかなか雄大な景色が広がっている。

こんな景色がもっと身近にあれば…東京から信州までは微妙に遠い

弓池

日が傾いて伸びる影

またまた上り道

さらに湯釜にもついでに立ち寄る。ここも2006年の能登半島一周の帰りにも寄った場所。18:00を過ぎて日が傾き周囲の景色は影がだいぶ伸びてきた。以前に訪れた時は5月で、湯釜の側にある弓池は完全に凍結していたので、弓池本来の姿を見るのはこれが初めて。湯釜までは駐車場から伸びる坂道を歩いていくのだが、これが結構急で長い。もう上り道はうんざり…それでもせっかくなのでがんばって上る。しかし湯釜は影に覆われ暗くなっていた。影で暗くなった湯釜は少し不気味な感じ。それにしても本当に疲れた。クタクタのハラペコでヘロヘロ。木道やら山道やら1日中歩いてばかりで股関節が痛い。

日が傾き影に覆われた湯釜

19:00草津温泉のお目当ての立ち寄り温泉に到着。しかし入浴の前に空腹を満たす必要がある。と、温泉の目の前に小洒落たラーメン屋があったので入店。店を探しに歩き回る気力はもう無いし。「ステーキチャーハン」なるものを食べて温泉に入浴。温泉の湯は塩辛酸っぱい感じの味で目に入るとけっこうしみる。初めてだこんな湯は。温泉閉館時間の21:00まで1時間半ほど入浴してすっきり。そして入浴した温泉から歩いて草津温泉の中心にある湯畑へ。

入浴した立ち寄り温泉

草津の源泉湯畑。湯畑は地下から湧き出す高温の温泉を、木の桶の中を通して空気に触れさせて、人が浸かれる温度に下げるためのもの。なるほど、ただの観光用の見世物ではなかったのか。夜はライトアップされる。

ずらりと並んでいる木の桶

木の桶を通って流れ落ちる源泉

これで1日目は終了、お休みなさい…とは行かない。2日目最初の目的地の米子大瀑布を、翌日起床と同時に観光できるようにしたい。なので湯畑を見終わった22:00から再び車を走らせる。草津から米子大瀑布までは7、80kmくらい。夜間の空いた道路を淡々と走る。途中ふとナビを見たら、北西方面に向かう道を走っているはずなのに、真南に向かって進んでいる事に気づき、いつの間にか間違った道を走っていることに気づく。5kmほど違う道を走っていて、5km引き返して計10kmのロス…結構イタイ。それから暫く山道を走り続ける。米子大瀑布を見た後またこの道を走って戻らなければいけないのかと考えると少し気が滅入る。山道を登りそして下って、米子大瀑布の山道入り口がある小さな町に0:00到着。ここで力尽きて適当な所に車を停めて就寝。旅行1日目の走行距離は380.7km。思ったより少ない。

…予想以上に寒くて眠れないので、ヒーターで車内を十分に暖めてから消して寝る。しかし1時間くらいで寒くて目が覚める。燃料計を見るといつの間にか残り僅かになっている。ヒーターを点けっ放しで寝たら、今いる町から米子大瀑布までの往復+何処にあるか分からないガソリンスタンドまで走れるのか不安なので、仕方なく寒いのを我慢して気合で寝る。