|
|
車の窓を叩く音で夜中に目を覚ますと、外に2人の警察官の姿。1人は懐中電灯で車内を伺っている。げげっ、職務質問… 人も車の通りも無い道路の路肩に車を停めて寝ているのが怪しまれたのだろうか。これまで20回も車中泊の旅をしてきたが、職務質問を受けるのは初めて。免許証を見せて、車中泊旅行の途中で駐車する場所が無かったので路駐して寝ていた事を説明。すると特に何かを注意される事もなく去ってくれた。本当は駐車禁止の場所なのだけど、それについても何も言われなかったので、まぁいいかと再び眠る。このところ深夜から朝方にかけて寒くなり、寝付きにくくなってきた。 |
|
|
6:30頃寒くて目を覚ます。大和ミュージアムの開園は9:00からなので、それまでファミレスで時間を潰そうと車を走らせ、ジョイフルを見つけて入店。この旅を始めて以来、店で朝食を食べるのはこれが初めて。我ながら食事に無関心なヤツだと思う。旅行先でのご当地グルメなどにも全く興味が無いし。普段はそれなりに栄養バランスを気にしてはいるが、車中泊の旅では観光と移動が優先され、食事は最も軽視される項目になってしまう。まぁ旅行の時くらい食事が適当でも問題無いだろうという事で。ジョイフルで2時間ほど時間を潰してから大和ミュージアムへ。 |
|
大和ミュージアム |
外には大和の碇・大砲・スクリューのレプリカ |
|
大和ミュージアムには10分の1サイズの戦艦大和の模型があり、2005年の開館当時にニュースで見た巨大な大和模型が印象に残っていた。特別大和に関心がある訳ではないが、模型やジオラマを眺めるのが好きな自分にはかなり興味深い代物。という事で、広島県を通る今回の旅で観光する機会が訪れた。500円の入館チケットを購入し建物の奥へ進むと、早速大和の模型がある「大和広場」に出る。 |
|
|
|
|
|
|
10分の1サイズで全長26.3mもある超巨大模型。大きいだけでなく細部までよく作り込まれている。大和好き・模型好きでなくとも圧倒される代物。この模型は最新の資料や海底探査などの情報に基づいて製作されていて、完成後も新たな資料により改装されてるとか。大和広場は吹き抜けになっていて、2階・3階から見下ろすことも出来る。 |
|
|
|
|
大和ミュージアムの別名は「呉市海事歴史科学館」。呉市は大和を建造した東洋一の軍港として栄えた街で、展示室には造船や戦争に関する資料を通して呉の歴史を紹介している。実は大和の模型以外は何があるのか全く分からず入館した訳だが、それらの展示物も大変見応えのあるもので、特に戦争当時の映像などは模型以上に興味深いものだった。戦争を知るための博物館としても非常に価値のある場所。 |
|
|
|
|
|
|
|
大型資料展示室という空間には零戦や魚雷なども展示されている。他にも体験コーナーやライブラリーなどがあり、本当に見応えのある博物館。3階のテラスからは、道路を挟んだ向かいにある「てつのくじら館」の潜水艦が正面に見える。館内を一通り回って1階まで降りると、エントランスやお土産売り場は沢山の来館者で賑わっていた。月曜日の昼前にも関わらず多くの来館者がいるのも納得の博物館。大和ミュージアムの次は向かいにあるてつのくじら館へ。 |
|
大型資料展示室 |
てつのくじら館 |
|
|
てつのくじら館は何と言っても外に展示されている実物の潜水艦が印象的。ここも以前から気になっていた場所。海上自衛隊の無料施設で、事業仕分けの対象で話題になった事でも記憶に新しい。で、入館する前から不安に感じた事がひとつ。入館する人の姿が全く無い。向かいの大和ミュージアムは有料でも沢山の来館者がいるのに、こちらは無料にも関わらず入口に人の姿が無い。何だか妙に入り辛くなってきた。しかしここまで来て入館しないわけにもいかないので、意を決して中へ。 |
|
2階掃海コーナー |
3階潜水艦コーナー |
|
