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その5  2日目昼〜夕方

 

再びオリーブ公園の前を通り東へ向かう。かなり空腹だったので手頃な飯屋かうどん屋はないか探しながら。昨夜食べたうどんのようなおいしいうどんが食べたいな、と思っていたら、建物の壁に大きく「うどん」の文字。ここでいいかと店に入る。ちょうど昼時なのに客が1人もいないのはたまたまだろうということで、お勧めメニューらしい「瀬戸安芸うどん」を注文。出てきたうどんはボリュームが微妙。そして麺のこしが弱い。決して悪くはないのかもしれないが、昨夜食べたます屋のうどんとくらべてしまうと不満さえ感じてしまう。もう1度ます屋でうどんが食べたいと思った。

瀬戸安芸うどん

小豆島八十八ヶ所霊場の第一番札所である洞雲山が、洞窟の中にある特徴的な寺であることと、四国遍路を経験した自分としては小豆島の第一番札所がどんなものか気になるということもあり、洞雲山へ向かう。が、道を間違えて第三番札所の観音寺に着いてしまう。折角なので境内をチラッと覗いて、駐車場前の神社で境内を掃除していた人に洞雲山への道を尋ねる。その時に「ビートたけしの井戸を見に来たのかと思った」と言われ、何の事か尋ねると、神社のすぐ先に瀬戸内国際芸術祭でビートたけしが担当した作品があるとの事。パンフレットで確認してみると、井戸の中から骸骨のような顔が出てくるというもの。ビートたけしということで少し気になったが、井戸から出てくるのは決まった時間だけらしく、次は1時間以上先との事なので諦める。

観音寺境内

洞雲山へ続く道

神社で聞いた通りに道を進むが洞雲山への道は見当たらず、通りがかったホテルのフロントで道を尋ね、醤油蔵通りにある商店でも道を尋ね、やっと洞雲山へ続く道に入る。こんなに道に迷うなんて珍しい。持参してきた全日本地図や小豆島のドライブマップには細かい山道までは載ってなく、車にカーナビを載せていないので自分で調べることができなかった。やはりカーナビはあったほうがいい。

醤油蔵通りの北端辺りから横道に入ってすぐに、等身大のお遍路さん人形が。どうやらこの道で間違いなさそうだと一安心。そして隣には浴衣を着た顔がオリーブの人形。「みんな元気だオリーブ家族」 オリーブの品種名が家族の名前になりました… マンザパパにルッカママに… なるほどなるほど。

洞雲山

(どううんざん)

細く曲がりくねった山道をしばらく上っていくと、第一番札所洞雲山の参道入り口にたどり着く。駐車場は無く入り口前に少しスペースがあるだけで、そこに車を停める。と、車が上から垂れる葉に触れて尺取虫がフロントガラスにポロポロと… 100mほどの参道を歩いて境内へ。

境内入り口

境内

第一番札所なので複数のお遍路さんが参拝していると思いきや、境内に人の姿は無く静まり返っている。四国霊場でいう札所らしき建物にも寺の人の姿が無い。ここまで小豆島観光をしてきてお遍路さんの姿は滅多に見かけなかったので、巡礼者の非常に多い四国と比べて小豆島の方は盛んではないようだ。そもそも小豆島八十八ヶ所霊場の存在を知っている人が少ないと思われ。四国八十八ヶ所を経験した自分でさえ小豆島に来るまで知らなかった。

仙齢窟

見上げてみる

境内を奥へ進んでいくと、岩肌にできた巨大な裂け目のような洞窟「仙齢窟(せんれいくつ)」があり、その中に高床のお堂がある。これはかなりインパクトのある光景。この存在感と神々しさは本家四国の第一番札所霊山寺を遥かに凌いでいる。参拝者でない者が気安く入ってはいけないような雰囲気さえするが、階段をのぼって誰でもお堂の中へ入ることができる。中もとても神聖な雰囲気。

階段の途中にある祠

仙齢窟から外を眺める

お堂

お堂の足場部分にも入り口があり、奥へ続く階段を上っていくとお堂内部の裏手に出る。内部に1ヶ所窓があり、覗いてみると大きな洞窟の穴と外の景色。二十四の瞳映画村がある半島状の陸地がちょうど洞窟の穴に収まって見える。なかなか印象的な眺め。曇りなのが本当に残念。

足場部分の入り口

小さな観音がある

外の景色が見られる

碁石山

(ごいしやま)

洞雲山の参道入り口から車道はさらに上へ続いていて、第二番札所の碁石山まで行くことができるのでついで立ち寄る。こちらは十分なスペースの駐車場があり、隣が広場のようになっていて弘法大師像がある。駐車場周辺だけ見ると洞雲山よりも碁石山の方が第一番札所的な雰囲気。本堂へ続く階段からは、醤油蔵通りのある港を一望。曇り空が本当に恨めしい。本堂の中は洞窟になっている。洞窟内の写真は一枚も撮っていなかったので、撮影禁止だったと思う(もう覚えてない…)。

弘法大師像

本堂へ続く階段

本堂

ものすごく傾斜のきつい石段

本堂へ続く階段の途中にやたらと傾斜のある石段が上にまっすぐ延びている。石段の真ん中にある鎖をつたって一番上まで登っていくと、険しい岩肌の断崖に建つ不動像。そこからの眺望も本来ならいいものなのだろうが、どんよりとした曇り空で残念な眺め。景色を楽しむのがメインの旅行で天気が悪いと、もう本当にどうにもならない、テンション下がる…

断崖の上の不動像

碁石山を出たのが15:00。観光する場所はもうないのだが、最後にやっておくことがひとつ。小豆島北側の道路をぐるっと走って、小豆島を一周した事にする必要がある。そうしないと旅行記のタイトルを「小豆島一周」にできない。という事で、まだ走っていない北側道路を東から西へ半周。しつこいようだが曇り空で、空も海も灰色の景色で車窓からの眺めはちっとも楽しくない。途中で眠くなったので車を停め1時間ほど車内で仮眠。そして再び車を走らせ、食事のためオリーブタウンへ行きうどん屋に入ったのが17:00。小豆島を出る前にもう1度ます屋のうどんが食べたかった。今度は天ぷらおろしうどんを2玉で注文。690円。やっぱり麺がうまい。

天ぷらおろしうどん

フェリーから眺める夕日

夕日に向かってばかやろー

食後は土庄港へ行き、18:10発のフェリーに乗船。出航し船室から外に出てみると、ちょうど雲間から夕日が顔を出し始める。2日目は午後から曇ってしまったが、とりあえず夕日だけは見られたからまぁいいか、とはいかない。晴れない気持ちのまま小豆島を後にし、19:20新岡山港着。国道を淡々を走らせ22:20帰宅。