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2011年5月5日 21日目 (晴れ)  広島県庄原市⇒京都府京都市

走行距離:355.4km(合計:4811.2km)

給油:32.20L(合計:269.40L)

 

いつもより少し遅い7:30起床。前日就寝時間が早過ぎたせいで、3:00頃に一度目が覚めた時になかなか眠れず、1時間ほど音楽を聴いて4:00過ぎからの二度寝。そのせいで起床が遅くなってしまった。まぁ、たっぷり睡眠はとれたので良し。車中泊した七塚原SAから高速道路を引き続進んで岡山県に入り、新見ICで高速を下りた後は山道を暫く走り、高梁市の吹屋ふるさと村に9:30到着。駐車場に車を停めて早速観光開始。

吹屋ふるさと村は、銅山とべんがらの町として栄えた頃の町並が保存された地域。べんがらとは赤色顔料のひとつで、江戸中期にこの吹屋で初めて生産されたらしい。町が栄えていた当時の街道沿いに、昔ながらの商家・町家が建ち並んでいる。町外れにはべんがらの原材料となる鉄鋼を採掘していた坑道があり、坑内の見学もできる。

吹屋の町並

旧街道沿いに吹屋の町並が続く

吹屋ふるさと村に立ち寄った理由は、これまでの車中泊の旅でまだ1度も岡山県内の観光をしていなかったので、帰りついでに1箇所くらい観光しておこうと思ったので。岡山県内の観光地をざっくり調べ、自分の好きな古い町並のある吹屋へ寄ってみようという事になった。

郵便局もクラシック

整然とした雰囲気の町並

GW中なのでここもそれなりに混雑しているに違いないと思いきや、メインストリートの旧街道に入った時はまだ観光客の姿は数えるほどしかなく、店なども営業前で静まり返っていた。こういう場所は観光客で混雑していると、昔ながらの町並の雰囲気を味わえないのでホッとした。ちょうど1年前のGWに訪れた岐阜県飛騨高山の町並保存地区では、あまりの人の多さに観光どころではなかった。こういう町並は落ち着いた雰囲気の中でのんびりと散策したい。

 

吹屋小学校

日本最古の現役校舎

旧街道から横道に入り少し歩いた所に、吹屋小学校という古い木造校舎の建つ学校がある。明治33年(1900年)から建築されたもので、現在使用されている木造校舎では日本一古いらしい。まるで映画のセットのよう。そしてとても懐かしい雰囲気がある。

なわとび運動優良校!

校舎端から見る

懐かしい百葉箱

GW中で学校は休みなので、子供の姿もなく辺りは静まり返っている。建物は非常に古く年季が入っているが、長年ずっと大切に使われてきた事が見て伺える。眺めているだけで何だかとても癒される建物。自分がこういう学校で学んでいたら、どのように成長していたのだろうと考える。ちなみに、古くて小さな学校ではあるが、校舎手前の校庭の隣には立派なプールもある。

正面玄関から校舎内を覗く

外の黒板に学校の予定が

何処を撮っても絵になる校舎だ

校舎は古くてもプールは立派

現役の学校なので当然一般人は校舎内に入る事は出来ないので、正面玄関の窓から校舎内の様子を撮影。出来れば各教室も見学したかった。授業風景は都会の学校とは雰囲気が違うのだろうか。授業風景を覗いてみたいとも少し思った。この吹屋小学校は2011年度末で廃校が決まっている。現在の児童数は6人と少なく、今後も減少していく見込みであることが廃校の理由らしい。

 

吹屋小学校から旧街道に戻り先へ進んで行くと、「ご当地グルメ ベンガラカレー」とメニューの書かれた店を発見。ちょうど小腹が減っていたところだし、ここ数日疎遠になっていたご当地グルメをしよう!と思ったが、タイミング悪く店は休み。書き入れ時のGWなのに!その店のすぐ側に「紅や」というわらぶき屋根の店があり、大きく開けられた窓から中を覗くとレトロ感漂うお洒落なディスプレイに興味を惹かれる。

紅や

窓から紅や店内を覗く

紅やは喫茶店で玄関にメニュー書きがいくつかあり、その中の「福山コーラ」に目が留まる。福山コーラ?聞いた事は無いが何だか気になるので飲んでみようと入店。店内はアンティークな家具やお洒落な小物で飾られ、クラシック音楽が流れていてとてもいい雰囲気。まだ客の姿は無く、落ち着いた隠れ家的な雰囲気でもある。自宅の側にこんな喫茶店があったらいいなと思う。

