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その1  1日目朝

 

仕事が繁忙期で残業が多い為、深夜1:00出発で志賀高原の池などの水辺から朝陽を眺める、というプランは諦め、7:00くらいから観光できるよう3:00出発を予定に計画を立てる。しかし旅行前日は予想以上に忙しく、黙っていたら終電になってしまう勢い…なので半ば強引に22:00に仕事を切り上げ帰宅。

そして翌日2:30起床。結局1時間半ほどしか眠れず。それでも全く眠らないよりはいい。梅雨の真っ只中で前日までの志賀高原の天気予報は良くなかったが、仕事のストレスと久しく自然と触れ合っていなかった事への限界を感じ、悪天候を覚悟しての決行。それでもせめて雨は降らない事を願いつつ、予定通り3:00に出発。

東京から長野まで高速道路で一気に進み(関越自動車道:練馬IC〜上信越自動車道:信州中野IC)、6:00には志賀高原の近くの高速ICを下りる。前日の天気予報ではほぼ曇りだったが、結構青空が広がっていて少し安心。しかし周辺の山々には雲がかかっている。3年前の「日光・赤城 紅葉と滝巡り」の悪夢が頭の中を過ぎる…やはり曇り空で陽もろくに射さないようでは、自然の景色を満喫する事は出来ない。不安を抱えながら志賀高原へ。

潤満滝

(かんまんだき:長野県山ノ内町)

落差107m、幅20mある長野県有数の大規模な滝。しかし道路沿いにある展望台から滝までは1kmも離れているため、落差107mの迫力を感じることは出来ない。駐車場から展望台へ行く道の途中に「炭焼ガマ」という小屋ある。戦前の志賀高原では木炭が大量に作られていたらしく、その作業小屋を復元したもの。

展望台から遠く眺める潤満滝

炭焼ガマ

一沼(いちぬま?)

道路際にある沼を何人もの人が三脚を立てて写真を撮っていたので、ちょっと気になり車を停める。沼の水面には空と周囲の木々を綺麗に映し、赤や白の花も咲いていてとてもいい景色。うぐいすとカエルの鳴き声だけが耳に入ってくる。正に自分が求めていたような自然。そしてふと空を見上げれば、いつの間にか青空が広がっている。この一沼の景色を見て、この日1日晴天の志賀高原を楽しむ事が出来そうだと一気に期待が膨らむ。予想もしなかった晴天が訪れテンションが上がる。

一沼を後にし、一沼の近くにある丸池にも立ち寄って、今回まわる予定の2つのトレッキングコースの1つ、「自然探勝コース」の出発点の蓮池へ向かう。車を停めるため蓮池の隣にある駐車場へ行くと、広い敷地内に車が1台も停まっていない。時間は7:30と多少早いにしても、観光シーズンを迎えた6月半ばの土曜日に車が1台も無い事に少し驚く。やはり前日までの天気予報が良くなかったからだろうか。何だかとても勝った気分。

丸池

ロープウェイ駐車場にレンタカーを停める

↓ここから自然探勝コース↓

蓮池(はすいけ)

 

水面に浮かぶ沢山の水草と池を囲む木々、バックに見えるホテルと山々。これぞ夏の避暑地、という感じの景色。池の周囲には花も沢山咲いている。一沼と同じく、三脚と大きなカメラバッグを持った撮影目的の人が数人いたが、普通の観光客は一人も見当たらない。

この蓮池から約5.5kmほどのトレッキングコース「自然探勝コース」を歩き、約2時間かけて池や湿原を周る予定だったが、改めて地図を見ると、車でもそれらの池や湿原を周れる事に気づいたので、可能な限り車で移動する事に。次に周る予定のトレッキングコースは約10kmあるので、体力を温存しておいた方がいいと思った。なにせ前日5時間も残業して、睡眠時間はたったの1時間半。蓮池を一周して車に戻り、次の目的地の長池へ向かう。

長池(ながいけ)

長池の近くの駐車場に車を停め、林の中の遊歩道を少し歩いて池へ。長池は山と林に囲まれていてひっそりと佇んでいる、という感じ。一沼のように鳥のさえずりとカエルの鳴き声だけが耳に入ってくる。池を囲う木々が模様のように見えて印象的。長池には人の姿が全くなく、この景色の中に自分1人だけだという状況に、何故か不思議な感覚に陥る。

