トップページ

2011年3月21日 6日目 (晴れ)

パムッカレ→エフェソス→エイドレミット

 

パムッカレ

朝起きて部屋の窓から外を眺めると、今にも雨が降り出しそうな曇天模様。4日目、5日目と朝は曇りでも次第に晴れていったので、この日も観光を始める頃には晴れる事に期待して、聖母マリアの家や古代遺跡群があるエフェソスへ向けて出発。そして移動中のバスで暫く居眠りをして目を覚ますと、期待通り晴れ間が広がっていた。この時期のトルコの天気はいつもこんな感じなのだろうか。

なかなかの快晴

サービスエリアでバス洗車中

途中サービスエリアでトイレ休憩。生絞りオレンジジュースが売られていたので飲んでみる。やっぱりトルコののオレンジはおいしい。道路の片隅でもオレンジが売られていた。

 

エフェソスに向かいつつ、途中で革製品の店に立ち寄り。ステージで商品を紹介するファッションショーが行われ、その後売り場に移動しお買い物タイム。ここまでトルコ石・陶器・絨毯の店でお買い物タイムがあったが、この革製品の店も含め皆高級品ばかり。セレブ向けのツアー旅行ならともかく、今回のツアーは中間層向けのもの。10万も20万もする商品をその場の乗りでポンポン買えるわけが無い。トルコを代表する生産品を紹介するというのは分かるが、それにしてもツアーのクラスを考えると首をかしげる設定だと思う。これに関しては皆同じ意見で困惑していた。

革製品の店

自分は買い物の意志が無いので、早々に店から出て周囲の散歩。道路を挟んだ店の向かいに緑の広がる広場のような場所が見えたので行ってみる。犬が寝転がっていたり馬が雑草を食べていたり、民家の軒先に七面鳥が沢山いたりと長閑な眺め。ロバ?に乗る人の姿も。

長閑な風景

七面鳥

馬!

これはロバ?

店に戻るもまだお買い物タイムは終わっていなかったので、今度は店の裏手にある住宅地に入る。人通りは少なく静か。なるほど、トルコ郊外の住宅地はこんな感じなのか。有名な観光スポットをまわるのもいいが、普通の生活風景を覗けるような住宅地の散策も楽しい。店で商品を何十分も眺めているよりも、こちらの方がよっぽど有意義だと思う。

長いお買い物タイムがようやく終わる。商品を購入したのは3人だけ。1万円以下の商品が無いトルコ石の店と絨毯の店でも、それぞれ2、3人しか購入していなかった。やっぱり店の選定を誤っている!

 

アイラン

チョップ・シン

チョップ・シンにかける香辛料とか

ポテトと何だっけ…

革製品の店からバスで少し移動して昼食。飲み物は飲むヨーグルトのアイラインを注文。上に泡が出来ていて、3日目の夕食に飲んだものとは味も少し違う。でもおいしい。メインはチョップ・シンと言う羊肉料理。焼き鳥みたいに串に刺さった羊の肉(写真はナンに隠れてる…)や野菜をナンで巻いて食べるというもの。そう言えば、日本でよく見かけるドネルケバブをまだ食べていない。トルコ料理と言えばまずドネルケバブが思い浮かぶ(というかそれ以外思い浮かばない)が、どうもトルコのメイン料理という訳ではないらしい。

デザート

 

エフェソス

聖母マリアの家

パムッカレのホテルから約190kmの道のりを経て、エフェソスの観光地に到着。まずは聖母マリアの家の観光。敷地入口にある郵便局には、何故かサブマシンガンを持った警備員。そんなに治安が悪いわけではないはずだけど何故?海外の警備員は常に銃を手にしているのが普通なのかも知れない。そして半旗を掲げるトルコ国旗。これは東日本大震災を追悼してのもの。他の多くの場所でもトルコ国旗が半旗になっていた。トルコは1999年の大地震で17000人以上の犠牲者を出していて、多くのトルコ人が日本の震災被害にも心を痛め心配してくれている。

遊歩道を歩いていくとこじんまりとした聖母マリアの家がある。建物はオリジナルではなく、60年ほど前に再建されたものだとか。家の中も見学出来るが写真撮影は禁止。

聖母マリアの家

聖母マリアの家のすぐ側には、聖水の泉と願掛けの壁がある。願掛けの壁には沢山の布や紙が結び付けられている。ケナンさんいわく、日本の神社でおみくじを木に結びつけるのと似た意味合いのものらしい。

聖水の泉

願掛けの壁

ツアーメンバー数人が遠くの木々にカメラを向けていたので自分も目をやると、木の枝にリスがいた。思わず自分もカメラを向ける。小さいしちょこちょこ動くのでなかなか上手く撮れない。はるばるトルコまでやって来て動物の写真を撮るのに夢中。そしてここにも犬。

 

エフェソス遺跡

小アジア最大の古代都市遺跡群で、トルコの重要な観光地のひとつ。ここの遺跡群は規模が非常に大きく、発掘されているのはまだほんの一部のみで、今も発掘作業が続けられている。ガイドブック等では表記が「エフェソス」と「エフェス」の二種類あるので何故かと思ったが、「エフェソス」はギリシャ語で、「エフェス」はトルコ語だった。

