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2011年3月23日 8日目 (曇りのち晴れ)

イスタンブール

 

イスタンブール

毎朝起きてまずすることが、部屋の窓から空模様の確認。8日目の朝もいつも通り雲が多めの空模様。イスタンブールのホテルの窓からの眺めは、正面にトルコのアジア側とヨーロッパ側の間にあるマルマラ海が広がり、朝日に照らされた海面と沢山の漁船が行き交う風景。これはいい眺めだ。街の方を眺めると、隙間無くひしめく建物とその中に建つモスクが見える。ホテルのレストランで朝食を済ませ外に出ると、ホテル周辺は青空が広がっていた。しかしバスに乗りイスタンブールの中心へ向かうにつれ、雲が目立つようになり怪しい空模様に。天気が安定せず落ち着かない…

イスタンブールは金角湾とボスポラス海峡で3つの陸地に別れている。ブルーモスクやトプカプ宮殿など歴史的建築物が多くある旧市街、金角湾を挟んで旧市街の北にある新市街、ボスポラス海峡を挟んで新・旧市街より東側にあるアジアンサイド。ツアーでは主に旧市街を観光。

イスタンブールのホテル

 

ブルーモスク

イスタンブール最初の観光地は、トルコを代表する観光スポットのとつで世界遺産にも登録されているブルーモスク。17世紀初めにアフメット1世によって建てられたイスラム寺院。ブルーモスクの外観での大きな特徴は、計6本あるミナレット(尖塔)。通常モスクのミナレットは4本までしか建ててはいけない決まりがあるが、「アルトゥン(金)」のミナレットを造れと命じられたのを、設計者が「アルトゥ(6本)」と聞き間違えて6本にしてしまったとか。世界中にあるモスクの中でミナレットが6本あるのはブルーモスクだけらしい。これ、完成するまで誰も気付かなかったのだろうか。神聖な建物なのに間違えたままにしておくのもどうかと思うし、色々と疑問が残る…

ブルーモスク

中庭を囲む柱廊

空の一部には青空も出ているが、残念ながらブルーモスクの背後は曇り空。ただ、ブルーモスクの見所は外観よりも建物の中。モスク内は土足禁止なので、靴をビニール袋に入れて入場。入口の外には手足を清める水道がいくつも並んでいる。実際にお清めをしている人は1人しか見かけなかった。

手足を清める水道がある

中庭で寝てる犬

ブルーモスク入口

モスクの中はとにかく広い。直径5mの巨大な円柱の柱が4本あり、高い天井の中心には約43mある巨大なドーム。そのまわりにさらに4つのドームがあり、さらにさらにその外側には半ドームが沢山。ドームや壁にある無数の窓にはステンドグラス。そして天井や壁一面に青い柄のタイルが貼られている。「ブルーモスク」という名前はこのタイルの色から来ているらしい。ブルーモスクの内部はとにかく素晴らしい。天井から吊り下げられている無数の灯りは、昔はろうそくだったが今はさすがに電球。

外に出るとブルーモスク周辺に青空が出ていたが、日差しは遮られたままでブルーモスク外観の見栄えはイマイチ。6本のミナレットのうち2本はモスク本体から離れているため、建物を見る方角によってはかなり離れないとミナレット全てが写真に収まらない。出来ればいろんな角度からブルーモスクの全景を眺めてみたかった、晴れている時に。

青空をバックにブルーモスク(でも日差しは遮られてる…)

ミナレットが6本見える場所から

(1本はほとんど木に隠れてるけど…)

 

ブルーモスク周辺には観光スポットが集中していて、朝から多くの観光客で賑わっていた。観光客だけでなく、教師に引率された小学生や中学生の集団もあちこちにいる。焼きとうもろこしやお菓子を売る屋台や靴磨きの姿も。靴磨きの足乗せ台がゴージャスでイスラム圏っぽい。

 

アヤソフィア

次はブルーモスクの向かいにあるアヤソフィアへ。ローマ帝国時代にキリスト教の聖堂として建てられた赤茶色の大聖堂。後からイスラム教徒のモスクに改装されミナレットが4本建てられた。4本のミナレットのうち、1本だけ建物本体と同じ赤茶色をしている事に後から写真を見て気付いた。何か意味があるのだろうか。まさかこれも設計者の聞き間違いって事はないよな。ブルーモスク側は部分的に晴れ間が出たが、アヤソフィア側はまだどんよりとした曇り空。雨に降られないだけマシだと思うしかない。

