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その5  2日目昼〜夜

 

天橋立ビューランド

(あまのはしだてびゅーらんど:京都府宮津市)

11:00に天橋立の北側まで進み、そのままさらに10km走って天橋立の南側へ回りこむ。天橋立観光は北にある展望スポットの傘松公園と、南にある展望スポットの天橋立ビューランドの最低2ヵ所は立ち寄る予定でいて、少しでも帰路に近い南側に車を停める事にした。混雑気味の道路を進み、駐車する予定だった天橋立ビューランド側の有料駐車場へ行くが満車。何となく予想はしていた。日本三景のひとつで連休中ともあれば混雑するのは当たり前。

住宅地に列をつくる駐車待ちの車

出庫が面倒な場所に誘導された

道路脇にあった別の駐車場の案内板に目が留まり、それに誘われ細道に入ると民家が軒を連ねる住宅地で、それぞれの家が空きスペースを利用した駐車場を運営していた。何処も駐車料金は1日500円と一律。狭い道路に車の長い列ができていたので駐車するまで時間が掛かると思ったが、思いの他次々と車は家々の空きスペースに誘導され、直ぐに自分の番に。しかし自分が誘導されたのは奥に細長い敷地の一番奥で、車をバックで出庫するのが少々面倒な場所。この混雑した状況で駐車場所を選んでもいられないので仕方ない。

リフトの隣にモノレール

天橋立ビューランド

車から折りたたみ自転車を出し、天橋立ビューランドのモノレール・リフト乗り場へ。実は自転車の鍵も自宅に忘れてきてしまったので、折りたたんで自転車置き場の奥に目立たないように置く。今回の旅は忘れ物ばかりだ… 乗り物の利用料金は往復乗車と入園料込みで大人850円のところ、JAF会員割引で800円になった。些細な割引でもしっかり有効利用しないともったいない。モノレールよりもリフトの方が待たずに乗れて開放感もあるので、リフトに乗車。そして5、6分で天橋立ビューランドに到着。ここは高台にある遊園地で、「飛龍観」と呼ばれる天橋立の眺望を見られる展望スポット。ここに訪れる人の多くは展望が目的で遊園地で遊んでいる人は少ないだろうと思ったが、意外と小さな子供連れが多く園内は賑わっていた。

天橋立ビューランドからの眺め

園内のビュースポットからは天橋立と周囲の景色を一望。6年前に初めてここを訪れた時は、曇り空で景色が映えずガッカリした事を覚えているが、今回は文句なしの快晴に恵まれ絶景を堪能。旅行前から特に天橋立観光時の天気をずっと気にしていたので、念願だった青空が広がる風景を見ることができて肩の荷が下りた気分。

飛龍観

天橋立東側の砂浜

天橋立は流水によって砂が堆積された砂州で、南北に約3.6km続いている。天橋立の南に位置するビューランドからの眺めは、逆さまに見ると天と地が逆になり龍が天へ舞い上がる様に見える事から、飛龍観と呼ばれている。ビュースポットには、後ろ向きに股を開いて逆さに天橋立を覗くための「股のぞき台」がいくつか設置されている。実際に逆さに見て天へ舞い上がる龍に見えるかと言われればかなり微妙だが、股のぞきという見方はおもしろい。

股のぞきで飛龍観を見る

この後向かう傘松公園が見える

ビュースポットからは視界の広いパノラマ風景を見渡す事ができ、本当に眺めのいい場所。暫くここで景色を楽しむ。しつこいようだが快晴に恵まれて本当に良かった。どんな風景でも、快晴で空も海も青く明るい時と曇りで灰色掛かった時では全く違う風景に見えてしまう。

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天橋立を挟んだ対岸の山の中腹には、この後に天橋立を渡って向かう傘松公園が見える。傘松公園からは「昇龍観」と呼ばれる、飛龍観とは全く異なる天橋立の風景を眺める事ができる。

約30分間飛龍観の眺めを堪能し、再びリフトに乗って下山。下りのリフトからも天橋立を真正面に見る事ができていい眺め。

下りのリフトからの眺め

天橋立

(あまのはしだて:京都府宮津市)

