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穴埋め編  周防大島をロードバイクで再度サイクリング

 

折りたたみ自転車では半周しかできなかった周防大島サイクリング。しかもサイクリング終盤まで天気に恵まれず、やっと晴れたと思ったら強風に悩まされ、満足に大島を楽しむことができなかった。そんなサイクリングから一週間後にロードバイクを購入(ロードバイク購入の経緯についてはこちら)。大島へは再訪してドライブで観光スポットを一通りまわろうと考えていたが、ロードバイクでしまなみ海道往復140kmを日帰りで走れるようになり、それなら周防大島もロードバイクで一周しようということに。大島は一周約100kmなので、ロードバイクなら無理なくサイクリングできる。

折りたたみ自転車から飛躍的な性能アップ

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山口県二島サイクリングから約4ヶ月後の、2016年1月10日に周防大島一周サイクリングを実行。季節は完全な冬になってしまったが、天気予報は晴れで最高気温13℃だったので、多少寒くても体を動かすので問題ないだろうと判断。サイクリングのスタート地点は前回と同じ大畠観光センターで、前回より約1時間遅い9:00からのスタート。大島大橋を渡って大島に入り、前回と同じく北岸沿いの国道を西から東へ向けて進み、時計回りに一周していく。天気予報通り朝から青空が広がり、気持ちのいい風景を眺めながらのサイクリング。

周防大島から眺める大島大橋

当たり前だが曇りと快晴では同じ風景も全く違って見える。前回の灰色掛かった景色から一変、明るく青い景色を眺めながらのサイクリングは最高に気持ちいい。走り始めは少し肌寒く感じたが、ペダルを漕いでいるうちに体は温まり、暑くなってきたので上着を脱いでリュックにしまう。サイクリングは気温が高い季節よりも、少し肌寒いくらいの季節の方が快適かもしれない。暑いと体力の消耗が多くなるし、汗だくなってペダルを漕ぐサイクリングは気持ちが良くない。

ビー玉海岸

前回折りたたみ自転車でサイクリングした時は、予想以上に多い上り坂に苦労して直ぐに疲れてしまったが、ロードバイクならそんな上り坂でもグングン進む。やはりロードバイクの走行性能は圧倒的。折りたたみ自転車で走った苦労はいったい何だったのかと思ってしまう。ロードバイクの良さは走行性能だけではなく、ドロップハンドルを握って前傾姿勢で走るスタイルが、ただのサイクリングではなくスポーツをしている気分にさせ、アウトドアをしている充実感も増す。ロードバイクの凄さ、楽しさは乗ってみないと分からない。

道の駅サザンセトとうわ

満ち潮で真宮島へは渡れず

大畠観光センターを出てからちょうど1時間で道の駅サザンセトとうわに到着。ロードバイクだとここまであっという間。ここまで休憩無しで走ってきたが疲れは全く無し。今回も真宮島に立ち寄ろうと思ったが、満ち潮で陸から孤立していて渡れず。道の駅に着いた時間は10:10と前回より20分ほど早いだけだが、潮の満ち引きの変化は時期によって時間が変わるので仕方ない。ということで、引き続き国道を東へ向けて進む。今回は前回の空腹問題の教訓を生かし、リュックの中にコンビニで買ったおにぎりを用意。

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国道は大畠観光センターから先は車の通りが一気に少なくなる。この先陸地は狭くなり、観光スポットも限られるためと思われ。ともあれ、大島大橋から大畠観光センターまでは車の交通量が少々多く煩わしさを感じたが、大畠観光センターより東側はだいぶリラックスして走れるようになる。

東へ向けて走行中

遠くに見える小島群

ウニ・アジ・ナマコ…

景色の変化は少ない

快晴で景色が良く、向かい風の抵抗を受けることも無く、瀬戸内の多島風景を楽しみながら軽快にペダルを漕いでいく。ただ、ずっと北岸沿いを走っているので風景に大きな変化は感じられない。