アヤソフィア入口の天井

入口の天井にキリストのモザイク画

アヤソフィアの中もブルーモスクに勝るとも劣らない素晴らしさ。元々はキリスト教の聖堂だったという事で、イタリアやフランスで見てきた聖堂と雰囲気が似ている部分もある。天井から吊るされたいくつもの照明と、部屋を囲むように上部に設置されている巨大な円盤が印象的。

アラビア文字が書かれた巨大な円盤が印象的

教会建築とイスラム教のミックス状態

微妙に右にズレているミフラーブと天井に聖母マリア

モスクの中には必ずミフラーブと言うものがあり、イスラム教最大の聖地であるメッカのある方角に設置されている。本来モスクはミフラーブが建物の中央になるように建てられるが、アヤソフィアは教会として建てられので建物中心がメッカを向いていなかったため、モスクに改装する際に後付けされたミフラーブが建物中心から少しズレている。…なるほど、少しは歴史背景などのうんちくも知っていた方がより見応えがある。

天井中央のドーム

床の大理石モザイク

2階から見下ろす

2階に上がるとモスク内を見下ろす事が出来る。天井から吊るされた沢山の照明が、宙に浮いた花びらのようで綺麗。2階には壁に描かれた貴重なモザイク画が複数残されている。半円形ドームに描かれた聖母マリアのモザイク画を眺められる場所もある。アヤソフィアにはキリスト教のモザイク画が至るところに描かれているが、モスクに改装された時に漆喰で塗りつぶされてしまい、長い間埋もれていたらしい。ちなみにモザイク画のフラッシュ撮影は禁止。

観光客に混じって中学生くらいの女の子達が沢山いて(学校の社会科見学?)、そのうちの1グループから一緒に写真に写って欲しいと頼まれたのでOKすると、次々と仲間がやってきて大人数になってしまう。たまたま側に添乗員さんがいたので撮影係をお願いして、数名ずつ入れ替わりで撮影。沢山人がいる公共の場でちょっと恥ずかしいが、何だか有名人にでもなったようでいい気分。ケナンさんによると、日本人は地元の人によく写真撮影を頼まれるらしい。やはり日本人はトルコ人に好かれているよう。事情を知らない外国人観光客には有名人と思われたかも知れないな(笑)。

日本人はトルコ人にモテる!?

外にはやっぱり猫

 

地下宮殿

アヤソフィアのすぐ側にある地下貯水池の観光。かなり広い地下空間に336本もの柱が建ち並んでいる。宮殿と言うだけあって、貯水池なのに天井や柱には装飾が施されている。柱はライトアップされ幻想的な雰囲気。

地上の入口から階段を降りて地下宮殿に入った所でケナンさんの説明を聞いていると、小学校低学年くらいの大集団が降りてきて一気に大混雑。しかも猛烈にうるさいっ!イヤホンガイドの声も全く聞こえず。引率の教師も手に負えない様子…トルコの子供は集団になるとこうなるのか…子供たちから逃げるように地下宮殿の奥へ進む。

子供の集団襲来!

地下宮殿通路

通路を進んだ一番奥には、メデューサの顔が彫られた柱が2本ある。ひとつは横向き、ひとつは逆さになっている。結構不気味。メデューサと目を合わせると石にされてしまうと言われ、目が合わないようにこんな向きになっているらしい。

 

地下宮殿を出たらだいぶ晴れ間が広がっていた。アヤソフィアの前を通るメインストリートを歩いてグランド・バザールというマーケットへ向かう。そんなに広くはない道路に4両編成の路面電車と車が一緒に走っていて、路面電車がメインの併用軌道という感じ。なかなか先進的な公共交通機関を取り入れているじゃないか。何となくヨーロッパっぽい。

通りに並ぶ店の中に、日本でもお馴染みのドネルケバブの店を発見。トルコにはドネルケバブの店がそこら中にあると思っていたが、意外とそうではなかった。通りを歩いているとモスクのドームもチラホラと目に入ってくる。前日までは遺跡や自然の観光がメインだったので、イスラム圏の国にいる事をここで改めて強く実感。

 

グランド・バザール

グランド・バザールは約4000軒の店が並ぶイスタンブール最大のマーケット。アーケードの通りが迷路のように張り巡らされていている。ここで暫く自由時間となり、早速グランド・バザールの中へ。入口には警備員がいて、時折金属探知機のようなもので人の体を調べている。トルコ人に好かれている日本人が警備員に止められる事は無いのだ、多分。

