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その6  4日目

 

飛騨古川

(ひだふるかわ:岐阜県飛騨市)

5:00過ぎ寒くて目を覚まし、車を走らせ飛騨古川に入り、JR飛騨古川駅の前にある市営無料駐車場へ。これがかなり広い駐車場。観光客のため?に市がこんなに広い駐車場を無料で提供しているなんて、なんて良心的なところだ、と思った。観光するには時間が早いので1時間ほど仮眠をとり、7:30から観光開始。

瀬戸川と白壁土蔵街

左側には円光寺というお寺

郷愁町並巡り五箇所目の飛騨古川は、用水川に沿って連なる白壁土蔵や古い町並が残る城下町。まず最初に飛騨古川のメインスポットであり一番行ってみたかった「瀬戸川と白壁土蔵街」へ。予想通り観光客の姿は無く、期待通りの風情のある落ち着いた風景。瀬戸川に沿って連なる白黒コントラストの効いた土蔵と小道。川には鯉が沢山泳いでいる。いいっ、これいい。何だかとても癒される風景。

歴史を感じる建物

鯉が泳いでる

枝垂桜

瀬戸川を円光寺のある北端から南端へ向けて散策。円光寺を過ぎると、石畳が真っ直ぐ続く住宅地の通りに。民家は先に訪れたうだつの町のような歴史を感じさせるものではないが、景観に配慮した落ち着いた佇まいの家が多い。毎日この風景を見て生活している人達はきっと心も穏やかなのだろうなぁ、と、万年心労な東京人は勝手に想像してしまう。

円光寺

静かな朝の土蔵街に子供たちの姿が。瀬戸川を泳ぐ鯉に餌やりをしている。何だろう、風情があるというか、和むと言うか、平和を感じる光景。情緒ある町並の「素」の生活風景。

石畳の通り

瀬戸川は約400年前に新田開発のために造られ、武家屋敷と町人町の境界の役割もした用水。現在は打ち水や防火・農業用水、流雪溝として使われているとか。鯉は美しい水を保つシンボルとして放流され、1000匹ほど泳いでいるらしい。

飛騨古川はNHKで2002年に放送された連続テレビ小説「さくら」のロケ地だったそうで、土蔵街の小道は主人公の通勤路として使われていたそうな。ちょっと観てみたい。

瀬戸川を進んでいくとやがて白壁土蔵は終わり、民家が隙間無く軒を連ねる。この辺りもとてもよい雰囲気。本当に心が落ち着く風景だ。瀬戸川と小道の間に立つ灯篭は夜になると灯りがともるのだろうか。これはきっと夜も素晴らしいに違いない。前日の夜にも立ち寄っておけばよかったかな。

円光寺から延びる瀬戸川は400mほどで終わり、終端には弁財天堂がある。瀬戸川は宮川支流の荒城川から、弁財天堂のある南端から流れ込んでいるので、こちらが瀬戸川上流になる。

飛騨古川には「屋台蔵」という、祭り屋台が収められている蔵が点在している。蔵の正面扉には家紋のような紋様。毎年4月に400年の伝統がある飛騨古川祭りが行われ、沢山の屋台が町内を巡るらしい。全部で10ヶ所ほどある屋台蔵を全部まわってみようかとも思ったが、確実に疲れるので止めた。

屋台蔵

鶴の家紋?

10ヶ所ほどある

瀬戸川に並ぶ白壁土蔵の表通りになる壱之町の通りへ。壱之町は古い建物が多く残る町並。観光している時は特に気にならなかったが、白壁土蔵街にも壱之町にも電柱が立っている。どちらの電柱も土蔵街の並びとは反対側に立てられているので気にならなかったのだろう。そういえば今回の旅で電柱の無かった町並は、白川郷の合掌造り集落と美濃市のうだつの上がる町並の一画だけだった。

