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その3  2日目早朝〜朝

 

それにしても寒い。ヒーターを点けて車内を暖めても、消すとすぐに温度が下がってしまう。とりあえず眠っても1時間くらいで寒くて目が覚めてしまう。道の駅の気温計を見るとさらに下がって3℃。毛布が欲しい…寝て起きてを繰り返しているうちに5:00をまわり、日の出を見るため桧原湖畔へ向かう。寝た気がしない。

桧原湖

(ひばらこ:福島県北塩原村)

日の出がよく見えそうな所を探してとある湖畔に辿り着く。桧原湖と周囲の山々には雲が降りていて、風で雲の流れが早く刻々と景色が変わっていく。なかなか幻想的な眺め。ただ雲が邪魔して朝日が見られないのではないかと不安に思っていたら、案の定どんどん雲が増えていき、太陽が出てくる方角は完全に雲で覆われてしまった。日の出の時間を過ぎてもなかなか太陽は姿を見せず、暫くしてやっと雲間から僅かに顔をだした程度。前回の「信州巡り2」の旅の時と言い、暫く綺麗な朝日に縁が無い。

湖面にまで雲が降りている

太陽が見えたのはほんの僅かな間だけ

次の目的地、宮城県の蔵王に向かうため桧原湖畔沿いの道路を北上していると、桧原湖の印象的な風景が目に入ってきたので車を停める。大きなカメラでその風景を撮っている人が数人いるので、ここが桧原湖の日の出の撮影スポットなのだろうか。初めからここで日の出を待っていればよかったなと思った。ただ相変わらず雲が多く、太陽がほとんど顔を出さないのは惜しい。

車を走らせていたら印象的な景色が目に入ってきた

それからも途中途中で車を停め朝日で染まった湖の風景を楽しむ。湖畔沿いの道路の車の通りはほぼ皆無。普通の旅行客はまだホテルで寝ているか早めの朝食をとっている時間。こういう早朝の景色が見れるのも、時間に囚われない車中泊の醍醐味の1つ。

ここからも太陽が僅かに顔を出す

何処を見ても絵になる

湖の中に浮かぶ小屋のような建物をいくつか見かけたが、あれは一体なんだろう。ボートで釣りをする人の休憩所か何かだろうか。桧原湖畔の紅葉はまだ色づき始めたばかりといった感じ。前日観光した浄土平とは大して離れていないのに、標高差で紅葉の色づき具合が全く違う。

ボートで釣りでもするのだろうか

桧原湖の紅葉は色づき始め

さらに湖畔を北上して行くと、今までに見た事の無い光景が目に入ってきた。外気よりも湖の水温の方が高いからだろうか、湖面から水蒸気が発生して、それが上に上り雲のような固まりを作っているかのように見える。写真では動きが無いのでよくわからないが、実際目にする水蒸気の流れはとても不思議な光景。

水面から水蒸気が発生して雲を作っている?

白布峠

(しらぶとうげ:福島県山形県県境)

桧原湖の北端まで進み、そこから西吾妻スカイバレーという山道に入る。もともとは有料だったのが数年前から無料になったらしい。時間は7:00でまだ交通量は少ない。山道はどんどん上へ上っていき、いつの間にか辺り一面紅葉の景色になっていた。視界に広がる山々全てが紅葉していてとてもいい眺め。

奥の奥の山まで見事に紅葉している

紅葉風景が広がる西吾妻スカイバレーの中間点辺りは白布峠という所で、ちょうど福島県と山形県の県境。ここからさらに北上を続け、蔵王に入り宮城県のお釜を目指す。

だいぶ高い所まで上って来た

山道なので仕方のない事なのだが、西吾妻スカイバレーの峠道はカーブばかりのくねった道が延々と続き、綺麗に紅葉しているとはいえ山中の景色だけを見続けていると運転に飽きてくる。前回の旅でとんでもなく悪路な山道を延々と走らされ、おまけにパンクもしてうんざりした事もあり、山道を長時間走るのは結構しんどい。次の車中泊の旅は海沿いがいいなぁ…

芳澤不動滝

(よしざわふどうだき:山形県米沢市)

西吾妻スカイバレーの道路脇にある滝。何処にでもある「不動滝」。滝の周りに木々が生い茂っていて、陰になってあまりよく見えない。落差10mらしいが、陰になって大きさもよく分からない。

西吾妻スカイバレーには他にもいくつもの滝があるようなのだが、早くお釜へ行きたいので車を走らせていて見つけた滝だけ寄ることにした。

白布大滝

(しらぶおおたき:山形県米沢市)

芳澤不動滝からスカイバレーをずっと下っていった先に「白布大滝」の看板を発見。「大滝」というのに惹かれ車を停めて、滝への道に入る。滝へ続く歩道は足場が悪く傾斜もきつい下り道。何気に険しい。しかも車道からすぐだと思ったら結構歩かされる事に。そして中途半端に疲れて辿り着いた白布大滝は、名前から連想する期待を裏切る大きくない滝。さらに二段の滝の上の段は人工的に造られた提状のもの。何じゃこりゃーっ!…かなり騙された気分。

名前に騙されるなっ

西吾妻スカイバレーを抜けて市街地に入ると、次第に霧が濃くなっていき遠くの景色も空模様も全く分からなくなってしまった。蔵王のお釜に1年前に訪れた時は、悪天候で全く見る事が出来ずかなり悔しい思いをした。なので今回こそは晴天の下で眺めたいと思っていただけに、蔵王周辺の空まで曇っていないか心配でしょうがない。しかし暫く走って霧を抜けると、空は雲ひとつない快晴だったので一安心。そして山形県から宮城蔵王のお釜へ続く山道の、蔵王エコーラインに入る。

エコーラインの車窓からの眺めは紅葉が素晴らしく、車を停めて写真を撮りたい所なのだが、なかなか車を停められる場所がなく交通量も多いので、仕方なく先へと進む。暫くエコーラインを上って行くと、広い駐車場とリフト乗り場があったので車を停める。どうやらここからリフトでお釜まで行けるらしい。もう少し進むと1年前にも通った、お釜のすぐ側まで車で行ける有料道路の蔵王ハイラインがあるのだが、リフト乗り場の駐車場がすでにほぼ満車状態なので、ハイラインの方はもっと混んでいる可能性が高い。それにリフトに乗ってみたかったので、お釜までリフトで行くことに。

リフトからの景色も最高

馬の背

見えてきた!

リフトを降りてお釜のある方へ向かうと、「馬の背」という開けた緩やかな傾斜が広がっている所に出る。そしてお釜のてっぺんが見えてきた!空は雲ひとつない快晴でこれ以上ない最高の天気。遂に念願のお釜とご対面!!