トップページ

三度目の登山 2005年7月23日

三度目の登山の目的は富士山から見る日の出「ご来光」と、火口を一周する「お鉢巡り」。しかし高速道路を走って富士山に向かう途中、中央自動車道河口湖ICの手前から濃霧。高速道路の標識がかなり近づかないと見えないくらいの濃霧のせいで、降りるべき河口湖ICを過ぎてしまい、その先の山中湖ICで高速を降りて河口湖まで戻る。登山前からのアクシデントに波乱の予感が…

 

0:30河口湖口五合目に到着。有料道路の富士スバルラインも濃霧だったが、五合目は霧が晴れていた。登山シーズンは夜中でも満車になるという駐車場だが、冴えない天気のせいか車が少なく、登山道入り口から最も近い駐車場に車を停めることができた。

今回は富士山初登山の友人が同行。深夜にも関わらず売店が一軒営業中だったので、友人が金剛杖を購入。登山道は足場の不安定な岩場も多いので杖はあったほうがいい。

0:50登山開始。登山道に灯りはなくほとんど真っ暗なので、持参してきたライトを点けて歩く。河口湖口五合目から七合目までは有料の馬に乗って登ることもできるのだが、その馬の糞が登山道にあちこち転がっているので踏まないよう注意!正に照明は必需品(笑)。

五合目から30分ほど歩くと山肌に照明が見えてきた。一番高い所にある照明が山頂だと思ったが、実際は七合目にある数件の山荘の照明だった。七合目より上は雲に隠れて見えない状態。でも満月がきれいに見えるのでご来光も見れることを期待して登山続行。

深夜なので涼しく、強い日射しによる体力の消耗がないので快適!これから富士登山をする時は絶対夜から登ろうと思った。深夜だからか天気が悪いからか、登山者はかなり少ない。人が少なくて、涼しくて、暗くて。とても落ち着いて登れる。ただ、外の景色を楽しみながら登山できないのが難点。

七合目に到着した時には富士山の周りに雲が広がっているものの、ご来光は見られそうな感じだった。しかし…

ご来光を見る予定だった八合目に着く頃には雨が降り始めてしまった。寒さもグンと増してきた。雨合羽と軍手と長袖のシャツを着用。100円ショップで買った雨合羽(大人用)が小さい…周りの登山者は皆本格登山装備をしている。自分と友人の二人だけがやたらラフな格好。標高3000mを越し、少し頭が痛くなってきた。

やがて雨は本降りになり、登頂を諦め下山する人もちらほら。しかし自分達はここまで来て引き返す気にはなれず、山荘の僅かな軒下で暫く雨宿り。山荘の中で休憩するには休憩代を払うか、食事などを注文しなければならない!

八合目から山頂を見上げる…

八合目から景色を見渡す…

ご来光の時間になっても微かな陽の光すら見ることは出来ず。無念…この時点でまた富士山に登ることが決まってしまった。ご来光も拝めず、雨も止まず、気分は低空飛行のまま八合目を後にする。

雨足は弱まり降ったり止んだりの繰り返し。そして濃霧、というより完全に雲の中。10m先が見えないくらいの悪視界。これではさすがに山頂に着いても何も見えなそうだが…それでも登るっ!

山頂まであと少しという所まで来ると、雲が引いて視界が良くなり微かに青空も見えたきた。ホント山の天気は分からない。この様子なら山頂に着く頃には、下界を眺めることは出来なくても火口を見渡せるくらいにはなるのではないか、と微かに期待。

五合目から約7時間かけて8:00にようやく山頂に到着!雨宿りをしたこともあり予定より1時間の遅れ。それにしても悪天候の中、よくここまで来れたと自分達に感心。しかし寒い、足が重い、頭が痛い…

ついさっきまで見えていた青空は隠れ、また辺り一面真っ白に。微かな期待打ち砕かれる…それにしても非常に寒い。体感的には5℃以下。

寒いのでとりあえず山頂の山荘「東京屋」の食堂に入る。暖かいものが欲しいので豚汁(800円!)を注文。しかしこれがうまいっ!!しかも豚汁を飲んだら頭痛が一気に引いたのにはビックリ。豚汁に含まれる塩分か何かが頭痛に作用したのだろうか?とにかく一気に元気回復。800円の価値は十分にあった。しかしほとんど頭痛の無かった友人は、おでんを食べた直後に頭痛による体調悪化。お鉢巡りするのも富士山測候所まで行くのも無理との事なので、友人には食堂で休んでいてもらい、単身測候所へ向かう。これ二度目の登山の時と同じパターン…