入口のひとつ

警備員

グランド・バザール内

アーケード内の各店舗には所狭しと商品が並べられ、店員が客に声を掛けている。何となく上野〜御徒町にあるアメヤ横丁のような雰囲気。ただアメ横より遥かに規模が大きく、同じような店も沢山あるので、歩いてきた方角を確認しながら進まないと迷子になってしまう。方向音痴の人が1人で入ったら間違いなく迷子になる場所。

さまざまなものが売られているが、特にトルコの工芸品や衣類が鮮やかで目に付く。グランド・バザールで売られている工芸品には粗悪なものも多いので注意が必要らしい。信頼できる本物の工芸品が欲しければ、ツアー中にまわる専門店で買うのが安心との事。

きらびやかな雑貨や装飾品が多い

外の商店街にも店が沢山

派手だねー

グランド・バザールを出て周辺の商店街も歩き回る。本当にいろんなものが売られている。商店街のある一角に入ると、女性物の下着を売っている店がいくつも目に飛び込んでくる。どの店も派手でえげつない下着を外に陳列。トルコ人は普段からこんな下着を身に付けているのだろうか。とてもイスラム圏の国とは思えない。ケナンさんに聞いたところ、人によっては普通に派手な下着を身に着けているとか。男性が女性に派手な下着をプレゼントすることもあるらしい。日本もまだまだだな。

こんな店ばかり

 

レストランで昼食。メインのドネルケバブは日本でお馴染みのナンに肉と野菜を挟んだのではなく、皿の上に肉とマッシュポテトとご飯が乗っかっていた。野菜が無いのは寂しい。

スープとパン

春巻きみたいなもの

ドネルケバブ

毎度の超甘デザート

レストランから次に観光するトプカプ宮殿へ歩いて向かう途中に、すっかり快晴になり青空をバックに日差しを浴びたアヤソフィアの前を通ったので、ここぞとばかりに写真を撮る。ブルーモスクもこの快晴下で再度写真を撮っておきたかったが、残念ながらブルーモスクの前は通らず。

 

トプカプ宮殿

旧市街突端の丘の上に建つトプカプ宮殿。15世紀中頃から19世紀中頃までオスマン帝国の君主が居住していたらしい。現在は博物館になっている。宮殿正門の皇帝の門にはサブマシンガンを持った警備員が2人。1人は恐そうな顔つきをしていたが、もう1人は人の良さそうな感じなので観光客から写真攻めに遭っていた。これではちゃんと警備が出来ないではないか、と思いつつ自分も警備員の横に並んで記念撮影。

左の門が正門の皇帝の門

皇帝の門の警備員と

第1庭園にある聖イリニ教会

挨拶の門

皇帝の門をくぐると第1庭園に入る。トプカプ宮殿は第1庭園〜第4庭園に分けられている。第1庭園の遊歩道を進んでいくと今度は挨拶の門があり、門をくぐった所が博物館の入口になっていて、荷物検査を受けて入場。挨拶の門から先が第2庭園になっていて、庭園の奥にある正義の塔へ。

正義の塔

ハーレムのタイル

正義の塔が建つ建物はハーレムで、女奴隷の住居だったところ。ハーレム内の見学は博物館の入場料とは別料金だが、ここの見学もツアーに組み込まれていたので入場。

ハーレム中庭

昔の様子を再現

ハーレムには綺麗なタイル張りの部屋がたくさんある。天井がドームになっている部屋が多い。何故イスラム圏の建物の天井はドーム形状になっているものが多いのだろうかと、今更思う。

ハーレム内を見学して第3庭園を通り抜け、第4庭園に出る。第4庭園の北端からは、金角湾とその先にある新市街を一望。勾配の緩い丘に隙間無くひしめく建物の中に、翌日に観光するガラタ塔がよく見える。旧市街の方を眺めると、ミナレットのそびえるモスクが点在しているのが見える。

第4庭園から新市街を眺める

新市街に建つガラタ塔

旧市街にはモスクが多い

ハーレムの見学後は約2時間の自由時間。第3、第4庭園に点在する建物の中を見てまわったり、貴重な宝飾品などを展示してある宝物館を見学したりするも、2時間は長過ぎて時間をもてあそぶ事に。しかも海から冷たい風が吹き付けてかなり寒い。上着をバスに置いてきてしまった事を後悔…

