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2011年3月18日 3日目 (曇り)

カッパドキア

 

カッパドキア

6:00にモーニングコールで目を覚まし、窓から外を覗くと生憎の曇り空。日本を出国する直前にインターネットでトルコの週間天気予報を調べたところ、18日から曇りが続き、22日からは曇りのち雨となっていたので、この先の天気が心配。現地ガイドのケナンさんの情報によれば、旅行中にまとまった雨に降られる事はおそらく無いだろうとの事だが、出来れば観光中は晴れて欲しいところ。

朝食を食べにホテルのレストランへ。旅行中の朝食は全てビュッフェなので写真は撮らず。テラスで食事をしていると、少し離れた場所から次々と熱気球が上がり始める。あっちからもこっちからも、結構な数。そのうちのひとつが、搭乗者の顔が分かるくらいにホテルに接近。気球に向けて手を振ると向こうからも手を振ってくれた。翌日の朝にバルーンツアーに参加するので、翌日こそは是非とも晴れて欲しいと切に願う。

 

スリーシスターズ

カッパドキア一発目の観光はスリーシスターズ。頭のついたような細長い岩が三本。一見2本に見えるが、よく見ると片側に背の低い岩がくっついている。こんなものが長い年月浸食されて自然に出来たというのだから不思議。スリーシスターズの見物スポットである高台からは、浸食により丸みのできた岩々の地形が広がる眺め。前日の博物館やパッとしない遺跡よりもこういう場所を観光したかったのだ。それだけに曇り空なのが本当に惜しい。

スリーシスターズ

独特な地形が広がっている

スリーシスターズの駐車スペースの片隅で、桜の木らしきものを発見。桜…だよな、多分。それとも桜に似た全く別の花?パンフレット等でトルコの気候について見てみると、トルコの3月は平均して東京よりも若干寒い事になっているが、この日は長袖のシャツ一枚でもいいくらいの暖かさ。桜が開花しても不思議ではない気温。

左手ちょい失敗(笑)

桜??

ブレた…

 

カイマクル地下都市

スリーシスターズからバスで少し移動して、次は地下都市の観光。カッパドキアには地下都市が大小合わせて約300もあるというのだから驚き。観光するカイマクル地下都市は、キリスト教徒がイスラム教徒の迫害から逃れるために身を潜めたという、巨大な地下都市。約15000人が生活していたとか。それだけ大規模な地下都市がいつ造られたのか、地上の人間に気付かれぬようどうやって造ったのか、穴を掘って出てくる大量の土砂はどうしたのかなど、未だに解明されていないらしい。

カイマクル地下都市入口

地下都市の中は少しひんやりと涼しい。夏場は外よりも涼しく、冬場は逆に外よりも暖かく過ごしやすいとか。カイマクル地下都市は数あるカッパドキアの地下都市の中でも特に大規模で、中は迷路のようにかなり入り組んでいるので、順路に従って進まないと迷子になってしまう。地下8階まであり、そのうち観光できるのは地下4階まで。頭上が低いところが多いので、背の高い人は十分注意しないと痛い目に遭う。

敵が攻めてきた時に通路を封じる丸い扉

ワインか何かの貯蔵庫だった気がする

都市と言うだけあって、ワイン製造所や貯蔵室、食堂、寝室、教会など、生活に必要なあらゆるものが備わっている。垂直に何十メートルも延びる通気口まである。大昔によくこれだけのものを造ったなと感心してしまう。

無数にある部屋

上下に延びる通気口

こんなに狭い通路も

所々非常に狭い通路もあるので、閉所恐怖症の人と過度に肥満な人は観光不可。ケナンさんによると、以前肥満な観光客が狭い通路で挟まってしまい、後からやってきた観光客で都市内が大渋滞して大変な事になったらしい。笑えるけど笑えない話。

観光地には必ずお土産売り場が並んでいる

何だか中近東らしい光景

地下都市の観光後はトイレ休憩&お土産タイム。観光地の前にお土産売り場が軒を連ねるのは万国共通らしい。あちこちから片言の日本語で呼びかけている。「コンニチハ〜 10個でセンエン」とか。ちなみにトルコでは日本円がそのまま使える場所が結構多い。あとはユーロと米ドル。普通の店で何種類もの外貨が使えるなんて日本ではありえないし、店側はお金の管理とか大変そう。とりあえずここでお土産は買わないので、駐車場にいた犬と時間を潰す。トルコではあちこちで犬をよく見かける。

 

鳩の谷

地下都市からバスで少し移動して着いた鳩の谷は、独特な形をした岩の谷に沢山の穴が開いている。昔その穴に鳩の糞を集めて、周辺のブドウ畑の肥料にしていたらしい。谷底の方には窓や出入り口と思われる穴が沢山開いている。昔ここで人が生活していたのだろうか、ここにも地下都市が広がっているのだろうか、何とも不思議な場所。