入口からエスカレーターで2階に上がると、上りきった所に何故か係員が立っている。何だか妙な違和感がある。2階は機雷を除去する「掃海」のコーナーになっていて、掃海艇や資料などが展示されている。館内は思った通りガラガラ。そして客の代わりに何人もいる年配の係員にやっぱり違和感。何だか居心地が悪い…3階は潜水艦のコーナーで、魚雷や潜水艦模型などの展示がされている。が、個人的に興味を惹かれるものがない…そして3階にも複数の年配係員。唯一楽しめたのは外の潜水艦の内部見学。2004年まで実際に海上自衛隊で活躍していた潜水艦「あきしお」。操縦室や船室など結構いろんな所を見学できる。操縦室の潜望鏡で外を眺めることも出来る。 |
|
潜水艦操縦室 |
潜望鏡で覗き見中 |
|
てつのくじら館は専門性が高くて万人受けする所ではないと感じた。興味のある人には非常に有意義な場所なのかもしれないが、そうではない人が何となく行ってもあまり楽しめない、というのが感想。大和ミュージアムのように、誰もが知っている「戦艦大和」・誰もが少なからず関心を持っている「戦争」というように、万人に受け入れられやすいものをテーマにした博物館でないと集客は難しいと感じた。 |
てつのくじら館から外を見る |
|
そして何より気になったのが、館内にいる過剰な年配係員。どう考えても無駄に多い。天下りの匂いがプンプン…(違ったら失礼!) 事業仕分けの対象になるのも仕方ない現状かと。ちなみに、大和ミュージアムにいる係員は皆若くて綺麗な女性だった! |
|
夜中の寒さが睡眠の妨げになってきたので、てつのくじら館の隣にあるデパートで毛布になるようなものを探す。そして無印良品で2500円の「あたたかファイバー薄手スロー」というものを購入。暖かそうで手触りも良く、100cm×180cmとサイズも十分。これは使えそうだ。考えてみればこれまでの車中泊で、1度もこういうものを使ったことが無かった。ちなみに今回は枕代わりのクッションと、長時間の運転でもお尻が痛くならないように低反発クッションを持参。これらのアイテムの使用も今回が初めて。これまでは荷物を増やすのが嫌で準備しなかったが、やはり快適装備は多い方が旅が楽になる。 |
|
呉市から隣の広島市へ進み、原爆ドームの隣にある平和記念公園へ。広島の平和記念公園や平和記念資料館は、日本一周旅行で訪れた場所の中でも特に印象に残った場所のひとつなので、今回の旅でも絶対に外せない訪問地だった。 |
|
|
|
|
|
|
|
車を停めるため公園の専用駐車場を探して、公園の外をぐるっとまわってみるも見つからず、念のためもう一周してみるがやっぱり見当たらない。どうやら平和記念公園・資料館には専用駐車場は無いようなので、公園の側にあるタワーパーキングに駐車。 |
|
平和の鐘 |
原爆の子の像 |
|
|
|
|
この日の平和記念公園には、野外活動をする園児や小学生が沢山いてとても賑やか。しかし不快感はなくむしろ平和を感じさせられる。原爆の子の像の前にしゃがんで絵を描く、黄色い帽子を被った園児達の光景が特に印象的。9年前の日本一周旅行で訪れた時は、原爆の子の像の周りに沢山の折鶴が野ざらしで置かれていたが、現在は像を囲むようにケースが建っていて、その中に折鶴が飾られている。 |
|
|
|
|
|
原爆死没者慰霊碑 |
嵐の中の子の像と後ろに平和記念資料館 |
|
澄み渡る青空と公園の緑、そして沢山の子供たちの声。とても平和的で穏やかな光景。公園内に複数ある慰霊碑や像、そして原爆ドームが戦争と原爆投下の事実を訴えているものの、ここが原爆の爆心地で焼け野原になったとは想像もつかない。そしてその戦争の現実を教えてくれるのが、平和記念公園内にある広島平和記念資料館。日本人であるならば、富士山と並んで生きている内に一度は訪れるべき場所だと勝手に思い込んでいる。 |
|
|
|
|