2日目に観光したヤズルカヤ遺跡とハットゥシャシュ遺跡は、城壁や門の一部が残っている以外建物の形跡は無く、正直かなり物足りなさを感じた。一方エフェソス遺跡には、沢山の建物や柱が発掘・復元されていて非常に見応えがある。歴史的価値はかなり高いと思うが、何故か世界遺産には登録されていない。

アーケードだった柱

当時の水道管

小劇場

長く続く裏通りのような通路

エフェソス遺跡ではたくさん猫を見かける。犬が道の真ん中で寝転がっていたりもする。なんか自由でいいなぁ。

メインストリートのクレティア通りを下って行くと、ギリシャ神話に出てくる勝利の女神・ニーケーのレリーフがある。スポーツ用品メーカー「ナイキ」の社名の語源はここから来ている。半年前のフランス旅行で訪れた、パリのルーブル美術館にあるサモトラケのニケ像と同一の女神らしい。

クレティア通り

勝利の女神 ニーケー(NIKE)

クレティア通りは元々アーケード商店街だった場所で、通りの両脇には沢山の店が軒を連ねていたとか。クレティア通りは長い坂道になっていて、地面には滑り止め溝が彫られている。通り沿いに高級住宅地もあり、上流階級の人しか歩けなかったタイル張りの道路もある。観光客はタイル張りの道路に立ち入る事は出来ないが、猫は例外のようだ。

クレティア通りからの眺め

クレティア通りの滑り止め

上流階級のタイル張り道路

貴重なモザイクタイルの上でゴロン

とにかくあっちにもこっちにも見応えのある遺跡があり、写真を撮る手が休まらない。エフェソス遺跡は本当に素晴らしい。世界遺産でないのが不思議でしょうがない。まだまだ発掘途上だからだろうか。

公衆トイレもちゃんとある。しかも水洗式。当時から下水道が整備されていたというのだから驚き。仕切りは無いので他人の用足し風景が丸見え。昔はトイレは社交の場で、会話をしながら楽しく気張っていたらしい。匂いも気にならなかったのかな…

隣との間隔が妙に狭い

う〜ん…こんな感じ

クレティア通りをさらに下った突き当たりに一際目立つ建物がある。エフェソス遺跡の中でも特に見所であるセルスス図書館の遺跡。約12000冊の書物を所蔵していた大規模な図書館だったとか。そして図書館の目の前には娼館の跡。今では考えられない立地条件だが、図書館は知識を、娼館は女性の美を提供する場所という考え方で、当時は娼館で働く事も店を利用する事も全く恥ずかしい事ではなかったらしい。何て素晴らしい考え方だ。

セルスス図書館

セルスス図書館の軒下を見上げる

セルスス図書館からはマーブル通りと言うメインストリートが延びていて、通りの途中の片隅に娼館への案内図がある。案内図には女性の姿・人の足型・ハートのマーク・お金を表す丸い穴がある。足型は娼館の方角を指していて、この足型よりも大きくなければ娼館を利用できないという意味だったとか。なるほど興味深い、実に興味深い…

マンホールを復元したもの

娼館の跡地にある石版

娼館への案内図

マーブル通りを進んだ先には、セルスス図書館と並んで大きな見所である半円形の大劇場がある。半円形劇場の遺跡としては世界最大との事。劇場内から周りを見渡すよりも、劇場から少し離れた場所から全景を眺めた方が規模の大きさを実感できる。貴重な古代遺跡ながら現在もコンサートなどに使われているらしい。他の観光ツアーのガイドが、ステージ上で大きな声を出して声の響き具合を実演していたが、本当によく響いていた。

大劇場全景

アルカディアン通り

大劇場の正面からは港へ続くアルカディアン通りが延びている。と言っても現在は道の先に海は無い。長い年月の間に海面が下がったらしい。

 

アルテミス神殿

エフェソス遺跡からバスで少し移動してアルテミス神殿へ。神殿と言っても柱が一本復元されているだけの寂しい光景。アルテミス神殿は紀元前550年頃に建てられ、世界7不思議の1つらしいが、何処が不思議なのだろうか。アルテミス神殿よりもその後ろに見える建物や、さらにその後ろにある丘の上に建つ城のようなものの方が気になる。

右の柱が復元されたアルテミス神殿の柱

 

高層マンションの建ち並ぶ街を走り…

海沿いを走り…

日が暮れるまで走り…

エフェソス観光はアルテミス神殿で終わり。宿泊するホテルのあるエイドレミットへ向けてバス移動。またまた長距離移動で約250km、3時間半の道のり。バスの運転手は大変だ。

 

エイドレミット

6日目宿泊のエイドレミットのホテルは、これまでで一番いい部屋。バスローブが用意されているのも初めて。使わないけど。夕食は前日と同じバイキング形式という事で、パムッカレのホテルのレストランのような賑やかで落ち着かない様子を想像したが、実際は我々ツアー客以外の人の姿はほとんど無く静かで、メニューは結構豊富でおいしくて満足出来た。特にプチトマトが非常においしく、他の客がいない事もあり調子に乗って30個以上食べた。トルコのプチトマトをお土産に持って帰りたい。考えてみればトルコ料理にはトマトが多く使われている気がする。

入浴後に左手の甲に細かいブツブツが出来ている事に気付く。何だこれは…いつ出来たものだろう。犬や猫を触ったのが原因だろうか、それとも飲食物が体に合わず出た反応だろうか。とりあえず痛みも痒みも無いのであまり気にしない事にした。