壱之町

和ろうそく屋

三嶋屋も「さくら」のロケ地

壱之町も人影はほとんど無く静まり返っている。と、ホウキを掃く女将?発見。ささやかながらも情緒ある風景。この通りにある三嶋屋と言う和ろうそく屋は、江戸時代から続く老舗で人気の観光スポットらしい。残念ながら時間が早いので入店出来ず。ここは少し入店してみたかった。早朝観光は観光客が少なく静かなのが利点だが、店や観光施設が閉まっているのが難点。

地酒「白真弓」

清酒「蓬莱」

蓬莱の酒作りのモニュメント

ここでも発見、店の軒下に下がる球体。それにしても、うだつの町でも飛騨高山の古い町並でも球体がある店は酒造店だった気がする…と思い調べてみたところ、これは杉の葉の穂先を集めてボール状にした「杉玉」(「酒林(さかばやし)」とも呼ばれる)というもので、日本酒の造り酒屋などの軒下に緑の杉玉を吊るして新酒が出来たことを知らせる役割をするものらしい。最初緑色だった杉玉はやがて枯れて茶色に変わっていき、それが新酒の熟成具合を物語るとか。なるほど、勉強になった。これYahoo!ショッピングでも売ってる、ちょっと欲しい。

多分飲食店

賑やかさ満点の酒屋

壱之町のさらに隣に弐之町・三之町とあり、弐之町の通りに入ってみると壱之町ほど風情のある町並ではなく、三之町へは行かず最初の白壁土蔵街へ戻る。時間は9:00をまわり観光客の姿もチラホラ見え始める。と、おじさんが何やら作業をしている。あ、鯉のエサね。「コイの健康のためエサの数を限定しております」と説明書きが。ちゃんとそこまで考えているのか。エサはこれから沢山やって来る観光客があげるだろうから自分はいいか。自分が空腹。

再び瀬戸川へ

鯉のエサ準備中

鯉のエサ

出来ればもう少しゆっくりして観光施設などの見学もしてみたい飛騨古川。しかし連日の町歩きと猛暑で疲労が溜まってきているのと、飛騨古川から東京までの帰路は長く、GW中で途中確実に渋滞に遭うと思われ、2時間ほどの散策を終え車へ戻る。

と、その前に、空腹だったので何か無いかと辺りをうろついて発見したコロッケ屋。これでいいやと1つ買って食べる。うん、なかなかおいしい。

計画では飛騨古川は3日目夕方から観光し、4日目は乗鞍高原周辺の観光をする予定だったのだが、予定変更で飛騨古川を4日目朝にずらしたので、乗鞍高原の観光は平湯大滝の一箇所だけにする。飛騨古川から山道を4、50km走って平湯大滝へ。

平湯大滝

(ひらゆおおたき:岐阜県高山市)

11:00ちょい前に平湯大滝駐車場に到着。周囲は雪景色が結構残っている。駐車場に入る前に一瞬目に入った、国道の電光掲示板の「積雪で通行止め」という表示が気になる。まぁいい、車を降りて滝へ向かう。

平湯大滝駐車場

駐車場から数分歩くと滝が見えてくる。平湯大滝は落差64mのそこそこ大きな滝。「大滝」なのに小さかったら困る。しかし残念なことに滝壺周辺まで行くことは出来ず、結構離れた所から眺めるようになっている。なので大滝の迫力を味わう事が出来ない。やはり滝は規模が小さくても滝壷から眺められる方が見応えはある。サクッと見物して足早に車へ戻る。

平湯大滝

滝ズーム

平湯大滝を出て国道に入ると、やはり冬季閉鎖区間が通行止めになっていて、迂回路である有料道路に入る。通行止めの国道は細くくねった山道なのに対し、有料道路はずっとトンネルで快適な道。このトンネル道を国道にしちゃえばいいじゃん、て思った。それから長野県松本市まで国道を進み、12:30松本から高速道路に入る。暫くは車の流れがよかったが、次第に混雑していきやがて渋滞。1時間半ほど渋滞は続き、渋滞を抜けると今度は眠気でSAで仮眠。毎回車で遠出すると帰りは渋滞と疲労でしんどい。自宅に着いたのが18:30。晩御飯を食べた後にゆっくり一杯やれる。飛騨古川を早めに切り上げておいて正解だった。