時計回りにお鉢巡りをしつつ測候所へ向かうはずが5、6分歩いてもずっと下っているのでおかしいと思い、前を歩いている人に聞くとやはり下山道だった…多大な精神的ダメージを受ける。山頂に戻るため下山道を引き返すと、せっかく治まった頭痛が再発し、おまけに足が重くなってきた。体力と時間を無駄に消耗してしまった。

気を取り直して測候所へ向け歩いていると、道の横にある岩山の上に鳥居が見え気になったので、足場の悪い岩場を注意して登る。そこには鳥居ともう1つ鳥居ではなさそうな何かが。鳥居には金剛杖を買った時に付いてくる鈴が沢山巻きつけられている。もう1つの方には何かを吊るす金具がある。天気がよければ何か吊るされているのかな?

この鳥居には先客が一人。その人に写真を撮ってもらう。ペイさんという中国出身の方で、職場の仲間数人と登り始めたが、自分だけ早く山頂に着いてしまったらしい。五合目からわずか4時間半で登頂し、全然疲れていないとの事…凄い。ペイさんも測候所へ行く途中だったので、一緒に行こうと誘う。

剣ヶ峰の急勾配をヒィヒィ言いながら登ってやっとたどり着いた測候所。しかし初登山と二度目の登山の時にはあった、気象情報が書かれたホワイトボードが無くて少し残念。そして山頂を一望できるはずの三七七六の碑からは何も見えず。分かってはいたけど辛い。頭痛でだいぶ疲れたので、測候所で10分ほど休憩。

当初の目的の1つであるご来光を拝めなかったので、もう1つの目的のお鉢巡りは成し遂げねば気がすまないっ!ということで、測候所でペイさんに別れを告げ、さらに山頂を時計回りに進む。

測候所から少し歩いた場所に、ぽつんと小さな気象観測の設備と思われるものが。その周りは工事中で他にも何かありそうだが、数メートル先は真っ白で何も見えず。あまりの視界の悪さに先へ進む道が分からず立ち往生。しかも測候所から来た道も分からなくなってしまった。完全に迷子、と言うより遭難。困った…闇雲に歩いて道を外れたら危ないので誰か来るのを待っていると、直ぐに数人のグループがやってきた。どうやらその人達も河口湖口山頂から時計回りにお鉢巡りをしている途中で、しかもその中の一人が以前にもお鉢巡りをした事があり道を知っていると言うので、一同に同行させてもらうことに。いやホント助かったぁ〜

お鉢巡りの途中、道から少し離れた所に石碑のような物や、石を並べて造られた文字群のような物が見えたが、この悪天候と疲労に寄り道する気にはなれず、ただただ河口湖口山頂へ向けて歩く。そして2時間弱で無事お鉢巡り達成。しかし景色は何も見えずお鉢巡りした実感も達成感も湧かず。次回天気の良い時に登ったらもう一度お鉢巡りしようと思った。

11:30下山開始。下山道はつづら折りの道が延々と続く。途中に山荘は無く景色も単調なので、今何合目辺りまで下りて来ているのかもよく分からない。とにかく精神的負担の大きい道。

六合目まで下りて登山道と合流したのが15:00頃。これから山頂を目指す登山客とたくさんすれ違う。ツアーと思われる団体も多数。この時間から登るという事は、途中で山荘に泊まって翌日にご来光を眺めようという考えか。しかし山頂は視界最悪の天候。しかも天気予報では、翌日はもっと天気が悪くなる模様。みんな大変な目に遭うんだろうな〜と思いつつ、もう前を向いて歩く気力もない自分は地面を見ながら本能のみで歩く…

15:30過ぎに五合目帰着。今回は登りより下りの方がきつかった。五合目から見上げる富士山頂は雲が掛かって全く見えない状態。それでも五合目には登山客が沢山、駐車場もだいぶ埋まっていた。

悪天候でご来光を見ることが出来なかったのは本当に残念だったが、雨に降られ、視界は最悪で、山頂で迷子になり…と、ハプニング続きの登山も面白かったと思う。一度は波乱に満ちた登山も印象に残るしアリかなと。しかし、富士山初登山だった友人にとってはもう二度と登りたくない山になってしまった(笑)。

次回こそはご来光を見るぞっ!!