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その5  3日目

 

白鬚神社

(しらひげじんじゃ:滋賀県高島市)

琵琶湖畔から日の出を眺めようと5:30に起床。まだ空は真っ暗で空模様はよく分からない。旅行3日目は、琵琶湖を一周しつついくつかの観光スポットに立ち寄る計画。とりあえず晴れている事を期待して日の出を眺めようと思っていた白鬚神社へ向かう。白鬚神社には湖中に大鳥居が立っていて、その大鳥居と日の出を一緒に眺めたいと思っていた。しかし空が明るくなるにつれ曇っている事が分かり、日の出は諦める。白鬚神社には日の出時間を10分ほど過ぎた6:30に到着。ちょうど雲間から日の光が姿を現すところだった。とても満足のいく眺めではないが、少しでも日光が見られただけでもよしとしよう…

白鬚神社

大鳥居

針江生水の郷

(はりえしょうずのさと:滋賀県高島市)

曇り空に不満を持ちつつ次の観光スポット、針江生水の郷へ。水路の水を生活用水に利用した「川端(かばた)」というシステムを利用している集落。観光地化されていない閑静な住宅地だが、Webでたまたま見つけて関心を持ったのでついでに立ち寄る事に。

針江生水の郷の本当の見どころは、公道からは見えない民家敷地内の川端の様子。針江生水の郷は以前テレビで紹介されてから観光客が訪れるようになったのだが、勝手に個人の民家敷地内に入り込まれたりして迷惑しているらしい。なので針江生水の郷を詳しく観光したい場合は、予めガイド付きの見学ツアーに予約しなければならない。今回の旅では観光時間の都合上などで見学ツアーの参加は無理なので、公道から見える範囲のみの見物。

家々が密集する住宅地の中を通る水路の水は非常に綺麗で、鯉がたくさん泳いでいる場所もある。水路の水は各家庭まで流れていて、玄関前に洗い場のようなものが設けられている家をいくつか見かけた。さらに台所か洗面所と思われる部屋の床下に水が通っている家も。今までいろいろな古い町並みを見て来たがこういうのは初めて。出来れば民家の中の川端も見学してみたかった。

湖畔の道路を時計回りに、琵琶湖北端へ向けて進む。琵琶湖周辺には、「琵琶湖八景」という8つの景勝地が点在していて、そのうちのいくつかに立ち寄ろうと計画していたのだが、とても景色が映える天気ではないので止める。祝日なので琵琶湖周辺の道路は混雑すると思っていたが、琵琶湖北側には際立った観光スポットが無いからか車の通りが非常に少ない。琵琶湖北部からは琵琶湖八景のひとつである竹生島が見えるが、景色はかすみ海も空も島も灰色がかり、八景に選ばれた「深い緑に包まれ青い水面に映る島影」を見ることはできない。

琵琶湖北部にある竹生島

つづら尾崎展望台から

琵琶湖最北部にある葛龍尾崎の山道を上って行き、高所から琵琶湖を一望できるつづら尾崎展望台に到着。しかし相変わらずの空模様で遠くの景色はかすんで全然眺めはよくない。まもなく9:00という時間なのにまだ薄暗い。快晴ならばかなりいい景色を眺める事ができそな場所なだけにかなり残念。琵琶湖最北端にある賤ヶ岳の展望台はさらに湖の眺望がきく場所で、そこからも琵琶湖を眺めようと思っていたのだが、この天気では何も見えないのでパス。本当に天気が恨めしい。

さざなみ街道

(さざなみかいどう:滋賀県湖北町)

琵琶湖の最北端を通り今度は東湖畔を南下していく。さざなみ街道という湖岸道路に入ってすぐに、「道の駅 みずどりステーション」があったので小休憩のため立ち寄り。と、いつの間にか視界に青空が広がっている。道の駅から眺めて北側は相変わらず雲で淀んでいるが、南西側は雲が晴れ空も湖も青い景色になっていた。とても救われた気分。さざなみ街道が通る湖岸は湿地のような風景が広がっていてとてもいい眺め。

さざなみ街道からの眺め

さざなみ街道からの眺め

彦根城

(ひこねじょう:岐阜県彦根市)

さざなみ街道から琵琶湖を南下し彦根市に入り、3日目の観光のハイライトのひとつである彦根城へ。彦根城は国内に12しかない現存天守のひとつで、さらに現存天守の中から国宝と指定された4つの城「国宝四城」のひとつでもある。彦根城というと一般的にはどうしてもマスコットキャラクターの「ひこにゃん」のイメージが強く、城そのもの存在感が薄い気もする。正直言うと自分も、ひこにゃんは知っていたが彦根城と天守の存在は今まで頭に無かった。まぁ、全く別の地域に住んでいて城に興味が無い人は皆そんなものだろう、多分。

天秤櫓

メジャーな観光スポットだけあって内堀を囲む道路には観光客が沢山。目に留まった駐車場も1ヶ所目、2ヶ所目と入口に満車の文字。3ヶ所目でやっと車を停めることができ、入城料\600を払い城の敷地内に入る。天秤櫓という立派な櫓の門をくぐり天守へ向かう途中、天守のある高台から下りて来てすれ違う観光客から、ちらほらひこにゃんの話題が耳に入ってくる。どうやらひこにゃんを見物してきた人たちのようで、かなり”いい”らしい。自分はゆるキャラには興味が無いし、そんなにいいのかひこにゃん?とその時は思った。