自転車に乗って天橋立の入口へ移動。入口手前にある飲食店や土産物屋が並ぶ通りは観光客が多い。時間は12:00をまわり空腹になってきたので、今日こそは昼ごはんを食べようと辺りの店を見回すが、何処も混雑している様子。そんな中、客の出入りがほとんど無く、海鮮丼や懐石料理を出す品のある佇まいの店に目が留まり入店。車中泊旅行で上品な店に入る事は滅多に無いが、今回はとにかく何処でもいいので食事処で食事をしたかった。そしてメニューに当店人気No.1と書かれた海鮮丼を注文。量は少々足りなかったが普通においしかった。旅行1日目は昼食を食べる事ができなかったが、無事2日目はちゃんとした食事をすることができ、ご当地グルメをすることもできた?ので満足。

天橋立入口

海鮮丼1400円

腹がほどほどに満たされたところで天橋立サイクリング開始。天橋立入口の先に架かる廻旋橋を渡ったところで、ちょうど廻旋橋の回転が始まったので見物。橋がゆっくりと90度回転して止り、船が通過して行った。廻旋橋の直ぐ先にある大天橋という、もうひとつの橋を渡って天橋立に入る。

廻旋橋

廻旋橋が90度回転

天橋立は言わずとも知れた日本三景のひとつ。他の2ヵ所は宮城県の松島と広島県の宮島。日本三景は昔から詩歌に詠まれ絵画に描かれていた場所らしい。それから天橋立は日本の道100選にも選ばれている。日本の特色ある優れた道路が選ばれるらしい。天橋立は徒歩以外に自転車と125cc以下のバイクが通行可能。レンタサイクルも行われている。

日本三景

松の木に囲まれた天橋立の道

日本の道100選

天橋立の道は基本的に砂利道。そして観光客が多いので自転車での通行はゆっくりと。日本三景であり日本の道100選でもある道を自転車に乗って通行するのは何だか気分がいい。ただ、松の木に囲まれた道は外の景色があまり見えず、松並木がずっと続くので単調。なので一度道を外れて東側の砂浜に出てみる。天橋立ビューランドから眺める砂浜は特徴的な形をしていたが、実際砂浜の上に立ってみると普通だった。

砂浜に出てみる

自転車で天橋立を進む

橋立明神

磯清水

天橋立には、神社・湧水・複数の碑などの見所が点在している。それらのいくつかに立ち寄りつつ、松並木をのんびりと進んでいく。前回曇り空の下で天橋立を通った時はあまり通行人はいなかったが、今回は連休中の晴れの日とあって通行人が非常に多い。天橋立の松並木道は約2.5km、天橋立ビューランドから傘松公園のリフト乗り場までが約4km程なので、時間に余裕があれば歩きでも観光できる。

軍艦の大砲

淡々と松並木を進む

傘松公園

(かさまつこうえん:京都府宮津市)

傘松公園のケーブルカー・リフト乗り場に13:15到着。やはりここでも自転車置き場の一番奥に、目立たないように駐輪。そしてこちらでも直ぐに乗車できるリフトを利用。料金は往復660円と、天橋立ビューランドよりも僅かに安い。ただしJAF会員割引は無かった気がする。そして、天橋立ビューランドと傘松公園の両方の乗り物を往復乗車できる「二大展望所めぐりチケット」なるものが1200円で売られていたことを後から知る。旅行計画時のリサーチが甘かった。

リフトで傘松公園へ

傘松公園からの眺め

天橋立の北に位置する傘松公園からの眺めは、「斜め一文字」と呼ばれる細長くシンプルなかたちをしている。くの字のようなかたちに見え特徴的な砂浜も見られる天橋立ビューランドからの眺めとは対照的。ここからの眺めは「昇龍観」とも呼ばれ、逆さに見ると龍が天に昇って行くかのように見える、ということらしい。ここにも股のぞき台があり、傘松公園が股のぞき台発祥の地とのこと。アラフォー男が1人で股のぞき台に立つのは少々恥ずかしいのでここでは止めておいた。それにしても、「飛龍観」と「昇龍観」は字は違えど内容は一緒な気がする。

昇龍観

傘松公園の様子

傘松公園の東端には、冠島沓島遥拝所という鳥居がある。鳥居から海を眺めると遠くに小さく島が見える。これが冠島(かんむりじま)で、それより少し北にはさらに小さく見える沓島(くつじま)がある。傘松公園から北東に約25km先にあるので、本当に小さく見える。説明書きをかなり雑にかいつまむと、昔から神聖な島として特別視されて来た島。