ひっそりとした雰囲気の長池

模様のようにも見える木々

池畔の木道を歩いていると、印象的な木々を水面に映し込んだとても幻想的な眺めが目に入ってくる。妖精でも出てきそうな(ちょっと大げさ)雰囲気を醸し出している。自分以外誰もいない、静まり返った状況だから余計にそう感じるのかも知れない。志賀高原へ来て本当によかったと感じた。

池畔の木道

なんとも幻想的な風景

空を見上げると雲の動きが異様なほど早い。大きな雲が流れてきて日差しが遮られてしまわないか少し心配になる。志賀高原池巡りはまだ始まったばかり。

上の小池

下の小池

 

上の小池(うえのこいけ)・下の小池(したのこいけ)

長池から続く木道を少し歩いた所に上の小池。特別印象的な池ではないが、ここも水面が周囲の景色をきれいに映している。上の小池から車道を少し歩いて別の木道に入る。とても良い雰囲気の木道を少し進むと今度は下の小池。小さい下の小池も綺麗。方角的に考えると、上の小池よりも北にある下の小池が上なのに、何故だろう?

長池から下の小池までの道のりの間に観光客を1人も見ていない。何だか志賀高原を独り占めしている気分。

下の小池の木道

スキー場のリフト乗り場

下の小池の木道をさらに進むとスキー場に出る。木々に囲まれた所もいいが、こういう開けた所も気持ちい。考えてみれば、これだけの自然に囲まれるのは久しぶり。半年以上?晴天に恵まれ景色もいいので、尚更久しぶりの自然が体に染みる。空気もおいしくて思わず深呼吸。

気持ちいいのでスキー場を横切りさらに続くトレッキングコースを進む。トレッキングコースの途中途中には、木の柱にぶら下がった鐘があり、最初は何かと思ったがどうやら熊避けらしい。木漏れ日の射す緑に囲まれた小道を進んでいくと、また別のスキーコース出る。これ以上進むと蓮池まで戻ってしまいそうなので車に引き返す事に。細長く先の丸まった植物があちこちに生えているけどなんだろう?

緑のトンネルの小道

熊避けの鐘

これはなんだろう?

志賀高原では6月が見頃のワタスゲ

ワタスゲ

スキー場から下の小池まで戻り、そこから車を停めてある駐車場まで続く木道を歩く。途中で白いワタスゲが沢山咲いている開けた所に出る。青空と緑の木々と白いワタスゲ。とてものどかな景色。9:00をまわり日差しが強くなってきたが、風は涼しくて気持ちがいい。

駐車場に戻ると数台の車が停まっていて、この日初めて普通の観光客らしき人を目にする。道路を走る車も少し増えてきた。それでも土曜日にしては明らかに少ない。あまり人が増えずに静かな自然を楽しみたい。

三角池(みすまいけ)

車道沿いにある池で、車を運転していても木々の間から見える。池の周りに駐車場はなく、車窓からだと普通の池に見えるので、池の存在を知らないと素通りしてしまう。実際は透明度が高くとても綺麗な池。名前の通り三角形らしいが、池畔からでは全く分からない。「三角」を「みすま」と最初から読む人はなかなかいないと思う。

6月にはワタスゲが咲き乱れるらしいが、まだ少し早かったようだ

三角池からさらに車を走らせ、自然探勝コース終点の木戸池に向かう。木戸池に着く手前で、開けたいい感じの湿原とそこを通る木道が車窓から見えたので、木戸池でUターンして戻る。そこは田ノ原公園内にある田ノ原湿原。ここから木戸池まで遊歩道が続いているので、湿原の木道を歩いて木戸池まで行く事に。池までずっと平坦な木道が続いていると思ったら、途中から少し急な登り道もあったりして疲れた…明らかに睡眠不足なので仕方ない。

木戸池(きどいけ)

木戸池もなかなか綺麗。ここまでいくつも池を見てきたが、飽きそうで意外と飽きない。どの池も周囲の景色を映していてとても綺麗だから。これだけ水面への映り込みがいいのは、風が少なくあまり波が立たない事が理由の1つだろうけど、他に水質や透明度なども関係しているのだろうか。

木戸池からまた田ノ原湿原を歩き車まで戻る。少し息切れ気味で足元がおぼつかない感じ。睡眠不足の影響が顕著に出てきたか。そんな事など気にせず、今回の旅のメインである「池巡りコース」へ向かう。

↑自然探勝コースここまで↑