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その4 2日目朝〜昼

 

深夜になると気温がぐっと下がり目を覚ます。車に常備している登山用のズボンをジーパンの上から履いて、ブラケットを羽織って寝る。そして今度は寒さと空腹で4:00前に目が覚める。腹が減っては眠れないので、コンビニで弁当を買って車内で食べる。再度眠ろうと思ったが目が冴えてしまったので、2日目最初の目的地へ向けて4:20出発。

四方指展望台

(しほうざしてんぼだい)

小豆島の山間部にある美しの原高原の展望台から日の出を眺めようと、山間部を東西に延びる小豆島スカイラインを走る。真っ暗闇の山道は車の通りが全く無い。オリーブタウンから30分ほど車を走らせ高原の駐車場に到着。日の出を眺めるには時間が早いが、日の出の時刻が分からない。事前に調べておかなかったのは本当に失敗だった。それでも少しくらい仮眠しても大丈夫かな、などとあれこれ考えているうちにウトウトして…

四方指展望台から

遠くの景色は霞んでしまっている

いつの間にか眠ってしまい、目を覚ますと5:30を回り空がだいぶ明るくなっていた。慌てて外に出ると既に太陽は山の背後から出ていたが、雲に掛かってほとんど見えない状態。少し待って雲の隙間からやっと太陽が顔を出す。どのみち日の出を見られるような天気ではなかった。ここからは本来小豆島南側の海岸風景を一望できるのだが、生憎の天気で景色は霞んでしまい残念な眺め。そしてもうひとつ残念な事が。四方指展望台とは、正確には自分が朝日を眺めた場所ではなく、その少し奥にコンクリート製の展望台がある事をこの旅行記制作時に知る。まぁどうせ曇りで満足に景色を眺められなかっただろうからいいさ。

もう少し日が高くなれば霞んだ景色も少しは晴れるのではないかと思い、まだ寝足りない感もあるのでもう一度車内で仮眠。1時間半ほどで目を覚まし7:30を回っていたが、結局遠くの景色は霞んだままでがっかり。次の目的地の寒霞渓へ向かう。四方指展望台へ向かう時は暗くて分からなかったが、小豆島スカイラインは木々に囲まれ程よくアップダウンが続く運転の楽しいワインディングロードだった。

小豆島スカイライン

寒霞渓

(かんかけい)

どうせいい景色は望めないのだろうと思いながらも寒霞渓の展望スポットへ行ってみると、四方指展望台から眺めた時よりも青空が広がっていた。しかし遠くの景色は霞んだまま。それでも2日目はずっと曇り空になると思っていただけに少しやる気が湧いてくる。

寒霞渓からの眺め

寒霞渓にはロープウェイの駅があり、食堂や売店もありメジャーな観光スポットのよう。駐車場の脇から散策路が延びていて、奇岩などの「裏八景」というものを見て回れるもので少し気になったが、片道1.8km歩く気力は無いのでヤメ。結局あまりやる気が無かった。

星ヶ城園地

(ほしがじょうえんち)

寒霞渓から小豆島南部の海沿いに向けて山道を下り始めて直ぐに、「星ヶ城園地」と案内板が目に留まる。ドライブマップで確認してみると標高が817mあり、四方指展望台や寒霞渓よりも高いので立ち寄ってみる事に。横道に入って少し進むと駐車場に着くが、車は一台も停まっていない。駐車場の雰囲気からしてマイナースポットの予感… 遊歩道入り口の案内図を見ると、遊歩道は途中から東西に分かれていて、それぞれ片道3、400mくらいで道中に神社や遺跡らしきものがあるようなので、少し迷ったが散策してみることに。寒霞渓の裏八景の方へは行かなかったのでその代わりということで。

とても癒される空間

駐車場から続く遊歩道を300mほど歩くと東西に続く分かれ道。まず東の道を進む。遊歩道は細く背の高い木々に覆われ、木漏れ日が沢山差し込んでいる。静かな森の中でいろんな鳥の囀りだけが耳に入ってくる。とてもいい雰囲気で歩いていて気持ちがいい。こういう場所で自分以外誰もいない静かな状況、というのが結構好き。目に見えるもの聞こえるものの自然全てを独占している気分になる。一応釈明しておくが決して寂しい人ではない、はず。

東峰阿豆枳神社

のんびり木々の中を歩いていくと、簡素な木の柵に囲まれた祠を発見。石積みの上に置かれた祠は綺麗で真新しい感じだが、うっそうと茂った木々の黒い影の下で木漏れ日を浴びた祠と、祠ひとつに対して周囲の木々をまたいで大きく囲われた敷地など、妙な神々しさと存在感がある。本当に印象的な光景。祠がひとつあるだけだがこれでも神社で、「東峰阿豆枳神社(とうほうあづきじまじんじゃ)」という読みの難しい名前。

阿豆枳神社のさらに先へ進むと木々を抜けて景色が開け、石積みの遺跡のようなものが。海外の遺跡のような形をしている。「祭祀遺構」というもので、「〜城が築かれる以前の古い祭祀の遺構とおもわれる」と説明書きがあるが、さっぱり分からない。って、こんな山の上に城があったの?