大島最東端より4、5km手前まで進んだところで、陸奥公園に立ち寄り。1943年に沖合い3kmで戦艦陸奥(せんかんむつ)が沈んだ場所。公園の片隅にある丘の上には、海から引き揚げられた戦艦陸奥の機関砲やスクリューなどが展示されている。沈没で死亡した1121人の慰霊碑などもある。公園内には戦艦に関する遺物や遺品などが展示された陸奥記念館があるが、そちらへは入館せず。

スクリュー・機関砲・艦首が並ぶ

機関砲

慰霊碑

PS-1飛行艇

公園内にはキャンプ場や小さな水族館などもあり、何故か自衛隊の飛行艇も展示されている。この辺りに自衛隊基地か関連施設でもあるのだろうか。野外展示ということもあり少々ボロイ。しかしながら自分には公園内で一番の見どころだった。もっと展示機体数を増やせば観光スポットとしての知名度も上がるんじゃないか、なんて思う。観光地としての知名度は高くない(と思われる)周防大島のほぼ先端という位置にあり、三連休の中日でも人の姿は数えるほど。キャンプシーズンは行楽客が多いのかもしれない。

ランディングギア

飛行艇機首

陸奥公園の直ぐ先で国道は終わり。そこから大島最東端へ向かう県道と、南岸に回りこむ県道に分かれる。約5kmほど先にある東端には特に立ち寄るような場所はなく、先端から手前1kmほどは道路もない。ということで、南へ向かう県道へ入る。古い家屋が並ぶ住宅地を通り、少々長い上り坂を進む。

ここで国道終わり

住宅地を通る

坂道を上り切ると、竹林の下を通る石造りの小さなトンネルが現れる。竹林の隙間から漏れる太陽光とトンネルの反対側から入り込む光が印象的。内壁には補強?の板が貼られ、歪んだ板はパッと見洞窟のようにも見える。このトンネルのようにちょっとした発見をした時、車の場合は道路が狭いとその場に駐車できないこともあり、通り過ぎて駐車できる場所まで進んで徒歩で戻るか、それが面倒でそのまま素通りして終わる。そういう点では何処でも停められる自転車はフットワークが軽い。

トンネルを抜ければ大島南岸側に出る。トンネルを抜けた直ぐ先の道路脇には、周防大島の島四国の札所が。ふれあい観音という観音堂が建っていたが、面倒なので中には入らず。さらにその直ぐ先には寺に通ずる分かれ道があり、何やら文字がたくさん刻まれた瓦屋根の壁。面倒なので何か確認まではせず、寺にも立ち寄らず。自転車で移動しているので、あまり細かなところにまで時間を費やしていたら帰着が遅くなってしまうし疲れる。多くの場所を観光できるという点では車の方が圧倒的にフットワークが軽い。

ふれ愛観音

これはなんだろう

さらに進んでいくと、今回のサイクリングで一番印象強かった景色に出会う。何とも長閑で広くて静かな風景。癒される。この辺りは車の通りはほとんどなく、多少アップダウンはあるが気分的にものんびりとサイクリングできるのでいい。しかしここでふと気づく。北岸を走ったのと同じく南岸も海岸沿いの道路を走るつもりだったのだが、随分と高いところを走っている。まぁそのうち海岸沿いへ下りるだろうと思ったのだが…

いい景色発見

島の南岸の道路を走っているので南側の海が見えるのは当たり前なのだが、途中で何故か北側の海まで見えるようになる。何かおかしい、明らかに予定とは違う道を走っていることに気づく。持参した周防大島の地図を確認し、山あいの道を進んでいると分かる。まぁ眺めがいいので別にいいかと、そのまま進む。