住居のようにも見える岩場

岩壁に建物が埋め込まれているよう

鳩の谷の先には、次に観光するウチヒサールの奇岩群と密集した住宅地が見える。何だか凄い。過去に旅行したイタリアやフランスの歴史地区とは全く違う街並風景。ヨーロッパのゴシックやルネッサンスなどの建築様式も素晴らしいが、こういうのもなかなか魅力的。

鳩の谷から眺めるウチヒサール

鳩の谷の見物スポットにある木には、沢山の「ナザール・ボンジュー」がぶら下がっていた。ナザール・ボンジューとは、青い目玉の形をした魔除けのお守り。トルコの定番中の定番のお土産でもあり、お店には必ず売っている。プラスチック製の安いものなら30個で千円くらい。「30個センエン、30個センエン」と店員がしきりに声を掛けて来るが、30個もいらない。

お土産屋に必ずある

ナザール・ボンジューだらけの木

こっちは壷だらけの木

 

ウチヒサール

ウチヒサールは巨大な奇岩に穴を開けた住居がたくさんある。こんな奇岩がたくさんあるのも凄いが、それに穴を開けて生活していたというのだからさらに凄い。さすがに現在ここで生活している人はいないらしいが、先のカイマクル地下都市と言い、カッパドキアは本当に不思議なところ。

ここにも犬が沢山。観光客の足元をすり抜けて走り回ったり、道の真ん中でじゃれたり。人の足元で尻尾をブンブン振って足に当たって痛かったり。首輪の付いていない犬もいるので野良?本当にトルコには犬が多い。

岩の家のひとつに入り、リビングルームでアップルティーを飲みながら小休憩。アップルティーもチャイと同じくトルコでは定番の飲み物。写真のような小さなコップに入れて飲むのがトルコ流。甘酸っぱくておいしい。訪問した岩の家には観光見物用に家具が置かれた部屋がいくつかあり、今でも生活しているような雰囲気。部屋だけ見るととても岩の中とは思えない。

岩の家のリビング

アップルティー

岩の家の棚

玄関から入ったところ

寝室

「ウチヒサール」とは、3つの城塞という意味だそうだが、どれが城塞なのか分からず。それにしても凄い眺めだ。巨岩のマンションが建ち並んでいるような光景。

ジブリアニメに出てきそうな風景

ケナンさんと

トルコにもラクダがいた!しかし観光用のもので、トルコに野生のラクダはいないらしい。初めてラクダを目の当りにしたが、想像以上に大きくて少し驚いた。

 

アブジュラルの谷

ウチヒサールの奇岩住宅群から少し歩いてアブジュラルの谷へ。ここからの眺めも見渡す限りの奇岩群。とんがり帽子の奇岩が多い。奇岩風景の先には、ローズバレーというグランドキャニオンのような赤い地層の岩山が見える。しかし朝から奇岩ばかり見ているので、こんな風景にもさすがに見慣れてしまった。

アブジュラルの谷にも沢山の土産屋が並び、多くの観光客で賑わっている。トルコに観光にやってくる日本人は、EU圏や欧米などの観光客と比べるとまだまだ少ないが、それでもここ数年増加しているらしい。普通の土産屋の店員でも片言の日本語を話せる人が意外と多く驚かされる。でも何故日本人だと分かるのだろう、中国人や韓国人とは思わないのだろうか?と疑問に思い、ケナンさんに聞いたところ、服装や身につけている装飾品などで大体判断がつくらしい。なるほど、よく人間観察をしているなと思う。自分にはトルコ人の観光客と海外からの観光客の見分けもつかない。

伸びるアイスで知られるトルコアイスを食べてみる。でもあまり伸びない…え、ここのアイスは少し時間が経ってからの方がよく伸びる?もう食べ終えてしまった。

 

ギョレメ野外博物館

今回のツアー旅行には3つのオプショナルツアーが設定されていて、そのうちのひとつがギョレメ野外博物館の観光。ツアーメンバー全員がギョレメのオプショナルツアーに申し込んでいたので、一度ホテルには戻らずそのままアブジュラルの谷からギョレメ野外博物館へバスで移動。

約30ある教会が集まるギョレメの谷を公開しているのがギョレメ野外博物館。世界遺産になっている。「ギョレメ」とは、「見てはならないもの」という意味らしい。「ギョロ目」に似ているから逆に見たくなるような名前。ここでもキリスト教徒が身を隠すために生活していて、それでそんな名前が付いたのだろうか。おそらくケナンさんが説明していたと思うが、全く覚えていない。。

