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その4 3日目朝〜昼
5:30頃人の話し声で目を覚ます。道の駅を見回すと、車中泊していると思われる車が結構停まっていて、中にはキャンプ用品で食事をとっている人もいる。観光するには少し時間が早いが、道の駅に車を置いて少し離れた目的地まで歩いて行くので丁度いいと思い、道の駅隣にあるコンビニで弁当を買って軽く腹ごしらえを済ませ、いざ出発。
うだつの上がる町並み
(うだつのあがるまちなみ:岐阜県美濃市)
郷愁町並巡り三箇所目は、岐阜県美濃市にある「うだつの上がる町並み」と言う、国選定重要伝統的建造物群保存地区(長い)。「うだつ」とは、屋根の両端を一段高くして火災時の類焼を防ぐ防火壁のこと。美濃市はうだつが日本一多いと言われている。
岩陰遺跡
民家敷地内では?
不気味な岩陰
これが遺跡
うだつの町までの道のりの途中には、国重要文化財の美濃橋や県指定文化財の上有知川湊灯台があるのだが、写真を撮るには明るさが十分でないので見物は帰りに。しかし途中興味深い案内板があったので、矢印の示す横道に入ると民家の敷地内?大丈夫なの?と思いつつも進んで林の中に入ると現れる不気味な岩壁。岩壁の上の方が前に出ていて、目の前まで来ると飲み込まれそうな感じ。「岩陰遺跡」の名前通り、岩陰に遺跡?がある。
停留所名もこんな感じ
人も車も全く無いメインストリート
そして道の駅から15分ほど歩いてうだつの上がる町並みに到着。時間は6:30で店も開いていなく、観光客の姿も車も無く静まり返っている。なんかいい気分。メインストリートにはうだつの上がる建物が軒を連ねている。これはなかなか素晴らしい光景。この町は江戸時代に築かれたものらしい。
うだつが並ぶ様は見応えあり
ゆるい弧を描いたうだつ
昔ながらの日本家屋が道路の両脇に整列するように軒を連ねる様子は素晴らしい。前日訪れた郡上八幡も古い町並だったが、こちらの方が何処か洗練されている感じ。うだつが上がっているからだろうか、建物一軒一軒に存在感がる。かなり古そうな建物からさほど古くなさそうなものまであるが、どの家屋も綺麗に手入れがされている様子。それと郡上八幡にはどの通りにも電柱が立ってたが、こちらのメインストリートには見当たらない。景観にかなり力を入れているのが分かる。
うだつの無い建物もある
うだつの上がらない男、うだつの町でたそがれる
元々うだつは防火壁の役割をするものなのだが、装飾が施されるようになり富の象徴と言われるようになった事で、「うだつが上がらない」の語源になった。確かに装飾の施されたうだつが多い。
この町はうだつも多いが格子も多い。建物正面が全て格子で埋まっているものもある。これらの一般家屋の格子は外からの視界を遮る役割があるのだろうけど、どちらかと言えば装飾的要素が大きいように思える。格子のある家は風情と落ち着いた佇まいを感じる。
格子に何故か惹かれる
全面格子づくり!
細い横道に入っても昔ながらの木造家屋が軒を連ねている。ただ横道ある建物は、うだつの上がっている所は少ない。「富の象徴」が関係しているのだろうか。感心したのは、真新しい民家も景観に合わせた造りになっている事。それとエアコン室外機やLPガスを格子で隠している家も見かける。本当に景観を大切にしているのだなぁと思う。
横道に入っても古い建物が並ぶ
長屋発見
新しい家も格子造り
景観に配慮
うだつの上がる町並みを一通り見て周辺も軽く散策。ふと古びた小さな寺が目に入った。木々で覆われ社殿が隠れている様子に興味が惹かれ、境内に入ってみると、社殿の隣に半壊したボロ屋が。いったこれは何だ?境内もあまり手入れされていない感じ。そして社殿の軒下には蛇の剥製?と不気味な生き物の彫刻?が。ちょっとこれは気味悪いよ…寺ってこういうもんだっけ?よく分からないので祟られぬうちに寺から立ち去る。
中濃八十八?
木々で覆われた社殿
ちょっと怖い
うだつ観光ついでにちょっと寄ってみたかった旧名鉄美濃駅へ。現在は全線廃止されている名鉄美濃町線という路面電車の終着駅で、路線廃止に伴い記念館となった駅舎。駅には路面電車が展示されている。駅舎の開館時間9:00より30分以上早く着いてしまった。しかし外からでも十分展示車両を見ることが出来るので、開館まで待たず柵の間から写真を撮って終わり。車を停めてある道の駅へ向かう。
柵の隙間から撮影
外からでも十分見れる
前日の夜に道の駅に着いた時に、目の前にある山にライトアップされた天守閣のようなものが見え気になり、どうやらそれは展望台だと分かったので、道の駅に戻るついでに寄ってみることに。小倉公園という城跡のある公園の山道を暫く登って姿を現した展望台は、やはり天守閣風の建物。階段を登って展望台最上階まで上ると、そこからは美濃市を一望できる眺望。これはなかなかいい眺め。
小倉公園展望台
展望台から美濃市を一望
9:00をまわり陽も高くなり、前日のような暑さに。山道を登ったので余計に暑い。しかも足が疲れ気味。前からGWはこれくらい暑かっただろうか、それとも異常気象で年々暑くなっているのか、もしや自分が年と共に暑さに弱くなっているのだろうか…陽が当たらず空調の効いた環境下で毎日仕事をしているので、次第に体が弱っているのではないかと、この頃心配になる。いやしかし、まだ富士登山を事前の体力づくり無しの徹夜登山で出来るから大丈夫でしょ、と自分に言い聞かせ安心する。
小倉山を下りて、道の駅からうだつの町へ歩いた道へ戻り、後回しにしていた上有知川湊灯台(こうずちかわみなととうだい)と美濃橋の見物。上有知川湊灯台は、江戸時代後期に建てられたもので、住吉型高灯籠という全国的にも珍しい形式の灯台。県指定文化財になっている。
美濃橋は大正五年(1916年)に建てられた吊橋で、現存する最古の近代吊橋で国の重要文化財に指定されている。と言われても、ぱっと見は何処にでもありそうな普通の吊橋。しかし吊橋の入口には通行規制の案内板。20人が限界とは少し不安な橋。
全長113mの美濃橋
車はダメ
暑くてクタクタ
うだつなマンホール
道の駅に戻ると広い駐車場は満車になっていて、空き場所を探す何台もの車が駐車場内をグルグル回っている。そして沢山の人。どうやら地元特産物の即売会?のような催物をやっている。お腹が空いたので道の駅のレストランへ行くと、券売機のメニューは飲み物・デザート系以外は全部売り切れ…何故?催物の関係だろうか。仕方ないのでまた道の駅隣にあるコンビニで適当に買って車内で食べる。相変わらず食事は適当な車中泊一人旅。これでいいのだ。