眺めのいい道路を進む

ここから長い長い下り坂

やがて長い下り坂に差し掛かる。程よいカーブの連続する下り坂で、慣性に任せて下っていく。そこそこスピードが出ているのかなとサイクルコンピューターに目を移すと…55km!予想以上に速度が出ていたことに驚く間にもさらに速度は上昇。これ以上はきっと道路交通法的にヤバイ、いやそれ以前に安全面でヤバイ。ということで60kmに達したところで減速。後から自転車の法廷速度について調べたところ、車の指定最高速度がある道はその表示速度に従い、最高速度の指定が無い道ではどれだけスピードを出しても速度超過にはならないらしい。しかし常識的に考えて一般の道路を自転車で60km以上出すのは危険。ロードバイクは心のブレーキが必要な乗り物であると改めて感じた。

やっぱり山沿いの道路を走っていた

今度は長い長い上り坂

坂を下りきったところに大島の観光マップがあり、現在位置を確認。やはり南岸から離れた、オレンジロードという山沿いの道路を走っていた。ちょうど南北両岸を繋ぐ道路と交わる交差点だったので、左に折れて南岸沿いの道路に出ることもできたが、オレンジロードの方がサイクリングには快適な道路なのでそのまま直進。すると今度は長い長い上り坂が続く。上り坂はイヤ。

ヤシの木が並ぶ片添ケ浜

冬だけど夏みたいな景色

周防大島を一周するなら絶対に立ち寄りたいと思っていた場所がひとつあり、そのために途中でオレンジロードを外れて南岸へ。するとヤシの木が立ち並ぶ海岸通りに出る。片添ケ浜(かたぞえがはま)という海水浴場で、綺麗な砂浜と鮮やかな海が広がり、何だかハワイっぽいなぁと思ったとき、前回初めて周防大島に訪れた時に目にした「ALOHA」の文字を思い出す。結構いい感じのビーチだが、冬なので砂浜にも歩道にも人影はほぼ無し。

目的地へ向け、南に半島状に突き出た地形の道路を進む。この辺りも車の通りは少なく、のんびりと海岸風景を眺めながら気持ちのいいサイクリング。やはり快晴の元でのサイクリングは最高に気持ちいい。前回は終盤で晴れたが強風に阻まれ苦労させられたが、今回はそんな風もなく穏やかな天気…だったのだが、片添ケ浜を過ぎてから向かい風が出始める。風は弱くそれほど抵抗は無いが、風を受けて体が寒くなっていく。

厳島神社の大鳥居

大きさ対比

片添ケ浜から2kmほど南下したところで目的地の厳島神社に到着。宮島の厳島神社と同じく海の中に大鳥居が立つ、周防大島の厳島神社。訪問時は引き潮で鳥居の基礎部分まで出ていた。大鳥居と言っても宮島のものと比べると小規模だが、色鮮やかな海をバックにそびえる紅い鳥居はとても存在感がある。あまり知られていない場所のようで訪問客は無く、人知れずひっそりと佇んでいる…という感じの場所。観光客の多いメジャースポットよりも、このような魅力的なマイナースポットの方がいい発見をした気分になれる。ここで少しゆっくりしたくなったので、道路から鳥居へ下りる階段に腰掛け、海を眺めながら持参してきたコンビニのおにぎりを食べる。

厳島神社社殿

社殿から大鳥居を眺める

体を休めていたらさらに寒くなってきたので、サイクリングスタート後直ぐに脱いだ上着を着る。厳島神社からさらに先へ進むとなると、半島状の地形をぐるっと周る事になるのだが、風が出てきたし寒くなってきたので億劫になり、来た道を戻ってオレンジロードを進む近道を走ろうかと考える。しかしせっかくここまで来たのだからちゃんと大島を一周するべきだと思い、結局そのまま南へ進む。