第3庭園

第3庭園にある宝物館

何かの建物の入口

何かの建物の室内

正義の塔が目印のハーレムが建つ第2庭園まで戻るも、これといってする事も無く庭園内をウロウロ。仕舞いには猫を観察したり追いかけたりして時間を潰す。トルコ観光前半は犬ばかり見かけたが、添乗員さんの言う通り後半は猫もよく見るようになった。

ハーレムがある第2庭園まで戻る

暇で第2庭園をふらつく

猫の観察は飽きない

トルコ観光後半は猫もよく見る

 

エジプト・バザール入口

エジプト・バザール

トプカプ宮殿の観光後は、旧市街のエジプト・バザールへ。新市街と旧市街を繋ぐガラタ橋の前にある。エジプト・バザールは、エジプトからの交易品などを売る店が多く並ぶマーケット。先に訪れたグランド・バザールとは雰囲気が違う。ここで1時間ほどの自由時間。

旧市街のイエニ・ジャミイ

このアングル気に入った

新市街のガラタ塔

ガラタ橋で釣りをする人々

エジプト・バザールはどうどもよかったので、辺りを散策。夕暮れ時で周囲の景色が赤く染まりいい眺め。ガラタ橋へ行くと歩道には沢山の釣り人が。ガラタ橋から新市街と旧市街の風景を眺めているうちに日は沈み、ガラタ塔や周囲のモスクがライトアップされる。

旧市街から眺めるガラタ橋

ガラタ橋からエジプト・バザールまで戻り、エジプト・バザールの隣にあるモスクのイエニ・ジャミイへ。オレンジ色にライトアップされとても綺麗。

ライトアップされたイエニ・ジャミイ

イエニ・ジャミイ

 

夕食はガラタ橋の近くにある、シルケジ駅という鉄道の駅の中にあるオリエント・エクスプレス・レストランで。昔オリエント急行が通っていた駅で、有名な映画「オリエント急行殺人事件」の舞台にもなった場所。ウェイターがSLの形をしたカートを引いて、「パフパフッ」と汽笛を鳴らしてやってくる。なかなか個性のあるレストランだが食事は至って普通だった。

レストランの隣の部屋には、オリエント急行殺人事件の写真やパネルが沢山飾られていた。映画を知っている人は興味津々で眺めていたが、残念ながら自分は未鑑賞。

ホームにあるレストラン入り口から

駅の外観、の一部

 

ベリーダンスショー

夕食後はオプショナルツアーのベリーダンスショーを見に、バスでミュージックホールへ移動。ショーを見ない人はバスを降りずにそのままホテルへ。踊り子と写真が撮れるというので楽しみにしていたが、自分のカメラではなく撮影係りによる記念写真の撮影だった。しかも実際にステージで踊る踊り子ではなく記念撮影用の人。そして一番残念なのが、自分好みのスリムな美女ではなく少々ふくよかななおばさん風の人だった事。テーブルを順番にまわって観客1人ずつと写真を撮っていたので、後から観客全員に無料で配るのかと思いきや有料で10リラだった。いろいろと残念過ぎるが折角なので写真購入。

広いホールに沢山の観光客

飲み物・つまみ・フルーツ付

10リラの記念写真…

21:00をまわり待ちに待ったショーの始まり。露出度の高い色っぽい女性が出て来るのかと思いきや、あれ…民族衣装のような服を着た男女が出てきた。約束が違うじゃないかっ!…それにしても、安価なコンデジではステージ上で動き回る踊り子をイマイチ綺麗に撮れない。なので予備のカメラで動画も撮影。

民族舞踊?

民族舞踊のような踊りが終わり、次にやっと期待通りの女性が出てきた。スタイルのよい美人の踊り子が、音楽に合わせ腰をクネクネしながら踊る。これこれ!この腰使いが見たかったのだ。メインのカメラで写真を撮って予備カメラで動画を撮って、何だか忙しい。

腰振ってます

写真だと踊りの様子が全く分からない

次はまた男女複数人での民族舞踊。落ち着いてみればこれもなかなか楽しい。大の男が手を繋いで踊っている姿には少し違和感があるが。大人よりも子供の方が似合いそうな踊り。

そしてまた美人女性の腰振りダンス。今度は黒髪美人。民族舞踊も悪くないが、やっぱりこっちの方がいい。

ショーはダンス以外に歌などもあり深夜まで続くが、翌日の観光に控えて22:30に店を出てホテルに戻る。8日目は旧市街の観光地を沢山回りベリーダンスも見て、かなり密度の高い1日だった。