岩の中につくられた数々の教会を中に入って見学できる。教会内は狭く一度に多くの観光客は入れないため、入口で係員が時計を眺めて順番に誘導。残念ながら全ての教会で屋内撮影は禁止されている。以前はフラッシュを炊かなければ撮影OKだったらしいが、守らない人が多いために撮影自体が禁止になってしまっとか。迷惑な話だ。今回のツアーでは4箇所の教会を見学したが、壁や天井一面に壁画が描かれた立派な教会もあったりして、なかなか見応えのあるものだった。

教会内見学待ちの観光客で混雑

係員が時間を計ってる

ここは確か住居だったと思う

教会内以外は撮影OK

 

ギョレメの岩のレストラン

レストラン内

ギョレメ野外博物館の観光後は、岩を掘た中につくられたレストランで昼食。飲み物はお勧めの赤ワインを注文。メインはテスティケバブというトルコ料理。味はよく覚えていない…しかしスープがかなり微妙だったのと、相変わらずデザートが甘くて一口しか食べられなかった事はよく覚えている。レストランを出るとパラパラと雨が降り始める。

サラダ

スープとワイン

春巻きのようなもの

テスティケバブ

甘すぎデザート

 

昼食後はトルコ石の店で買い物タイム。小雨が降っているのでちょうどいいか…って、本格的な宝飾店じゃないか。店員が日本語でトルコ石についての説明。ジョークも交えたりして日本語が本当に上手い。他の店員も皆簡単な日本語が話せる。トルコ人の商売人は勤勉だなと思った。しかし店内で売られている商品はお土産として気軽に買えるようなもは無いので、早々に売り場を出て商品の製作現場を見学。トルコ石を飾る貴金属を手作業で器用につくっている。で、それを見るのも飽きたので外に出て、店の前を走り回っていた犬と遊ぶ。トルコで時間を持て余したら犬の相手をするのが一番?

 

トルコ石の店の次は陶器の店。工房で飲み物が出され、師匠がろくろで壷を製作するデモンストレーションの見学。師匠は日本語が話せないので、日本語が上手な弟子が説明。これはなかなか面白い。足でろくろを巧みに操り、あっという間に壷が完成してしまった。それにしても師匠の顔がアインシュタインに似ている。だからなお更に面白い。

師匠

弟子と師匠

弟子

工房見学の後は広い販売スペースでお買い物タイム。やっぱりそうなるか。師匠と弟子達が制作したものは別々の部屋に置かれていて、値段も全然違う。弟子の作品でも綺麗なものが沢山あり、小さい器を友人へのお土産用にいくつか買おうか迷ったが、沢山買うとやっぱり結構な額になってしまうのでヤメ。お土産はナザール・ボンジューで十分でしょ?

 

ローズバレー

3日目最後の観光は、アブジュラルの谷から見えたローズバレー。ピンク色の奇岩が波打つように広がっている。夕日に照らされたローズバレーは赤く染まり、幻想的な風景を見ることが出来る…はずが、この空模様では太陽の日差しも届かず赤く染まらなかった。残念無念。そしていい加減岩を見るのにも飽きてきた。しかし翌日もカッパドキア観光。晴れて青空になれば、同じような岩の風景でも新鮮に感じられるのだろうけど。

昼から降り始めた雨はローズバレーに着く頃には止んだが、ローズバレーの観光を終えるとまた降り出す。運がいいのか悪いのか…とりあえず屋外の観光中に傘を差さずに済んだので、悪くはなかったという事にしておこう。日中は暖かく過ごしやすい気温だったが、夕方になると気温は下がり風も出て上着無しでは寒い。

 

ホテルに戻りレストランで夕食。レストランにはテレビがあり、我々のために日本の地震に関するニュースを放送しているチャンネルが点けられていた。海外旅行中とはいえ、やはり皆日本の状況が気になり、食事中も地震に関する話題が多くなる。ケナンさんもネット等で入手した情報を逐一教えてくれる。トルコ人の多くが日本人は真面目で礼儀があるイメージを持っていて、日本人に対して好意的な人が多いようで、トルコでも連日報道される地震のニュースを見て日本を心配してくれているらしい。何だかとてもありがたい。

アイラン

スープ

卵料理

肉とご飯と野菜

トルコを代表する飲み物のひとつである、アイランと言う飲むヨーグルトに挑戦。日本で飲むヨーグルトと言えば大抵甘い味付けがされているが、アイランは塩で味付けされているので少ししょっぱい。しかしこれがなかなかおいしい。ヨーグルトはトルコが発祥の地と言われているらしい。料理の方はまぁ普通。基本グルメに関心が薄いのであまり覚えていない。デザートはチョコレート味のプリンのようなもので、意外と甘さ控えめでおいしく食べる事ができた。

デザート

翌日は5:00起きでバルーンツアーに参加するので、夕食後は風呂に入って直ぐに就寝。