また長い上り坂

こんもりとした島が見える

シーボルト上陸記念碑

沖家室大橋

厳島神社から先はほとんど車の行き来が無くなり、アップダウンを繰り返す海岸沿いの細道が続く。その途中に「シーボルト上陸の地」と刻まれた碑が。シーボルト…有名な歴史上の人物だということは分かるが、歴史に無関心な自分にはそれ以上の知識が無い。碑の隣の説明文によれば、日本人に西洋医学や自然科学の教授をした人らしい。シーボルト上陸記念碑からさらに先へ進んだところで、沖家室島(おきかむろじま)という小島へ渡る沖家室大橋に着く。

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<< SCROLL    沖家室大橋から眺める周防大島と沖家室島 パノラマ写真180°    SCROLL >>

沖家室島は人口約200人で高齢化率が日本最高水準。平地はほとんどなく観光スポットと言える場所も特になし。なのだが、とりあえず沖家室島に足跡だけでも残しておこうと沖家室大橋を渡る。橋を下りたところに架橋記念モニュメントなるものが。膨らんだヨットの帆をイメージしているらしいが、初めて見た時はアイロンと何かの動物の牙が思い浮かんだ。

架橋記念モニュメント

神社とモニュメント

ここまで来たなら沖家室島を少し散策してみようかと考えるが、時間を見ると14:00。残りの走行距離はあと40kmほど。夕方になると気温が下がり寒くなると思われるので、その前に大畠観光センターに帰着したい。さらに、できれば前回は疲れて登らなかった飯の山に今回は登りたい。ということで、あまり時間に余裕がなさそうなので沖家室島散策はせず。しかし沖家室島には古い町並みが残されている事を後から知り、少しでも散策しておけばよかったと後悔…

海岸沿いをさらに進む

沖家室島を振り返る

沖家室島から周防大島本土に戻り、海沿いをさらに進む。沖家室大橋から約9km走ったところで、前回半周の折り返しで北岸から南岸へ出た場所に着く。ここまで軽快にサイクリングは進み約70km。観光スポットに立ち寄ったり写真を撮るため立ち止まったりと、途中途中でペダルを漕ぐ足を休めていたのでほとんど疲れは無し。しかしここから強い向かい風が吹き始める。前回と同様に思うように前に進まない。またかっ!と心の中で嘆く。前回より時間は約3時間遅く季節も違うが、位置は同じ南岸西側。位置的に風が吹く場所なのだろうか。

立岩

通常ロードバイクならマイペースでペダルを漕いでも平地で25km/hは出るのだが、強い向かい風に吹かれると15km/hを切ってしまう事も。少しでも風の抵抗を減らそうと頭を下げてみるが、ほとんど効果を感じない。前傾姿勢で他の自転車よりも空気抵抗の少ないロードバイクでも、海から吹きつける強い向かい風は走行の妨げとなる見えない壁。

15:50の太陽

飯の山

16:40の太陽

夕陽に染まる大島大橋

結局前回と同じく向かい風はほぼずっと吹き続け、前回と同じく一気に体力を消耗して空腹に。休憩がてら前回利用したコンビニに再び立ち寄り、前回と同じようなものを食べて小腹を満たす。そして今回こそは登ろうと思った飯の山も、前回と同じく疲れて登らず。サイクリング終盤だけ前回と同じ流れになってしまった。夕陽に染まった大島大橋を渡って大畠観光センターに帰着したのが16:45。

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

約8時間のサイクリングとなり、そのうち走行時間は5時間。走行距離はほぼ100km。終盤から強い向かい風に吹かれたのが影響し、平均速度は20km/hを僅かに切ってしまった。そして記録更新してしまった最高速度。今後は極力50km/hを超えないよう心掛けよう…

周防大島一周は、ロードバイクで1日サイクリングするのに距離的にちょうどいいコースだと思う。ロードバイクで普通に走って100kmという距離は、長すぎず短すぎず、(向かい風が無ければ)極端に体力を消耗することもなく、それなりに走ったという達成感も得られるちょうどいい距離。晴れていれば海岸沿いの道路からの景色も良く、気持ちのいい観光サイクリングを楽しめる。周防大島はもう一度訪れたいと思うサイクリングスポットとなった。