天守

天守

彦根城天守は規模は小さめで、最近修復したのか外壁の漆喰が真っ白で真新しい感じ。早速天守内の見学をしようとしたら、入口には行列ができていて何と待ち時間30分との案内。今まで日本中の複数の城を観光してきたが、長い行列ができるほど混雑していたのは初めて。これもひこにゃん効果だろうか。

大盛況

天守入口に並ぶ人の列

天守最上階屋根裏

天守内も最上階まで人の列が続いていてゆっくり落ち着いて見学できない… 最上階からは周囲の景色を一望。琵琶湖が見える北西側は相変わらず雲が多いが、それでも朝の曇り空と比べればだいぶマシになった。天気が回復してくれて本当によかった。快晴だった旅行1日目の日中と同様、気温は11月とは思えないような暑さに。

天守から眺める東側(多分)の風景

天守から眺める琵琶湖

天守の見学後は、天守裏手にある西の丸三重櫓の建物内の見学。櫓上階からは琵琶湖が見えるが天守からの眺めとさほど変わらず。

西の丸三重櫓

玄宮園

内堀を出て城の北東にある玄宮園という庭園も見学。これがなかなか素晴らしい日本庭園。紅葉の時期はさぞ見ものだろう。紅葉には一歩早かったのが惜しい。玄宮園を出たすぐ側には、二季咲桜という桜が咲いていた。冬の11月から1月と、春の4月から5月の年2回開花する桜。1年に2度も咲く桜があるとは知らなかった。数年前に伊豆を旅した時には、河津桜という1月から2月に咲く桜を見て、冬に咲く桜があると初めて知った。全く自分の無知さ加減に驚く。桜と一言で言ってもいろんな種類・開花時期がある。

玄宮園と彦根城天守

二季咲桜

とりあえず大まかに彦根城を観光したのでこれからどうしようと考えていたところ、ひこにゃんの登場時間が書かれた案内板に目が留まる。ちょうど天守前でひこにゃんが出ている時間だったので、ついでにひと目見てみようと天守へ移動。ひこにゃんの周りには人だかりができていて、大人も子供もひこにゃんにカメラを向け撮影に夢中。そんなに騒ぐほどのものか、と思い自分も人だかりの中へ入りひこにゃんを眺めていると…確かにかわいい。ルックスだけでなく動きも何とも言えない愛らしさ。凄い癒されるよこれは。

愛らしい動きを動画に撮りたくなり、予備のカメラをカバンから取り出し、右手に写真撮影のカメラ、左手に動画撮影のカメラを持って撮影。すっかり自分も写真撮影に夢中になっていた。両手で写真と動画を撮影していたので、動画は若干グラグラしたり傾いていたり…

ひこにゃんタイムが終了すると、天守の手前にある太鼓門櫓へ撤収。その際も入口の梁に角を引っかけるボケなどの小ネタを惜しみなく披露し、観客を最後まで楽しませてくれる。ホント参りました。イメージ的に彦根城<ひこにゃんになってしまうのも仕方ない。ひこにゃんの登場以降何かとご当地ゆるキャラが目立つようになった気がするが、ひこにゃんに勝るキャラクターはそうは無いと思う。

近江八幡

(おうみはちまん:近江八幡市)

琵琶湖をさらに南下して最後の観光地となる近江八幡へ。近江八幡は昔ながらの城下町や運河が残る観光スポット。メジャーな観光スポットのようで観光地中心にある駐車場は何処も満車で、仕方なく少し外れにある駐車場に車を停める。

新町通り

新町通り

旧八幡郵便局

白雲館

近江八幡には南北にのびる商家通りがいくつかあり、その中で一番の観光スポットとなっているのが新町通り。格子戸や白壁土蔵の古い家並みが続いていて、電柱も無く昔そのままの商家風景になっている。耳に入ってきたツアーの添乗員の説明によると、なにがしの時代劇の撮影に使われたとか。他の通りにも入り、旧八幡郵便局や観光案内所の白雲館もチラっと見物。

彦根城では青空が見えていたのに近江八幡では再び雲で覆われ、まだ14:00というのに景色に明るさが無い。残念… 近江八幡北側には八幡山があり、ロープウェイで山頂まで登って琵琶湖や近江八幡の城下町風景を一望できるのだが、この天気では眺めはよくなさそうなので山頂へ行くのは止める。旅行3日目の観光で一番楽しみにしていた、近江八幡一番の見所である八幡堀へ。

八幡堀

肝心な水路が隠れてる…

日牟禮八幡宮

八幡堀も新町通りのように時代劇に出てくるそのままの風景。実際に何度も時代劇の撮影に使われているらしい。本当に素敵な風景。それだけに曇り空が恨めしい… 八幡堀のすぐ側にある日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)もさくっと見物。それからまた八幡堀に戻り、運河脇の歩道を歩いて散策。観光客が多く道路も駐車場も混雑している割には、運河脇の通りには何故かほとんど人通りが無く静かで、雰囲気を楽しみながら散策する事ができた。

15:00過ぎに近江八幡観光を切り上げ帰路へ向かう。朝から天気に恵まれずいくつかの観光予定地をキャンセルしたので、予定よりも2時間ほど早い切り上げ。最寄のICから高速道路に入ろうと思ったのだが、予想以上に道路の渋滞が酷く車はなかなか進まず。琵琶湖周辺の高速道路も渋滞しているようなので、空いている横道に入り暫くナビを頼りに車を走らせ、予定と違うICから高速に入ったのが17:00過ぎ。早めに観光を切り上げて正解だった。高速では1度渋滞に遭うも後はずっと流れが良く、約400kmの道のりを1度休憩を入れつつ淡々と走り、帰宅したのが22:30。