千枚田の中を通る道路を走っていたところ、棚田の下方に何とも妙な形をした物体が。ふと迷路の町の観光案内所でもらったパンフレットを思い出す。小豆島と西隣にある豊島で行われている「瀬戸内国際芸術祭2013」のパンフレット。2つの島にたくさんのアート作品を展示するというもので、見てみるとこの妙な物体は「小豆島の光」というタイトルの作品。迷路のまちの「変幻自在の路地空間」や、醤油蔵通りの「天然醸造蔵ギャラリーステージ」も、同じく芸術祭の作品だった。なるほど、だから「〜ギャラリーステージ」なんて大げさな名前がついていたのか。

小豆島の光

ドーム裏手の通路

出口から中を覗く

遠目から見た感じで「小豆島の光」の中に入れそうなので、棚田を下りていきドームから長く延びた通路先端の入り口へ。しかし入り口は閉まっていて「9：30オープンです。 しばらくお待ちください。」との貼り紙が。ちょっと残念。裏手に回ると出口の通路があり、そちらは通路の奥まで進んでドーム内の直前で閉まっていたので、ドーム内を覗くことができた。ドームは竹を編んでつくられていて、その隙間から光が射している。何とも落ち着いた雰囲気の空間。最初外から目にした時はなんだこれはと思ったが、なかなかどうしていい作品だ。

オール竹製

棚田と小豆島の光

小豆島の光を見物してそろそろ夕焼けの時間になるのではないかと思ったのだが、まだ少し時間が早い上に日が沈む方の空はいつの間にか曇っていて、期待した夕焼けは見られなさそうだと諦める。まぁ、思わぬ発見があったので良しとしよう。次は八日目の蝉のロケ地。

作中では、千枚田の中を松明を持って棚田を練り歩く地元の祭事？のシーンが印象的でよく覚えている。それと個人的にとても印象に残ったのが、古い歌舞伎舞台。その歌舞伎舞台をひと目見ようと歩いて探すのだが、なかなか見つけることができない。千枚田にある案内図を見る限りすぐ側にあるはずなのだが…

棚田の上へ続く坂道を暫く上ってみても見つからず、案内図がある場所まで戻る。もう一度案内図をよく見てみると、案内図のすぐ裏手にある事になっている……………あれ、あった。一体何をどう勘違いして歩き回っていたんだ自分はっ！20分無駄歩きして汗かいて疲れたじゃないかっ、早合点の性格を何とかしたい…

中山農村歌舞伎舞台

歌舞伎舞台の向かいにある神社

やっとのことで見つけた歌舞伎舞台。舞台の手前は斜面の質素な見物席。確かに作中の舞台なのだろうけど、何か煮え切らない気分。このロケ地でのシーンの細部まで覚えていないからか、それとも撮影時とは何かが違うのか、無駄に歩き回ったからか、どうも煮え切らない。いずれにせよ、もう一度映画を観てみたい。……ということで、この旅行記の制作中に改めてＤＶＤをレンタルして見てみた。そして確かにこの歌舞伎舞台で間違いない事を確認。舞台向かいにある神社も映っていた。何だか凄くスッキリできた。改めて八日目の蝉を見てみると、映画のロケ地と知らずに観光していた場所がいくつかあったが、当然ながらそれ以上に立ち寄らなかったロケ地の方が多い。小豆島へ行く前に島が八日目の蝉のロケ地と知っていれば、ロケ地巡りに重点を置いて旅行計画を立てていたと思う。本当に失敗した…

中山千枚田で小豆島1日目の観光は終了。食事と入浴のため「迷路のまち」がある街へ向かう。中山千枚田から山を下っている途中、大きな観音が目に入る。気になるも時間が時間なので立ち寄らず。街に着いたのが18：30。食事の前に何となく迷路の町にある西光寺三重塔へ行ってみる。三重塔が建つ高台からの眺めは…別に何ともなかった。日中は雲ひとつ無かった空には大部分に薄雲が掛かっていて、予報通り翌日は曇りになりそうな空模様にがっかり。

車窓から見えた観音

日没後の迷路のまち

ふと、街の中にある水路の水位が昼に訪れた時よりも明らかに下がっていることに気付く。これは干潮、という事は今ならエンジェルロードを渡れるかもしれない。と思い行ってみると、予想通りエンジェルロードが姿を現していた。日没後で観光客は皆宿泊施設に戻っているのだろう、人の姿はほとんど無い。明るければエンジェルロードの先の小島を散策したり（できるのか？）するところだが、暗いので止めておく。