平和記念資料館には戦争と原爆に関するあらゆる資料が展示されている。時間に余裕があるので関心のある資料はじっくり読みつつ、時間をかけて館内をまわっていく。館内はフラッシュを使わなければ撮影OK。しかし被爆者の生々しい写真や被爆者の原寸大ジオラマなど、心が痛んでカメラを向けることが出来ないような資料もたくさんある。 |
|
原爆投下直後の写真 |
|
8時15分で止まった時計 |
|
被爆者の写真や衣服 |
黒こげになった三輪車 |
|
この資料館で戦争と原爆投下の現実というものを嫌というほど見せ付けられる。自分は戦時中に生まれていなくて本当によかったと思う。そしてこれから死ぬまでも戦争には関わりたくないと強く思う。戦争は憎しみと悲しみ、恐怖と苦痛しか生まない。今の日本が平和な国で本当によかった。 |
平和記念資料館から見る原爆死没者慰霊碑と原爆ドーム |
|
原爆死没者追悼平和記念館 |
平和記念・死没者追悼空間 |
|
平和記念資料館を見学した後は、資料館の側にある原爆死没者追悼平和記念館にも入館。原爆死没者の追悼と永遠の平和を祈願して2002年に開館した新しい施設。原爆死没者の氏名と写真、被爆体験記などを閲覧することができる。 |
![]() |
|
|
一通り観光を済ませ、15:30をまわってお腹も空いたので、飯屋を探しに平和公園側のアーケード商店街に入る。店が沢山並んだ商店街を歩くのはこの旅始まって以来。普段は人混みをなるべく避けて用のある時以外はあまり街歩きをしないが(それでも20代半ばまでは街遊び大好きシティボーイだった!)、久しぶりだと何だか落ち着く。用はなくとも大型電気店や雑貨店の中を見て回ったり、本屋で立ち読みしたくなる。長期間非日常的な車中泊の旅をしていると、日常生活の場が少し恋しくなることもある。しかし今回はその気持ちを抑え、目に入ったラーメン屋で遅い昼食を済ませ、車を停めたタワーパーキングに戻る。非日常を満喫するのが醍醐味の1つである車中泊旅行に、日常生活と同じ環境はいらない。 |
|
パーキングの係員に最寄の入浴施設を尋ねると、一番近くでも市内中心から少し離れていて場所が分かり辛いので、人生で初めてカーナビに目的地設定をして出発。が、地図が南北逆に表示されておかしくなっているっ!どうやらパーキングのターンテーブルで180度回転したのが原因らしい。非常に見づらい…500mほど走ってやっと正常な表示に戻る。こんな事ってあるんだ。ともあれ、カーナビのお陰で迷うことなく温泉に到着。前日は入浴出来なかったこともあり、思う存分入浴を楽しんだら長湯し過ぎて体力を消耗。「うたたねの湯」という平らな石の上を湯が薄く流れる所に寝転がったら、1時間ほどうたた寝してしまった。 |
|
|
入浴後は山口県の下関を目指して国道をひた走る。道路は広島県の海沿いから山口県の山間へ移り、何も無い暗い山道を走っていると、突然眩しいくらいにライトアップされた日本建築や大きなカカシが姿を現し驚く。こんな山奥、しかももうすぐ23:00という遅い時間に一体何だろうと気になり車を停める。そこは「山賊」・「竈」・「桃李庵」という和風飲食店が並ぶフードテーマパークのような場所だった。どの店もまだ営業している様子。しかし空腹でもこういう店に1人では入りづらい。 |
|
|
|
|
山賊の建物の奥は日本庭園のようになっていて、ちょうちんやのぼり旗が並び木々は照明で照らされ、しかし人の姿はほとんど無く、何とも不思議な空間。まるで「千と千尋の神隠し」の世界のよう。全くもって風変わりな場所だ。庭園を一周して車に戻り、山賊から走り始めて直ぐにファミレスのジョイフルがあったので入店し夕食を済ませる。そして再び車を走らせるも直ぐに眠くなり、0:00を回ったところでコンビニに車を停め、そのまま寝てしまう。 |
|
|
|
||||||||||||
|
ダブルジョイフル。 |