紅や玄関

お洒落な家具や小物でいっぱい

福山コーラ

少し店内を見物してから福山コーラを注文。クッキー付きで\350。瓶のラベルがかっこいい。店内の雰囲気がとても良いからか、普通のコーラよりもずっとおいしく感じた。炭酸が少し強めでキリッとした感じ?福山コーラは、広島県福山市の酒販店と炭酸飲料製造販売会社の共同開発によるもので、市内の飲食店などで人気らしい。地ビールならぬ地コーラ!これもご当地グルメにカウントしてしまおうか。…ん?でも吹屋は岡山県だが

客が自分1人だけだったため、店主と談笑しながら30分ほどのんびりと過ごす。前日は午前中から沢山の観光客が来店して死ぬほど忙しかったらしい。とても雰囲気のいい店なだけに、客が1人もいない時に来店したのはラッキーだった。

 

さらし者のテン

判決文が掲示

紅やで吹屋の町並のほぼ終端なので、旧街道を引き返す。11:00をまわりチラホラと観光客の姿が目立ち始め、どの店も営業を始めていた。そして道の途中で面白いものを発見。イタチ科の動物テンが檻に入れられさらし者にされていた。檻の前には「告知 判決文」なるものが掲示されている。内容は、店の中を荒らしまわり多大な損害を与えたのでさらし者の刑に処す、というもの。なかなか面白い事をやってくれる。まぁ餌はちゃんと与えているのだろうけど。

食事処を求めて歩く

藤森食堂

だいぶお腹が空いてきたところで、藤森食堂という食事処があったので入店。店員にお勧めメニューを聞くと、けんちん汁風のいろんな具をぶっかけた「田舎そば」との事なので、それを注文。確かに具沢山でなかなかおいしい。入店した時は空いていた店内は、食事をしている間に満席になってしまいビックリ。やはりGW中の観光地では人混みを避けて通れないらしい。先に立ち寄った紅やもきっと混雑して、店主はまた死ぬほど忙しくなるに違いない…

田舎そば

藤森食堂の周りを歩いて神社や土産屋に寄り道。朝に吹屋に着いた時は人影がほどんど無く静かだったが、いつの間にか多くの観光客で賑わっていた。英語や中国語を話す外国人の姿も目にする。やはりGWは何処の観光地も混むので、人より早い時間から行動することが混雑を避ける一番の手段だ。

紅い屋根が印象的な神社の社殿

神社から見下ろす吹屋の家並

吹屋には他にも資料館などの観光スポットがあるが、今回の旅は九州がメインで既に満足してしまっているし、気分的にも帰宅モードに入っていたので細かい所の観光は省き、吹屋の見所の1つである笹畝坑道へ向かう事に。駐車場に戻るとレンタカーのボディがかなり汚い事に気付く。全体的に砂っぽい汚れがついているので黄砂によるものだと思われ。もうすぐ家路に就くので気にしない。

 

吹屋の旧街道から笹畝坑道までは車で直ぐ。管理室で見学料\300を払い、安全ヘルメットを借りて坑道の中へ。今までに鍾乳洞や坑道などいくつも見学しているが、ヘルメットを渡されたのは初めてだと思う。確かに坑道入口から続く細い通路は頭上が低いところもあるので、背の高い人は特に注意が必要。1年前の岐阜県の旅で鍾乳洞に入った時に、頭上の木の柱に頭を強打したのを思い出した。痛い思いをするよりはヘルメットをちゃんと被った方がいい。

笹畝坑道入口

頭上注意!

入口から続く坑道

結構狭い

坑道を奥へ進んで行くと広い採掘現場跡に出る。所々に実物大の人形が置かれ当時の採掘の様子を再現している。古文書によると大同2年(807年)「大深谷に鉱気これあり銀鉱を得」とあり、何時の頃からか採掘されるようになったとか。吹屋の「吹く」とは、銅を吹くという意味らしい。パンフレットの坑内断面図によると、かなり深い所までいくつもの坑道があるが、見学できるのは復元整備された約320mの区間のみ。

当時の採掘の様子を再現

笹畝坑道の見学で吹屋の観光を終え、あとは自宅のある東京まで高速道路をひたすら走るだけ。…の予定だったが、吹屋から最寄りの高速ICまでの道のりの間に現存天守の備中松山城があるので、ついでのついでに立ち寄る事に。

 

備中松山城は吹屋と同じ岡山県高梁市にある。城がある山あいの静かな町は、観光客の賑わいも無くのんびりとした雰囲気。駐車場のある城見橋公園から山の上にある天守閣までは結構距離があり、途中までシャトルバスが運行していたが、バスが来るのをじっと待っているのもつまらないので徒歩で向かう。木々に覆われた道は途中で景色が開け、山あいに広がる町を一望。何だかとてもいい眺めだ。しかし日差しが強く、暑くて山登りするにはしんどい。今回の旅は本当に山歩きが多い気がする。そして途中でバスに追い越される。やっぱりバスを待っていればよかったかも…