冠島沓島遥拝所

冠島

傘松公園には「スカイデッキ」という円形のウッドデッキの展望台があり、さらにそこからガラス張りの空中廊下が伸びている。展望スポットのつくりとしては、遊園地になっている天橋立ビューランドよりも傘松公園の方がいいと思う。それと、以前訪れた時は天橋立ビューランドからの眺めの方が見応えがあると思い、傘松公園からの眺めは質素過ぎて物足りないと感じた。しかし晴天の下で今回再び両方から眺めてみたところ、傘松公園の「斜め一文字」の方が印象的で惹かれる風景だと感じた。風景の感じ方が変わったのは天候によるものか、それとも年を重ねた事による感性の変化か。きっと後者じゃないかと思う、多分。

<< SCROLL    スカイデッキの空中廊下からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

それにしても暑い。この日は前日以上に気温が高く、そして山の中腹にある傘松公園は格別に日差しが強くて暑い。いつまでも景色を眺めていたら熱射病になってしまいそうなので、30分程の滞在で切り上げて下山のためリフト乗り場へ。実は傘松公園からバスを利用してさらに山の上へ行けば、成相寺というお寺と展望台がある。天橋立初訪問時は曇り空で景色が良くなかった為、成相寺へは行かなかった。今回は時間と気分に余裕があれば行くつもりだったが、暑さによる疲れで面倒になり中止。傘松公園よりも劇的に眺めがいいという訳でもないだろうし…と妥協してしまった。旅する欲求と積極性が、年と共に肥大する怠惰と消極性に負けた。

ちなみに、天橋立には「天橋立四大観」という計4ヵ所の絶景スポットがある。南に位置する天橋立ビューランドからの「飛龍観」、北に位置する傘松公園からの「昇龍観」、東に位置する獅子崎稲荷神社からの「雪舟観」、そして西に位置する大内峠一字観公園からの「一字観」。前回天橋立観光をした時は一字観以外の3ヶ所を観光していて、今回は可能であれば4ヵ所全てを周ろうと考えていた。しかし暑さによる疲労に加え、帰路を考えると時間的に厳しくなりそうなので、結局は天橋立ビューランドと傘松公園だけになった。まぁそれでも今回は晴天の下天橋立観光ができて本当に満足できた。

下りのリフトからの眺め

再び天橋立を渡る

傘松公園をリフトで下りたのが13:50。それから自転車で再び天橋立を渡り、駐車場に停た車へ戻ったのが14:15。天橋立をサイクリングして2つの展望スポットを周る観光に要した時間は約3時間、自転車の走行距離は約8kmだった。

走行距離

天橋立から自宅までは400km近くあるので、やはりこれから天橋立四大観の残り2ヵ所を周るとなると、帰宅は恐らく24:00前後になってしまう。翌日は仕事があるのでそれはしんどい。ということで、これで今回の旅の観光は終了。

最寄の宮津天橋立ICから京都縦貫自動車道に入り、少し走って綾部Jctで舞鶴若狭自動車道に入る。三連休最終日の昼過ぎという時間帯ながらも、車の流れは良く順調に進む。…と思っていたのも束の間、途中で渋滞にはまりロノロ運転。30以上経っても渋滞が解消される気配は無く、そろそろしんどくなってきたという所で、吉川Jctで中国自動車道へ移るようカーナビの案内があり、やっと渋滞を抜ける。それから直ぐに神戸Jctで山陽自動車道に。このように高速道路をいくつも経由する場合は、カーナビが案内してくれると本当に助かる。Jctの分岐で間違った方へ入ってしまうと、次のICで一度高速道路を出てまた入って、間違ったJctまで戻って…と、時間も高速料金も労力も無駄に消費する事になる。車中泊旅行でもそのような経験を2、3度はある。今回は間違えずに広島県まで進み(途中3回ほどSA・PAで休憩)、自宅最寄の西条ICが近づいてきたところで電光掲示板の渋滞情報が目に入り、渋滞を避けるためにひとつ手前の高屋ICで高速を下りる。そしてスーパーに寄って酒と肴を買い込み、いつも利用しているガソリンスタンドに寄って給油満タンにし、帰宅したのが20:00。サッと荷物の片付けと洗濯を済ませ、旅で撮った写真を見ながら晩酌を楽しむのであった。