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大崎上島一周サイクリング(2015年3月)

折りたたみ自転車で風景や写真撮影を楽しみながら無理なく出来るサイクリングは30〜40kmくらいまで。そして理想的なサイクリングコースは、瀬戸内の多島美風景を楽しめる海岸沿いの道路で、車の交通量は少なく、坂道も少なく、できれば島を一周できる場所がいい…それらの条件にすっぽり収まるのが竹原市にある大崎上島。島を外周する道路は一周約33kmあり、そのうちの2/3ほどが海岸沿いの道路になっている。

大崎上島は離島なので、本土から船に乗って渡らなけらばならない。竹原市にある竹原港から大崎上島行きのフェリーが出ている。フェリーターミナル「たけはら海の家」の隣に無料駐車場があるので、車は竹原港に置いて自転車だけフェリーに載せれば運賃が安く済む。

たけはら海の駅

海の駅のウッドデッキから

垂水行きのフェリー

自転車は車両甲板の隅に適当に置く

竹原港発大崎上島行きの航路は、垂水港行きと白水港行きの2航路ある。港の場所も運賃も大して変わらないので、時刻表を見て都合のよい方の航路を利用すればいいと思われ。今回は垂水港の往復利用。竹原〜垂水の旅客運賃は大人片道340円(往復乗船券は650円)、自転車航送運賃片道130円と、往復でも1000円でお釣りがくる(2015年現在)。仮に自動車を載せるとなると3m以上4m未満で片道1950円掛かる。

 

<< SCROLL    航行中のフェリーから眺める竹原方面の風景 パノラマ写真180°    SCROLL >>

 

竹原港を出航して20分ほどで垂水港に到着。離島は船で海を渡らないと行けないので、何となく行くのが面倒というイメージを持ちがちだが、大崎上島は本土から近く気軽に行ける島。

垂水港に到着

垂水港からサイクリング開始

10:00ちょうどに垂水港からサイクリングスタート。道路の海側を走りたいので時計回りに島を周回。島の北端西側にある垂水港から北端東側へ県道を進む。以前島を外周する県道を車で一周しているので、今回はその時よりも少しでも外側を走ろうと、垂水港を出発して直ぐに県道を左折して、県道よりも外側を通る細道に入る。

住宅の並ぶ細道

そこそこサイクリング日和

前日の雨で水溜り

島を外周する県道に戻る

前日の雨で細道には多数の水溜り。自転車には泥除けがついていないので水溜りを避けて走行。1kmほど細道を走ったら県道の最北端に合流。横道に入った甲斐はあまり無かったが、走った事のない道に入ろうとする好奇心と探究心が大事。車以上に小回りの利く自転車だからこそ、よく分からない道でも積極的に攻めていく…と言いたいところだが、事前にグーグルマップのストリートビューで確認しておいた。本当に便利な時代になった。

島の東海岸沿いを通る県道を北から南へ南下していく。対岸にはしまなみ海道が通る島のひとつの大三島の陸地が見える。大崎上島と大三島の間が、広島県と愛媛県の県境。東海岸沿いの県道を走っていると道路脇に祠をよく見かける。車で通った時は一時停車するのが面倒で全て素通りしていたが、自転車は車のように路上駐車に気を使う必要も無くすぐ止れる。そのような点でのフットワークの軽さもサイクリングの魅力のひとつ。

東岸から大三島を望む

サイクリングコースの表示

大崎上島には、しまなみ海道や安芸灘とびしま海道のようなサイクリングコースを示すブルーラインは引かれていないが、道路脇の所々にサイクリングコースを示す表示が描かれている。「おと姫 S3-10」が何を意味しているのかは不明だが、この表示のある道路が大崎上島一周の推奨サイクリングコースと思われ。

 

大崎上島は離島な上、際立った観光スポットがあるわけでもないので、週末でも島を外周する県道の交通量は少ない。島一周約33kmで車の交通量が少なく、海岸沿いの道路が多く坂道は少ない。にわかサイクリストの自分にはちょうどいい日帰りサイクリングコース。ただ、個人的に大崎上島で一番の観光スポットだと思う場所は、島内で最も標高が高い神峰山(かんのみねさん)。眺望の利く展望台が複数あるが、自転車で山登りは辛いのでこのサイクリングでは立ち寄っていない。神峰山については別ページの「大崎上島」で。

大崎上島初訪問でドライブした時も、神峰山観光以外は島を外周する県道を走ったので、目に入る景色で初めてものはほとんど無い。ただ、前回はあった建物が無くなっていたり、映画のロケ地になっていたりと、そのような変化を見つけると時間が経っている事を実感させられる。

島の東南部にある「古い町並み」も以前に訪れた場所。海岸沿いの道路から一歩奥に入った所にある小路。以前は海岸沿いの県道に車を停められる場所を探し、そこから少し歩いて小路を散策したが、自転車ならそのまま小路に入っていける。こういう身軽さが自転車の利点。

古い町並み入口

古い町並み

古い町並み

古い町並みにある神社

古い町並みを抜けて直ぐに、県道沿いの高台の上にある神社に目が留まる。車で通った時は気づかなかった。ゆっくり走る自転車からだと周囲の情報がより多く目に留まる。高台からの眺めがよさそうなので階段を上って神社へ。眺めは期待したほどのものではなかったが、ドライブでは立ち寄らなかった場所なので良しとする。

高台の神社 金剛寺入口

金剛寺

金剛寺から北側の眺め

金剛寺から南側の眺め

金剛寺から神峰山山頂まで山道が続いている。2km弱とそう長くない道のり。天気もそこそこいいので登ってみようかと考えたが、まだ島を1/3周もしていないので止める。登山で疲れた足で自転車を20km以上漕ぐのは考えただけでもしんどい。