城見橋公園駐車場から続く道の途中から

ふいご峠の看板

城見橋公園駐車場から舗装された上り坂を15分ほど歩いて、バス停があるふいご峠駐車場に到着。平日であればふいご峠駐車場まで車を運転して行けるが、休日は混雑を避けるためシャトルバスのみとなっていた。しかし備中松山城天守閣までの道のりはここからが本番。日本に12ある現存天守の中で最も標高の高い場所に建つ天守閣までの道のりは若干険しい。

ふいご峠駐車場から天守閣までの道のりは約700m。未舗装の地面と石段の山道が続く。道の途中途中には「登城心得」が書かれた案内板がある。下の写真の他にも「この辺りがちょうど中間地点である しばし休まれよ」など。なかなか面白いアイデアじゃないか。それにしても暑い、汗だくだ。

ふいご峠駐車場から10分ほど歩いたところで城の石垣が姿を現す。山の斜面に何段も重なるようにして上へ続く石垣は、これまで見てきた城の石垣とは様子がだいぶ異なっているように見える。石垣に沿って続く階段道をさらに5分ほど歩いてようやく天守閣に到着。2階建ての小ぶりな天守ながらも、白黒のコントラストが青空に映えてなかなか存在感がある。

備中松山城

備中松山城天守閣

入城料\300を払って天守内へ。現存天守だけあって柱や床の木材に年季が入っていて歴史を感じさせる。山の上に建っているので天守上階からの眺めはいいと思いきや、周囲の木々に遠くの景色はほとんど隠れていた。天守閣の裏手には同じく当時から現存している二重櫓がある。

天守上階

天守上階からの眺め

二重櫓

実は当初の旅行計画では、兵庫県の姫路城を旅の最後の観光地にしていた。姫路城も現存天守の1つで、ユネスコの世界遺産に登録されている正に日本を代表する城。10年前に行なった日本一周の旅でも姫路城を訪れているが、時間と天気の都合で城内観光は断念した。なので今回帰路の途中に立ち寄ろうと計画を立てたのだが、旅に出る直前に姫路城の公式HPを見て、天守閣は大規模な改修工事中で外観がすっぽり覆われてしまっている事を知る。天守内に入って工事中の様子を見学する事は出来るらしいが、外から天守閣が全く見られないのでは残念過ぎるので、結局今回も姫路城観光は断念。工事は2009年から約5年かけて行われるらしい。工事が終わってからまた別の機会に行きたい。

下山もシャトルバスを使わず歩いた

青空だとどんな景色もよく見える

 

備中松山城の観光後は食事のために高梁市内の町へ入る。国道沿いに観光客用の有料駐車場を見つけ、駐車場前にあるうどん屋に入って昼食。山歩きで汗をかいたので帰路に就く前に入浴しようと思い、有料駐車場にある観光案内所で最寄に入浴施設は無いか尋ねるが、残念ながら無いとの事で入浴は諦める。市内には古い家並みが続く通りがあったりもするが、そういうのは吹屋で観光したのでもう十分。車を停めた駐車場の周りを軽く散歩して高梁市内散策は終了。つまりこれで今回の長旅の観光が終了。時間は17:00、車に乗り帰路である高速道路へ向かう。

高梁市内の古い家並み

高梁市内の町並

 

岡山自動車道の岡山総社ICから高速道路に乗り、ほどなくして山陽自動車道へ入ると渋滞。予想はしていたが結構酷い渋滞で、ほとんどずっとノロノロ運転。ガソリンがもったいないし疲れてきたので、途中で福石PAに入り休憩。約2時間高速道路を走って40kmほどしか進まなかった。PAには道路情報を表示するパネルが無く渋滞状況が分からないので、暫く仮眠をとって渋滞が緩和するのを待つ。そして目が覚めた22:00過ぎには車の流れが良くなったようなので出発。しかしPAを出て直ぐにまた渋滞…これはしんどい。幸い渋滞は次第に緩和してやがて流れは回復。山陽自動車道から中国自動車道、名神高速道路と乗り継ぎ、24:30京都府の桂川PAに車を停めて仮眠。

 

本日の食事

朝食 コンビニ おにぎり
昼食 そば屋 田舎そば
夕食 うどん屋 うどん・おにぎり

おにぎり、麺、麺・おにぎり。