展望地にある祭祀遺構

人物対比

祭祀遺構がある場所が展望地となっているが、相変わらず景色は霞んでいるのと、手前に木々が茂っているため眺めはよくない。星ヶ城園地東側には東峰阿豆枳神社や祭祀遺構以外にも、井戸の跡や外敵から守るための壕などの跡があり、やはり昔ここに城があったようだ。それにしても、黒い大きな蜂が何匹もブンブンと音を立てて自分の周囲を飛んでいるので気が散る…

祭祀遺構からの眺めはよくない

祭祀遺構から東西の分岐点まで戻り、そのまま直進し星ヶ城園地西側へ。するとまた祠が。今度は石積みで囲われていて、祠はこちらも新しく東峰阿豆枳神社と全く同じもののよう。名前は「”西峰”阿豆枳神社」と、東峰と対になった神社らしい。ミステリー系の小説やアニメなんかの設定にありそうな感じ。対になった神社の祠の位置関係が悪く土地に悪影響を及ぼすとか、片方の祠を悪戯したり撤去した結果もう片方の祠から祟られたりとか、オヤシロ様とか…

西峰阿豆枳神社

西峰阿豆枳神社前の展望地

西峰阿豆枳神社の前が展望地になっていて、こちらは東側の祭祀遺構の方と比べて景色が開け眺めがいい。それだけに景色が霞んでいるのが勿体無いが、それでも天気予報では曇りだったので青空が出ているだけありがたい。東西合わせた星ヶ城園地の散策に約1時間。たまたま見つけて何となく立ち寄ってみた場所が、結構な穴場で楽しむことができた。

展望地から小豆島南部を一望

星ヶ城園地から山を下って海へ向かう。時間は10:00を過ぎているのに車の通りは非常に少ない。昨日訪問した醤油蔵通りのお祭り以外にGWらしい混雑には遭遇しておらず、むしろ平日かと思うほど空いている道や観光スポットの方が多い。基本的に小さな離島はそんなに混雑するものではないのかもしれない。

道の途中にあった沼

途中、コンクリート製の大きく長い壁があり何かと思ったら、建設中のダムだった。提体は完成しているようだが貯水部分がまだのよう。貯水されていないダムの珍しい光景に少し興味を惹かれ、提体の上を中心辺りまで歩いてみるが、特に変わったものはなかった。

建設中のダム

ダム提体から

釈迦ヶ鼻園地

(しゃかがはなえんち)

山を下りて島の南岸に出て、西へ進んでオリーブ公園を通り過ぎ、三都半島を西海岸側の道路から入り、半島南端にある釈迦ヶ鼻園地へ向かう。海岸沿いの集落を通り抜け、細い道を暫く走り続けてようやく到着。目的は園地内にある地蔵埼灯台。半島最南端にある灯台、というシチュエーションに弱い。釈迦ヶ鼻園地の駐車場に車を停め、一旦海岸手前まで下りて灯台へ続く道へ入る。

釈迦ヶ鼻園地

山歩き疲れた…

施錠されて入れない

釈迦ヶ鼻園地から灯台までの道のりはずっと上りで、思ったよりも長くて疲れる。どうも気分が上がらず歩くのが面倒で余計にしんどい。車で灯台の目の前まで行くこともできるので、最初から車で行けばよかったと後悔。と、途中で灯台敷地内の入り口があり到着したと思ったのだが、扉は施錠されていて入れない。なんで…余計に疲れた。

結局入れない…

そんなでやっと辿り着いた灯台は、残念ながらやはり敷地内に入ることはできず。敷地の外に木造の見晴台があるのだが、木々が邪魔で海も灯台もイマイチよく見えない。わざわざ歩いてきたのになんだかなぁ… 空一面には薄雲が掛かり始め余計にテンションが下がる。そして腹が減った。

展望台から眺める地蔵埼灯台

オリーブ公園の方へ戻るため、今度は三都半島東海岸沿いの走路を走らせる。パッとしない地蔵埼灯台の眺めを見るためだけに三都半島を一周することに。それでも晴れていればまだよかったのだが、雲に遮られ日は射さなくなり、映えない海岸風景を眺めながら淡々と車を走らせるハメに。つまらないなぁ…