 

まだまだ東岸を南下

長い上り坂道

クマさん鉄のオブジェ

垂水港から時計回りに島を周りはじめて10kmほど進んだところで、初めて坂らしい坂に差し掛かる。坂を上り切ったところにある港の敷地内にある「クマさん鉄のオブジェ」は、以前に訪れたので今回は道路越しに見るだけ。その先の上り坂の途中にある「木江ふれあい郷土資料館」は、以前は休業していたが再訪時は外装のカラーリングが微妙に変わって営業していた。郷土資料館には基本的に関心が無いのでここもパス。

木江ふれあい郷土資料館

 

中ノ鼻灯台へ続く坂道

中ノ鼻灯台

垂水港から約11kmの地点に中ノ鼻灯台。ここもドライブで立ち寄っているが、印象に残った場所なのでサイクリングでも立ち寄り。灯台から一望できる瀬戸内の風景はぼちぼちと言ったところだが、小ぶりで印象的な外観の中ノ鼻灯台がお気に入り。高台に建つ灯台までは急な上り坂。ギアを一番軽くして気合で何とか上り切るも、息が切れて汗をかいて一気に疲れる。

<< SCROLL    中ノ鼻灯台からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

 

西へ続く県道

弓張岩

<< SCROLL    弓張岩からの眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

中ノ鼻灯台の直ぐ側にある弓張岩から県道は西へ続く。弓張岩から自転車を漕ぎ始めて直ぐに、海上に建造物のようなものが浮いているのに目に留まり、よく見てみるとこちらに近づいてくる。最初は海上で何か作業をする工業設備かと思ったが、球状船首などの造船部品を載せた大きないかだだった。本土や大小の島々に造船所が多数点在する瀬戸内ならではの光景。

海上の工業設備かと思ったら…

造船の部品だった

南岸を延びる県道

古い火の見櫓発見

 

長い坂を上る

県道を淡々と進む

トンネルに入る

西北へ向かう

県道を島の最南部まで進むと、道路は海から離れ西北に向けて続く。海岸線を離れてしまうと目を惹く景色はなく、上り下りのある道を淡々と進んでいく。途中に長い上り坂があり自転車を漕ぐのがしんどくて歩き、その後には長い下り坂が続き、トンネルを抜けた先のT字路で左折し、真っ直ぐ進んでまた左折して… 交差点にはサイクリングコースを示す乙姫表示があるので、それに従って進んでいけば間違いない。

おと姫表示に従って進む

 

大串海水浴場

ソーラーファームの横を通る

県道を離れ、島の西北部にある大串海水浴場に出る。中ノ鼻灯台からここまで約10km。垂水港からは約21km。シーズンオフで静まり返ったビーチにもの寂しさを感じつつ、今度は北東側へ向けて延びる道を進み、ソーラーファームを横切る道路を進み、大串桟橋に出る。桟橋から延びる長い直線道路からは、静かで長閑な入り江風景の眺め。

大串桟橋

大串桟橋から延びる直線道路

<< SCROLL    大串桟橋のある入り江の風景 パノラマ写真180°    SCROLL >>

 

大崎上島一周ついでに、大崎上島北西部に隣接する長島に立ち寄り。橋長402mの長島大橋が大崎上島と長島を繋いでいる。

長島へ向かう

長島大橋を渡る

<< SCROLL    長島大橋から長島側の眺め パノラマ写真180°    SCROLL >>

 

<< SCROLL    見晴台から眺める長島大橋と大崎上島 パノラマ写真180°    SCROLL >>

長島大橋を渡って長島に入ったすぐ左手に「マリンパークおおさき」という海釣り公園があり、高台の上に建つ見晴台がある。見晴台からは長島大橋や大崎上島西北部の風景、その反対には長島の発電所が目の前にある。長島は約1km²の小さな島で、マリンパークおおさきと発電所以外にはほぼ何もない。島を一周する道路もないので、長島東南岸沿いの細道に入り、長島大橋を見渡せる場所まで行ったところで引き返す。

大崎発電所

長島東南岸からの眺め

長島東南岸の細道を進む

長島東南岸から長島大橋を眺める

 

垂水港へ向かう

北西岸沿いの道路

長島から大崎上島に戻り、サイクリングスタート地点である垂水港へ向けて北西岸沿いの県道を進む。その途中に厳島神社があったので立ち寄り。尾道市の岩子島にある厳島神社は、本家宮島の厳島神社と同じく潮の満ち引きで海に浮かぶ鳥居があったが、こちらの厳島神社にそれらしいものは見当たらず。

厳島神社

 

サイクリングに最適な道路

ここからも竹原港まで行ける

堤防で繋がった小島発見

垂水港に到着

垂水港に15:20帰着。スタートが10:00だったので、大崎上島一周+長島立ち寄りに掛かった時間は5時間20分。それに対して自転車を漕いでいた時間はちょうど半分の約2時間40分。走行距離は約38kmとなった。

走行時間

走行距離

平均速度

最高速度

消費カロリー

CO2削減量

ドライブで一周したことのある大崎上島のサイクリングをしてみて、自転車の方が見られる景色や発見が多いと改めて実感した。自転車で無理なく一周できる大きさの島であれば、車で周るよりも自転車でサイクリングした方がより楽しめる。ただし、坂道の多い内陸部や山頂展望台などへ自転車で行くのは辛い。なのでこの大崎上島のように、先にドライブで山間部を含む主だった観光スポットを周り、2度目は自転車で外周サイクリング…という風にすれば、ひとつの島を異なる手段で2度楽しむことが出来ていいと思う。